不透明なチカラですが、なにか?

テーマはいろいろ。というか絞れません。2013年7月以前は他のブログサービスからインポートしたので、リンクや画像等がなくなってるかもしれません。

やり遂げる力=グリットが、これほど持ち上げられるのはどういうことなんだ

f:id:F_chikara:20170804195004j:plain

 

先日「学歴は、やり抜く力の凝縮」「やらない人は自分を正当化する言い訳が上手い」とブイブイ言わせてる起業家の方がツイートして、それをブイブイ言わせてる新手の起業家の方がリツイート

さらに「だからこそ学歴に自信がない人は早い段階で「グリット(やり抜く力)」があることを証明しないといけない」とツイートされていた。

 

一連の流れのに、はぁ〜と溜め息つきながら、自己正当化の権化のみたいな私が、ちょっとは解説しとかないと世の中のバランスがオカシクなるわとばかり、タラタラと言い訳を書いてみる。


というか雇う側の人たちが、あえてこういうことを発信する理由はなんだろう。求職者に対するアドバイスか? それとも現状への不満か? それとも仕事に対する情熱のほとばしりか?

 

成功者がもつ共通点「グリット」って、なに?

日本では昨年末、『GRIT』という本が発売されました。世界中でベストセラーだそうです。

グリットとは、著者アンジェラ・リー・ダックワースによると「物事に対する情熱。目的を達成するためにとてつもなく長い時間、継続的に粘り強く努力することによって、物事を最後までやり遂げる力」だそうです。
そして成功する人たちは、共通してある1つの性格「グリット」を持っているといいます。



しかし「グリットは短距離走ではありません。長距離走なのです」という割には、数年間しか調査してないわけね。数年間で長距離走の結果は、わからないと思うけどな。

私には、たかだか数年間走らせるための提言としか思えないです。なんていう底の浅い心理学者だと。


もっとも、多くの起業家からしたら数年間全力疾走させれば十分なわけで、数年以上のことは予想もできないし保証もできない、と思っていて当然です。10年以上も先のことを言えるのは、大ウソつきか宗教だけでしょう。

そりゃあ何するにも「やり遂げる力」は、必要だと思いますよ。そこは間違いなく。
だけど、数年間全力疾走させたいのは雇う側の論理。その危険性を知らない心理学者って、アホかと思います。やり遂げた結果「何があるのか」を言わずに、やらせたい起業家はロボットを雇った方がいいんじゃないのと思います。

 

 

起業家自身に必要なのは「やり抜く力」じゃなくて「やらせ抜く力」でしょう

日本で名前が出てくる起業家って、たとえばソフトバンクの孫さん。楽天の三木谷さん。サイバーエージェントの藤田さん、ZOZOTOWNの前澤さん、はたまた連続起業家の家入さん。
あなたが学生なら、将来この人たちみたいになりたいだろうか? 

 

私が今学生だとしても、まったく興味がないと思う。孫さんがいなかったら日本のインターネット環境は、ずいぶん遅れていたかもしれない。そりゃあ、すごい人だ。で、遅れてたら何か問題でも?
成功するって、お金持ちになること? それってどれぐらいの資産を持てばいいの? 
著者は「最上位の目標を持て」と言います。

最上位じゃなきゃダメですか? そこそこじゃダメです?(笑)


金と名声を得て、芸能人とかモデルと結婚したいならビッグな一流の経営者を目指すのも、そりゃあありだ。あなたに、それだけ目立ちたい欲望とやり抜く力があればだけど。
揶揄してるわけじゃなくて、著名な起業家になろうとするなら、目立ちたがりと厚顔が同居してなきゃ。厚顔は才能だよ。


目立ちたがり度は、もしかすると女優や俳優よりはるかに強いかもしれないです。

 

起業家が自社の採用のために、応募者に「グリット」を求める。それは当然だ。途中で折れちゃったり逃げ出すやつは会社にとって損失なんだから。


だけどそれで「学歴はやり抜く力の凝縮」と言い出すと、意味が違う。

解釈できるのは、こういうこと。うちの採用基準は、まず「学歴」です。どこどこ大学の何学部以下は足切りしますというラインを持ってて、それを社内で正当化するために言ってる。偏差値で、やり抜く力が判定できるんだからという考え方。

別に社長が、そんな基準を持つのは勝手。ネットでエントリーするようになってから、大学学部によって表示するものが違うんだから、つまりはどこでもやってること。

それともう一つ。そういうことを言う人たちは自分に「やり抜く力」がある前提で公言してるんだろうけど、起業家に求められるのは「やり抜く力」じゃなくて「やらせ抜く力」だよ。
ラーメン屋を起業した人なら、自分で麺打ったり、メニュー開発したりするかもしれないけど、起業して「◯年後に上場。◯年後には業界No.1に」みたいな目標掲げている人なら、自分じゃ現場の仕事はやらない。どうやったら、やらせられるかに注力する。


だから内容に関係なくやらせて、「やり抜く力」のある人を求めるのよ。マネジメント力でやるんじゃなくて、指示すれば、あとは放っておいても最後まで「やり抜いて」くれる人って意味ね。

 

あるのはやっぱり強烈なエリート意識とか階層意識?

私には「何を」に関係なく、人にやり抜かせようと思い始めるのか、「やり抜かせる」ことに情熱が持てるのか、そこのところがまったく理解できない。MBAとかを否定してるんじゃなくて、そういう人はコンサルタントになればいい。


自分がある分野で長年やってきて、実績もある。でも年齢とともに色々衰えてきてるから、教える側とかマネジメント側に回ろうというなら、理解できる。

 

ところが10代でも、やらせる側に回ろうとする人はいるもんだ。


中学生のとき、体育祭があっていくつかの競技に出なきゃいけなかった。私は、ひとつはバスケットボールに出た。バスケに出た記憶はハッキリしてる。私たちのクラスはバスケ部に入ってる奴がリーダーになって、編成された。
リーダーになった奴は、自分自身は出場しなかった。ところがメンバーを頻繁に入れ替えた。もちろん、バスケはいくらでもメンバーチェンジしていいし、交代させるタイミングはいくらでもある。だけどゴールやファウルなど交代可能なタイミングには必ず交代させた。だけど誰にも交代の理由はわからない感じで、進んでいった。


私はこいつって何? 自分に自信があれば、まず自分が出場すればいいじゃん。
プレイ中はテンション上がってやってても、交代させられたらテンション下がるじゃん。でまた急に出場させられても、アドレナリンは出ないわ、みたいなことを思ってた。

後から考えても、交代させるだけだから戦術でもないし、あれっていったいなんだったんだろと不可思議だった。自分はプレイヤーじゃない。でもいろいろ、動かしてみたかっただけ? 動かすことだけが、やりたかったの?

 

そいつは京都大学に進学し、官僚になった。

 

あ、もしかして「学歴は、やり抜く力の凝縮」なんだったら、東大生について言及しなきゃいけない?

 


東大出身者は、どんなやり抜く力を持っているのか

実際に東大出身者なんて、そんなに知っているわけじゃない。キャリアで、中央官庁からローテーションで傘下の役所に出てきたときに会った人は何人かいる。え、どうして東大卒だと分かるかだって? それはキャリアだとわかって、水を向ければ「東大です」と必ず言うから(笑)

 

実際の知り合いでは、東大卒業してアメリカに行って、ユダヤ人女性と結婚して、金融ビジネスを起業した人がいる。もうマンガや映画にでもなりそうな絵に描いたようなコースだ(笑)

「やり抜く力」は皆さん持っていそうだけど、申しわけないけど、私は何にもうらやましくない。スゴイなぁとは思っても、この人たちは持っていないものが多すぎる。持っているのは何かというと、人脈だ。

 


以前、ある中央官庁傘下の巨大組織の新卒採用に関連する仕事をしたとき、人事の人に「それで評価されるのは、どういう人を採用できたときですか?」と聞くと、即座に「東大法学部卒を何人採用できたかです」と返ってきた。
結局そこかと。

東大法学部卒が仕事できるからでも、賢いからでもない。東大法学部卒の同級生や先輩とのつながりを持っているからだ。なにより欲しいのは、そのつながり。


かつて、銀行や大手証券会社にはMOF担と呼ばれる人たちがいた。大蔵省(現財務省 Ministry of Finance)に出入りして、官僚から様々な情報を聞き出す役割の人たち。

MOF担(モフタン)になるのは、ほとんどが東大法学部卒だと言われていて、同じ東大法学部卒の大蔵官僚と折衝していた。

折衝というより仲良くしてなあなあになるには、接待も必要だったんだろう。ところがその接待がエスカレート。大蔵省接待汚職事件で逮捕者まで出た。当時センセーショナルに報じられたのは、ノーパンしゃぶしゃぶでの接待。大蔵官僚側から、ほのめかしたそうです(笑)


ノーパンしゃぶしゃぶなんて店があることを報道で初めて知りました。そんなところで接待されたくて、見返りに機密情報漏らすなんて、町工場の社長かよと(笑)


あの、東大とか官僚とかを軽んじてたり、バカにしてるわけではなくて、「学歴に、やり抜く力は凝縮されていないでしょう」と言いたいだけです。いや東大に合格することが最上位の目標なら、凝縮されてるわけね。ああ、そうか、そうね。

