不透明なチカラですが、なにか?

テーマはいろいろ。というか絞れません。2013年7月以前は他のブログサービスからインポートしたので、リンクや画像等がなくなってるかもしれません。

車載ナビと比較したら、Googleマップの圧勝だったのにビックリ

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うちのクルマは、タブレットみたいなモニターがあって、そこにナビなどの情報が表示されるのがデフォルトだ。そしてその向こうにiPhoneをドンキで買ったモバイル三脚みたいなのに挟んで、Googleマップを使ってみた。

初めて通る道、新横浜方面から川崎大師方面へ行こうと、今年開通したばかりの首都高速の横浜環状北線を使ってみた。入口もまったく知らない。開通したばかりの首都高がどんな風になってるのかも、まったく知らない。

だけど高速道路だから、万が一ナビがおかしくても大丈夫だろうと試してみた。

 

実はうちのクルマ、iPhoneと接続してiOSマップをモニターに出して使える。その他、iPhoneの機能を使えるんだけど、iPhoneに入れたGoogleマップのアプリは、どうも画面に出せないようだ。

 

iOSの「マップ」や他の機能を使えるというのが、ディーラーの売り文句だったけど、iPhoneのマップは使う気がしない。長い長いマカーだし、iPhoneユーザーだけど、iOSマップのマップは歩きのときに何度か使って、使う気が失せた。

 

Googleマップの音声ナビは、分かりにくい場所に行くときには手放せない。世田谷の込み入った場所で夜駅までどう行くのが早いんだよと使ってみたら、近所の人しか使わないだろうよという、人が来たらすれ違えないような狭さで、しかも暗い道を案内された。女の人なら躊躇するんじゃないかというようなルートだったけど、これがもう恐ろしくショートカットだった。

歩きながら画面を見てなくても、音声を出していれば、的確に指示してくれる。とても聞き取りやすい発音だ。

だけどクルマでは、どうなのか、いろいろ不安はある。だいいち、VICSがない。つまり渋滞情報が入って来ないなら、勝手に迂回はしてくれない。

車載ナビなら「道路状況が変わりました。新しいルートを案内します」と勝手に検索してくれる。

 

さあ、どっちがどう? 

目的地を両方に入力して家を出発した。

 

 

最初から圧勝だったGoogleマップ

 

車載ナビは、新横浜方面へまず幹線道路へ出て、幹線道路ばかりを使うルートが表示された。まあ、もっともな安全な安全なコース。ところがGoogleマップはまず、家から幹線道路に出ず、地元の人しか使わないような裏道から裏道へのルートを案内して来た。かなりのショートカットだ。

これにはビックリ。

知らない場所でこんなルートを表示されたら、信用するかな。近所だから、あーはいはいって感じだけど、初めてだと安全に運転しないと、けっこうコワいかも。

ナビ使っていなかったら、私は最初からこのルートを使ってる。Googleマップは、まるで地元民だわ。

 

 

渋滞の迂回も早かったGoogleマップ

 

休日の新横浜周辺では、渋滞するところがけっこうある。車載ナビでは迂回ルートは、なかなか出して来ない。渋滞するのは幹線道路で、幹線道路を通らなければ、とんでもない裏道を使うしかないからだ。

ところがGoogleマップは駿足で、裏道を使う迂回ルートを出して来た。バイクに乗ったヤンキーかよって感じだ(笑)

 

VICSを使わずにどうやって渋滞を知ってるんだろと調べたら、なんとGPSをオンにした他のGoogleマップを使っているデバイスから、情報を取って、それを使っているらしい。

なんやかんやとGPSを警戒している私なのに(笑)


しかし、こんな表示ができるほど、Googleマップを使ってるドライバーが多いってことね。メタデータが取られまくり(笑)

確かに大きな災害などがあった被災地では、通行止めになった道が通行できるようになったかどうか、Googleマップが早いと言われている。実際にGPSを追って、通行できているかどうかを判断しているそうだ。

ホンダ車も、ホンダ車同士で通信して、渋滞情報や通行可能かどうかを判断しているそうだ。Googleマップとホンダとどっちか早いかは、なんとも分からないけど。この先、Googleマップをカーナビとして使う人が増えれば増えるほど、判断できるだけの情報の入手は早くなる。

 

一時期、Yahoo!のカーナビが人気だと言われていたけど、あれはVICSだから、どうだろ。基本は幹線道路情報だけだ。

 

とろこがGPS依存のGoogleマップには、大きな欠点があった。

 

 

トンネルだと、まったく動かなくなるGoogleマップ

 

知らなかったけど、新横浜から横浜環状北線に乗ったら、すぐにトンネルになる。そして、ずーっとずーっとトンネルだ。

車載ナビは今年の頭にデータを更新したばかりだけど、横浜環状北線はそのあとの開通だから、反映されていない。それで山の中を走ってる。掘り進んでるような表示がされる(笑)

確か車載ナビは、タイヤの回転数などから速度や方向を割り出して地図に表示していると思うんだけど、そういうことで山を掘り進んでると表示される。

 

ところが、Googleマップは、ずーっと止まったまま。まるで亀がうずくまってるように(笑) 地図も移動していかない。

これトンネルだからなのかなと思っていたら、インターチェンジなどで、2、3秒上が隠れているところでも止まってしまう。

これは分岐地点などだと、ちょっとヤバイ。どこに行くかだけど、ナビゲーションに頼りきりだとあたふたしそう。基本は道路標示、ナビは参考にする程度の使い方なら大丈夫だけど。

だけど車載ナビなどでは、何車線もあって、三方向に分岐するようなところでも、ある程度デフォルメされてるから、自然に道路標示や道を目で見て確認するようになる。

ところがGoogleマップは道路の形状がリアルもリアル。そのリアルさで大きな分岐にさしかかって、何秒かでも止まってしまったら、慌てそうだ。

 

少なくとも自動車メーカーや様々なメーカーが出しているカーナビは、ほぼ不要になりそうだ。スマホが小さければ、iPadみたいなタブレットにすれば、問題なし。取りまくったメタデータをベースにしたGoogleマップで表示されるルートや迂回ルートの方が、まちがいなく早い。

 

問題は、GPSの届かない場所の対処だけみたいですよ。

 

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こないだGPSがどうのこうの、スパイ映画でどうのと書いてたら、アマゾンで普通に売ってて、売り切れたりしてるのもあるから、ちょっと涙目になったわ。

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だって(笑) 

 

 

 

今日のBGM453【Remember - Awich feat. YOUNG JUJU】

Awich(エイウィッチ)って、なにからなにまで日本人離れしてて、なによりこの声、この変幻自在の歌唱法には圧倒される。

日本のヒップホップって、とんでもないところまで来てるよね。

  

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【下北沢ダイハード】が両極入り混じりの、ハンパない下北沢感

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テレビ東京の金曜深夜帯、ドラマ24で今やってる【下北沢ダイハード】がもう面白くって。

ドラマといえば海外ドラマしか見ない私だけど、テレ東ドラマ24は、今までに何度かハマってしまった。なんといっても『リバースエッジ 大川端探偵社』。『モテキ』『アオイホノオ』そしてハマってはいないけど『孤独のグルメ』シリーズもこの枠だ。

さすがにテレ東というか、トレンドに乗ったようなのは、全然ない。

実は【下北沢ダイハード】は知らずに、ツイッターで流れてきた情報で第4話から見た。そして昨日9月1日の放送が第7話。4話を見て、なんで知らなかった。1話から見てればなぁと後悔したので、ここは拡散にちょっとでも役立っとことばかり、ブログに書くことにした。

いやまあ、YouTubeにはいっぱい上がってるけど(笑) オフィシャルでは最新話がテレビ東京のサイトで見逃し配信されてる。

テレビ東京|動画まとめTOPページ

 

タイトル読んだだけで面白そうでしょう。役者もこんなドラマじゃなきゃ出しそうにない顔を出してるよ。

第1話「裸で誘拐された男」
第2話「違法風俗店の男」
第3話「夫が女装する女」
第4話「夜逃げする女」
第5話「最高のSEXをする女」
第6話「未来から来た男」
第7話「手がビンになった男」」
第8話 「彼女が風俗嬢になった男」
第9話 「幽体離脱した男」
第10話 「悪魔にとり憑かれた女」
第11話 「父親になりすます男」

 

小劇場で活躍する人気劇作家11人が書き下ろす“下北沢で起きた人生最悪の一日”を、気鋭の映像作家たちが監督を務める一話完結型オムニバスドラマで、それぞれトーンがバラバラ。

各話とも、スナックのママ小池栄子と常連客古田新太の会話から始まる。下北沢の事情通、古田新太が語り出すところから始まる。

抱腹絶倒のドラマが終わり、ママと常連客の会話に戻る。エンディングは柄本明が自転車でフラフラと夜の下北を走っている映像。そんな初めと終わりにサンドイッチされ、一話完結なのを忘れてしまいそうになる。

 

で、話がどれも面白いんだけど、なんかありがちな古さと今時っぽさが同居していて、なんとも言えない下北沢っぽさを醸し出している。

 

例えば第5話「最高のSEXをする女」はミュージシャンと一緒に暮らしている女が主人公。売れ始めた男に新しい女がいることがわかる。昔っから繰り返される話だ。

ところがそれで可哀想よねって展開はない。なんたって「最高のSEXをする女」だ(笑) 

