3.11から3年経って、やっと理解したこと
3年前の3月11日、自分は何を感じてて、どんなことを書いたんだろうと探してみたら、はてなブログではないけど、記事を転載してた。
動揺もしてないし、落ち着いてたんだけど、今思い返すといったいこの3年間何をしてたんだろうと、さすがに自分自身の変化のなさに呆れてくる。
だけど3月11日も、そして昨日もデモを見たり、様子が聞こえてきたりした。
会社の中にまで聞こえてきた拡声器のシュプレキコールは、「3.11を忘れるな！ 原発再稼動反対！ 消費税増税反対！」あと色々。私の前に座ってるヤツは「消費税増税反対？ そりゃあ反対だけど、今言ってんのか、こいつら」と言った(笑)
いやもうその通りで、言ってることはどれも賛成だけど、なんにでも反対してるだけよね。そんないろいろ言われたって、何が言いたいのか、誰にも伝わるわけがない。
こんなの職業的デモでしょう(笑)
主張というほどではないけど、こういうデモ、そして3.11を忘れないという番組やYahoo!のコンテンツを見ると、さすがに思うことがいろいろある。いまだに避難所生活を余儀なくされている人たちが大勢いらっしゃたり、復興が進まないとか、そういったこともあるけど、ほとんど誰も言わないようなことで、私が気になっていることがある。
科学者たちの敗北
3.11の時、津波の高さを誤報した。気象庁は、マグニチュードが大きすぎて、断層の動く時間が長過ぎて、津波の高さを予想を誤ったという。当初は3mという大津波警報で、防潮堤を越えないから大丈夫だと判断し、逃げ遅れた人たちも大勢いるそうだ。
地震予知ができなかった。そんなのは阪神淡路大震災のときから言われていて、世界的に予知は出来ないというのがコンセンサスだそうだ(違う意見もあるけど)。
予知はできないけど、でも天気予報のように“予報”は出来るという。
昨年末に内閣府が出したのが、都区部直下のＭ7クラスの地震が30年間に70％の確率で発生するというもの。これは天気予報のようなものだと言えるんだろうか。30年間のうちに、30年に一度レベルの大雪が降りますと言ってるのと同じぐらいの意味のなさ。
一昨年、日本地震学会は「地震予知検討委員会」を廃止したそうだ。予知はできませんということなら、それでいいかもしれないけど、“予報”を出しているのは、どこ？ 気象庁？
だけど「30年間に70％の確率」なんていうのは、予報ですらない。
福島原発の事故。野田さんが終息宣言を出したのも、安倍さんがコントロール出来ていると言ったのはとんでもないけど、3.11直後、私は2、3年で封じ込めが出来るんじゃないかと思っていた。
石棺化するのか、どうなのか。世界の知恵を集めて日本の科学力を持ってすれば、封じ込めは出来るんじゃないかと思ってた。
東電が金を出し渋っているとかって話もあったけど、少なくともオリンピックが決まって政府が前面に出ると言ったんだし、封じ込めぐらいはと。
そもそも核廃棄物質は半永久的に隔離するしかないと分かってるんだし、原子力発電所は地震大国の日本で成り立たない。コントロール出来ない。そう考えている私でさえ、どこかで期待する気持ちがあった。
ところが、この今回の3.11を忘れないという報道でも、福島原発の現状や、封じ込め、廃炉へのシナリオなんていうのはまったく出てこない。再可動しか言ってないんだから政府が押さえ込んでいる気配が濃厚だけど、科学者たちはいったいどうしたんだ。絶対安全だと言っていた御用学者たちは、ただの雇われ広報スタッフでしかなかったんだろうか。ネットなら、ステマ要員だというレベルなのか。
科学者といっても、いろんな人がいる。でも国家レベルで認めているような機関は、どこもあいまいな発表をして、今後何があっても責任を回避するような言い回しに終始してる。
科学って、今の段階で証明されていることで、再現性があるとか、普遍性があるというものだと思う。つまり条件設定が、いっぱいあるもの。それなのにメインストリームにいる人たちが、あいまいな言い方しかしないというのは、科学の放棄と同じ。
文学の創作が得意な霞ヶ関と同じところに、行ってしまった。
科学的な合理性を放棄したとなると、思想を押し出す方向に行くのは、国としては当然の流れのような気がする。3.11後に起こっていることは、そういう理由なのかもね。
いやぁ、神風は吹かないと思うけど。
今日のBGM-330【 予襲復讐 - マキシマム ザ ホルモン 】