目標に到達するために、人間として習得しているのが当たり前のことが欠けていませんか。たとえて言うなら料理人が最高に美味しい料理を作るのが目標で、達成したんだけど、食べた人が食中毒で入院しちゃったら、目標設定自体に欠陥があった。間違いだったとなりませんか。

東大に入れるほど、キャリアになれるほど勉強してきたのは、そのあとの人脈、日本の超エリート層に属したいというモチベーションで突き進んだんでしょ、と思えます。


だって、最近でも出て来るのは、こんな話ばかりじゃないですか。

「このハゲー!」の豊田真由子議員は、東大卒でハーバード大大学院修了。「やらせ抜く立場」であっても、持っていないものが多すぎます。
森友学園の問題で8億円値下げした交渉過程は「破棄した」と言い続け、国税庁長官に出世した佐川前理財局長も東大卒。財務省の規則では、「歴史的文書」に当たらない文書の保存期間を1年未満と規定しているそうですから破棄したんでしょう。しかし物理的破壊でもしない限り、たいがいのデジタルデータは復元できるはず。官僚の世界では、なぜか破棄したがまかり通る。たぶん「隠し抜く力」をお持ちなんでしょう。

最高にお勉強して、人を動かす階層に入ったのに、足りないものが多すぎませんか。

 


短絡的に「やり抜く力」を鼓舞すると、何が危険なのか

グリットを提唱する心理学者の著書『グリット』は、世界中でベストセラーだそうです。
出版社は、こう書いています。

ハーバード×オックスフォード×マッキンゼーの心理学者が
「人生のあらゆる分野での成功に必要な最重要ファクター」をついに解明!
世界の「能力観」「教育観」を根底から変えた
話題の世界的ベストセラー!

ビジネスリーダー、エリート学者、オリンピック選手…
成功者の共通点は「才能」でも「IQ」でもなく
「グリット」(やり抜く力)だった!

バラク・オバマビル・ゲイツマーク・ザッカーバーグ
錚々たる権威がその重要性を語り、
米教育省が「最重要課題」として提唱する「グリット」の秘密を初めて解き明かした一冊

 

さらに著者について、こう書いてあります。

 

ハーバード大で神経生物学を学び、
マッキンゼーコンサルタント職を経て公立中学の教員となり、
オックスフォード大で修士号(神経科学)、
ペンシルベニア大学大学院で博士号(心理学)を取り、
「グリット」の研究によってノーベル賞に匹敵する
マッカーサー賞(天才賞)を受賞した、世界最注目の研究者、アンジェラ・ダックワース教授。

 

 

 へーへー、そんな人のことを私は「なんていう底の浅い心理学者」だなんて書いたのか。なんていう身の程知らずだ(笑)

 

だけど、どんなジャンルでも一流になるには「情熱と粘り強さ」が必要だなんて、当たり前でしょう。
才能 vs 努力という風にどちらかを選ぶなら、努力の方が大切でしょう。かなりの才能があったとしても、それでナメてしまったら、どんどん追いつき追い越されるのは当たり前で。

 

しかし才能がいらないわけじゃない。どの程度の成功かによるでしょうけど、日本の中でスポーツでトップクラスになろうとすれば、才能と努力と環境が揃わなければあり得なくないですか。
あるいはビジネスの世界で成功するには、才能や環境は関係ない? 

 

インテル元CEOの「パラノイアだけが生き残る」という有名なフレーズがありますが、このパラノイアとは偏執狂ではなく、病的な心配性というニュアンスだそうです。「情熱と粘り強さ」も言い換えれば、これでいいのか、これで大丈夫かと、いつまでも心配し続けることかもしれません。才能や環境ということよりも、そこを強調しないと生き残れないほど、過酷な競争だということなのでしょう。

 

過酷な競争、うん、確かに。世界に出て行こうとすれば。
世界で戦おうとすればね。
いやいや違う、日本ローカルな仕事をやろうとしても、世界が日本に進出してくるから過酷になる。
グローバルってやつね。

 

あれ、いや違うよ。外国人観光客は、日本で食事すると安いと言うよ。
1000円程度でこれほどのものが食べられるのは、日本だけだそうよ。
もしかして、日本はグローバルに過剰適応してるんじゃない。
過剰適応に引き込もうとしてるしてる人たちが、世界基準の競争より、過酷な日本にしてるんじゃない。

 

だって日本のラーメン屋は世界に進出してるけど、勝ってるっていうじゃない。
進出してるのは、自分でラーメン作れる人たちよね。で、けっこう高いよね。
炭水化物食べないようにしてるからラーメンは食べないけど、マーケティング的に勝算ある。原価低減もできるし、機械化・ワンマンオペレーションで固定費はもっと削減できると考えてる起業家が進出して勝ってるわけじゃないよね。


アンジェラ・ダックワース教授は「目的を達成するためにとてつもなく長い時間、継続的に粘り強く努力することによって、物事を最後までやり遂げる力」を言ってるけど、何にでも情熱を持て、じゃないよね。アンジェラ教授も書いてるけど「情熱を持って取り組めるもの」が対象。好きでもないこと、向いてもいないことを「情熱と粘り強さを持って、最後までやり抜こう」じゃないよね。


会社に入る前に「どんな仕事の担当になるか」細かく規定されてますか。日本だと、雇用契約に書かれていても、社員ならこれぐらいのことはやって当たり前、の幅が広いよね。和の精神だから、みんながやってることは、あなたもやらなきゃいけない。「何をやり抜くのか」以外に、チームとしてやらなきゃいけないことが多いよね。


才能よりも努力と二元論で言い出すと、そこのところがどうも。だって日本人は根性論大好きだしね。


好きなこと、適性があることは才能。好きでもないこと、適性のないことをいつまでも続けるのはバカだからね。

オリンピック選手やプロスポーツの世界では、みんな試合を「楽しんでやってきます」と言うのに、高校野球ではいまだに根性論みたいなことがまかり通っている日本。


だけど、数多くの成功者を調査研究してきた教授だって、「グリット」を持つ人を少なくとも10年20年の単位で追跡はしていないようで。成功者は皆「グリット」を持ってるといったって、調査期間が20年30年になれば、まったく違う結論になることもあるわけで。

常用すると何十年後に重大な副作用が出る薬だってあるし、アスベストみたいに後々重大な健康被害を持たらすことだってあるかもしれない。

 


オリンピック選手が現役引退後、どうなっているか

オリンピック選手、特にメダリストが「やり抜く力」を持っているのは、どこからも異論が出ないだろう。たいがい幼少期から過酷なトレーニングを続け、世界を相手に戦い、勝利する。これ以上の「グリット」を持つ人たちが存在するのか。


しかし、オリンピック選手は現役引退後、体調や体重のコントロールができなくなる人が少なくないばかりか、鬱症状に悩まされ、自殺してしまう人もいるそうだ。オリンピック選手になれるような人はストイックな素養があるんだろうけれども、長年にわたるプレッシャー、食事のコントロールや長時間のトレーニングは人間の限界に達してしまうのかもしれない。

 

長年といっても現役生活は20年もないのかも。浅田真央選手は20代半ばで引退。40歳を超えてなおトップクラスの成績をマークするスキージャンプ葛西紀明選手は、レジェンド・生ける伝説と呼ばれるほどの例外なんでしょう。走り回るサッカーも引退年齢の平均は、20代半ばだそうです。キング・三浦知良選手は、やはり例外中の例外でしょう。
ほとんどの世界レベルの競技者でも、年齢的には20代半ばでピークを迎える。それは肉体のパフォーマンスだけじゃなく、過酷な競争に立ち向かう意志の力も折れてしまうのかもしれません。

 

それだけではなく、鬱病になるのは、ホルモンの影響だそうです。私は、このことを高名なスポーツドクターから教えられ、驚きました。
人間には、意思とは関係なく機能する自律神経が備わっています。自律神経はリラックスしたときに活性化する副交感神経と、緊張や興奮したときに活性化する交感神経とがあります。


交感神経が活性化したとき、体のストレス反応としてアドレナリンが分泌され、心拍数や血圧を上げ、瞳孔を開き、外敵に備えようとします。アドレナリンが分泌されると著しく、パフォーマンスが上がるのです。
痛みなども感じにくくなるのです。

外敵というと凄い事態に思えますが、コンタクトするスポーツなら間違いなく分泌されているはずです。スポーツだけじゃなく、満員電車の中にいるだけで分泌されるといいます。アドレナリンは闘争or逃走のホルモンだと言われています。

 

スポーツではよく雄叫びを上げるとか、気合いを入れる出すとか、とにかく大声を出す場面が多くあります。あれはアドレナリンを自分で出すためなのです。通常コントロールできないはずですが、闘争のための緊張状態を意図的に作り出すために、声を出すのです。


これをオリンピック選手のように、長年アドレナリンを出し続けているとどうなるか。長年と言っても10年ほどだと思いますが、アドレナリンの分泌が続くと、血管がボロボロになります。そして、鬱病を引き起こす。


オリンピック選手、著名なアスリートはもの凄いプレッシャーで、そのことが鬱病につながるのかもしれません。ここのところの因果関係は、詳しく聞いていません。教えられたのは、スポーツや格闘技をやる人、子どもにスポーツを指導する人は、何を目的にするのか。何を目標にさせるのかということ。

子どもの場合、身体的な課題は多くあるのですが、そんなことよりも一流アスリートを目指すということは、一流になれなかったとしても大きなリスクがある。趣味や健康のためにやるなら、そこのところの線引きをきっちりしておかなければいけないということでした。


アスリートは故障してもやる。故障してもやるための、スポーツ医学がある。プロアスリートに、精神疾患は思いのほか多い。精神を病んでもやる? 

