不透明なチカラですが、なにか?

テーマはいろいろ。というか絞れません。2013年7月以前は他のブログサービスからインポートしたので、リンクや画像等がなくなってるかもしれません。

『半蔵の門』の妄想力

マンガの文庫版『半蔵の門』を書店で発見して、3巻ずつ買ってたんだけど、あっという間に10巻読んでしまった。

手に取ったのは、装幀がカッコイイし、なにより半蔵の門というタイトル。半蔵門って昔からなんでこの名称になったんだろうと気になってて。Wikiによると、服部半蔵の名からという説が有力らしい。

この『半蔵の門』は、服部半蔵徳川家康の物語。家康の天下取りを、半蔵がいかに支えたか。いや江戸幕府を作ったのは半蔵だろう。そりゃあ門の名前にしたっておかしくないよなと十二分に思わせる展開。

 

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地味で、いまいちイメージの良くない家康の天下取り。その裏ストーリーはこういうことだったのか! と、まるでリアルなもののように感じさせる、小池一夫さんならではの妄想の中に引きづり込む構想力。

いつもの小池さんなら、ドスケベ妄想がキモだけど、『半蔵の門』では抑制されてる。しかも絵を描いてるのが小島さんだから、ドスケベになりようがない(笑)

 

 半蔵の門 1   小池一夫 (作) 小島剛夕 (画) 

 

 いや、今回も“女たち”の存在は、重要なファクター。こういう描き方は、小池一夫ならではでしょう。哀しいし、オソロシイし、強いし。

これは今の地図の画像。要するに江戸城から西、国道20号線(甲州街道)の始点が半蔵門だ。甲州街道は、江戸城陥落の時には甲府まで将軍が逃げ延びる道として家康が整備させたというような話を、確か歴史の授業で習った気がする。f:id:F_chikara:20130818220658p:plain半蔵門駅出入口情報

 

江戸城というか徳川将軍家にとって、逃げるためのこんなに重要な位置にある門を「半蔵門」としたのは、こういうことだったのかぁと、本気で信じ込まされてしまうような漫画なんですよ、これは(笑)

今も確か、皇居のこちら側のビルには、皇居内を見ることができる窓を作らせないはず。

 

 

物語は今川義元の人質となっていた家康の元に、父の命を受けて、半蔵が闇仕えとなるところから始まる。それが家康16歳、半蔵15歳の時のこと。

家康は、義元の姪で、今川氏真とデキていた築山殿と結婚する。そしてこの築山殿との結婚があとあとまで、とんでもない展開を見せる。

特に信長と同盟を結んだ家康には、やっかいな女になる。史実とは異なる展開がかなりあるみたいだけど、幼少期を人質として生きた家康、今川の血を引きながら信長の結んだ夫の正室として苦悩と女の業みたいなことで、あるかもね。ヒステリックなところも、かなりリアリティがあって、人間臭い理解しやすい物語になっている。

 

半蔵といえば、家康の意を汲み、まるで友だちのように理解しながら滅私奉公をする。

しかもその過程で様々な素っ破集団(忍者)の女を落としてしまう。なんでこの集団の首領が女なんだよという疑問はあるにせよ(笑) 展開はイヤラシくなく、しかも半蔵の対応は、かなり出来た人として描かれているからスゴい。

 

超絶の面白さです。

 

今日のBGM-285【 布袋寅泰 - BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY 】

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私にとっての服部半蔵のイメージは、『半蔵の門』以前は、千葉真一だった。キルビルに出てくる千葉真一の半蔵は、『半蔵の門』の半蔵とまったく違う。タランティーノはテレビドラマ『影の軍団』が好きで、キルビル千葉真一を登場させたと聞く。

どれがホント? どれもウソだけど(笑) でも『半蔵の門』の半蔵が、いちばんカッコイイかもね。