 

第6話「未来から来た男」は、スーパーコンピューター『mamazon』が、世の中の無駄をすべて排除し、平和で合理的な世界を築いていた2037年。反発する通称“サブカルゲリラ”は、サブカルの聖地・下北沢を奪還するべく抵抗を続けていた。
そこで『mamazon』はサブカルゲリラ完全抹消計画を発動。リーダーのコヤマ・サラがサブカルに目覚めてしまった2017年の『ヴィレッジヴァンガード下北沢店』にターミネーター風の男を送り込む。

 

  

コヤマ・サラがサブカルに目覚めるキッカケは、なんとヴィレヴァン下北沢店で岡崎京子の漫画を手にすること。私はもう大爆笑してたけど、これって若者に伝わるのか(笑)

昔々のサブカル好きのおっさんおばはんが喜びそうなモチーフを、AI、超管理社会、みたいな状況設定に打ち込んでる。

 

こういう新旧とか、両極の組み合わせが面白い。

まさに小劇場っぽいオムニバスドラマだ。

 

 

実は再開発が進んでからの下北には行ったことがないんだけど、下北沢ってメジャーカルチャーとかファストフードとかメジャーなチェーン店が少なかった。サブカルチャーというよりサブサブカルチャーみたいな。

そんな商売っ気のなさと古くからの店が混在していて、近代化されない、再開発されない、無駄だらけで、とんがったところのないオシャレっぽさが面白かったな。

今はどうなんだろう。

少々再開発されたからって、まるで柄本明さんとか古田新太さんみたいなジジイになった下北土着民たちが防波堤になってるはずだと、期待を込めて。

 

 11月15日発売だって


 

今日のBGM452【シーナ&ロケッツ ー ユーメイドリーム】

私にとって下北沢の記憶は、シーナと鮎川誠夫妻。そんなに下北に行ってたわけじゃないけど、シーナさんと鮎川誠さんに二度出くわしたことがある。

もちろん全盛期じゃないけど、めちゃめちゃカッコ良かった。

 

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がオススメ

 

スマホから取られる、メタデータとGPSで何ができる?

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スノーデンの著書『スノーデン 日本への警告』を読んで驚いたことはいくつもありますが、最近、そうだ、これが一番ヤバイじゃんと思い始めたことがあります。

それはメタデータと位置情報を追いかけられるということ。

 

Amazon - スノーデン 日本への警告

 

GPSに関しては、前にも書いているように、誤差数センチだという日本製GPSがまもなく始まります。



利用者に知られず、位置情報を取得できるスマホはなぜ売られてる?

 

『スノーデン 日本への警告』では、「2017年1月31日、政府が10年以上にわたり捜査にGPS装置を利用しながら、捜査資料にはGPSに関する事実を一切記載しないよう日本中の警察に徹底させていたことが明らかになりました」と書いてあります。


註には、2017年3月15日最高裁は「法律に基づかず無令状で行われるGPS捜査は違法であると判断」、現在は「裁判所の令状の発行を条件に、本人への通知なしに、NTTドコモなどの携帯電話事業者からGPS位置情報の提供を受けています」と書かれています。

詳しくは元特捜部主任検事の方が、こんなことを書かれています。



でも最近知ったのですが2016年5月に『ドコモの新型スマホ、利用者位置情報を非通知で取得可能に 捜査機関が対象』という記事が出ています。



この記事では、これまではプライバシー保護のため「端末に位置情報を取得していますという通知が出ていたため、捜査機関から実効性のある捜査ができない」との不満が出ていたと書いてあります。

 

これは、どういうこと? 『日本への警告』では10年以上にわたってGPS装置を利用していたとあるのに、スマホにその機能がついたのは2016年後半からという矛盾。
調べてみたら、警察がこれまでやっていたのは、対象者のクルマなどに信号を発信する装置を取り付けていたということのようです。あああの、昔のスパイ映画やアメリカのドラマで出て来るやつね、と考えれば良さそうです。


ということは、昨年から発売されているスマホは、装置がなくてもスマホが位置情報を発信しているから追跡できるってことね。サンケイビズの記事では「GPS機能を切っておけば、携帯事業者は利用者の位置情報を取得できない」とあります。ホントかよ。そんなの簡単にオンにできるんじゃないの、とも思いますがどうでしょう。

 

記事ではAndroidスマホ5機種が対象で、iPhoneは対象外とあります。
そのiPhoneでプライバシー/位置情報サービスのオンオフにするところには、まず「ただし、安全目的のために、位置情報サービスを有効にしているかどうかに関わらず、救助に役立つように緊急電話でiPhoneの位置情報が使用される場合があります」と、ちょっと具体的な仕組みがわからないことが書かれています。

 

そしてGPSじゃなくても、「Bluetooth、公衆WiFiアクセスポイント、携帯電話基地局の位置情報を利用して、デバイスのおおよその現在地を判断します」とあります。
まあiPhoneではアメリカのケースを見ても、そう簡単に位置情報を捜査当局に対しても漏らさなそうですけど、電源を入れてる限り、やろうと思えば取得できるけどね〜ってことでしょうか。

 

そんなこと心配しなくたって、俺は捜査されるようなことは何もしてないって? 

あー、ね。


でも共謀罪って、未然に計画してる集団を捕まえられるのよ。

アドレス帳にあなたの電話番号を入れてる人に、著作権法違反の疑いがあったら、つながりのある人は全員調べるでしょうよ。じゃなきゃ、どうやって集団を特定するのよ。尾行? 

たとえばマンガのデジタルデータを違法にアップロードしてるとか、有名な曲をカバーしてJASRACの許可なく有料で配信してるとか。


共謀罪って、テロ以外の捜査にも、金かけも手間もかけないで簡単にやれるから、なんでもかんでも対象犯罪にしたわけじゃないの。

でも令状がいるじゃない。裁判所が簡単に令状出さないでしょう、ですって? 
いやまあ、裁判所が令状出さなくても、政府と警察は10年間、違法なGPS捜査をやってたわけでしょ。

しかも昨年から利用者位置情報を非通知で取得可能なスマホが売り出されたのは、“総務省”が個人情報保護ガイドラインを改正したから。共謀罪が通ったんだから、合法的にやりたいなら“疑いが明白な被疑者と強いつながりのある人々の位置情報も取得できる”ぐらいの追加改正は、簡単にやれちゃうでしょう。


その総務省は、もうすぐLINEと組むのよ。なんで? 


 


通信の中身は見ていない。メタデータを取得しているという理屈

 

マイナンバーがダダ漏れするとヤバい、なんてことは誰でも思う。でもメールや電話やLINEの中身は見てないから。見てるのはメタデータだからと言われたら、多くの人が安心しちゃうだろうか。

 

『スノーデン 日本への警告』の第一章は、東京大学で開催されたシンポジウムを書き起こしたもの。そこでは質問者が「一部の政府関係者は、通信の中身は見ていないのだ。メタデータしか見ていないと主張しています」とスノーデンに意見を求めている。


対してスノーデンは「たとえばあらゆる人についての情報を収集していたとしても、実際にヘッドセットをつけて電話で話している内容を聞かない限りはプライバシーの侵害ではないという立場です。しかし、この立場は市民がメタデータとは何かを理解していなかった時代のものです」と答え、メタデータとは何かについて言及している。

 

世界中のメタデータを収集しているNSAの発想はこういうことだ。
あるテロリストいて、その人物が電話をかけた場合、その通話の中身ではなく、何時に、どこから、どの番号に電話をかけたのかに注目する。これが、メタデータです。
パソコンでメールを送った場合には、メールの中身ではなく、時刻や相手先のアドレスなど、ATMから現金を引き出した場合には、時刻や場所など、さまざまなメタデータを収集。通信の中身そのものより、メタデータを収集すれば、被疑者の行動範囲や、連絡をとる相手が浮き彫りになり、テロ組織の発見につながるという発想。

まあこういうことがメタデータだけれども、JR東日本Suicaのデータをマーケティングに利用していると知れて叩かれたときに、数量的に処理しているだけで個人に紐づいているわけではないと弁明したけれども、たぶん本当だろう。

定期券やクレジットカードとしてSuicaPASMOを利用していれば、やろうとすれば個人に紐づけることは簡単だけれども。

 

GoogleがG-mailやGoogleアカウントにログインして利用しているときに取っているデータも、まあメタデータだ。個人は特定されているけれどもAさんBさんという風に処理されているはず。でも、やろうとすれば簡単だ。


Facebookも同じようなことをしているけれども、そのソーシャルグラフはユーザー自らが提供してるのよね。

 

ユーザーが位置情報サービスをオンにしていれば、なおさら。
ちなみにlINEは、現在位置通知サービスに力を入れだしてますよ。

 

 

メタデータと位置情報がわかると、何ができるのか

 

NSAの発想だと、連絡をとる相手が浮き彫りになり、テロ組織の発見につながるということだけれども、そんな単純なテロリストがいるんだろうか。発見できるとしたらテロ組織じゃなくて、操られたり影響された、にわかテロリストじゃないという気がする。
だからこそ、NSAはなんでもかんでも盗聴するんだろうけど。

日本のテロ等準備法案で、テロリスト集団を摘発できる? 