もし故障しても、仕事上のあなたのミッションをやりとげますか? 「やり遂げる力」とは、そういう覚悟を求めてるわけよ。最上位の目標なんだから。

 


本当に才能より努力という発想でいいのか

将来、子どもをトップアスリートをしようとする親、学生をトップアスリートにするためのプログラムを導入しようとする指導者が少なくないそうです。まず肉体的資質がなければ、明らかに過剰です。
たとえばどれだけ食べても太れない体質なのに、相撲の世界に進ませて横綱を目指すトレーニングをさせますか?

 

過剰にアドレナリンが分泌されるような状況が、どれぐらいのものなのかは、私にはなんとも分かりません。分かりませんが「グリット」のことを読みながら、「グリットの正体って、ほとんどアドレナリンでしょう」と思ってました。


インテル元CEOの「パラノイアだけが生き残る」だって、病的な心配性を意味するなら、まさにアドレナリン過剰状態じゃないですか。

「やり抜く」んだとテンション上げて仕事している状態は、アドレナリンが出ているのではないでしょうか。それが過剰かどうか、人によって違うはずです。アドレナリンが過剰じゃなくても、長時間出ているなら、それは問題があるはずです。

よくビジネスは、戦争に例えられます。戦争をしているのだと。戦略論ならまだしも、人数や兵器が劣っているのに、それを根性で覆そうとする企業も少なくありません。

確かに、目的に向って一糸乱れず突き進む集団と、多様な価値観が許容されるゆるい集団が同じ人数で激突すれば、前者が圧倒的に強いのです。1/2、1/3の人数でも勝ってしまうかもしれません。

 

経営者が「やり抜く力」を言うのは、一糸乱れず最後まで突き進む集団でありたいからでしょう。仕事上は、ほぼどこでもそうだと思いますが、ユニークなアイデアや革新的な技術で勝負しようという企業ではなさそうです。アイデアや技術で優位性がないのに、一糸乱れず最後まで突き進むのは、その方向を経営者が間違っていれば全滅。


今多いのは、すでにあるものを自動化したり中抜きしたり。それによってコストを引き下げ、価格と時間の優位性で勝とうとしています。すでにあるビジネスだから、価格と時間を圧倒的に引き下げれば、勝算は高いでしょう。そのためには、人も交換可能なリソースとして、価格と時間が引き下げられます。

 

それも、どの程度か。完全に偏るということはないと思いますが、程度の問題です。
シリコンバレーのIT系スタートアップ、ウォール街投資銀行等々、超多忙な組織が増えている。こうした組織では、従業員は「理想的な働き手」すなわち、24時間仕事に黙々と打ち込む人材になることが求められる。このためには、仕事を他の何よりも優先させなければならず、そしてこの状況に異を唱えることはなかなか難しい」そうです。これはハーバードビジネスレビュー論文の紹介から引用したものですが、そういうところも、もちろんある。自分が向いているなら、そんな風に働けばいいのです。
ただ問題は、日本でそんな働き方をしても、欧米に比べて圧倒的に低い給料しかもらえないそうですが(笑)

 

 


「やり抜く力」論には、どれほどの汎用性があるのか


アンジェラ・ダックワース教授は、「グリット」を検証するために、ミリタリーアカデミーを調査して、厳しい軍事トレーニングに耐えて生き残る入隊者と、耐えきれずに中途退学していく入隊者を予測したという。


軍事教育学校って、何のためにあるかというと、戦地で活躍できる優れた軍人を排出することでしょう。途中退学するものと、卒業できるものとを予測して、どれほどの社会的な意味があるんでしょうか。ミリタリーアカデミーに入って「成功」とは卒業することでしょうか。


予測するなら、卒業生が戦地でどれだけ活躍できるかどうか。そして生きて返ってこられるかどうか。生きて返ってきた人の精神がどうなるか、の検証じゃないでしょうか。

それをしないで在学期間中のことだけを調査しているのは、科学者なのに意図的に外したのかとさえ思えます。「グリット」の前提が、学生時代にだけ適用できる成功の方法論なら、それも理解できますが。

 

ちょっとイジワルな書き方をしました。

本書には水泳のメダリストも取り上げられています。もちろん金メダルを取ることが成功ならそれでok。しかし前述のように、アスリートたちは特に現役引退後、さまざまなトラブルを抱えています。
数年単位の最上位の成功のために、全力疾走する。それだけなら、そのへんの自己啓発セミナーと大差ありません。

 

夏休みに読書するなら、まだこちらの本の方がマシかもしれません。 

Amazon - 不道徳な見えざる手 

 

今日のBGM450【Chubby Checker - Let's Twist Again】

なぜかYouTubeのおすすめでこれが出てきて、もう病みつき。チャビー・チェッカーの 名曲Let's Twist Again。

なんたって1963年だって。いろんな映像つないでるけど、当時これでツイスト踊ってたのは今もう70、80のばあさんだわ。人生って、不思議。数年なんて、短期も短期(笑)

そういえば昔むかし「え〜い 踊ってしまえぇ」ってギャグがあったよね。

 

この動画はチャビー・チェッカーのTwist Аgain - The Тwist、それにDionやLittle Richardの曲もつないでるけど、Twist Аgain /The Тwistはベストに入ってる。

 

 Amazon - Best of Chubby Checker

ルンバがカメラを搭載して、家の見取り図データを売るかもだと!?

f:id:F_chikara:20170728092319j:plain

TwitterでGIZMODOのツイートを見て、もうびっくり。『ルンバのiRobot、ユーザーの家のマップを外部に売り出すかも』という記事をアップしてた。

 

ざっと読んで、ちょっと被害妄想っぽいけど、でもビックリ。

ルンバアプリのプライバシーポリシーに「お客様がデバイスをオンラインで登録しWi-FiBluetoothその他の手段でインターネットに接続しない限りこの情報を転送しません。お客様のデバイスWi-Fi_33またはBluetooth接続を解除し、またはそれらに全く接続しないことで、Wi-FiまたはBluetoothでのデータ転送がなくとも当社ロボットのスマートテクノロジーを使用することができます」と書いてあるという。

 

ルンバアプリ!? WiFi!? Bluetoothだと!? ネットに接続してなきゃデータ転送しないということだけど、そもそも通信機能があるなんて、ビックリだ。
だってウチにはルンバがある。

だけど、そんな話、ぜんぜん知らなかった。

 


ルンバは、我が家では異常に便利なお掃除ロボット

あるときウチに帰ったら、ルンバが稼動しててビックリした。奥さんに聞いたら、通販で安くなってたから買ったという。いやいや、ルンバなんて贅沢じゃんと思ったけれども、ヘタなことは言えない。
私は家の掃除、自分のものだけしかしていない。
それで贅沢だとか言い出したら、キケンな状況になりそうだ(笑)

 

うちには猫がいる。

猫の毛は、毎日掃除してても洋服についたりする。奥さんが言うには、ルンバを毎朝稼動させといて、それで取れないところだけ掃除かければいいという。使ってみると、実際かなりスゴイ。段差があっても、カーペットでも物ともせず、キレイにしていく。
当然、家具があるからルンバ的には死角ができるけれども。

掃除し終わって開けると、大量の猫の毛とホコリが出てくる。これだけの量が取れるなら、めちゃくちゃ価値あるじゃんと思ってた。

だけど、ネットにつながるの? IoTってこと?

