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不透明なチカラですが、なにか?

テーマはいろいろ。というか絞れません。2013年7月以前は他のブログサービスからインポートしたので、リンクや画像等がなくなってるかもしれません。

ウェンディーズ表参道閉店にみる、東京のいびつさ

昨日、ツイッターでウェンディーズ表参道の閉店が出回っていた。あっという間にロケットニュースやいろんなネットメディアでも書かれたようで、そのRTも溢れてた。

そのうち、FMでDJが閉店を残念がってたとか、ビビる大木さんもツイートしたりと、単独のお店の閉店が、とんでもない話題になってた。

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元になってるウェンディーズのツイートを見ると、今日の午前中で1500リツイートを突破してた。ロケットニュースの記事でも「ファンからは悲しいの声続々」と書いてあるけど、ちょっと検索するだけで、惜しむツイートが続々と出てくる。溢れてるというか、大炎上状態。いや、悲報という扱いだから、炎上ではないんだけど…

だけど、これだけ惜しまれてるのに、どうして閉店する? 契約上の問題や建物の不具合という場合もあるけど、それはレアケースだし、今回はそんな様子じゃない。

2年前に再上陸した時の一号店で旗艦店なんだから、黒字でさえあれば、意地でも続けるだろう。と思う。

 

昨日の夕方、ある取引先で、ちょうどこの話題になった。再上陸ウェンディーズを知らない人たちだったので、解説しといた。

 

再上陸ウェンディーズって、こんなメニュー

私、ファストフードはそんなに行かない。入るのは、モスかフレッシュネスで、ハンバーガーはめったに食べない。なにか飲みものを飲んで、休憩するだけ。夏以外は、ホットコーヒーかラテ。

だけど、ウェンディーズでは食べるものがいっぱいある。バーガーでは、マッシュルームメルトやチリバーガー。サラダでは、バハサラダ。そして、チリ。チリのかかったフレンチフライ。ナゲットも、ファストフードとは思えない歯ごたえと味。値段は高めだけど、店の造りからして、それだけの価値はあると思う。

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それだけ惜しまれてるのに、なぜ閉店?

ネット関係の仕事の打ち合わせだったので、これだけツイートに溢れてるのに、どうして閉店するのか。赤字だったとしたら、どうして赤字になるのかは、関心事。

私が言ったのは、「ネットで話題」というのは、現実の客の数と比例するわけじゃないからということ。炎上マーケティングという言葉があるけど、ブロガーでもアクセス数とアフェリエイトの売上は比例している。この割合は… という数字を出している人もいる。

2chで書かれるぐらいじゃないとダメだと言っている、クライアントの担当者もいる。企業でアクセス数至上主義みたいな価値観のところは、確実にECサイトだ。話題になれば、それがネガティブなものであっても、確実に売上が伸びるという。

だけどウェンディーズは、現実のお店。しかも現状では、東京に3店舗しかない。どれだけ「ネットで話題」になったところで、行きたいと思う人だって、そう簡単にはいけない。

そして話題にしている人だって、Facebookではいい話が流行るのか、みたいなことと似ていて、安全に乗っかれるネタなんだという気がする。

 

このところウェンディーズは、なにかと話題だったけれども、現実に足を運ぶ人が少なかったのかもしれない。

 
表参道という立地の、いびつさ

表参道店は、表参道からちょっと入ったところにある。周辺に詳しい人じゃないと、ちょっと地図見ただけじゃわからないかも。私も最初に行った時は、わからなくて、スマホで地図を再確認した。

表参道店に行ったのは、たぶん五回ほど。いつも同じ人と行ってる。表参道にあるクライアントを訪ねて行くと、そもそも打ち合わせスペースが狭いんだけど、埋まってる時があって、そんな時はウェンディーズに行こうということになる。だから行ったのは、平日の昼間だけ。なぜウェンディーズに行くかというと、表参道のいわゆるカフェとか喫茶店みたいなところはバカ高。ウェンディーズも高いけど、それでも周囲の店の方が高い。しかもウェンディーズは席と席との間がけっこうあって、聞こえると差障りのある内容だって、ひそひそ話す必要がない。これがファストフードだなんて、信じられないくらいで。

 

そんな平日の昼間に行くと、席はそこそこ埋まってるけど、ひとり客が多く、しかも長居していそうな感じ。私たちもお茶だけのことがほとんどだから、時間当たりの売上は、かなり悪いだろうと思ってた。

週末はわからないけど、週末がどれだけ繁盛したとしても、平日の落ち込みをカバーできるかどうか。

だって表参道の賃料は、バカ高だよ。

 

表参道は、観光客の街

表参道の街って、かつては広い範囲を「原宿」と呼ぶのが一般的だった。でも表参道ヒルズが出来たときぐらいから、「表参道」と呼ばれる範囲がだんぜん広がった。

それだけじゃなく、明治通りキャットストリートが渋谷まで伸び、青山方面や千駄ヶ谷方面もどんどん伸びていった。いやあの道は前からあったんだけど、住宅やビルだったのが、どんどん店に変わっていった。もちろん、ファッションや雑貨が中心。

竹下通りだって、とんでもないことになってる。

歩いてる中には、外国人観光客らしき人たちが、かなりいる。中国系は、尖閣問題や3.11で落ち込んだものの、その後、そこそこは元に戻ってるみたいだ。それよりもこのところは円安だからか白人系が目立つ。

そもそもハイファッションの店は、中国人観光客でもってると言われてた。超有名ブランドも日本で買うのが安心。しかも表参道で買うのがステイタスということだろうか。

 

腐るほどあるファッションスナップ系サイトに写真を撮られるような、キメキメのおにいさんおねえさんは、よく街路樹の埋め込みの柵に座ってる。服と美容院以外に金を使ってなさそうだ。

 

ポップコーンやハワイアンパンケーキ、おしゃれな雑貨店に並ぶ人たちは、日本人ばかり。しかもおばさんが、9割以上ぐらいっぽい。雰囲気的に、郊外からやってきました感が強い。パンケーキは高いけど、ポップコーンも雑貨も、けっこう安い。観光に行った時に買う価格帯と考えれば、けっこう安めだ。

おしゃれ雑貨店で入場整理券をもらうと、スタバにたむろしているというから、専業主婦とか、そういう人たち?