 

用意周到なテロリストは、さまざまな網をかいくぐろうとするはずですが、テロ等準備法案に入っているテロ以外の犯罪なら、メタデータと位置情報で、もしかすると中心的な容疑者とそのグループを特定できるのかもしれません。


特定できるなんてことはどこにも出ていないのですが、数年前からウェアラブルセンサで、異なるネットワークの中心にいる人物を特定できる。周囲に及ぼしている影響を解明できるという研究が表に出て来ています。

 

ここでいうウェアラブルセンサとは、万歩計とかアップルウォッチ的な健康やフィットネス関連のセンサーではなく、まさにメタデータと位置情報を把握するものです。詳しく知りたい人は、下に紹介する2冊の本を読んでください。2冊ともビックデータ周りの内容ですが、私はもうこんなのスマホで出来るじゃん。と思っています。

 

まず『職場の人間科学』という2014年に発行された本には、「今私たちは、人間の行動を測定し科学的に分析する、新しいレンズを手に入れようとしている」と書かれています。企業内部の人に、マサチューセッツ工科大学メディアラボが開発したソシオメーターを身につけてもらうことで、組織図とは異なるソーシャルな構造を解き明かし、集団内の誰の存在が生産性向上に役立っているか。さらに生産性を向上させるには、オフィスの何を変えればいいかわかるというのです。
ソシオメーターは会話した内容まで録音するのですが、今回書いている内容にはそれほど関係がありません。ポイントは職場での位置情報、誰と話しているか、時間や人数などを測定して記録するというところ。これで組織図とは異なる非公式なつながりがわかる。中心人物がわかるというのです。


趣旨はポジティブなものですが、これが事実なら、共謀罪の犯罪捜査にも使えるでしょう。オンラインで、アルゴリズムで自動的に“容疑者グループと主犯格”候補をあぶり出すことができるはずです。

最近あちこちで書かれているビックデータ話ですが、私が知る限りこの本が最初に書いた驚くような内容があります。
それは、アメリカの小売り会社が開発した妊娠予測アルゴリズム。25種類の製品カテゴリーの購買行動を分析すると、高精度で妊娠と出産日まで予測してしまうというのです。


妊娠の有無と出産日を割り出し、自社の店で買いものしてもらおうとベビー用品の大量のクーポンをDMである女性に送った。ところがその女性は、まだ高校生。これを知った父親は、店に怒鳴り込んだという。ところがその後で、娘の妊娠がわかったのというのです。

本当に実話なら、これに位置情報が加われば、その相手まで特定できてしまうということでしょう。
スマホでネットショッピングしていなくても、アップルペイのようにスマホのクレジットカード化が進めば、購買情報だって取ろうと思えば取れてしまいます。

 

Amazon - 職場の人間科学

 

やはり2014年に出たのですが、『データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則』という本があります。こちらは日立製作所が開発したウエアラブルセンサ「ビジネス顕微鏡」による人間行動の把握が、人間と社会に関する認識を根底からくつがえすとしています。
こちらも趣旨はポジティブで、『職場の人間科学』で書かれていることと似たような内容です。しかし、幸せを加速度センサーで身体上のデータとして定量化するみたいことが書かれているのですが、「幸せ」が把握できるなら、たとえば「暴力衝動」を測ることだって出来てしまうでしょう。これってたとえば目撃者のいない暴行事件で、容疑者になった人の位置情報を溯って調べる。犯行時間に、その場所にいたのであれば、加速度センサーデータと突き合わせれば白か黒か、黒に近いグレーか、みたいなこともわかるってことでしょう。

Amazon - データの見えざる手

 

この手の研究がどれほど妥当なのか、正直、私にはまったくわかりませんが、職場とか仕事とかと別に、犯罪に関わる研究もされているはずです。

データさえあれば、リアルとネット両方を重ねたソーシャルグラフを作るのは簡単だし、アルゴリズムで犯罪を侵しやすいつながりをあぶり出すのも簡単。やらない手はない。というのが、きっと先進国の今の状態。
共謀罪が通ったのも、きっとそういうことでしょう。

 

 

無実を証明するためには、データを取らせるしかない時代に?

 

私は、どれだけ嫌がってもアメリカがやっているんだから、日本だってやりたがるのは当たり前。テロと言いながら、テロ以外のことがメインなのには腹立ちますけど、仮にこういう風に調べられるような時代になったらデータを取られてもしょうがない。と思います。

自分がやってないことの証明、アリバイややっていないという証拠を示すためにも、データが取られるようにするしかないだろうと。少し調べられだしたら、結局は全部調べさせないと黒か白かは判断できない。

 

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安倍総理が「やってないことを証明するのは、悪魔の証明と言って証明できないんです」よくおっしゃるけれども、メタデータと位置情報の記録とソーシャルグラフを重ね合わせれば、ほぼやっていないことは証明できるはず。現金を扱わず、銀行やクレジットカードの仕組みでお金の流れまで把握すれば、ほぼなんだって証明できるはず。

 

国民全部があやしい、という前提で調べてるんだから、白だと証明できなければずっと追跡される。あるいは、現実に取り調べられる。


ただし条件があって、調べる側のデータも全部取って残しとけ。疑わしい突っ込んで調べた場合は、その記録も残して、何年後かに、誰がどういう理由で調べたかも公表する仕組みにしろ。と思います。

そして政治家、公務員、あるいは政府や行政の委員は、すべて行動記録、メタデータを20年間保管を義務づけるとか。汚職、贈賄収賄憲法をはじめ各種法令を逸脱する行為は、この人たちが犯す可能性がだんぜん高いはず。

 

たとえば、夫は重要な役割を担ってるから、メタデータGPSを残さない。しかし妻と子供のデータはぜんぶ夫が把握する。なんていう家庭があったら、どうでしょうか。そんなの誰が許すでしょうか。


調べる側、調べさせた側があいかわらず「破棄しました」とか「当時の記録がありません」とか言い続けてるとしたら、超監視社会というより、ただの恐怖政治でしかないし。

 

こんな記事があります。

 


今日のBGM451【グループ魂 - 職務質問

 クドカンさんって、こんなに有名になっても職質されてるんでしょうか。見た目はアヤシイけど(笑)

 


Amazon - グループ魂/1!2!3!4!

 

やり遂げる力=グリットが、これほど持ち上げられるのはどういうことなんだ

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先日「学歴は、やり抜く力の凝縮」「やらない人は自分を正当化する言い訳が上手い」とブイブイ言わせてる起業家の方がツイートして、それをブイブイ言わせてる新手の起業家の方がリツイート

さらに「だからこそ学歴に自信がない人は早い段階で「グリット(やり抜く力)」があることを証明しないといけない」とツイートされていた。

 

一連の流れのに、はぁ〜と溜め息つきながら、自己正当化の権化のみたいな私が、ちょっとは解説しとかないと世の中のバランスがオカシクなるわとばかり、タラタラと言い訳を書いてみる。


というか雇う側の人たちが、あえてこういうことを発信する理由はなんだろう。求職者に対するアドバイスか? それとも現状への不満か? それとも仕事に対する情熱のほとばしりか?

 

成功者がもつ共通点「グリット」って、なに?

日本では昨年末、『GRIT』という本が発売されました。世界中でベストセラーだそうです。

グリットとは、著者アンジェラ・リー・ダックワースによると「物事に対する情熱。目的を達成するためにとてつもなく長い時間、継続的に粘り強く努力することによって、物事を最後までやり遂げる力」だそうです。
そして成功する人たちは、共通してある1つの性格「グリット」を持っているといいます。



しかし「グリットは短距離走ではありません。長距離走なのです」という割には、数年間しか調査してないわけね。数年間で長距離走の結果は、わからないと思うけどな。

私には、たかだか数年間走らせるための提言としか思えないです。なんていう底の浅い心理学者だと。


もっとも、多くの起業家からしたら数年間全力疾走させれば十分なわけで、数年以上のことは予想もできないし保証もできない、と思っていて当然です。10年以上も先のことを言えるのは、大ウソつきか宗教だけでしょう。

そりゃあ何するにも「やり遂げる力」は、必要だと思いますよ。そこは間違いなく。
だけど、数年間全力疾走させたいのは雇う側の論理。その危険性を知らない心理学者って、アホかと思います。やり遂げた結果「何があるのか」を言わずに、やらせたい起業家はロボットを雇った方がいいんじゃないのと思います。

 

 

起業家自身に必要なのは「やり抜く力」じゃなくて「やらせ抜く力」でしょう

日本で名前が出てくる起業家って、たとえばソフトバンクの孫さん。楽天の三木谷さん。サイバーエージェントの藤田さん、ZOZOTOWNの前澤さん、はたまた連続起業家の家入さん。
あなたが学生なら、将来この人たちみたいになりたいだろうか? 

