不透明なチカラですが、なにか?

テーマはいろいろ。というか絞れません。2013年7月以前は他のブログサービスからインポートしたので、リンクや画像等がなくなってるかもしれません。

人手不足→賃金上昇で、働く人の逆襲は始まるか?

 

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人手不足によるバイトの時給上昇みたいな記事がいろいろ出て、話題になってる。


 

いやいや人手不足は、外食や小売業ばかりじゃないって。アルバイト・パートの時給がフルに働けば、正社員と同じぐらいか、むしろ上回る事態はあちこちで起きている。

経営サイドの危機感からか、プレジデントではこんなマンガが描かれていた。

 

アルバイトの時給は需要と供給で決まるが、正社員は違う。「終身雇用と年功序列をベースとして会社という家族に守られている」と結ばれている。もうオカシクて(笑)

この先、いったいどこに終身雇用があるんだろうか。


もともと電通はそうでもないかもしれないけど、日本の終身雇用年功序列の象徴するような企業、三菱電機が労基法違反で書類送検された。

 

これはどう考えればいいだろう。


私はこういう流れは当然だ。東京周辺では、人手不足が深刻化してる。営業時間の短縮とか閉店とか、そんなことが起こってる。

一方で日本的な経営、滅私奉公で長時間労働するのが当たり前という歴史のある巨大企業はそのまま。人口減少している日本で、女性の社会進出を促進し、国際的にもワークライフバランスが求められている政府。労働力がもっと流動化しないとヤバいよと、ブラック企業はどんどん摘発しろと霞ヶ関からお達しが出てても不思議じゃない。

そう思ってるんだけど。


ところが先日、ある行事が終わってから、20代から70代までさまざまな職業の人たちと一緒にガストに行った。
なぜガストになったかといえば、山手線の駅前なのに大きなカフェチェーンとかファミレスがなかった。入れたガストも休日の昼下がりだというのに、混み合っていた。客は多いけど、ウエイター・ウエイトレスは少ない。それで人手不足の話になった。
ところが中高年は、なぜ人手不足なのかわからないという。20代は自分の会社の現状が、人手不足なのに人を増やしてもらえないと嘆く。まるで日本社会の縮図のようだ(笑)

 

人手不足は、いくら機械化・自動化されても止まらないって

中高年の実感だと、機械化・自動化、ましてやAIが進出して、この先、人間のする仕事は考えることだけになるだろう。みたいなことらしい。そう思えるほど、今まで自分たちは考える仕事をしてきたんだろうか(笑) 


パターン処理するだけなら、AIが出てこなくたって、すでに不要になってる。たとえば大きな病院。風邪で行ったとしたら、医者はいくつか質問をしながら画面に打ち込む。すると「風邪薬セット -C-」を処方すべしと表示される。ポピュラーな病気なら、これで終わり。患者を診なくたって、質問さえすれば処方できる。別に実質的に医者は必要じゃないけど、医療行為をするのは法的に医者じゃなきゃだめだ。処方も医者じゃなきゃ、できない。
理事長とか院長からすれば、常勤の医師は看板になるような人が少数いればいい。あとはインターンだけだって構わないと思ってるかもしれない。ソフトにある問診さえしてれば、医療ミスも起こらないし、事故が起こったって法的な質問はないし。ぐらいで。

医者がそうだから、弁護士だって同じようなものだ。世の中の頭脳労働と言われるものだって、ほとんどがパターン処理で終わり。それでも医者は法律で必要だし、法律が変わったとしても、高齢者は家で「ネットで打ち込んで診断→薬を処方」だけですんじゃう人は少ないだろう。話を聞いてくれないと、気持ちが納得しない。

 

そう、人が応対してくれないと客が納得してくれない業態が、まず人手不足に陥っている。

 

 

圧倒的な供給過剰と、客の過剰な要求があるんじゃないの

駅前に大きな店はガストしかなかった。でも飲食店、なかでもファストフードやカフェチェーンみたいなとことは、とんでもなく増えてる。この駅の乗降客からしたら、供給過剰かどうかわからないけど、でも10年前と比較したら圧倒的に増えてるはず。