 


最上位機種には、カメラとセンサーが搭載されているらしい

調べると、最上位のルンバ900シリーズのことだけらしい。900シリーズは税込みで97,070円と135,000円の2機種。いや高いわ。
たぶんウチのは3万円代のスタンダードモデル。当然、通信機能なんてない(笑)
900シリーズにはカメラとセンサーが搭載されているという。

しかし、そもそもなんでカメラとセンサーが必要なんだ?
ルンバの公式サイトにはiAdapt2.0ビジュアルローカリゼーションとして「カメラとフロアトラッキングセンサーなどの多彩なセンサーにより、フロア全体をナビゲーション。ルンバ自身が今どこにいるのか、部屋のどこがまだ清掃されていないのかを高精度に判断します」とある。

 

なるほど、家具の配置まで含めて、家の見取り図を作るわけね。で、隅々まで掃除すると。それでも死角はできるだろうけれども、かなり少なくなるはず。
しかしそんな機能を必要とするのは、どんな家だろうと考えると豪邸だわ。なんか一日中、掃除→充電→掃除を繰り返して稼動しているような広い広い家っぽい。
動画を見ると、スゴすぎる。

 

 

 

しかし、そうやって作った図面データみたいなを、外部に売るってどういうこと?
GIZMODOでは引用元のロイターの記事から、こんなことをピックアップしています。

ルンバの取得するようなマップがあることで、たとえば「サウンドシステムは家の音響状況に合わせることができ、エアコンは部屋ごとに空気の流れをスケジュール化し、スマート照明は窓の位置や時間帯によって光を調整できる」

 

だから、Amazon(Echo)やGoogle(Home)、Apple(Home Pod)などスマートスピーカーを持つ企業が欲しがるだろうと。今まで考えられなかったレベルの快適さを実現すべく動き出しているのではというニュアンス。
まあ、それほ欲しがるのは、やっぱり豪邸に住んでいる人ね。広いって場合だけじゃなく、リッチなマンションとかね。じゃなきゃ、家に合わない。

 

ちなみに今回、これを書くのに調べてたら、スタンダードモデルはたぶんAmazonが最安値で31,000円だった。900シリーズは扱ってないみたい。

 

 


家の中のデータを吸い上げて、漏らさないなんてことがあるんだろうか

Amazon Echoは昨年、アメリカのクリスマス商戦でバカ売れしたといいます。Siriより音声認識の精度が高いとの評判です。


しかし買った人は、何に使っているのでしょうか。照明とか空調とかを言葉で命令して動かしたいなんて、どうなんでしょう。要するにA.Iとつながっているので、学習してアドバイスが欲しいのでしょうか。


「今週は睡眠不足で、睡眠貯金がマイナスです。早く寝ましょう」とか「お酒の飲み過ぎで、肝臓が疲れています」「ソファに座りっぱなしでドラマ見ているから、大臀筋が凝って、腰椎にも負担がかかり過ぎ、目も疲れ過ぎです。ストレッチを始めましょう」とか言い出すんでしょうか。
バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2で出てきた家の、おせっかい版を想像しました。

未来っぽくって、カッコ良さげだとは思いますけど、これってリスクない?

 

 

オスロでディスプレイに顔認識技術を仕込んでいるのが発覚

街頭にある監視カメラ映像を顔認識にかけるってあるんでしょうか。たぶんイギリスではやっているでしょうし、日本でもこれからはありそうです。
これって警察がテロ対策など犯罪捜査で使うもの。だけど、指紋などと同じように、顔認識データを大量に集めてデータベース化してたらどうでしょう。

このところ、NEWSWEEKが続けて顔認識についての記事を出しています。

 

 

煽ってるなぁと思ってたんですが、元の記事にあたると、オスロのただのピザ店にある看板。その枠の上にカメラが仕込んであって、「性別や年齢、表情、メガネをかけているか、サイネージの前にどれだけ留まっていたかなどを認識する機能」が備わっていたというのです。


しかし何のために? ピザ店のマーケティングに役立つ… とは考えにくいんですが。
もしかしたら、こういう形で大量に顔認識データが集められ、データベース化されているのかもしれません。

ルンバが集めた間取りデータ。これが大量に集まると、どうでしょう。住宅メーカーの商品開発には使えるかもしれませんが。
もしもですけど、ルンバのカメラが人間の顔を識別して、顔データを大量に集めてたらオソロシイですね。金持ちの顔データだから、たとえば百貨店とかショッピングセンターに入ってきたら、外商みたいな特別接客チームで「彼が来た!」チャイムがなるとか(笑)

 

 

でもそういう方向も、なくはないかもね。
ロシアがポケモンGOを禁止したのは、ロシアでは「アメリカがスパイ活動のために開発した」という理由。

 

大量の街の監視カメラ映像が出てきて驚いた『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』の予告編は、『最悪も進化する』っていうコピーで閉めるんだよね。

 

いったい誰がどう使うのか。

共謀罪が成立して警察がいろいろやるはもちろんだけど、民間が顔データ集めたり位置情報とか家の中のことまで集め出したら、どうなるんだろ。

監視資本主義って言葉があるけど、あなたに合わせた広告出しますよ。だから個人情報ちょうだいね。では、どうもなさそうよね。

そろそろ、性善説だけですまないと思うけどな。

 

 

 

 って書いたんですけど、7月31日、こんな記事が出ました。


あらら(笑) 

まあ可能性としては、やろうと思えばいつでもやれますね。

逃げ場のない完全監視社会を描く[パーソン・オブ・インタレスト]と共謀罪な未来

f:id:F_chikara:20170606140516j:plain

 

奥さんが「ヘーすごい!」と声を上げてたから、何が?と聞くと、純国産衛星によってGPSの誤差が数センチになるとテレビでやってたらしい。
あー、あれね。6月1日準天頂衛星「みちびき2号機」を載せたロケットが打ち上げ成功。あと2号打ち上げに成功すれば4基体制になって、常に1基が日本上空にとどまって、誤差数センチ高精度な位置情報サービスが利用できる。
そうすれば隊列を組んだトラックやトラクターなど無人の自動運転車の運用なども本格的にできる。4基体制は2018年の予定ってやつね。


そう、クルマのナビはいきなり大幅にズレたりする。歩いているとき、スマホGPSオンでGoogleマップの案内を使うと、すんぶんもズレずにとんでもない抜け道を表示したりする。いまでもかなり便利だけど、誤差数センチというのはまた別世界だ。
(もっともデバイスが、日本版GPS信号に対応している必要はあるけど)

 

そこに奥さんは驚いたのだけれど、GPSはこの先共謀罪にも関係してくるだろうし、なにより軍事技術だ。ということを私が言うと、さらに驚いてた。

たぶん北朝鮮ICBMを打ったとしても、衛星測位システムを持ってないのだから、それほど正確な位置には到達させられないんじゃないだろうか。それは逆に恐ろしさが増すけど。
そもそもGPSは、アメリカの軍事目的で開発され、現在は米国防総省の管轄。ビル・ラディンをドローンで攻撃したときもGPSが使われたはずだ。アメリカが地上戦を行うときも爆撃するときも、GPSは欠かせないだろう。アメリカのものだから、いつ使えなくされるかわからない。それで各国は、独自の衛星測位システムを構築に動いているという。

 

この記事では日本も「QZSS(準天頂衛星システム)と呼ばれる日本独自の測位衛星システムの構築を進めている」としているが、これは「みちびき」とは別物?

 
まあどっちにしろ高精度な位置情報システムには、バラ色の産業革命だけじゃなく、裏の顔もあるってことだ。スマホを持つ人の位置を常に追跡できるし、戦争もかなりの部分、無人でやれてしまう。

 

そこにはこんなことも書かれている。

将来的に安全保障上の問題などから利用を一時的に制限されてしまう可能性もゼロではない。実際にコソボ紛争の際に米国は一時的にGPSの精度を低下させ、その影響を受けてヨーロッパの民間航空機が大きな影響を受けたと言われたという説がある。

 


SFチックな設定が、現実を先取りしている[パーソン・オブ・インタレスト]

戦争までは含まれてないけど、共謀罪が目指しているような世界を描く、J.J.エイブラムスの[パーソン・オブ・インタレスト]という海外ドラマがある。アメリカでは、ファイナルシーズンが終わったそうだ。たぶん始まったのは2012年。スノーデンが暴露した、NSAによる世界中のあらゆる通信経路を通過する情報の監視以前にスタートしたはずだ。


[パーソン・オブ・インタレスト]では、9.11後、テロを未然に防ぐためアメリカ政府によってあらゆるメールや通話は盗聴されるようになった。それらの情報を元に犯罪を計画段階で阻止するため、開発された「マシン」と呼ばれるAIによる犯罪予知システム。「マシン」が予知した、犠牲者が大勢出る「有用」な情報はNSAやFBIに引き渡される。「無用」とされた犯罪予知情報は毎日消去される。という設定だ。


アメリカのドラマにしては結構複雑だけど、これがかなり面白い。スノーデンが暴露したような監視をあって当たり前の前提にしている。なによりAIによる監視は、まずプログラム次第で有益なものにも邪悪なものにもなるとして描く世界観も、なかなかいい。

ドラマでは、「マシン」のライバルとなる邪悪なAI「サマリタン」が登場し、国家が持つ盗聴情報を奪おうとする。しかもそれをするのは民間会社。仕組みを国に採用させ運用は自分たちがやろうと企み、「サマリタン」の有益性を示すため、様々な犯罪を起こす。

 

 

Amazon - パーソン・オブ・インタレスト〈ファースト・シーズン〉 コンプリート・セット

 

あくまでSFだけれども、どこかの国でやろうとしていることと似ている。テロ等といいながら、テロにつながる項目はごくわずかで、なんでもかんでも犯罪を入れ込んでる。法務大臣でも、解釈できないほどのあいまいさ。つまりは運用するためには、全部監視するぞと。

 

 

アメリカからの圧力に便乗する日本のパートナー

共謀罪も秘密保護法、そして安保法制や憲法の改正もアメリカの要求だとする説もある。

日本版GPS衛星を打ち上げるのだって、アメリカのなんらかの承諾が必要だろう。アメリカに日本に求める必要性があるとすれば、GPS衛星を維持するため、同盟国としての負担させろとか、中国の監視とか考えればいろいろ考えられる。

が、日本にも産業面でさまざまなメリットがあることは間違いない。そしてそこに乗っかって、都合よく使うのが定石だ。

 