 

私が今学生だとしても、まったく興味がないと思う。孫さんがいなかったら日本のインターネット環境は、ずいぶん遅れていたかもしれない。そりゃあ、すごい人だ。で、遅れてたら何か問題でも?
成功するって、お金持ちになること? それってどれぐらいの資産を持てばいいの? 
著者は「最上位の目標を持て」と言います。

最上位じゃなきゃダメですか? そこそこじゃダメです?(笑)


金と名声を得て、芸能人とかモデルと結婚したいならビッグな一流の経営者を目指すのも、そりゃあありだ。あなたに、それだけ目立ちたい欲望とやり抜く力があればだけど。
揶揄してるわけじゃなくて、著名な起業家になろうとするなら、目立ちたがりと厚顔が同居してなきゃ。厚顔は才能だよ。


目立ちたがり度は、もしかすると女優や俳優よりはるかに強いかもしれないです。

 

起業家が自社の採用のために、応募者に「グリット」を求める。それは当然だ。途中で折れちゃったり逃げ出すやつは会社にとって損失なんだから。


だけどそれで「学歴はやり抜く力の凝縮」と言い出すと、意味が違う。

解釈できるのは、こういうこと。うちの採用基準は、まず「学歴」です。どこどこ大学の何学部以下は足切りしますというラインを持ってて、それを社内で正当化するために言ってる。偏差値で、やり抜く力が判定できるんだからという考え方。

別に社長が、そんな基準を持つのは勝手。ネットでエントリーするようになってから、大学学部によって表示するものが違うんだから、つまりはどこでもやってること。

それともう一つ。そういうことを言う人たちは自分に「やり抜く力」がある前提で公言してるんだろうけど、起業家に求められるのは「やり抜く力」じゃなくて「やらせ抜く力」だよ。
ラーメン屋を起業した人なら、自分で麺打ったり、メニュー開発したりするかもしれないけど、起業して「◯年後に上場。◯年後には業界No.1に」みたいな目標掲げている人なら、自分じゃ現場の仕事はやらない。どうやったら、やらせられるかに注力する。


だから内容に関係なくやらせて、「やり抜く力」のある人を求めるのよ。マネジメント力でやるんじゃなくて、指示すれば、あとは放っておいても最後まで「やり抜いて」くれる人って意味ね。

 

あるのはやっぱり強烈なエリート意識とか階層意識?

私には「何を」に関係なく、人にやり抜かせようと思い始めるのか、「やり抜かせる」ことに情熱が持てるのか、そこのところがまったく理解できない。MBAとかを否定してるんじゃなくて、そういう人はコンサルタントになればいい。


自分がある分野で長年やってきて、実績もある。でも年齢とともに色々衰えてきてるから、教える側とかマネジメント側に回ろうというなら、理解できる。

 

ところが10代でも、やらせる側に回ろうとする人はいるもんだ。


中学生のとき、体育祭があっていくつかの競技に出なきゃいけなかった。私は、ひとつはバスケットボールに出た。バスケに出た記憶はハッキリしてる。私たちのクラスはバスケ部に入ってる奴がリーダーになって、編成された。
リーダーになった奴は、自分自身は出場しなかった。ところがメンバーを頻繁に入れ替えた。もちろん、バスケはいくらでもメンバーチェンジしていいし、交代させるタイミングはいくらでもある。だけどゴールやファウルなど交代可能なタイミングには必ず交代させた。だけど誰にも交代の理由はわからない感じで、進んでいった。


私はこいつって何? 自分に自信があれば、まず自分が出場すればいいじゃん。
プレイ中はテンション上がってやってても、交代させられたらテンション下がるじゃん。でまた急に出場させられても、アドレナリンは出ないわ、みたいなことを思ってた。

後から考えても、交代させるだけだから戦術でもないし、あれっていったいなんだったんだろと不可思議だった。自分はプレイヤーじゃない。でもいろいろ、動かしてみたかっただけ? 動かすことだけが、やりたかったの?

 

そいつは京都大学に進学し、官僚になった。

 

あ、もしかして「学歴は、やり抜く力の凝縮」なんだったら、東大生について言及しなきゃいけない?

 


東大出身者は、どんなやり抜く力を持っているのか

実際に東大出身者なんて、そんなに知っているわけじゃない。キャリアで、中央官庁からローテーションで傘下の役所に出てきたときに会った人は何人かいる。え、どうして東大卒だと分かるかだって? それはキャリアだとわかって、水を向ければ「東大です」と必ず言うから(笑)

 

実際の知り合いでは、東大卒業してアメリカに行って、ユダヤ人女性と結婚して、金融ビジネスを起業した人がいる。もうマンガや映画にでもなりそうな絵に描いたようなコースだ(笑)

「やり抜く力」は皆さん持っていそうだけど、申しわけないけど、私は何にもうらやましくない。スゴイなぁとは思っても、この人たちは持っていないものが多すぎる。持っているのは何かというと、人脈だ。

 


以前、ある中央官庁傘下の巨大組織の新卒採用に関連する仕事をしたとき、人事の人に「それで評価されるのは、どういう人を採用できたときですか?」と聞くと、即座に「東大法学部卒を何人採用できたかです」と返ってきた。
結局そこかと。

東大法学部卒が仕事できるからでも、賢いからでもない。東大法学部卒の同級生や先輩とのつながりを持っているからだ。なにより欲しいのは、そのつながり。


かつて、銀行や大手証券会社にはMOF担と呼ばれる人たちがいた。大蔵省(現財務省 Ministry of Finance)に出入りして、官僚から様々な情報を聞き出す役割の人たち。

MOF担(モフタン)になるのは、ほとんどが東大法学部卒だと言われていて、同じ東大法学部卒の大蔵官僚と折衝していた。

折衝というより仲良くしてなあなあになるには、接待も必要だったんだろう。ところがその接待がエスカレート。大蔵省接待汚職事件で逮捕者まで出た。当時センセーショナルに報じられたのは、ノーパンしゃぶしゃぶでの接待。大蔵官僚側から、ほのめかしたそうです(笑)


ノーパンしゃぶしゃぶなんて店があることを報道で初めて知りました。そんなところで接待されたくて、見返りに機密情報漏らすなんて、町工場の社長かよと(笑)


あの、東大とか官僚とかを軽んじてたり、バカにしてるわけではなくて、「学歴に、やり抜く力は凝縮されていないでしょう」と言いたいだけです。いや東大に合格することが最上位の目標なら、凝縮されてるわけね。ああ、そうか、そうね。

目標に到達するために、人間として習得しているのが当たり前のことが欠けていませんか。たとえて言うなら料理人が最高に美味しい料理を作るのが目標で、達成したんだけど、食べた人が食中毒で入院しちゃったら、目標設定自体に欠陥があった。間違いだったとなりませんか。

東大に入れるほど、キャリアになれるほど勉強してきたのは、そのあとの人脈、日本の超エリート層に属したいというモチベーションで突き進んだんでしょ、と思えます。


だって、最近でも出て来るのは、こんな話ばかりじゃないですか。

「このハゲー!」の豊田真由子議員は、東大卒でハーバード大大学院修了。「やらせ抜く立場」であっても、持っていないものが多すぎます。
森友学園の問題で8億円値下げした交渉過程は「破棄した」と言い続け、国税庁長官に出世した佐川前理財局長も東大卒。財務省の規則では、「歴史的文書」に当たらない文書の保存期間を1年未満と規定しているそうですから破棄したんでしょう。しかし物理的破壊でもしない限り、たいがいのデジタルデータは復元できるはず。官僚の世界では、なぜか破棄したがまかり通る。たぶん「隠し抜く力」をお持ちなんでしょう。

最高にお勉強して、人を動かす階層に入ったのに、足りないものが多すぎませんか。

 


短絡的に「やり抜く力」を鼓舞すると、何が危険なのか

グリットを提唱する心理学者の著書『グリット』は、世界中でベストセラーだそうです。
出版社は、こう書いています。

ハーバード×オックスフォード×マッキンゼーの心理学者が
「人生のあらゆる分野での成功に必要な最重要ファクター」をついに解明!
世界の「能力観」「教育観」を根底から変えた
話題の世界的ベストセラー!

ビジネスリーダー、エリート学者、オリンピック選手…
成功者の共通点は「才能」でも「IQ」でもなく
「グリット」(やり抜く力)だった!

バラク・オバマビル・ゲイツマーク・ザッカーバーグ
錚々たる権威がその重要性を語り、
米教育省が「最重要課題」として提唱する「グリット」の秘密を初めて解き明かした一冊

 

さらに著者について、こう書いてあります。

 

ハーバード大で神経生物学を学び、
マッキンゼーコンサルタント職を経て公立中学の教員となり、
オックスフォード大で修士号(神経科学)、
ペンシルベニア大学大学院で博士号(心理学)を取り、
「グリット」の研究によってノーベル賞に匹敵する
マッカーサー賞(天才賞)を受賞した、世界最注目の研究者、アンジェラ・ダックワース教授。

 

 

 へーへー、そんな人のことを私は「なんていう底の浅い心理学者」だなんて書いたのか。なんていう身の程知らずだ(笑)

 

だけど、どんなジャンルでも一流になるには「情熱と粘り強さ」が必要だなんて、当たり前でしょう。
才能 vs 努力という風にどちらかを選ぶなら、努力の方が大切でしょう。かなりの才能があったとしても、それでナメてしまったら、どんどん追いつき追い越されるのは当たり前で。

 

しかし才能がいらないわけじゃない。どの程度の成功かによるでしょうけど、日本の中でスポーツでトップクラスになろうとすれば、才能と努力と環境が揃わなければあり得なくないですか。
あるいはビジネスの世界で成功するには、才能や環境は関係ない? 