ところが多くの客は、お茶を飲んだり軽く食べたいというニーズでは、そこそこの距離なら最安値店を選ぶんだろう。安い店に客は集中し、高い店には入らない。高い店でも入るのは、デートかどこかで話題になっているメニューが目的のときだけだろう。ただ食べるというより、流行を体験するとか、インスタにあげられるとかそんな理由ね。


ガストは混んでるし、中には勉強している学生たちが何人もいた。これじゃあ、儲からない。前に書いたこれと同じね。

 

飲食店自体は増えてるので、バイトやパートしてくれる人たちは取り合い。時給は、上がる一方だろう。

 

 

どこでも時給1500円は、たぶん目前に迫ってる

 

2015年にあった「ファストフード世界同時アクション」デモ。このデモでは、ファストフード業界などの時給を1500円に上げろということが叫ばれてた。

このデモに、ファイナンシャルプランナーは「マクドナルドの時給1500円で日本は滅ぶ」と書いてた。LINEの執行役員は「時給低いの嫌ならやめて、時給高い仕事に付き直せばいいのでは?奴隷じゃないでしょう」とツイートしてた。

 

もっともな部分があっても、そういう言い方はないだろうと、私は「時給1500円で日本は滅ばねぇわ」と書いた。


1500円になったら、ファストフードが壊滅する? いやいや東京周辺では時給1500円が目前に迫ってるけど、日本が滅びそうな気配はない。

外食産業、特にファストフードが利益上がりにくいのは、単純に多過ぎるからだ。ファイナンシャルプランナーもLINEの役員も、付加価値のない仕事だから時給が安い。要するに誰でもできる仕事だから安いんだという理屈だ。

なんかイヤーな感じ。自分たちは付加価値が高くて、他人にはできない仕事をする能力があるから高給取りなんだよと言いたいみたいな。

 

じゃあ人じゃなくロボットになっても、客は来る? 

なんともわからないけど、マクドナルドはセルフレジとか人を増やさない方向に試行錯誤しているみたいだ。安さを競う店じゃなければ、人間が応対することが求められると思うけど。

 

誰でもできるどころか、誰もやってくれなくなったら時給は上がる?

いまの人手不足の状況は、そうなりつつある。ただ時給1500円になる前に、多過ぎるファストフード店が潰れていくだろう。もうここ数年、そんな傾向だ。

じゃあファイナンシャルプランナーの言う通りじゃないかって? いやいや違う。企業が成り立たないから、時給を抑えろっていう発想がおかしい。企業が店が、成り立たないほどの供給過剰だからだ。

付加価値のない仕事だから時給が安いんじゃなくて、多くの経営者や起業家が「誰でもできる仕事を作れば儲かる」「取り替えのきく人がメインじゃないと業務が成り立たない」と考えてるから、そうなる。

 

それはDeNAがやってたみたいに、インターンを大量に集めて、時給1000円ぐらい。それでパクリ記事を90分で1本あげろ、みたいな仕組みに行き着く。インターンだから時給は高く要求されない。パクり方のマニュアルがあれば、誰でもできる。知名度があるから、学生インターンは次々に取り替えられるということね。

DeNAやLINEなら正社員だってアルバイトだって殺到するだろうから、時給は低く抑えられる。というか人手不足なんていう危機感もないだろう。

 

でも正社員が採れなくなってきた企業が、思いのほか多いようだ。 

IT業界の多くは、エンジニアの人海戦術を得意としてるから、人が消耗する。消耗するから長続きしない。以前はなりたがる人が多かったから、辞めても補充がきいた。

ところが東京には同じような同業者が溢れかえってるから、どんどん人が採れなくなって、地方に出掛けて採用のパイプをつくる。で、社宅マンションを用意してたりする。上京して社宅に入れば、カンタンには辞められない。

別にこれが悪いことかというと、そうでもない。工業系などでは、昔からやってる手法だ。ただIT企業といったところで、工場と同じってことだ。

問題は、はたしてそれ以前から働いている人たちに社宅住みと同じだけの金額が、手当としてプラスされているかどうかってことだ。

 

 

小さな事業体では、前からいる人の時給は据え置きも

 

大きなチェーン店なら、求人サイトなどで大々的に募集してるから、前から働いてる俺の時給は1000円。でも新しく出ている同じ内容の募集は、時給は1500円なんてことをしてたら、すぐにバレる。バレから、まずやらない。