NSAによる世界監視を暴露したスノーデンが、映画公開に向けての日本へのメッセージというページがある。

それによると、スノーデンはNSAの仕事を請け負うデルの社員として2009年に来日。米空軍横田基地内にある日本のNSA本部に勤務していたという。

スノーデンが働くNSAビルには、日本側の「パートナーたち」も訪れ、自分たちの欲しい情報を提供してくれるようNSAに頼んでいたという。が、NSAは日本の法律が政府による市民へのスパイ活動を認めていないことを理由に情報提供を拒み、逆に、米国と秘密を共有できるよう日本の法律の変更を促したというのだ。

これには日本側のパートナーが誰かということは書いていない。でもパートナーたちが欲しがった情報が、軍事的な安全保障やテロに関することであるわけがない。 

安全保障に関することなら、ルートが違うはず。普通に考えれば、産業スパイ的なことだろう。

こんな文章もある。ウィキリークスが公開した文書によるもの。

NSAが少なくとも第一次安倍内閣時から内閣府経済産業省財務省、日銀、同職員の自宅、三菱商事天然ガス部門、三井物産の石油部門などの計35回線の電話を盗聴していたことを記す内部文書が公にされた。

対象分野は、金融、貿易、エネルギー、環境問題などで、いずれもテロとはなんの関係もない。米国が表面上は「友好関係」を強調しながら、日本のなにを監視しているのかがわかる。NSAと緊密な協力関係にある英語圏の国々、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダにも一部共有されていた(これらの国々はNSA文書で「ファイブ・アイズ」と呼ばれる)

NSAが世界を監視するのも、安全保障やテロ抑止のためといいながら、経済面での交渉でアメリカが有利になるための使われているのは以前から言われている。

同様に共謀罪がアメリカからの圧力だったとしても、それに乗っかる日本側がテロ防止にだけ使うわけがない。 

 

 

Amazon - シチズンフォー スノーデンの暴露 

 

 

完全監視社会になったら、どうなるか

昨年、大分県警別府署が野党の支援団体の敷地に隠しカメラを設置したという事件が発生した。

これって、大分県警が独自の判断で、勝手にやったんだろうか。そんなわけないだろうよ。指示したキャリアはきっと逮捕されるどころか、出世するんじゃないだろうか。

どうも安倍総理とその周辺は、自分のお友達は過剰に優遇するけど、支持しない人たちを許せないみたいだ。

 

今までも盗聴や盗撮はやってるけど、これから警察や検察は政府のお墨付きがあると、大ぴらに誰に対してもやるかもしれない。

 

週プレNEWSでこんな記事が出てる。


これによると、告発者がコピー用紙を盗んだ罪で逮捕されたとある。

2003年に、週プレで(当時)消費者金融最大手の武富士の不祥事を追及する連載をしたときのことです。このスキャンダルで創業者の武井保雄会長が逮捕されることになったのですが、なぜか、不正を告発した元法務課長までもが窃盗罪で逮捕されてしまったんです。内部資料をコピーして外部のジャーナリストに提供した際、会社のコピー用紙を盗んだという容疑でした。内部資料には武富士から警察幹部らに大量の金券が贈られていたことを裏づけるモノもあり、幹部らはこの連載によって免職などの処分に追い込まれました

 

警察幹部がワイロをもらっていたことまでバラされた報復に、「コピー用紙の窃盗」で逮捕したってことね(笑) 笑いごっちゃないですけど、笑える。分かりやす過ぎる(笑)

 

そしたらさっき、笑えるけど笑えないニュースが出てきた。

いやもう国有地を8億円値引きしてあげた記録は、なんにもありません。交渉の経緯もなんにもありませんと言い続けた人が国税庁長官だって。

税務署の親玉が、この人になるってことは、企業や自営業、個人事業主からキリキリと税金を取り立てたる。その税金は好きに使わせてもらうぜ。記録は残さずに、忖度で。って感じになるわけね。

昔から大企業が政治に逆らったら、国税庁が来ると言われてたけど、これからは個人にも税務署からお尋ねが来るかもね。

 

これからは警察だけじゃなく、税務署も何するかわからないヤバい世界がやってくるのかも。

だって監視されてないのは、取り締まる側だけなんだから。

 

赤信号渡っても別件逮捕されるかもしれないし、Suicaとかの記録なしに電車に乗っても経費に認められないかもね。

 

監視社会になるのはある程度仕方ないとしても、いちばん恐ろしいのは誰がどんな理由で盗聴や傍受してたか、その記録なしに監視すること。

監視する指示する側が証拠を残さなくていいという仕組みなら、やりたい放題。

 

今日のBGM448【 High Contrast - Shotgun Mouthwash 】 

T2 トレインスポッティングのサントラは、いい曲ばかり。疾走感は希薄になったもののLust For Lifeは、Prodigyリミックスで新曲みたい。アンダーワールドは、なんか残念だけど。

Amazon - Ost: Trainspotting 2 CD, Import 

 

「勝ち組サイコパス」には近づくな。逃げろ!ってことよね

1、2ヵ月前、かな。中野信子さんが「トランプはサイコパス」とかいう記事を、何かの雑誌に書いたというツイートがあった。

中野信子さんは面白いけど、異常心理みたいなことには興味ないしな。とすっかり忘れてた。先日、本屋に行ったら、この「サイコパス」というタイトルの新書があった。パラパラと立ち読みすると、これが面白い!

  

 Amazon - サイコパス/中野信子

 

できる限りネタバレしないように書くと、本書で最も興味をそそられたのは、「勝ち組サイコパス」と「負け組サイコパス」の存在を分けているところ。

サイコパスは、異常者として扱われる冷酷で残忍な殺人犯ばかりではなく、大企業のCEOや弁護士、外科医といった大胆な決断をしなければ職種の人々にも多いというところ。

 

アメリカには人口の4%ぐらいは存在するという心理学者がいたり、中野さんは日本でも1%ぐらいはいる。サイコパスとは何なのかを正しく知り、身を守るためには注意深く対処する方法を身につけておく必要があるという。

中野さんによれば、サイコパスには社交的で信者が大勢いる魅力的な人も少なくないそう。

 

私は本書を読んで、タイトルに書いた通りで「勝ち組サイコパスに気をつけろ」と思った。かつては異常な犯罪を起こした犯罪者を調べていたから、サイコパスは異常な存在だというイメージだったけど、さらにいろいろと研究が進んで、社会で成功した、いわば「勝ち組サイコパス」のいることがわかったと。

 

いやいや中野さんが書いている以上に、現代社会、とくにデジタル社会の中での目立っている成功者たちは、サイコパスサイコパス傾向の強い人たちじゃん。と思った。

そして創造的なサイコパスならまだ社会に有益だけど、パクリや騙しばかりで成功している人たちは、働く人や取引先、そして社会に不利益しか与えない。株式市場を通してとか、そういうのは別だけど。

 

 

勝ち組サイコパスの象徴は、スティーブ・ジョブスだと思う

 

読めば読むほど、勝ち組サイコパスの象徴的な存在は、トランプじゃなくて、スティーブ・ジョブスじゃないのと思っていたら、やっぱり出てきた。

トランプがヤバい人だなんて、きっと支持者だって感じているでしょう。そのヤバイところが支持する理由でしょう?

だけどジョブスを好きな人たちは、ジョブスがヤバイと思っているだろうか? 私は長年スティーブ・ジョブスの作る“プロダクトのファン”だった。はじめて買ったパソコンもマックだし、ウィンドウズはもちろん、アンドロイドだって使う気になれない。

おまけにジョブズが追放されてた時代のマックは、なんか違うんじゃないのと思ってしまうほどだ。

 

それでもスティーブ・ジョブスを人格的に好きじゃない。古くからのAppleファンだからこそ、入ってくるジョブスの情報はロクなもんじゃない。もちろん関わることはないけど、仕事する相手としては絶対に避けなきゃと思ってた。

一度だけジョブズが生きているときにAppleがらみの仕事をしたけど、アップルジャパンに何の権限もないことが、よくわかった。なんでもかんでもアメリカのApple本社にお伺いを立てないと進まなかった。

イメージの徹底した管理ということならディズニーがそうだけど、Appleは仕組みがヤバい。きっとジョブズの作った仕組みは、他人をまったく信用しないんだろうなと思った。

だからこそ、マックやiTunesiPhoneというとてつもないイノベーションを生み出せたんだろうけど。だけど他人の時間を奪うことには、なんの配慮もない。

 

Gigazineにこんな記事があったけど、その通りなんだろうと思う。


癇癪持ちで、人を激しく罵倒する。

ジョブズの罵倒は最終的に従業員のバーンアウト(燃え尽き症候群)を引き起こしました。Appleで週90時間労働を10カ月続けた従業員の1人は、ある日ジョブズが「君たちは自分たちの行いに『感動していない』」と言いながらオフィスに入ってきた時に、仕事を辞めてしまったそうです。

そして

ジョブズ負の遺産が受け継がれている例としては、たびたび劣悪な労働環境が問題視されるAmazonのジェフ・ベソスCEOや、「職場に『有毒なパターン』が存在する」と投資家たちに言われ幹部が一斉に去ったUberのトラビス・カラニックCEOなどが挙げられています。