 

インテル元CEOの「パラノイアだけが生き残る」という有名なフレーズがありますが、このパラノイアとは偏執狂ではなく、病的な心配性というニュアンスだそうです。「情熱と粘り強さ」も言い換えれば、これでいいのか、これで大丈夫かと、いつまでも心配し続けることかもしれません。才能や環境ということよりも、そこを強調しないと生き残れないほど、過酷な競争だということなのでしょう。

 

過酷な競争、うん、確かに。世界に出て行こうとすれば。
世界で戦おうとすればね。
いやいや違う、日本ローカルな仕事をやろうとしても、世界が日本に進出してくるから過酷になる。
グローバルってやつね。

 

あれ、いや違うよ。外国人観光客は、日本で食事すると安いと言うよ。
1000円程度でこれほどのものが食べられるのは、日本だけだそうよ。
もしかして、日本はグローバルに過剰適応してるんじゃない。
過剰適応に引き込もうとしてるしてる人たちが、世界基準の競争より、過酷な日本にしてるんじゃない。

 

だって日本のラーメン屋は世界に進出してるけど、勝ってるっていうじゃない。
進出してるのは、自分でラーメン作れる人たちよね。で、けっこう高いよね。
炭水化物食べないようにしてるからラーメンは食べないけど、マーケティング的に勝算ある。原価低減もできるし、機械化・ワンマンオペレーションで固定費はもっと削減できると考えてる起業家が進出して勝ってるわけじゃないよね。


アンジェラ・ダックワース教授は「目的を達成するためにとてつもなく長い時間、継続的に粘り強く努力することによって、物事を最後までやり遂げる力」を言ってるけど、何にでも情熱を持て、じゃないよね。アンジェラ教授も書いてるけど「情熱を持って取り組めるもの」が対象。好きでもないこと、向いてもいないことを「情熱と粘り強さを持って、最後までやり抜こう」じゃないよね。


会社に入る前に「どんな仕事の担当になるか」細かく規定されてますか。日本だと、雇用契約に書かれていても、社員ならこれぐらいのことはやって当たり前、の幅が広いよね。和の精神だから、みんながやってることは、あなたもやらなきゃいけない。「何をやり抜くのか」以外に、チームとしてやらなきゃいけないことが多いよね。


才能よりも努力と二元論で言い出すと、そこのところがどうも。だって日本人は根性論大好きだしね。


好きなこと、適性があることは才能。好きでもないこと、適性のないことをいつまでも続けるのはバカだからね。

オリンピック選手やプロスポーツの世界では、みんな試合を「楽しんでやってきます」と言うのに、高校野球ではいまだに根性論みたいなことがまかり通っている日本。


だけど、数多くの成功者を調査研究してきた教授だって、「グリット」を持つ人を少なくとも10年20年の単位で追跡はしていないようで。成功者は皆「グリット」を持ってるといったって、調査期間が20年30年になれば、まったく違う結論になることもあるわけで。

常用すると何十年後に重大な副作用が出る薬だってあるし、アスベストみたいに後々重大な健康被害を持たらすことだってあるかもしれない。

 


オリンピック選手が現役引退後、どうなっているか

オリンピック選手、特にメダリストが「やり抜く力」を持っているのは、どこからも異論が出ないだろう。たいがい幼少期から過酷なトレーニングを続け、世界を相手に戦い、勝利する。これ以上の「グリット」を持つ人たちが存在するのか。


しかし、オリンピック選手は現役引退後、体調や体重のコントロールができなくなる人が少なくないばかりか、鬱症状に悩まされ、自殺してしまう人もいるそうだ。オリンピック選手になれるような人はストイックな素養があるんだろうけれども、長年にわたるプレッシャー、食事のコントロールや長時間のトレーニングは人間の限界に達してしまうのかもしれない。

 

長年といっても現役生活は20年もないのかも。浅田真央選手は20代半ばで引退。40歳を超えてなおトップクラスの成績をマークするスキージャンプ葛西紀明選手は、レジェンド・生ける伝説と呼ばれるほどの例外なんでしょう。走り回るサッカーも引退年齢の平均は、20代半ばだそうです。キング・三浦知良選手は、やはり例外中の例外でしょう。
ほとんどの世界レベルの競技者でも、年齢的には20代半ばでピークを迎える。それは肉体のパフォーマンスだけじゃなく、過酷な競争に立ち向かう意志の力も折れてしまうのかもしれません。

 

それだけではなく、鬱病になるのは、ホルモンの影響だそうです。私は、このことを高名なスポーツドクターから教えられ、驚きました。
人間には、意思とは関係なく機能する自律神経が備わっています。自律神経はリラックスしたときに活性化する副交感神経と、緊張や興奮したときに活性化する交感神経とがあります。


交感神経が活性化したとき、体のストレス反応としてアドレナリンが分泌され、心拍数や血圧を上げ、瞳孔を開き、外敵に備えようとします。アドレナリンが分泌されると著しく、パフォーマンスが上がるのです。
痛みなども感じにくくなるのです。

外敵というと凄い事態に思えますが、コンタクトするスポーツなら間違いなく分泌されているはずです。スポーツだけじゃなく、満員電車の中にいるだけで分泌されるといいます。アドレナリンは闘争or逃走のホルモンだと言われています。

 

スポーツではよく雄叫びを上げるとか、気合いを入れる出すとか、とにかく大声を出す場面が多くあります。あれはアドレナリンを自分で出すためなのです。通常コントロールできないはずですが、闘争のための緊張状態を意図的に作り出すために、声を出すのです。


これをオリンピック選手のように、長年アドレナリンを出し続けているとどうなるか。長年と言っても10年ほどだと思いますが、アドレナリンの分泌が続くと、血管がボロボロになります。そして、鬱病を引き起こす。


オリンピック選手、著名なアスリートはもの凄いプレッシャーで、そのことが鬱病につながるのかもしれません。ここのところの因果関係は、詳しく聞いていません。教えられたのは、スポーツや格闘技をやる人、子どもにスポーツを指導する人は、何を目的にするのか。何を目標にさせるのかということ。

子どもの場合、身体的な課題は多くあるのですが、そんなことよりも一流アスリートを目指すということは、一流になれなかったとしても大きなリスクがある。趣味や健康のためにやるなら、そこのところの線引きをきっちりしておかなければいけないということでした。


アスリートは故障してもやる。故障してもやるための、スポーツ医学がある。プロアスリートに、精神疾患は思いのほか多い。精神を病んでもやる? 

もし故障しても、仕事上のあなたのミッションをやりとげますか? 「やり遂げる力」とは、そういう覚悟を求めてるわけよ。最上位の目標なんだから。

 


本当に才能より努力という発想でいいのか

将来、子どもをトップアスリートをしようとする親、学生をトップアスリートにするためのプログラムを導入しようとする指導者が少なくないそうです。まず肉体的資質がなければ、明らかに過剰です。
たとえばどれだけ食べても太れない体質なのに、相撲の世界に進ませて横綱を目指すトレーニングをさせますか?

 

過剰にアドレナリンが分泌されるような状況が、どれぐらいのものなのかは、私にはなんとも分かりません。分かりませんが「グリット」のことを読みながら、「グリットの正体って、ほとんどアドレナリンでしょう」と思ってました。


インテル元CEOの「パラノイアだけが生き残る」だって、病的な心配性を意味するなら、まさにアドレナリン過剰状態じゃないですか。

「やり抜く」んだとテンション上げて仕事している状態は、アドレナリンが出ているのではないでしょうか。それが過剰かどうか、人によって違うはずです。アドレナリンが過剰じゃなくても、長時間出ているなら、それは問題があるはずです。

よくビジネスは、戦争に例えられます。戦争をしているのだと。戦略論ならまだしも、人数や兵器が劣っているのに、それを根性で覆そうとする企業も少なくありません。

確かに、目的に向って一糸乱れず突き進む集団と、多様な価値観が許容されるゆるい集団が同じ人数で激突すれば、前者が圧倒的に強いのです。1/2、1/3の人数でも勝ってしまうかもしれません。

 

経営者が「やり抜く力」を言うのは、一糸乱れず最後まで突き進む集団でありたいからでしょう。仕事上は、ほぼどこでもそうだと思いますが、ユニークなアイデアや革新的な技術で勝負しようという企業ではなさそうです。アイデアや技術で優位性がないのに、一糸乱れず最後まで突き進むのは、その方向を経営者が間違っていれば全滅。


今多いのは、すでにあるものを自動化したり中抜きしたり。それによってコストを引き下げ、価格と時間の優位性で勝とうとしています。すでにあるビジネスだから、価格と時間を圧倒的に引き下げれば、勝算は高いでしょう。そのためには、人も交換可能なリソースとして、価格と時間が引き下げられます。

 

それも、どの程度か。完全に偏るということはないと思いますが、程度の問題です。
シリコンバレーのIT系スタートアップ、ウォール街投資銀行等々、超多忙な組織が増えている。こうした組織では、従業員は「理想的な働き手」すなわち、24時間仕事に黙々と打ち込む人材になることが求められる。このためには、仕事を他の何よりも優先させなければならず、そしてこの状況に異を唱えることはなかなか難しい」そうです。これはハーバードビジネスレビュー論文の紹介から引用したものですが、そういうところも、もちろんある。自分が向いているなら、そんな風に働けばいいのです。
ただ問題は、日本でそんな働き方をしても、欧米に比べて圧倒的に低い給料しかもらえないそうですが(笑)

 

 


