エレクトロとジャズとダブステップと!? ジャンルはなんでもいいじゃないの
このところエレクトロ・スウィングというジャンルが流行ってるらしい。と思ったら、ジャズとダブステップを融合させた、なんてのもある。しかもグライムだと。
もうジャンルなんでもよくないですか? EDMで括ったっていいじゃないの。
いやだってエレクトロ自体が、いろいろ融合してるでしょ。言葉の定義だって曖昧じゃん。この手の音楽が好きな人なら、だいたい好きだからいいじゃん。そんな風に思うのは私だけじゃないはず。
そんな、この手の音楽が好きな人のための、ざっくりとした歴史と最近の注目曲について書きました。私なりの解釈なので、そのジャンルの解釈違うでしょうとかツッコミどころがあっても、大目に見といてください。
だけどこの手って、どんな手だよって? いや好きな人なら分かる、はず(笑)
ええ、そうです。好きな曲並べただけです。
クラフトワークとラップを融合させたアフリカ・バンバータが、元祖エレクトロ
ヒップホップの生みの親、アフリカ・バンバータ。TR-808を使ったアフリカバンバータの「プラネット・ロック」のヒットが、ヒップホッパーにもデジタルビートを広げた。「プラネット・ロック」はクラフトワークの名曲「ヨーロッパ急行」と「ナンバーズ」をサンプリング。
Afrika Bambaataa-Planet Rock
マーヴィン・ゲイの大ヒット曲、「セクシャルヒーリング」もデジタルビートよね。「プラネット・ロック」と同じ1982年の発売。こっちは、いまだに耳にするけど、アフリカバンバータはほぼ消えてる。なんでだろ。
ブレイクビーツもアフリカバンバータが生み出した
ハービー・ハンコックはジャズの人だけど、『Future Shock』のヒットで一躍エレクトロの代表選手に。スクラッチもメジャーにしたし。
ART OF NOISEは、サンプラーをメジャーに。サンプラーでサンプリングした曲を分解して、新しい曲を作るブレイクビーツもアフリカバンバータが生み出したと言われてる。エレクトロはエレクトロミュージックとして、さらに拡大するというか、ポピュラーミュージックのベースになったと言えるんじゃないだろうか。
ハービー・ハンコック「Rock it」
エレクトロからは外れるけど、1986年にはRUN-DMCの「Walk This Way」でヒップホップとロックが融合。ハードロックのリフとフレーズサンプリングは、発想が似てるのかも。
日本ではほとんど知られてないMint Royale。フォルクスワーゲンのCMに使われた「雨に唄えば」は、ブレークビーツとして分かりやすいんじゃないだろうか。ここまで来ると、ほとんどジャンルレス。
Singin' in the Rain - Volkswagen TV Commercial
「雨に唄えば」が入っているのはsee you in the morningというアルバムだけど、アルバムとしてはこっちの方がオススメ。
そもそも黒人のカルチャーだったヒップホップ。その中の一ジャンルがエレクトロだったりブレークビーツだったはずだけど、もう人種もなにも関係ない。
2005年にはABBAの大ヒット曲「Gimme! Gimme! Gimme!」をフレーズサンプリングしたマドンナの「Hung Up」も大ヒット。ABBAからサンプリングしての使用許可を取ったことが話題になりました。エレクトロではないけど、サンプリングの大きなトピック。
Madonna - "Hung up " Live
アフリカ・バンバータ発のエレクトロの流れじゃない、エレクトロポップと呼ばれるジャンルも
80年代はクラフトワークやYMOによるシーケンサー、シンセサウンドに影響を受けたようなエレクトロポップというブリティッシュ系のカテゴリーもある(らしい)。ニューオーダー、デペッシュモード、ゲイリー・ニューマン、ウルトラボックス、ヒューマンリーグ、ヤズーなどなど、いくらでもある。
レディー・ガガのデビューシングル「ジャスト・ダンス」もエレクトロポップに入れられるそうだけど、レディー・ガガは一貫してこんな感じだし、別にエレクトロを付けなくたっていいんじゃないという気がする。レディー・ガガはデジタルビートもアナログビートも使ってると思うけど、ニュアンスの違いを使い分けているだけで、ダンスサウンドとしてのフレーバーというか、聴き手にそれほど意識させない。
タンゴとエレクトロニックミュージックが融合
2003年、突如としてフランス発タンゴとエレクトロニックミュージックを融合させたGotan Projectが登場します。ヨーロッパで人気だったそうですが、私は偶然入ったHMVで視聴して、やられました。
これ、アマゾンでは[エレクトロニカ]に入れられてますが、エレクトロニカってクラブミュージックみたいなもの。部分的にでも打ち込みを使っていれば入るそうですけど、もうどうでもいい(笑) とにかく電子楽器などデジタル機器も使ったダンスミュージックに、タンゴが入って来たんですね。逆かもしれないですけど。
Gotan Project - Santa Maria
私は知りませんでしたが、21世紀になってから、アルゼンチンではエレクトロ・タンゴと呼ばれるジャンルが盛り上がっているそうです。これも素晴らしい。
こちらのブログで知りました。
EPS studio blog タンゴ・エレクトロニコとの出会い(後編)
スイングジャズとエレクトロニカを融合させた音楽が、ヨーロッパで人気に
そんな特集がヴィレッジバンガードのオンラインストアに出たのが、昨年。どうも、この数年、ヨーロッパで[エレクトロ・スイング]というジャンルが人気になっているそうです。
世界で一番踊れるJAZZ!【Electro Swing】特集♪
コンピュレーションアルバムも出ていますが、私のオススメはこれ。2005年、フランスで結成されたキャラヴァン・パレス。
Caravan Palace - Dramophone
私はこの曲が聴きたくて、アルバムを買ったのですが、これがもう捨て曲なし。スイングジャズとデジタルビートがこんなに合うなんて、驚きです。
そしてグライム、ダブステップ、ジャズを昇華したマシーン・ファンクって(笑)
そうタワーレコードが書いてるんです。ホントに、どうだっていい(笑)
グライム、ダブステップ、ジャズを昇華したスウィンドル最新作
Swindle - London To LA Ft. Ash Riser
なんでもありってことで、この先もデジタルは、まだまだジャンルレスな音楽が生み出しそうですよ。
今日のBGM-392【Kraftwerk - (Minimum Maximum) Music non stop】