 と書かれています。

ジョブズのように人を罵倒したからって上手くいくわけじゃない。たとえばAppleの製品は、無駄がなく美しい。ジョブズに卓越した美的なセンスとビジョンがあったから、罵倒しながらでも徹底してやらせたから、できたんだろう。

だけど卓越した美的センスとビジョンもないのに、罵倒してやらせていたらどうなるだろう。

ジョブズはプログラミングもできなかったという。できないからこそ、既成概念にとらわれない発想も可能になったのかもしれない。だけど、そこだけマネして「俺は何もできないけど、既成概念にとらわれない発想ができる。グレイト!」って陶酔している経営者がいたらどうだろう。

 

私はジョブズはアーティストみたいなもんだと思ってる。美しい絵を描く。感動的なメロディを作る。ヒューマニズム溢れる写真を撮るアーティストたちは、その人格が美しかったり、ヒューマニズムに溢れているわけじゃない。作品の世界とは、正反対の性格だったりする。

同様に、ジョブズがどれだけ邪悪なサイコパスだったとしても、作り出した製品の素晴しさはそれ自体で評価されるものだと思う。

 

問題はジョブズのような天才は、ジョブズ以降にいないってことだ。ジョブズのマネをして、金を儲けることにかけてはジョブズ以上の人たちは大勢いるのかもしれないけど。

 

 

サイコパスは、共感性や良心によるブレーキが利きにくい

 

本書には、サイコパスをあぶりだすための「道徳のジレンマ実験」など、心理学的なアプローチや見解も数多く書かれている。だけどそれよりもfMRAIを使った脳科学的なアプローチが決定的だ。

fMRIを使って調べると、サイコパスは「扁桃体の活動が低い」という。扁桃体は人間の快・不快、不安や情動といった基本的な情動を決める場所。簡単にいうと、考えるより先に本能的に反応する部分だととらえていいそうだ。

さらには「共感」を持つ眼下前頭皮質や、良心によるブレーキをかける内側前頭前皮質の活動が低い。しかも扁桃体と、眼下前頭皮質と内側前頭前皮質の結びつきも弱いのだそうだ。

それによって、痛みや罪、恥の意識を学習することができず、ウソをついたり、人に責任をなすりつけたり、誰かを傷つけても平気だという。

サイコパスも良心の呵責や罪悪感を口にすることがある」けれども、それは心が痛んでいるのではなく、「悪いと感じているように見せること」が合理的な処世術だと心得ているからだという…

この本には「捕まりやすいサイコパス」と「捕まりにくいサイコパス」についての脳機能の違いが出てくるけれども、合理的な処世術だから「悪いと感じているように見せる」ことをされたら、なかなかサイコパスだと見破ることができなさそうだ。

 

 

ルールハックは、勝ち組サイコパスの常套手段?

 

いままでに何度か書いているけれど、「コンプライアンスを遵守します」というのは「法律に触れるようなことはしません」というスタンスと「法律に触れなければ、何をしてもいい」というスタンスがある。企業で圧倒的に多いのは、後者だ。

後者は、法律が想定していないことなどの抜け穴を探す。倫理的に道徳的にどうかは関係ない。中野さんはこのことをこう書いている。

 

サイコパスはルールハックを気にせずやってのける。これはとても不思議なことです。彼らにはなぜブレーキがかからないのか?

 

なぜって、本書によれば脳の構造が違うからということになるだろうけど、いまや目立っているビジネスはルールハックだ。

シリコンバレーでは、自動化してプラットフォーム化して、どこの、誰の仕事を奪うかがスタートアップのテーマだというし、日本でもルールハックは日常茶飯事だ。

 

Google検索のアルゴリズムは、こうなってる。それをハックするには、こうすればいい。しかも検索1位になるには、こういう手法ならごまかせるとやったのがDeNAだし。

NEVERまとめはアルゴリズムハックの元祖だけど、ずっとうちはプラットフォームで悪いのはパクったライターだというスタンスだったんじゃないだろうか。それがDeNAの問題が明るみになって以降、健全化に向けて、パクられた権利者にお金を払いはじめた。

 

こういう対応が、本当に悪いと思っているからなのか、それとも「悪いと感じている姿勢を見せる」ことが合理的な処世術だからやっているのか。

あなたは、どう思います?

 

 

 

今日のBGM447【 Teddybears - Sunshine 】 

 

 

高須クリニックは悪徳どころか、最も健全な美容外科らしいです

f:id:F_chikara:20170528221317p:plain

高須クリニックのCMから

 

民進党の大西議員が、悪徳な美容外科の広告や勧誘方法の問題を取り上げ、明らかに「高須クリニック」のCMを例に「陳腐」だと発言したことで、高須克弥院長が名誉毀損で訴えを起こしたそうだ。

私はこの騒動を知ったとき、確かに高須クリニックのCMは陳腐だわ(笑) それに美容関連で悪徳なところは多そうだし、問題はいろいろ言われてる。でも高須クリニックは、健全どころか、むしろ美容業界の良心とも言える存在らしいよ。美容外科、美容皮膚科などの業界、それに精神科医からも賞賛されるほどだと聞いてるけどな。
大西議員は印象だけで、何も知らないでバカなこと言って、裁判になったら確実に負けそうだわ。と思った。
「No!」と高須クリニック 民進党議員の"陳腐なCM"発言、高須克弥院長が提訴

もちろん、私が直接知ってるわけじゃないけれども、その業界内で広く知られていることを書いてみる。
美容医療業界の問題点は、大きく二つ。そしてその二つに対して、高須クリニックは優れた対応をしているらしい。もっとも高須克弥院長じゃなく、その息子が素晴らしいということみたいだけどね。


治療を断る基準を持っている高須クリニック

美容医療で一番のお客さんは、実は精神面で問題を抱えている人たちだそうだ。まあ想像はつくけど、テレビなどにたまに整形を繰り返す人が出てくる。そういう人たちは、身体醜形障害というらしい。特別な病名をつけなくても、依存症なんだろうなという気がするけど、多くの場合、背景に精神科疾患があるらしい。

そういうクライアントの場合、全身の整形を繰り返す。歯止めになるのは、お金を持っているかどうか。
つまりお金を持っていれば、その病院のヘビーユーザーになってくれる人たちだ。
こういうヘビーユーザーを抱え込むのは、何科の病院でもある。自治体によって違うけど、医療費を払わなくていい人たちは、頻繁に病院を訪れる。医者としては治療なんて必要ないとわかっていても、健康保険から支払われるので、断ることはまずない。いいお客さんだ。

 

美容外科や美容皮膚科などの場合、美容になると保険はきかないので、他の医療分野のようなお客さんを抱え込むことはできない。そうなるとなおさら、精神科疾患を抱えている人を抱え込もうとするモチベーションが働く。

しかしヘビーユーザーになってくれて儲かったとしても、問題が起こる可能性も高い。わかりやすく言えば、マイケル・ジャクソンがクライアントになった。そりゃあ儲かるけれども、それば真っ当なのかどうか、倫理的にどうなのか。マイケル・ジャクソンが死んだのは、実質的に薬物による自殺でしょう。

それに近い問題が、日本でもあちこちで起こってる。それを防ぐためには、医療機関として、しっかりした倫理観を持っていて断る基準を持っているかどうか。すべての医療機関が身体醜形障害を持っていると判断したクライアントの美容外科手術を断れば、もしかすると精神科疾患は悪化しないかもしれない。
このあたり専門家じゃないので確かじゃないけど、依存症はその依存する種を断たないと改善しないはずだ。

こういう精神科疾患を抱えていそうなクライアントに対して、高須クリニックは断る基準を持っているという。私が聞いたところでは、高須クリニック以外の美容外科ではっきりと断るケースはまずないそうだ。

精神医療というのは、血液検査とか脳波とかの検査で、この数値が病気に域に入ってると判断するわけじゃない。質問して、何問以上当てはまるから◯◯病だと判断するだけだ。
わかりやすい例だと、うつ病というのは、製薬会社が判定するための問診のチャートを作った。それを作って以降、うつ病が急増して、薬が処方される。薬を服用すると、うつじゃなかった人も本物のうつ病になるという。

そんなだから、美容外科が問診でヤバそうだとわかっても、どれだけ断るモチベーションが働くかどうか。だってすべての医療機関は、よほど倫理的じゃない限り、病気じゃない人を問診から病気にしちゃっているんだから。

だから断る基準を持っている高須クリニックは、とても倫理的。業界内では広く知られているそうだし、医療機関全体の中でも良心的なんだろうと思う。

大西議員は美容業界怪しいじゃないかと思ったんだろうけど、それは間違いなく正解。だけど業界を健全化の方向に牽引している高須クリニックを、悪徳だと印象付けたのは悪質どころか、悪徳なところを利するだけだ。
高須院長が激怒するのも、当たり前。

 

 