「やり抜く力」論には、どれほどの汎用性があるのか


アンジェラ・ダックワース教授は、「グリット」を検証するために、ミリタリーアカデミーを調査して、厳しい軍事トレーニングに耐えて生き残る入隊者と、耐えきれずに中途退学していく入隊者を予測したという。


軍事教育学校って、何のためにあるかというと、戦地で活躍できる優れた軍人を排出することでしょう。途中退学するものと、卒業できるものとを予測して、どれほどの社会的な意味があるんでしょうか。ミリタリーアカデミーに入って「成功」とは卒業することでしょうか。


予測するなら、卒業生が戦地でどれだけ活躍できるかどうか。そして生きて返ってこられるかどうか。生きて返ってきた人の精神がどうなるか、の検証じゃないでしょうか。

それをしないで在学期間中のことだけを調査しているのは、科学者なのに意図的に外したのかとさえ思えます。「グリット」の前提が、学生時代にだけ適用できる成功の方法論なら、それも理解できますが。

 

ちょっとイジワルな書き方をしました。

本書には水泳のメダリストも取り上げられています。もちろん金メダルを取ることが成功ならそれでok。しかし前述のように、アスリートたちは特に現役引退後、さまざまなトラブルを抱えています。
数年単位の最上位の成功のために、全力疾走する。それだけなら、そのへんの自己啓発セミナーと大差ありません。

 

夏休みに読書するなら、まだこちらの本の方がマシかもしれません。 

Amazon - 不道徳な見えざる手 

 

今日のBGM450【Chubby Checker - Let's Twist Again】

なぜかYouTubeのおすすめでこれが出てきて、もう病みつき。チャビー・チェッカーの 名曲Let's Twist Again。

なんたって1963年だって。いろんな映像つないでるけど、当時これでツイスト踊ってたのは今もう70、80のばあさんだわ。人生って、不思議。数年なんて、短期も短期(笑)

そういえば昔むかし「え〜い 踊ってしまえぇ」ってギャグがあったよね。

 

この動画はチャビー・チェッカーのTwist Аgain - The Тwist、それにDionやLittle Richardの曲もつないでるけど、Twist Аgain /The Тwistはベストに入ってる。

 

 Amazon - Best of Chubby Checker

ルンバがカメラを搭載して、家の見取り図データを売るかもだと!?

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TwitterでGIZMODOのツイートを見て、もうびっくり。『ルンバのiRobot、ユーザーの家のマップを外部に売り出すかも』という記事をアップしてた。

 

ざっと読んで、ちょっと被害妄想っぽいけど、でもビックリ。

ルンバアプリのプライバシーポリシーに「お客様がデバイスをオンラインで登録しWi-FiBluetoothその他の手段でインターネットに接続しない限りこの情報を転送しません。お客様のデバイスWi-Fi_33またはBluetooth接続を解除し、またはそれらに全く接続しないことで、Wi-FiまたはBluetoothでのデータ転送がなくとも当社ロボットのスマートテクノロジーを使用することができます」と書いてあるという。

 

ルンバアプリ!? WiFi!? Bluetoothだと!? ネットに接続してなきゃデータ転送しないということだけど、そもそも通信機能があるなんて、ビックリだ。
だってウチにはルンバがある。

だけど、そんな話、ぜんぜん知らなかった。

 


ルンバは、我が家では異常に便利なお掃除ロボット

あるときウチに帰ったら、ルンバが稼動しててビックリした。奥さんに聞いたら、通販で安くなってたから買ったという。いやいや、ルンバなんて贅沢じゃんと思ったけれども、ヘタなことは言えない。
私は家の掃除、自分のものだけしかしていない。
それで贅沢だとか言い出したら、キケンな状況になりそうだ(笑)

 

うちには猫がいる。

猫の毛は、毎日掃除してても洋服についたりする。奥さんが言うには、ルンバを毎朝稼動させといて、それで取れないところだけ掃除かければいいという。使ってみると、実際かなりスゴイ。段差があっても、カーペットでも物ともせず、キレイにしていく。
当然、家具があるからルンバ的には死角ができるけれども。

掃除し終わって開けると、大量の猫の毛とホコリが出てくる。これだけの量が取れるなら、めちゃくちゃ価値あるじゃんと思ってた。

だけど、ネットにつながるの? IoTってこと?

 


最上位機種には、カメラとセンサーが搭載されているらしい

調べると、最上位のルンバ900シリーズのことだけらしい。900シリーズは税込みで97,070円と135,000円の2機種。いや高いわ。
たぶんウチのは3万円代のスタンダードモデル。当然、通信機能なんてない(笑)
900シリーズにはカメラとセンサーが搭載されているという。

しかし、そもそもなんでカメラとセンサーが必要なんだ?
ルンバの公式サイトにはiAdapt2.0ビジュアルローカリゼーションとして「カメラとフロアトラッキングセンサーなどの多彩なセンサーにより、フロア全体をナビゲーション。ルンバ自身が今どこにいるのか、部屋のどこがまだ清掃されていないのかを高精度に判断します」とある。

 

なるほど、家具の配置まで含めて、家の見取り図を作るわけね。で、隅々まで掃除すると。それでも死角はできるだろうけれども、かなり少なくなるはず。
しかしそんな機能を必要とするのは、どんな家だろうと考えると豪邸だわ。なんか一日中、掃除→充電→掃除を繰り返して稼動しているような広い広い家っぽい。
動画を見ると、スゴすぎる。

 

 

 

しかし、そうやって作った図面データみたいなを、外部に売るってどういうこと?
GIZMODOでは引用元のロイターの記事から、こんなことをピックアップしています。

ルンバの取得するようなマップがあることで、たとえば「サウンドシステムは家の音響状況に合わせることができ、エアコンは部屋ごとに空気の流れをスケジュール化し、スマート照明は窓の位置や時間帯によって光を調整できる」

 

だから、Amazon(Echo)やGoogle(Home)、Apple(Home Pod)などスマートスピーカーを持つ企業が欲しがるだろうと。今まで考えられなかったレベルの快適さを実現すべく動き出しているのではというニュアンス。
まあ、それほ欲しがるのは、やっぱり豪邸に住んでいる人ね。広いって場合だけじゃなく、リッチなマンションとかね。じゃなきゃ、家に合わない。

 

ちなみに今回、これを書くのに調べてたら、スタンダードモデルはたぶんAmazonが最安値で31,000円だった。900シリーズは扱ってないみたい。

 

 


家の中のデータを吸い上げて、漏らさないなんてことがあるんだろうか

Amazon Echoは昨年、アメリカのクリスマス商戦でバカ売れしたといいます。Siriより音声認識の精度が高いとの評判です。


しかし買った人は、何に使っているのでしょうか。照明とか空調とかを言葉で命令して動かしたいなんて、どうなんでしょう。要するにA.Iとつながっているので、学習してアドバイスが欲しいのでしょうか。


「今週は睡眠不足で、睡眠貯金がマイナスです。早く寝ましょう」とか「お酒の飲み過ぎで、肝臓が疲れています」「ソファに座りっぱなしでドラマ見ているから、大臀筋が凝って、腰椎にも負担がかかり過ぎ、目も疲れ過ぎです。ストレッチを始めましょう」とか言い出すんでしょうか。
バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2で出てきた家の、おせっかい版を想像しました。

未来っぽくって、カッコ良さげだとは思いますけど、これってリスクない?

 

 

オスロでディスプレイに顔認識技術を仕込んでいるのが発覚

街頭にある監視カメラ映像を顔認識にかけるってあるんでしょうか。たぶんイギリスではやっているでしょうし、日本でもこれからはありそうです。
これって警察がテロ対策など犯罪捜査で使うもの。だけど、指紋などと同じように、顔認識データを大量に集めてデータベース化してたらどうでしょう。

このところ、NEWSWEEKが続けて顔認識についての記事を出しています。

 

 

煽ってるなぁと思ってたんですが、元の記事にあたると、オスロのただのピザ店にある看板。その枠の上にカメラが仕込んであって、「性別や年齢、表情、メガネをかけているか、サイネージの前にどれだけ留まっていたかなどを認識する機能」が備わっていたというのです。


しかし何のために? ピザ店のマーケティングに役立つ… とは考えにくいんですが。
もしかしたら、こういう形で大量に顔認識データが集められ、データベース化されているのかもしれません。

ルンバが集めた間取りデータ。これが大量に集まると、どうでしょう。住宅メーカーの商品開発には使えるかもしれませんが。
もしもですけど、ルンバのカメラが人間の顔を識別して、顔データを大量に集めてたらオソロシイですね。金持ちの顔データだから、たとえば百貨店とかショッピングセンターに入ってきたら、外商みたいな特別接客チームで「彼が来た!」チャイムがなるとか(笑)

 

 

でもそういう方向も、なくはないかもね。
ロシアがポケモンGOを禁止したのは、ロシアでは「アメリカがスパイ活動のために開発した」という理由。

 

大量の街の監視カメラ映像が出てきて驚いた『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』の予告編は、『最悪も進化する』っていうコピーで閉めるんだよね。

 

いったい誰がどう使うのか。

共謀罪が成立して警察がいろいろやるはもちろんだけど、民間が顔データ集めたり位置情報とか家の中のことまで集め出したら、どうなるんだろ。

監視資本主義って言葉があるけど、あなたに合わせた広告出しますよ。だから個人情報ちょうだいね。では、どうもなさそうよね。

そろそろ、性善説だけですまないと思うけどな。

 

