友だちの限界
昨日、クライアントのところで、お互い翌日から会社が休みだからか、どんな人が友だちなのかを聞かれた。
あ〜、私はそう聞かれたら、即座に出てくるのがふたりいるけど、何十年も経つと、関係はビミョーだ。
学生の時からの友だちは、カメラマンばかりだ。もちろんすでにカメラマンじゃないやつもいて、そうすると東京周辺にはいない。
ふたりは大学時代から、アイデア出しもだし、撮影やプリントを手伝ったりして、濃い関係だった。
私もだけど、このふたりとも結婚が早かった。私は23歳の時だけど、ふたりもその前後。ひとりは学生結婚してる。両方とも、結婚式にも出てる。
ところがひとりは、バツ4だかバツ5だか、私にもわからない。
こいつのスタジオ兼事務所に行くと、いつも女の人がいる。でもアシスタントなのか、奥さんなのか彼女なのかがわからない(笑) 年齢でそれなりに想像はついても、最初のうちは聞いてたけど3回目の離婚ぐらいからは、コワくて聞けない。
コワいのは、なんども離婚してるから、当然金がない。なにかというと私に金貸してくれと言ってくる。貸すと、しばらくして返し、またすぐに貸してくれと言ってくる。二十年ほど、その繰り返しだ。
いい加減だけど、こいつは、いいやつ。優しいし、だらしないし、もちろん女好きだ(笑)
もうひとりは、30歳ぐらいで都心に、小さいながらも家を建てた。その頃、オレは日本で一番ギャラが高いと豪語してた。たぶん、そうだったと思う。
仕事をはじめて最初のころは、よく向こうからこちらに、仕事をくれと言ってきたけど、商業カメラマンというよりアーティスト。そんな合う仕事を、私が持っているわけがない。それでもなんとか出すと、言ってくる金額は友だち料金じゃない。
有名になってからは、出せるような金額じゃなかった。
去年の秋頃、明治通りを歩いていると、向こうから歩いてくるのが、そいつの奥さん。久しぶりだねと立ち話してたら、私に「もしかして、ぜんぜん知らないの?」と聞かれた。
よそに女をつくって、子供が産まれたと。で、自分の実家に帰って、母親に赤ちゃんの面倒を見させて、一緒に暮らしてる。私には、離婚してくれと弁護士を通じて言ってきたけど、慰謝料は払えない。離婚の理由は、お前が太ったからだという。
もう理屈もなにもなく、ムチャクチャ。
私から見て、中肉中背。中年太りしてるわけじゃない。でもあいつは、学生の時からショーのモデルのような肉感のまったくない女が好きだった。
それで今は裁判中なんだけど、いっこうに話が進まないという。私はもう、とんでもない話になってるなと唖然として聞いてたんだけど、路上で奥さんは泣き出した。
こんな渋谷駅のそばで。だからって、私はこの奥さんと親しいわけではないし。
友だちって、いってもなぁ…
今日のBGM-283【 華原朋美 - I BELIEVE (DREAM -Self Cover Best-) 】
夢やぶれて-I DREAMED A DREAM / 華原朋美
かつてより歌上手くなってるでしょ。ビックリ。
いろいろあるよね、そりゃあ。トモちゃん、ガンバレだわ。