手術の下手な外科医がなだれ込むという美容外科業界


手術って、何も大手術ばかりじゃない。眼科でものもらいを切って、膿を出すのも手術だ。ところが、どんどん手術をする街の眼科が減っているんじゃないかと思う。それは保険の点数と設備投資や手間のバランスが釣り合わないとか、あるいは医療事故などのリスクの問題があるのかもしれない。それよりはコンタクトの処方をやっている方が儲かるだろう。検査してるのは、多くがコンタクトレンズメーカーから派遣された人たちだ。

 

美容外科医は、手術ができなきゃ務まらない。ところが急増する美容外科医がどこから来ているかというと、外科医や外科志望者が、自分の手術の腕だと通用しないと判断してなのかどうか、実質的に手術下手が大勢美容外科医になっているという。
外科というのは広いジャンルね。腹部・消化器系を扱う一般外科、内分泌外科、脳神経外科、整形外科、口腔外科とか。美容外科というのは、たとえば事故なんかで顔や体の表面に損傷受けたのを治癒とか再建する形成外科の一分野ね。


手術というのは、もっぱら大病院がやっていているはず。大病院ならそこで手術が下手だと弾き出されてしまうはずだ。手術が下手だというのは、単純に手先が不器用ということもあるだろう。どれだけ、勉強して実習したところで、不器用な人は不器用だ。料理だって味ならレシピ通りにできても盛り付け飾り付けなんかは、センスと手先の器用さが求められる。美術教室や美大予備校でデッサンをどれだけやったとしても、下手な人は下手だ。

じゃあそんな下手な人たちがどうして美容外科ならやれるかというと、どうしてなんだろう。命に関わらないとか、保険を使わないから表沙汰にならないとか、いろいろ想像できるけど、なんともわからない。まあだけど、美容外科が急増するとともに、表沙汰になっている事故も急増しているらしい。
美容外科だと簡単な部類に入るはずの二重まぶたなんかでも、抜糸したあとの糸が残っているとか、そんなミスとさえ言えないミスも少なくないらしい。


ところが高須クリニックは、ここでもちゃんとしてるそうだ。実績のある医師しか採用しないらしい。マニュアル化して、新米医師でもやれるようにして拡大しようとする方法はやっていないそうよ。

高須院長は新しい美容形成技術をいくつも開発、指導者として世界各国から招聘されているのも事実だそうですよ。なんでも韓国で美容整形ブームが起こったのも、高須院長が指導したからとか。

 

 

CMのテキトーな印象とは違って、だんぜんちゃんとしてるのが高須クリニックだそうです。
大西議員はバカだよね。あまりオープンになってないはずだけど、こんなこと業界をちょっと調べればわかるはずなのに。

 

 

 

マイケルはきっと、身体醜形障害だけじゃない。何にでも完璧を求めたら、そりゃあ生きてられないわ。
でもそういう人だからこそ、こういうMVを作れたのよね。素晴らしい曲。

今日のBGM446【 Michael Jackson - Black or White】

Amazon - マイケル・ジャクソン/デンジャラス

 

昼間だって超満員になるときだってあるし、痴漢冤罪から逃れる方法なんてあるんだろうか

f:id:F_chikara:20160520162840j:plain

15日の夜、帰ろうと駅に行ったら掲示板に「田園都市線青葉台駅で人身事故があり、折り返し運転をしている」との情報が流れてた。人身事故や何かのトラブルで電車が遅れると、JRや私鉄、東京メトロを問わず表示される。毎日のように、どこかで遅延や運休が起こってる。

またかよ、大変だなと思っていたら、翌朝のテレビで詳しくやっていて、かなり驚いた。

 

痴漢を疑われた男性が、ホームに飛び降り、電車にひかれたというもの。その女性の証言は、

---------------------------------
腰のあたりをごそごそ触られていたような感覚がしたので
振り返えると男性が立っていた。
男性が「すみません」と言って逃げようとしたので痴漢だと思い、乗り合わせていた男性と捕まえた。

---------------------------------
というもの。

 

いやぁあ、それ痴漢じゃないんじゃない。これが本当に女性の証言で、そのままなら、どうにも腑に落ちない。カバンとか肘が当たって、振り返られたから「すみません」って言っただけじゃないの。そりゃあ真相は分からないけど、本当に痴漢だったとして、腰触られたぐらいで駅員に突き出すだろうか。

この女性が被害にあったのならどうこう言われる筋合いじゃないだろうけど、疑いをかけられた相手は(実質的に)即座に自殺してしまってる。

 

明らかにワザと触ってれば別だけど、「触られていたような感覚」ぐらいでって思ってしまう。私は昨日の帰り、電車の中で腰をさわさわされてたので何だよと思って後ろ見たら、女の人がスマホいじってて、その腕が当たってた。


いろんな弁護士が、駅員室に連れて行かれたらそれは逮捕だと言ってるじゃない。どうして駅員室なら逮捕になる? 

これが駅じゃない場所でなら、警察官に「腰のあたりをごそごそ触られていたような感覚」「すみませんと言って逃げようとしたので痴漢だと思いました」と女性が言ったら、交番や警察署に連れて行かれて取り調べされても、それは逮捕じゃないでしょう。仕組みがおかしいんだけど、法律で過剰に女性を守らなきゃいけないものなんだろうか。


とっとと全車両に監視カメラを付けろよ、と思う。そもそも痴漢を撲滅しなきゃ解決しないんだから、そうしないのはどうしてだ。

 

 

時差出勤すればいい、勤務時間をシフト制にすればいいとか、その手の意見は、こういうトラブルで遅延や不通になると、昼間でもいつでも超満員になることを知らない人の戯言。

 

 

女性は自分が加害者になるとか、夢にも思っていない?

私なんて、どれぐらいだろう。10年以上前だか、電車での痴漢えん罪事件が話題になり、大阪で美人局的な事件が起こったり、中央線で音漏れを注意した老人が「この人チカン!」と言われたとか、そんなニュースが出始めてから、年齢を問わず女性からは離れようとする。

満員電車では、できるだけ荷物を網棚にあげ、つり革を掴むなりして両手を挙げてるようにしてる。今だって、観察してれば鮨詰め状態まで行かない満員電車だと、女性の周りはゆったりとしていても、おっさんたちの周囲はぎゅうぎゅうになっていることが分かるだろう。ボーっとしたおっさんもいるけどね。今回の事件で思わずツイートしたけど、なんだこいつ。女性の後ろにいて手も挙げず、ボーっとしてると思ったら、TMPD(警視庁)と書かれたストラップを下げてた。自分は痴漢の疑いなんてかけられるはずがないと思ってるなかには、こういう人もいる。冗談みたいだけど。

普通そうしないのは、学生とか若者だけだ。実態は、そんなところじゃないんだろうか。

都市部ならではの異常な光景。

それに気がついてる女性は、どれぐらいいるだろう。

 

 

前にも書いたけど、満員じゃない電車でもハイヒールの女性がいると逃げるようにしてる。多くの女性は、自分が加害者になるなんて、夢にも思ってないし、感じてもいないのかもしれない。たぶん何かしても、大して悪いとも思っていないのかもしれない。だって、男でしょう。私は、か弱い女性なんだから、みたいな。

 

腰どころか、女の人から脇を肩からかけたバッグでグリグリされたり、尻を荷物でサワサワされたりなんて何度もある。こういうとき、私が「チカン!」と叫んで、腕を掴んでホームに降ろしたらどうなるんだろう。
こっちがヘンタイ扱いされるわ(笑)

 


起訴されると99.9%が有罪。やってないと言っている否認事件に限っても、99.5%が有罪になるという異常な日本。要するに警察も検察も裁判所も、まともな仕事をしていないし、もし間違っていたと気づいても認めないんだろう。
ましてや痴漢に関する捜査なんて、まともになってないじゃないのと思える。下の事件なんて、これが本当なら警察は記録さえまともに残してないんじゃないのかと疑ってしまう。
自殺した痴漢冤罪青年による110番通報の謎 目撃者、続々現れる

森友学園問題みたいに隠蔽するためじゃなく、警察の中では痴漢犯罪なんてどうでもいいわ、評価点にならないし、ぐらいの扱いなんじゃないだろうか。
だいたい自殺した青年に暴行した大学生たちは、逮捕どころか見つかってもいないじゃない。新宿駅構内なら、けっこう以前から防犯カメラあるんじゃないの。

 

 

かといって痴漢にはどんなタイプの男だっていて、執拗らしい

社会人になりたてのころ、通勤電車で乗り換えようとホームに降りたら、閉まるドアの向こうから女性の尻をつかんでいるおっさんを見た。いや、おっさんというより、紳士然とした人だった。こんな人が痴漢するのかとあまりに意外で驚いて、帰宅して奥さんに話したらそんなの意外でもなんでもない。痴漢するのは、あらゆるタイプがいるからと言う。え!? その言い方からしたら、もし俺が痴漢してても驚かないのかと聞いてみた。すると、驚かないという返事。


私には、けっこう衝撃的な言葉だった。だってそのころは、新婚ホヤホヤ。今なら冷めた口調で言われても、まだ分かるけど(笑)
特にうちの奥さんが疑り深いとか、男性不振ということはぜんぜんない。実際に通勤電車に乗っていると、それぐらい多いと言っていた。

 