 

 

 って書いたんですけど、7月31日、こんな記事が出ました。


あらら(笑) 

まあ可能性としては、やろうと思えばいつでもやれますね。

逃げ場のない完全監視社会を描く[パーソン・オブ・インタレスト]と共謀罪な未来

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奥さんが「ヘーすごい!」と声を上げてたから、何が?と聞くと、純国産衛星によってGPSの誤差が数センチになるとテレビでやってたらしい。
あー、あれね。6月1日準天頂衛星「みちびき2号機」を載せたロケットが打ち上げ成功。あと2号打ち上げに成功すれば4基体制になって、常に1基が日本上空にとどまって、誤差数センチ高精度な位置情報サービスが利用できる。
そうすれば隊列を組んだトラックやトラクターなど無人の自動運転車の運用なども本格的にできる。4基体制は2018年の予定ってやつね。


そう、クルマのナビはいきなり大幅にズレたりする。歩いているとき、スマホGPSオンでGoogleマップの案内を使うと、すんぶんもズレずにとんでもない抜け道を表示したりする。いまでもかなり便利だけど、誤差数センチというのはまた別世界だ。
(もっともデバイスが、日本版GPS信号に対応している必要はあるけど)

 

そこに奥さんは驚いたのだけれど、GPSはこの先共謀罪にも関係してくるだろうし、なにより軍事技術だ。ということを私が言うと、さらに驚いてた。

たぶん北朝鮮ICBMを打ったとしても、衛星測位システムを持ってないのだから、それほど正確な位置には到達させられないんじゃないだろうか。それは逆に恐ろしさが増すけど。
そもそもGPSは、アメリカの軍事目的で開発され、現在は米国防総省の管轄。ビル・ラディンをドローンで攻撃したときもGPSが使われたはずだ。アメリカが地上戦を行うときも爆撃するときも、GPSは欠かせないだろう。アメリカのものだから、いつ使えなくされるかわからない。それで各国は、独自の衛星測位システムを構築に動いているという。

 

この記事では日本も「QZSS(準天頂衛星システム)と呼ばれる日本独自の測位衛星システムの構築を進めている」としているが、これは「みちびき」とは別物?

 
まあどっちにしろ高精度な位置情報システムには、バラ色の産業革命だけじゃなく、裏の顔もあるってことだ。スマホを持つ人の位置を常に追跡できるし、戦争もかなりの部分、無人でやれてしまう。

 

そこにはこんなことも書かれている。

将来的に安全保障上の問題などから利用を一時的に制限されてしまう可能性もゼロではない。実際にコソボ紛争の際に米国は一時的にGPSの精度を低下させ、その影響を受けてヨーロッパの民間航空機が大きな影響を受けたと言われたという説がある。

 


SFチックな設定が、現実を先取りしている[パーソン・オブ・インタレスト]

戦争までは含まれてないけど、共謀罪が目指しているような世界を描く、J.J.エイブラムスの[パーソン・オブ・インタレスト]という海外ドラマがある。アメリカでは、ファイナルシーズンが終わったそうだ。たぶん始まったのは2012年。スノーデンが暴露した、NSAによる世界中のあらゆる通信経路を通過する情報の監視以前にスタートしたはずだ。


[パーソン・オブ・インタレスト]では、9.11後、テロを未然に防ぐためアメリカ政府によってあらゆるメールや通話は盗聴されるようになった。それらの情報を元に犯罪を計画段階で阻止するため、開発された「マシン」と呼ばれるAIによる犯罪予知システム。「マシン」が予知した、犠牲者が大勢出る「有用」な情報はNSAやFBIに引き渡される。「無用」とされた犯罪予知情報は毎日消去される。という設定だ。


アメリカのドラマにしては結構複雑だけど、これがかなり面白い。スノーデンが暴露したような監視をあって当たり前の前提にしている。なによりAIによる監視は、まずプログラム次第で有益なものにも邪悪なものにもなるとして描く世界観も、なかなかいい。

ドラマでは、「マシン」のライバルとなる邪悪なAI「サマリタン」が登場し、国家が持つ盗聴情報を奪おうとする。しかもそれをするのは民間会社。仕組みを国に採用させ運用は自分たちがやろうと企み、「サマリタン」の有益性を示すため、様々な犯罪を起こす。

 

 

Amazon - パーソン・オブ・インタレスト〈ファースト・シーズン〉 コンプリート・セット

 

あくまでSFだけれども、どこかの国でやろうとしていることと似ている。テロ等といいながら、テロにつながる項目はごくわずかで、なんでもかんでも犯罪を入れ込んでる。法務大臣でも、解釈できないほどのあいまいさ。つまりは運用するためには、全部監視するぞと。

 

 

アメリカからの圧力に便乗する日本のパートナー

共謀罪も秘密保護法、そして安保法制や憲法の改正もアメリカの要求だとする説もある。

日本版GPS衛星を打ち上げるのだって、アメリカのなんらかの承諾が必要だろう。アメリカに日本に求める必要性があるとすれば、GPS衛星を維持するため、同盟国としての負担させろとか、中国の監視とか考えればいろいろ考えられる。

が、日本にも産業面でさまざまなメリットがあることは間違いない。そしてそこに乗っかって、都合よく使うのが定石だ。

 

NSAによる世界監視を暴露したスノーデンが、映画公開に向けての日本へのメッセージというページがある。

それによると、スノーデンはNSAの仕事を請け負うデルの社員として2009年に来日。米空軍横田基地内にある日本のNSA本部に勤務していたという。

スノーデンが働くNSAビルには、日本側の「パートナーたち」も訪れ、自分たちの欲しい情報を提供してくれるようNSAに頼んでいたという。が、NSAは日本の法律が政府による市民へのスパイ活動を認めていないことを理由に情報提供を拒み、逆に、米国と秘密を共有できるよう日本の法律の変更を促したというのだ。

これには日本側のパートナーが誰かということは書いていない。でもパートナーたちが欲しがった情報が、軍事的な安全保障やテロに関することであるわけがない。 

安全保障に関することなら、ルートが違うはず。普通に考えれば、産業スパイ的なことだろう。

こんな文章もある。ウィキリークスが公開した文書によるもの。

NSAが少なくとも第一次安倍内閣時から内閣府経済産業省財務省、日銀、同職員の自宅、三菱商事天然ガス部門、三井物産の石油部門などの計35回線の電話を盗聴していたことを記す内部文書が公にされた。

対象分野は、金融、貿易、エネルギー、環境問題などで、いずれもテロとはなんの関係もない。米国が表面上は「友好関係」を強調しながら、日本のなにを監視しているのかがわかる。NSAと緊密な協力関係にある英語圏の国々、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダにも一部共有されていた(これらの国々はNSA文書で「ファイブ・アイズ」と呼ばれる)

NSAが世界を監視するのも、安全保障やテロ抑止のためといいながら、経済面での交渉でアメリカが有利になるための使われているのは以前から言われている。

同様に共謀罪がアメリカからの圧力だったとしても、それに乗っかる日本側がテロ防止にだけ使うわけがない。 

 

 

Amazon - シチズンフォー スノーデンの暴露 

 

 

完全監視社会になったら、どうなるか

昨年、大分県警別府署が野党の支援団体の敷地に隠しカメラを設置したという事件が発生した。

これって、大分県警が独自の判断で、勝手にやったんだろうか。そんなわけないだろうよ。指示したキャリアはきっと逮捕されるどころか、出世するんじゃないだろうか。

どうも安倍総理とその周辺は、自分のお友達は過剰に優遇するけど、支持しない人たちを許せないみたいだ。

 

今までも盗聴や盗撮はやってるけど、これから警察や検察は政府のお墨付きがあると、大ぴらに誰に対してもやるかもしれない。

 

週プレNEWSでこんな記事が出てる。


これによると、告発者がコピー用紙を盗んだ罪で逮捕されたとある。

2003年に、週プレで(当時)消費者金融最大手の武富士の不祥事を追及する連載をしたときのことです。このスキャンダルで創業者の武井保雄会長が逮捕されることになったのですが、なぜか、不正を告発した元法務課長までもが窃盗罪で逮捕されてしまったんです。内部資料をコピーして外部のジャーナリストに提供した際、会社のコピー用紙を盗んだという容疑でした。内部資料には武富士から警察幹部らに大量の金券が贈られていたことを裏づけるモノもあり、幹部らはこの連載によって免職などの処分に追い込まれました

 

警察幹部がワイロをもらっていたことまでバラされた報復に、「コピー用紙の窃盗」で逮捕したってことね(笑) 笑いごっちゃないですけど、笑える。分かりやす過ぎる(笑)

 

そしたらさっき、笑えるけど笑えないニュースが出てきた。

いやもう国有地を8億円値引きしてあげた記録は、なんにもありません。交渉の経緯もなんにもありませんと言い続けた人が国税庁長官だって。

税務署の親玉が、この人になるってことは、企業や自営業、個人事業主からキリキリと税金を取り立てたる。その税金は好きに使わせてもらうぜ。記録は残さずに、忖度で。って感じになるわけね。

昔から大企業が政治に逆らったら、国税庁が来ると言われてたけど、これからは個人にも税務署からお尋ねが来るかもね。

 

これからは警察だけじゃなく、税務署も何するかわからないヤバい世界がやってくるのかも。

だって監視されてないのは、取り締まる側だけなんだから。

 

赤信号渡っても別件逮捕されるかもしれないし、Suicaとかの記録なしに電車に乗っても経費に認められないかもね。

 

監視社会になるのはある程度仕方ないとしても、いちばん恐ろしいのは誰がどんな理由で盗聴や傍受してたか、その記録なしに監視すること。

監視する指示する側が証拠を残さなくていいという仕組みなら、やりたい放題。

 

今日のBGM448【 High Contrast - Shotgun Mouthwash 】 

T2 トレインスポッティングのサントラは、いい曲ばかり。疾走感は希薄になったもののLust For Lifeは、Prodigyリミックスで新曲みたい。アンダーワールドは、なんか残念だけど。

Amazon - Ost: Trainspotting 2 CD, Import 

 

「勝ち組サイコパス」には近づくな。逃げろ!ってことよね

1、2ヵ月前、かな。中野信子さんが「トランプはサイコパス」とかいう記事を、何かの雑誌に書いたというツイートがあった。

中野信子さんは面白いけど、異常心理みたいなことには興味ないしな。とすっかり忘れてた。先日、本屋に行ったら、この「サイコパス」というタイトルの新書があった。パラパラと立ち読みすると、これが面白い!

