『半沢直樹』の出向の描かれ方に、銀行員が怒ってるそうだけど
週刊プレイボーイ39号「若者の間で『半沢直樹』死ね死ね団急増中!!」の記事が、あちこちで引用されている。
「そもそも大手の銀行であれば、役員になる一部の人間を除くほとんどの社員がいずれは出向する運命。特別なことではないのに、ドラマの中では“出向=地獄行き”のように描かれてしまっているのに腹が立つんです。出向が決まった上司に声をかける際の気まずさが飛躍的にアップしましたよ! とぼけたふりをして『ご栄転おめでとうございます』などと言う作戦ももう通用しませんから……本当に『半沢直樹』はよけいなことをしてくれたと若手社員たちは口をそろえています」
これを読むと、そりゃあそうだよなという気もする。
でも私が知っている銀行員の出向は、そう悪い話でもない。いかに『半沢直樹』がリアルだと言ったところでフィクション。ましてやドラマは…
こちらは実話。義父の話。あまり詳しく書くと特定されてしまうので、ぼんやりと。
義父が銀行で取締役だった時のこと。頭取は独断でいろんなことを決めていて、実質取締役会でも反対するものは、義父しかいなかったそうだ。本人から聞いた話なので、どこまでなのかは、なんともだけど。
それが続いたので、あっさり融資先に出向させられた。
それも経営破綻しそうなところへ。数年がかりで出向先を再建したところに、銀行に金融庁(当時は違う名称)が入った。実質破綻だから入ったのか、破綻させるために入ったのか。
『半沢直樹』に登場する金融庁よりも、いや官僚はどこもそうだと思うけど、困ったもんだ。週プレは、『半沢直樹』の出向の扱いに怒る銀行員たちに聞いてみて欲しい。金融庁って、あんな感じかと。そっちの方が面白い記事になりそうなのに。
あ、また脱線ね。話を戻します。
金融庁が入って、頭取以下取締役に取り調べが続く。義父も出向先から呼ばれ、取り調べられたそうだ。取り調べという名称かどうかは知らないけど、個別に密室でやられるという。
その結果、頭取以下何人かは私有財産も取り上げられ、まったく無傷だったのは義父ひとりだったそうだ。
もし銀行に残ってたり、関連会社に天下ってたりしたら、無傷ではすまなかっただろうなと本人は言っていた。
出向してたから、その間の案件のプロセスにはなんにも関与してない。という証明ができる。
出向が悪いとは限らないのよね。まあ潰れた場合の話ですけど(笑)
今日のBGM-296【 Justice - New Lands 】