最近もこんな話を聞いた。

道場で、大学1年生の女の子に連行法のやり方を教えていたときのこと。連行法というのは手首を鎌首のようにさせて激痛を与える技なんだけど、「これやったら連行できますか?」と聞かれた。
え、連行する!? いやいや、やっちゃダメと即座に答えた。稽古ではあまりに痛いから一瞬で離すけど、連行しようと抑え続けて激痛が続いたら、誰だって必死に暴れまくる。自分の方が相手より体重があればいいけど、相手の方が大きかったら弾き飛ばされる。私だったら、飛んで膝蹴りというか体当たりして振りほどく。万が一使うことがあれば一瞬だけ激痛与えて、戦意喪失させて逃げるぐらいかもね。と答えた。
なんで連行したいの?と聞くと、こういうことだった。その子は高校生のとき電車通学。同じ女子校の電車で通う子たちは、電車内でカバンを使ったりして痴漢をかわす方法を共有してる。それでもかわしきれないしつこい奴もいて、そんなときは電車を降りる。
ところが常習犯はそんなことも知っていて、降りると遅刻してしまうギリギリの電車に乗っている子を狙うんだそうだ。

 

なるほどなぁ。卑劣なことする奴は、用意周到なんだな。そういう奴を連行したいわけか。死んでも離さないつもりで指取りすれば、出来るかもしれないけど。いやでもそれなら、証拠にならなくてもスマホで自撮りモードでそいつの顔を撮ったり、大声で「この人チカンです!」と叫ぶとかすればいいんじゃない。痴漢していることが周囲に知られたら、自分から逃げ出すと思うよ。と答えた。
なんたって日本は恥の文化なんだから。


あっ、そうか、恥の意識が強いから、えん罪でも逃げ出しちゃうわけか。
やっぱり自衛は難しそうだわ。監視カメラを全車両に複数つけるか、女性専用車両を大幅に増やして終日運転してもらうしか、痴漢をなくしたり、えん罪を防ぐ方法はなさそうよ。

 

やってないなら、こうするのがベストなんじゃないと思えるツイートがあった。

 

 

 

Amazon - それでもボクはやってない [DVD] 

 

今日のBGM445【 Vitalic - Use It Or Lose It ft. Mark Kerrr】

 

 Amazon - Vitalic / Voyager CD

 

松岡正剛×水カン・コムアイが、お互いの仕事場で対談した[SWITCHインタビュー]をやっと見た

f:id:F_chikara:20170503140734j:plain

4月15日の深夜、NHK「SWITCHインタビュー 達人達」で、松岡正剛と水曜日のカンパネラのコムアイが対談した。

私は放送終了後にツイッターで知ったんだけど、なに!? 松岡正剛とコムアイだと!! そんな面白そうな番組があっただなんて。

再放送を録画してみたんだけど、いやいや面白かった。私はふたりとも好きだ。松岡正剛さんには学生時代からずっと影響されてるし、水曜日のカンパネラはメジャーデビューアルバム「SUPERMAN」をけっこう聴きまくってる。

f:id:F_chikara:20170504230929j:plain

 

あ、買うならCDを。アルバムの形状からして意表をついてます。 

 

水曜日のカンパネラやこの「SUPERMAN」のことは前に書いたけど、アーティストとしてのコムアイについてほとんど触れてなかった。番組を見て、コムアイさんの目指すところが伝わってきて、さらに興味が膨らんだ。

 

 

セイゴオもコムアイも、以前からお互いに興味を持っていた

 

松岡正剛事務所が運営するサイト・セイゴオちゃんねるには、こう書いてある。

2人の初対面は2015年に行われた舞台「影向」(出演:松岡正剛田中泯宮沢りえ・石原りん)をコムアイさんが観覧したときのこと。互いに気にしあっていた時期を経て、とうとうこの対談が実現しました。

へー、そんな舞台があったんだ。濃いな。

番組では、こんな風に気にしあいぶりが語られた。

松岡正剛さんは、「陽水、桑田、中島みゆきユーミンが持っていた何かが
感じられなくなった」「 がっかりしていた何かを、この人は払拭するかな」「2年目かのときになんかピンときましたよ。YouTubeで見てました」みたいなことを言っていて。

一方、コムアイさんはデビュー前、東京駅の丸善内にあった松岡正剛が編集した売り場・松丸本舗まで、トークショーを聞きに行っていたという。

マジか。コムアイさんがいくつのときだよ。と驚いた。高校生だとしたら、ずいぶんと早熟というか、老けたJKだ。だって松岡正剛ファンなんて、おっさんばっかり。

 

私は松岡正剛ファンだけど、今までファンだという人ととしゃべると、必ずといっていいくらい、ガッカリした。「松岡正剛がこう言った」というばかりで、で、あなたはどう思ったの? どうしたの?というところがまったくない。

知の巨人を崇拝する私は、すごいっしょ。という信者ばかり。

それがコムアイさんには、まったくなさそうなところにも驚いた。松岡正剛のことを知っていて、それで臆するところがなく、対等に語っている。

 

ちなみに今回語られた「陽水、桑田、中島みゆきユーミンが持っていた何かが
感じられなくなった」というところに、私はかなり違和感を持った。深さみたいなざっくりしたことなら理解できるけど、この巨匠たちとの流れとは、ぜんぜん違うだろう。

井上陽水中島みゆきユーミンは、聴くとその風景が浮かんできてしまう曲が多いけれども、それでもかなり違う。

陽水が「夏がすぎ 夢あざみ 誰のあこがれにさまよう 青空に残された 私のこころは夏模様」と唄うと、なんかよくわからないけど、昔むかしのどこかの田舎ののどかな風景が浮かんできてしまう。

中島みゆきが「夜明け間際の吉野家では 化粧のハゲかけたシティガールと ベイビィフェイスの狼たち 肘をついて眠る」と唄いだすと、昔むかしの新宿の大ガード近くの吉野家が見えてくる。吉野家があったかどうか知りませんけど(笑)

このふたりは情景描写が心象風景になってる。

ユーミンは情景描写が主だけれども、女性ならでは心象の物語。桑田佳祐は、意味の解体だろうか。いずれにせよ、コムアイとはかなり違う。シンガーソングライターでもないし。

 

 

逢魔が時のような異界の扉を開けたいというコムアイ

 

水カンの曲名は、歴史上の偉人とか有名人が多いけど、それはコムアイさんが「ルールを作りたい」と考えたのだという。

「曲のタイトルを子供みたいに思ってもらえるというか感覚に名前をつけるとしたら、人の名前とか可愛がりやすい名前、
人格が立ち現れるものがいいなって」 それは尊敬の対象というよりマスコット的な扱いなんだそうだ。

確かに水曜日のカンパネラの歌詞は、誰もが知っている歴史上の有名人を持ってきて、そのパブリックイメージを解体している面白さがある。というところは、桑田さんに近いのかも。もっとも作詞作曲は、Kenmochi Hidefumiさんだけどね。

 

『マリーアントワネット』について、松岡正剛さんは「ラップのせいかもしれないけど速い。
フランス革命、マリーアントワネット、
お菓子を食べればいいじゃない まで行くのが数秒。
わかっててやってるのが面白い」という。

 

ラップは韻を踏むけれども、それは同じ音の繰り返しでリズムを生む。意味のつながりはあったりなかったりだけど、なくても伝わってくるイメージが面白ければいい。すると文脈がぶった切られて、意味が解体されていく。

水曜日のカンパネラの歌も、そういうことだろう。と思っていたら、松岡正剛さんが恐るべきことをおっしゃる。

「学生の頃、電車に乗ると車窓に風景が見えますよね。それを言葉にしようとすると
、有声言語との意識のスピードがずれてて追いつかない。それをエディットしようと思った」

おお、編集工学の目覚めは、こういうことだったのか。

 

「意識が持ってる次に行きたい速度を、上手く引っ張っている。
こういうアーティストがやっと出てきた
」

速度かぁ。速度なんてことはまったく考えなかった。 

 

番組の中でコムアイさんから、聴く人を自由にしたいとか、安全なところじゃなくて異界の扉を開けたいというような話があった。

歌詞を書いているのはコムアイさんじゃないけど、歌詞は意味をぶった切る手段。もしかすると意識以上のスピードで唄い、お笑いだったり舞踏だったりを引用する縦横無尽なパフォーマンスで異界に連れて行こうとしているのか。

 

井上陽水以外の誰かが「少年時代」を歌っても、なかなか昔むかしの田舎ののどかな風景が現れてはこない。中島みゆき以外の誰かが「狼になりたい」をカバーしても、昔むかしの新宿の吉野家の店内は見えてこない。

歌詞だけではなく、それが歌い手の力量。歌唱力があるとか説得力があるとかじゃなく、VRのようにリアルに思える風景を見せてしまう特別な表現力。

確かにコムアイさんには、その能力があるな。歌手というより、パフォーマーとかアーティストと言った方がいいのかも。

 

 

「アラジン」のMVなんて、コマネチやヨロチクビまで使ってるもんな(笑)

今までの歌手やアーティストの文脈とはまったくちがう大物なのかもね。もしかすると表現者としては、田中泯が一番近いかもしれない。方向性としてはPOPな田中泯なのかもね。なんて思った。

 

 Amazon - 意身伝心: コトバとカラダのお作法 田中泯×松岡正剛