  

 Amazon - サイコパス/中野信子

 

できる限りネタバレしないように書くと、本書で最も興味をそそられたのは、「勝ち組サイコパス」と「負け組サイコパス」の存在を分けているところ。

サイコパスは、異常者として扱われる冷酷で残忍な殺人犯ばかりではなく、大企業のCEOや弁護士、外科医といった大胆な決断をしなければ職種の人々にも多いというところ。

 

アメリカには人口の4%ぐらいは存在するという心理学者がいたり、中野さんは日本でも1%ぐらいはいる。サイコパスとは何なのかを正しく知り、身を守るためには注意深く対処する方法を身につけておく必要があるという。

中野さんによれば、サイコパスには社交的で信者が大勢いる魅力的な人も少なくないそう。

 

私は本書を読んで、タイトルに書いた通りで「勝ち組サイコパスに気をつけろ」と思った。かつては異常な犯罪を起こした犯罪者を調べていたから、サイコパスは異常な存在だというイメージだったけど、さらにいろいろと研究が進んで、社会で成功した、いわば「勝ち組サイコパス」のいることがわかったと。

 

いやいや中野さんが書いている以上に、現代社会、とくにデジタル社会の中での目立っている成功者たちは、サイコパスサイコパス傾向の強い人たちじゃん。と思った。

そして創造的なサイコパスならまだ社会に有益だけど、パクリや騙しばかりで成功している人たちは、働く人や取引先、そして社会に不利益しか与えない。株式市場を通してとか、そういうのは別だけど。

 

 

勝ち組サイコパスの象徴は、スティーブ・ジョブスだと思う

 

読めば読むほど、勝ち組サイコパスの象徴的な存在は、トランプじゃなくて、スティーブ・ジョブスじゃないのと思っていたら、やっぱり出てきた。

トランプがヤバい人だなんて、きっと支持者だって感じているでしょう。そのヤバイところが支持する理由でしょう?

だけどジョブスを好きな人たちは、ジョブスがヤバイと思っているだろうか? 私は長年スティーブ・ジョブスの作る“プロダクトのファン”だった。はじめて買ったパソコンもマックだし、ウィンドウズはもちろん、アンドロイドだって使う気になれない。

おまけにジョブズが追放されてた時代のマックは、なんか違うんじゃないのと思ってしまうほどだ。

 

それでもスティーブ・ジョブスを人格的に好きじゃない。古くからのAppleファンだからこそ、入ってくるジョブスの情報はロクなもんじゃない。もちろん関わることはないけど、仕事する相手としては絶対に避けなきゃと思ってた。

一度だけジョブズが生きているときにAppleがらみの仕事をしたけど、アップルジャパンに何の権限もないことが、よくわかった。なんでもかんでもアメリカのApple本社にお伺いを立てないと進まなかった。

イメージの徹底した管理ということならディズニーがそうだけど、Appleは仕組みがヤバい。きっとジョブズの作った仕組みは、他人をまったく信用しないんだろうなと思った。

だからこそ、マックやiTunesiPhoneというとてつもないイノベーションを生み出せたんだろうけど。だけど他人の時間を奪うことには、なんの配慮もない。

 

Gigazineにこんな記事があったけど、その通りなんだろうと思う。


癇癪持ちで、人を激しく罵倒する。

ジョブズの罵倒は最終的に従業員のバーンアウト(燃え尽き症候群)を引き起こしました。Appleで週90時間労働を10カ月続けた従業員の1人は、ある日ジョブズが「君たちは自分たちの行いに『感動していない』」と言いながらオフィスに入ってきた時に、仕事を辞めてしまったそうです。

そして

ジョブズ負の遺産が受け継がれている例としては、たびたび劣悪な労働環境が問題視されるAmazonのジェフ・ベソスCEOや、「職場に『有毒なパターン』が存在する」と投資家たちに言われ幹部が一斉に去ったUberのトラビス・カラニックCEOなどが挙げられています。

 と書かれています。

ジョブズのように人を罵倒したからって上手くいくわけじゃない。たとえばAppleの製品は、無駄がなく美しい。ジョブズに卓越した美的なセンスとビジョンがあったから、罵倒しながらでも徹底してやらせたから、できたんだろう。

だけど卓越した美的センスとビジョンもないのに、罵倒してやらせていたらどうなるだろう。

ジョブズはプログラミングもできなかったという。できないからこそ、既成概念にとらわれない発想も可能になったのかもしれない。だけど、そこだけマネして「俺は何もできないけど、既成概念にとらわれない発想ができる。グレイト!」って陶酔している経営者がいたらどうだろう。

 

私はジョブズはアーティストみたいなもんだと思ってる。美しい絵を描く。感動的なメロディを作る。ヒューマニズム溢れる写真を撮るアーティストたちは、その人格が美しかったり、ヒューマニズムに溢れているわけじゃない。作品の世界とは、正反対の性格だったりする。

同様に、ジョブズがどれだけ邪悪なサイコパスだったとしても、作り出した製品の素晴しさはそれ自体で評価されるものだと思う。

 

問題はジョブズのような天才は、ジョブズ以降にいないってことだ。ジョブズのマネをして、金を儲けることにかけてはジョブズ以上の人たちは大勢いるのかもしれないけど。

 

 

サイコパスは、共感性や良心によるブレーキが利きにくい

 

本書には、サイコパスをあぶりだすための「道徳のジレンマ実験」など、心理学的なアプローチや見解も数多く書かれている。だけどそれよりもfMRAIを使った脳科学的なアプローチが決定的だ。

fMRIを使って調べると、サイコパスは「扁桃体の活動が低い」という。扁桃体は人間の快・不快、不安や情動といった基本的な情動を決める場所。簡単にいうと、考えるより先に本能的に反応する部分だととらえていいそうだ。

さらには「共感」を持つ眼下前頭皮質や、良心によるブレーキをかける内側前頭前皮質の活動が低い。しかも扁桃体と、眼下前頭皮質と内側前頭前皮質の結びつきも弱いのだそうだ。

それによって、痛みや罪、恥の意識を学習することができず、ウソをついたり、人に責任をなすりつけたり、誰かを傷つけても平気だという。

サイコパスも良心の呵責や罪悪感を口にすることがある」けれども、それは心が痛んでいるのではなく、「悪いと感じているように見せること」が合理的な処世術だと心得ているからだという…

この本には「捕まりやすいサイコパス」と「捕まりにくいサイコパス」についての脳機能の違いが出てくるけれども、合理的な処世術だから「悪いと感じているように見せる」ことをされたら、なかなかサイコパスだと見破ることができなさそうだ。

 

 

ルールハックは、勝ち組サイコパスの常套手段?

 

いままでに何度か書いているけれど、「コンプライアンスを遵守します」というのは「法律に触れるようなことはしません」というスタンスと「法律に触れなければ、何をしてもいい」というスタンスがある。企業で圧倒的に多いのは、後者だ。

後者は、法律が想定していないことなどの抜け穴を探す。倫理的に道徳的にどうかは関係ない。中野さんはこのことをこう書いている。

 

サイコパスはルールハックを気にせずやってのける。これはとても不思議なことです。彼らにはなぜブレーキがかからないのか?

 

なぜって、本書によれば脳の構造が違うからということになるだろうけど、いまや目立っているビジネスはルールハックだ。

シリコンバレーでは、自動化してプラットフォーム化して、どこの、誰の仕事を奪うかがスタートアップのテーマだというし、日本でもルールハックは日常茶飯事だ。

 

Google検索のアルゴリズムは、こうなってる。それをハックするには、こうすればいい。しかも検索1位になるには、こういう手法ならごまかせるとやったのがDeNAだし。

NEVERまとめはアルゴリズムハックの元祖だけど、ずっとうちはプラットフォームで悪いのはパクったライターだというスタンスだったんじゃないだろうか。それがDeNAの問題が明るみになって以降、健全化に向けて、パクられた権利者にお金を払いはじめた。

 

こういう対応が、本当に悪いと思っているからなのか、それとも「悪いと感じている姿勢を見せる」ことが合理的な処世術だからやっているのか。

あなたは、どう思います?

 

 

 

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