 

でも今起こっているのは、大手ではない企業の時給の逆転現象。今までやっている人の時給は据え置きなんてことがあちこちで起こってる。

きっと派遣でも見えにくい分だけ、同様のことは起こってるじゃないかと思う。

 

逆襲したいなら、今がそのタイミングだ。周辺の情報を仕入れて、賢く立ち回らなきゃ。

企業だって、どう安くマシンのようにこき使うかじゃなく、どうやったらやりがいを持って仕事してくれるかを考えないと、成り立たなくなりそうよ。

 

今日のBGM438【 Avicii vs Nicky Romero - I Could Be The One 】

 

全英No1ヒットになった曲。こんなイカレたのが1位になるなんて、さすがにイギリスは頭オカシイ(笑)

TOO LATEにならないうちにね、ってメッセージか。

 

日本ではニッキー・ロメロのベスト盤に入ってる。

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生まれた瞬間に、結婚相手が決まっているようなディストピアは来るのか

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たまたまテレビをつけたら、Eテレで「新世代が解く!ニッポンのジレンマ 元日SP」というのをやってた。

新世代が解く!ニッポンのジレンマ 元日SP

1975年以降生まれ以外「立ち入り禁止」の新鮮なスタジオで、新世代がジレンマを解く!というもので、これは朝生より面白いぞと見入ってた。

といってもジレンマが多すぎて、噛み合ない主張が深堀されることがなく、中国脅威論みたいなことには思考停止と「論客」が自分から言っちゃうくらいで、なんだよ。最大のジレンマを放ったらかすのかよと、ひとり深夜に突っ込んでた。

 

もうひとつ、カクッとなったのはAIについて。あまり盛り上がらず、出演していた「論客」たちの中では、大澤 聡さんというメディア史が専門の近畿大学准教授がしつこく懸念を出してたぐらいで、他の人の発言は概ね楽観視している感じだった。

私もどうなのかわからないから、活発な議論が聞きたかったんだけど。AIについては、以前にも書いてる。



どうなるかわからないけれども、次の金儲けのネタはAIだ。AIに仕事を奪われるのは嫌だから、AIを使って人間レスで儲けたいという目端が利いた人たちがなだれ込んでいるから、ヤバいことになるだろうなという気がしてる。

 

そんな中、ニッポンのジレンマの中で、リクルートAI研究所所長の石山洸さんがドキッとすることを発言してた。
たしかどこかの大学と、2050年のディストピアを想像してみるというセッションの中で「生まれた瞬間に結婚相手が決められている」というものだったと思う。そうならないために、専門家だけじゃなくて多くの人の関与が必要みたいな話だったと思うけど。
石山氏のこの発言に対応して、からんでいく人は誰もいなかった。私は、ありそうだよなぁ。あるかもなぁと思いながら聞いてた。

 


どうしてそう思うか、ざっくり書くと、まずあらゆる産業でAIが最適化のために使われる。いままで職人とか専門家がやっていた、例えばコンビニで出す中食のレシピを、コスト的に時間的にマーケティング的にどうするのが最適なのかを日々AIが判断するなんてことが行われるだろう。

そして遺伝子検査ビジネスは、急拡大してる。DeNAはMYCODEというビジネスをやってるけれども、はたしてまっとうなのか。番組の中でもGoogleのスローガン「Don't Be Evil(邪悪になるな)」みたいなことを先端企業は守って入るんじゃないか、みたいな発言に対してMCの古市さんだけが「でもDeNAのWELQ騒動を見ても…」みたいなことを軽く触れてた。



アメリカで女性ジョブズと言われた遺伝子検査のセラノス創業者に対して、詐欺だという声が上がっている。遺伝子ビジネスがいかがわしいわけじゃないけど、手がける人たちが、まるで医療ジャンルの規範をIT業界と同じぐらいに考えているような傾向があるのかもしれない。

 

この本は2012年の出版だけど、このジャンルは当時も今も起業家たちの夢、垂涎のイノベーションネタなんだろう。ざっと読み返してみたら、現在どれも実現していないんじゃないんだろうか。

 

Amazon - バイオパンク―DIY科学者たちのDNAハック!

