不透明なチカラですが、なにか?

テーマはいろいろ。というか絞れません。2013年7月以前は他のブログサービスからインポートしたので、リンクや画像等がなくなってるかもしれません。

『24 : Live Another Day』は、どれほどリアルなのか

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あれほど興奮してた『24』なのに、昨年末レンタルが開始と聞いても、それほど燃えなかったというか、すぐ観たい!とはならなかった。
やっぱり4年という時間と、それと公開されてた内容があんまりそそらなかった。

ところがところが、観始めるとストーリーが今まで以上に面白い。。公式にはネタバレの程度を抑える必要があったんだろうけど、もうちょっと出してくれると、もっと早く観たのになぁ。

 


というわけでネタバレしますけど、『24: Live Another Day』の何が面白いのか、ストーリーの核になっているところをちょっとだけ紹介してみます。もう公開から半年ほど経っちゃったし、ただストーリーを紹介してもしょうがないから、設定が現実にはどうなってるかを少し紹介しながら書いてみます。


『24』は、ありそうな未来を先取りするのが真骨頂

それはもう同時進行するチリチリするような緊迫感とか、どんでん返しなど、『24』ならではの面白さは、いくらでもある。だけどストーリーの核は、リアリティのある未来の先取り。黒人大統領の誕生だって、『24』では当然のように設定されてた。

今回の『Live Another Day』では、初っ端からドローン、爆撃機が乗っ取られてしまう。ドローンだけじゃなく、ハイテク化した軍事システムそのものが乗っ取られそうになる。現実にアメリカがやっているこのところの戦闘はドローンによるものが多いけど、そのドローンが乗っ取られたらどうなるのか。

 

無人爆撃機は、ハッキングできるのか


首相官邸の屋上にドローンが落ちていたのに、2週間も気がつかずという事件がありましたけど、その手の無人機を乗っ取る技術はあるようです。
動画:ドローンをハックして乗っ取るドローン SkyJack、クアッドコプターAR.Drone 2.0とRaspberry Piで製作


そんなのルーター経由じゃなくて、軍事用はどうか。もちろん無人爆撃機ではないけれども、無人偵察機マルウェアに感染したという事件はあった。
米軍の無人偵察機制御システムがマルウェアに感染か――米報道


アメリカは今年になって、同盟国を対象に転売禁止でドローンの輸出を認めつつあるようですが、そこには何か仕込まれていないのでしょうか。2~3年ほど前、産經新聞論説委員が「日本のキャリアは、どうしてファーウエイ社(中国)の無線ルーターを扱うのか」「アメリカ、インド、オーストラリアやイギリスは、政府によって市場参入を制限されている」という記事を書き、話題になっていました。検索しましたが、削除されているようです。
『24』の中では大統領が「アメリカがコントロールできないものを、造ってしまったのか」という意味のことを嘆くシーンが出てきますが、コントロールできるようにしないと輸出しないかもしれませんね。

 

ウィキリークスは、特定の誰かのために内部情報を横流ししたりするんだろうか

特典映像では、ジュリアン・アサンジをモデルにしたという話が出てきます。アサンジとは、ウィキリークスの創設者で編集長。政府、企業、宗教などからの内部告発を、各国の報道機関に渡し、信憑性を評価してもらうなどして、機密情報を公開しています。
アサンジはアメリカやイギリスから犯罪者としてつけ狙われ、イギリス滞在中、スウェーデンから強姦という何かアヤシげな容疑で逮捕状が出ました。在英エクアドル大使館に亡命。それから約二年間、大使館を出ることはありませんでしたが、最近、もうすぐ大使館を出ると表明したそうです。
WikiLeaks創設者ジュリアン・アサンジ氏、亡命先のエクアドル大使館から「間もなく」出ることを表明


『24』に出てくる「オープンセル」というハッカー組織は、ウィキリークスとアノミマスを足したような印象ですが、ジャーナリズムの補完とか、透明性の確保のために内部情報を告発するだけではなく、特定の相手に機密情報を売り渡して収益を上げているという設定です。