 

じゃあ、表参道の飲食店というと… まず高級レストラン。これは本当のセレブが来てるそう。ファストフードやチェーン店は、極端に少ない。マックとシェイキーズとモスカフェが目立ってるけど、路面店じゃない。他は出店しているところでも、ちょっと裏側の目立たないところだ。コンビニも極端に少ない。中間的な飲食店も、ほとんど見かけない。

 

 

このエリアは、家賃が極端に高い。このエリアの土地持ちは、軒並み億万長者になっている、と聞く。出たがる店が多いんだから、当然家賃も上がる。ということは、他の街に出店するより採算性が悪い。

たぶん日本人で表参道に来ている人たちも、日常的に買いものをする街ではなく、もしかしたら年に1回遊びに来るエリアになっているんじゃないだろうか。だから気に入ったとしても、リピーターにはなってくれない。

それなのに、どうして表参道に出店したがる店が多いんだろう。

 

旗艦店を表参道に置く意味 

 それはもう、ほとんどかつての「銀座」扱いと一緒だという気がする。「東京・銀座 資生堂」みたいなステータス感。

現実問題として、表参道にはテレビや雑誌、ネットも含めて取材が多い。iPhoneの新機種が発売!という時、ソフトバンクは表参道店に孫さんがデバって来てテレビの取材を受ける。

もちろんメディアに取り上げられることが、集客につながるからだけど、もうひとつある。

行列のできるポップコーンチェーン店もパンケーキ店も、母体は大手資本だったりする。表参道で名を挙げて、多店舗展開をしたい。郊外や地方のモールや箱を持っているところと有利に交渉を進めたい。という背景。

そういう仕事をしている人から聞いたんだけど、行列店はどこも強気で、でも箱側は表参道のまま持って来ても集客できないことを知ってる。たとえばららぽーとやイオンモールに入ったとしても、せいぜい半年。客が一巡してしまえば終わり。次から次へと、新しい観光客の来る表参道とは違うと。

 巨大モールは、クルマでやってくる商圏。一方、電車に乗ってやってくる駅そばのビルだと、ポップコーンで30坪も取るなんて信じられない。せいぜい10坪しか割けない。10坪の繁盛店にしてくれないとビルとしても、採算性が悪いという。

 

デフレのどのへんが終息してるんだか

こんな風に表参道エリアは、家賃に関してはインフレだ。だけど他の街よりお金を使える客は、ごく一部。ウェンディーズの表参道店は、そんな客には、あまり支持されなかったんだろう。そりゃまあ1000円2000円出すなら、もっといいものが食べられるしね。表参道で出す人は、ヘタするとランチでも万単位かも。

 

マンションなども湾岸エリアがオリンピックや消費税増税の駆け込みで、絶好調どころか、建つ前から予約で完売なんてニュースが出てる。でも郊外だと、中古マンションがどれだけ値下げしても売れないという状況。

デフレが下げどまりで上昇に転じてるとかいろんな話があるけど、はっきり言って値上がりしてるのは特殊な事情のバブル。大方は、デフレがさらに進行してるのよね。

 

マクドナルド、ロッテリアがあちこちで閉店しているのも、値下げしたところで採算が取れないから。じゃあ100円200円上げたところでどうなるかというと、客数が減ってしまった。

だからハンバーガーショップは、どこも迷走してる。いや迷走してるのは、高級店も同じなのよね。ホテルや百貨店に入ってるレストランは、食品偽装して利益を出そうとする。

 

表参道店の失敗の原因

知り合いで表参道店を利用している人も皆同じことを言ってるけど、味も雰囲気もいいのに、オペレーションが悪いと。マニュアル化されてるのかされてないのか、注文した品が出てくるまで、どこで待ってればいいのか、何も言われないとかね。そういうこともある。

でも、さらにこりゃあ無理でしょうと思うのは、スペースの取り過ぎ。あれだけのひとりあたりの空間を取っている飲食店は、表参道にはないんじゃない? あ、もちろん高級レストランなら、あるかもしれないけど。

だけどスタバと比較しても、きっとひとり当たりの空間は数倍ある気がする。席はぎゅうぎゅうだし、通路も狭い。ウェンディーズは、ゆったりした空間だ。トイレもデカイ(笑) 個別商品をスタバと比較したら、スタバの方が高いのにね。

 

とまあ、基本的なところでいろいろと問題はあるけど、都心のマクドナルドが軒並み閉店しているのを見ても、やっていけない価格帯、どれだけ売れても損益分岐点を上回らない価格はある。そこでクルーをマシンのように使おうとしてたんだけど、完全に失敗した。

 

ウェンディーズは、再上陸の最初から、大胆な価格にしてた。その挑戦は、私は正しいと思う。いやあの、ちょっと高過ぎだけど(笑)

もっとこじんまりした店舗で、とっとと多店舗展開しましょう。なんたって、味はいいんだから。