 

 

 

いずれにせよ、遺伝子を解析してこの病気のリスクがあると出ても、必ずしもその病気になるわけじゃない。生活や環境の影響と、遺伝子のリスク両方が必要だけど、はたして遺伝子検査をする人はそれほど冷静なのか。そして何のためにするのか。
しかし、どう考えても検査費用の低減とともに、利用者は拡大する一方だろう。

 

 

遺伝子情報は、個人情報の中でももっともセキュリティレベルの高いもののはず。たとえば銀行の与信をリンクさせれば、遺伝子情報のリスクから住宅ローンを貸さないなんてことが起こってくる。


もしかすると就職だって健康診断書じゃなくて、遺伝子検査票の提出を義務づける人気企業が出てくるかもしれない。さらには、病気のリスクを知るために遺伝子検査をするなら、結婚前に相互の遺伝子検査票でマッチングをする親が出てくるはず。もちろんリスクのない、優秀な子孫が生まれて来るように。

 

遺伝子検査のともなわないのが出会い系で、遺伝子検査でマッチングするのが婚活という風になるかもね。とすれば、生まれた瞬間に結婚相手が決まっているなんて世界が来ても不思議じゃない。もちろん生まれた瞬間に、結婚できないというケースもね。

遺伝子情報の扱いについて、法的な縛りはあるんだろうか。たぶん、ないかな。なければ、検査する企業と検査を受ける個人間との合意だけかも。

 

AIエーアイっていっても、要するにアルゴリズムだから、マッチング成立率を最大化するとか、売上げを最大化するという最初の目標設定で、どうにだって変わってしまいそう。多くの人が関与するなんてことは、見えないんだから実質的に不可能よね。

 

 

 

Amazon - シリコンバレー発 アルゴリズム革命の衝撃   アメリカで起きていること、これから日本で起こること

このところ起ったことをディストピア的ではなく俯瞰的にまとめてある本。

 今日のBGM437【Brazil - Geoff Muldaur】

映画『未来世紀ブラジル』のテーマ曲。

Amazon - Brazil: Music From The Original Motion Picture Soundtrack

あったかもしれない日本、あるかもしれない東京

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年末だし、今年読んだ本でいいものを紹介しようかと考えてたら、今年読んだのは仕事関連の本ばっかり。紹介しても意味ないっていうことより、こんなに現実的な価値のある本ばっかり読んでたらバカになるわ、私。

 

とちょっと反省してたら、あ、面白い本があると。それが『あったかもしれない日本』だ。年末にはいらない本、面白いと思いながらも読み返していない本をブックオフに売りに行く私だけど、この本は10年ぐらい生き残ってる。

 

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ネット企業は、どうしてパクリが大好きなのか

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ある知り合いの作家のブログを読んでいて、う〜んいい文章だな。具体的になにかを得られるわけじゃないけど、読んでいて気持ちがいいわ。これは、どういうことだろうと思って、本人にお会いしたときに聞いてみた。

 

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不審者・犯罪者を事前に察知して、監視する時代がやってくる!?

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ソ連時代、政府の10万人もの生体実験から生まれたという防犯システムが、このところジワジワと普及してるみたい。日本で扱っているのは、エルシスジャパンというロシア政府の研究機関を母体とする会社。

映像から、人の顔周辺の振動を可視化し精神状態を判定するという、監視カメラと精神判定ソフトを組み合わせたシステムで、DEFENDER-Xという商品名です。なんでも1分間の映像があれば、古いものからでも判定できるというのです。

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基礎のない矢野顕子の天才性、そして坂本龍一のA.I.的な秀才性

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昨日土曜の深夜、テレビ朝日の『はくがぁる』という番組で、MC夏目三久、ゲスト清水ミチコ坂本美雨で「矢野顕子学」をやっていた。

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食べログ倒産!? ネット予約のドタキャンばっくれという闇

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けっこう前だけど、知り合いから「食べログのネット予約で、潰れちゃう店がけっこうあるらしい。食べログから予約するとポイント付けるけど、ほったらかしてもポイントそのままらしいよ」と聞いて、驚いた。本当なのか。なんか食べログなら、それぐらいあってもおかしくない気がしてくる。

といいながら、ネット予約で使ったことがないからわからないけど。

というか、あの手のレビューは信用しないので、便利なサイトだとも思わない。

 

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