アサンジをモデルにしたわりには、けっこう打算的な組織に描かれていますが、ウィキリークスはどうやって収益を上げているのでしょうか。
まず第一に支援者からの寄付。そしてTシャツなどのグッズの販売だったはず。まあ、寄付というのがくせ者で色の付いていないお金ばかりとか、限らないのかも…
「オープンセル」にはクロエが所属していて、この組織のおかげでジャックが監視カメラなどの情報を得ることが出来るのですが。この組織がCTUの代わりになっています。今回はかなりアナーキーな布陣で、そこも時代性を色濃く反映しています。

 

中国が、沖縄の米軍基地に攻めて来ることはあるのか

「オープンセル」の主宰者は、金を受け取り、アメリカの機密情報を流していました。そればかりか、各国の軍事システムを乗っ取れる装置を開発し、渡していました。その依頼者は、チェン・ジー。そう、あの凶悪な中国大使館員というか情報機関?の人間。
そのせいで、米中が戦争に突入直前の状況に陥ります。中国海軍は沖縄の米軍基地を目指し進行…

いやぁ、なんか笑えない話だよなぁと思いながら見ていたのですが、中国に取って、沖縄の米軍基地はどういう存在なのでしょうか。
中国はアメリカへの報復で叩こうとするという設定ですが、なぜグアムやアメリカ本土ではなく、あるいは同レベルの報復として潜水艦などに対する攻撃ではなく、沖縄の米軍基地なのでしょうか。


地政学上、沖縄の米軍基地は重要だという説は根強くありますが、『24』の設定ではかなり唐突に思えました。日本にいると「中国は尖閣諸島どころか、沖縄の領有権も言っているんだから沖縄侵攻があっても不思議じゃない」というリアリティのある感情に捕われてしまいます。だけど、沖縄を属国化したいなら軍事力の行使というリスクをおかさなくても、経済的に人口的に取り込んでしまえばすむことじゃないのという気がします。石垣島の高級リゾートマンションのペントハウスは軒並み中国人の所有だそうですし、韓国の富裕層は沖縄でゴルフするのがステータスだといいます。

もちろん中国にとって、沖縄の米軍基地は目障りには違いないでしょうが。それでも基地を叩けば、全面戦争になりかねない。ドラマ内では、核使用の準備をと大統領に迫る場面も出てきます。
たぶんストーリー上、世界的に尖閣諸島の領有権争いが知られていて、日中が戦争状態になる。それにアメリカも巻き込まれそうだという懸念に乗っかったように思えます。


とまあ、これまでのシーズン以上に、現実の出来事や時代の不安を、モチーフとして使っています。個別なら他でもありますけど、『24』ではそれらを同時進行でミックスしているから緊張感ありありです。

 

 

とはいえ、リアリティのない設定も

アメリカ大使館は、簡単に入れません。
ジャックが在英アメリカ大使館に侵入するところ。車両が入る門から侵入しましたが、あれだと、せいぜい豪邸の門レベル。日本のアメリカ大使館では、門が開いても、巨大な金属製の円柱が何本も迫り上がっていて、車両の進入を拒みます。車両の下も鏡でチェックされ、ボンネットなどもチェックした上で、円柱が下がって初めて、通行が出来ます。
だから暴動が起こったとしても、一挙に大人数が侵入できるなんてことは不可能ではないでしょか。
日本にあっても、アメリカ大使館はほとんど戦争状態に近い備えをしています。テロと戦っているはずなのに、首相官邸にドローンが落ちていても発見されないなんていう、のんきな政府とは違います。

 

と考えると、実際は『24』の緊迫感どころじゃないストーリーが展開しているのかもしれないですね。
次はロシアが舞台になるんでしょうか。

 

今日のBGM-380【TArmin Van Buuren - The Longest Day - 24】

そうそう『チャック』を観てる人には、うれしいことが。『チャック』のヒロイン、サラ(イヴォンヌ・ストラホフスキー)が出てますよ。CIAのエージェントで、ジャック、クロエに次ぐ3番目ぐらいの重要な役どころです。

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