不透明なチカラですが、なにか?

テーマはいろいろ。というか絞れません。2013年7月以前は他のブログサービスからインポートしたので、リンクや画像等がなくなってるかもしれません。

YouTube Redは、グーグル邪悪化のはじまりか? 

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日本でもGoogleのサブクスクリプションサービスGoogle Play Musicが始まったばかりですけど、アメリカではYouTubeでも定額サービスが10月28日から始まるそうです。世界中でも準備でき次第、開始するとのことなんですが。

 

 

Meet YouTube Red 

 

利用者にはいいことばかりのサービスなのかどうなのか

 

GIZMODOによると、「YouTube Red」を利用すると、オフライン保存もできるし、広告も表示されなくなるし、音楽再生アプリのような使い方もできるそうです。

いいことばっかりじゃん。それは使いたいなと思ったら、問題はお金。

料金は月額9.99ドル(約1,200円)です。ただし、iOS版は12.99ドル(約1,560円)。これはAndroidユーザーが優遇されているというよりは、App Storeに支払う30%分を上乗せした金額なのだとか。うーん…。

YouTube、サブスクリプションサービス「YouTube Red」を発表。広告非表示でオフライン再生もできる

 

え、1200円!? iPhoneで見ようとしたら1560円!? それはさすがにないわ。

音楽は、ほとんどYoutubeでPVを知るけど、Youtubeの映像を保存したいとは思わないなぁ。

まあ人それぞれだけど、いままで無料で見ていたものを有料化されてもと思っていたら、そこは違うらしい。従来通り、広告付きなどで無料の利用はできるそうだ。

だったら、関係ないや。

 

海外のユーチューバーは激怒しているらしい

 

音楽とか映画じゃなくて、YoutubeにはYoutubeだけのコンテンツを作ってる人たちがいる。日本でも稼いでいる人たちはかなり稼いでいるそうだけど、同じGIZMODOによると世界レベルではスポーツ選手やポップスター並みだそうです。

1位のゲーム実況者は、なんと14億円以上!

世界のYouTuberランキング、脅威の収入が明らかに

 

だけどこのYouTube Redの導入で、世界のユーチューバーが激怒しているというのです。いや、本当に激怒しているんでしょうか。批判的に書いているネットメディアは、今のところTechCrunchだけのようですし、激怒しているのは、TechCrunchの記事を引用している人たちばかりのようです。

YouTube、”Red” 契約に署名しないクリエーターのビデオを全面削除へ

 

YouTubeは、有力ビデオクリエーターに対して事実上拒否できない提案を持ちかけた。応じなければ彼らのコンテンツは消滅する。今日(米国時間10/21)YouTubeは、広告収入を得ている「パートナー」は、同社の新サービスYouTube Redの9.99ドル広告なし定期購読の広告収益分配契約に署名しない場合、そのビデオは広告付、広告なしいずれの一般公開対象からも外れることを正式発表した。これには、人気のコメディアン、ミュージシャン、ゲーム解説者、DIYインストラクターなどが含まれる。

 

これは容易にはのみにくい提案であり、YouTubeはいじめっ子のように見える。既存のファンを無料視聴者から有料購読者に変えることは、クリエーターにとって広告収入が増えることを意味するが、契約の強制は高圧的に感じる。

 

これって、いまいち理解できないのですが、ユーチューバーはYouTube Redに参加しないと、動画を削除されるということですよね。ってことは、追っかけているユーチューバーがいるユーザーが、そのユーチューバーがYouTube Redと契約した。するとユーザーは、YouTube Redに加入して、月額料金を払わないと見られなくなる。そういうことですか?

 

 

YouTube Redの契約内容は、独禁法に抵触しないのか?

 

ユーチューバーにとっては、いきなりほとんど選択権のない契約を迫られているんですよね。ということは、これって独占禁止法に抵触しないですか。アメリカでは反トラスト法ですけど、ウィキペディアには概要にこう書かれています。

 

19世紀後半、アメリカにおいて独占資本の形成が進むと、自由競争の結果発展した大企業を放任することが、むしろ逆に自由競争を阻害するという事態を招いた。代表的な例としては、スタンダード石油トラストなどが挙げられる。そのため、連邦議会は一連の反トラスト法を制定し、独占資本の活動を規制することを図ったのである。

 

「反トラスト法」というのは単一の法律を指すものではなく、複数の異なる法律を総称するものである。

反トラスト法 - Wikipedia

 

要するに資本があると、価格をダンピングして、市場を独占する。独占すると価格を吊り上げる。するとマーケットメカニズムが働かず、消費者が不利益を被るという、資本主義の根本に関わるもの。や、そう書いてると、Googleは消費者に提供する価格で選択権のない無理強いをしているというわけではなく、コンテンツ供給者に新しいパートナー契約を迫っているだけだから、法的には問題ないと思えて来ました。だけどなぁ。

少なくともヨーロッパではグーグルに対する警戒心が強いみたいで、欧州委員会はEUの独禁法違反の疑いでグーグルに異議告知書を送ったり、スペインではGoogle税の導入まで可決されたそうです。

 

 

ネットビジネスの多くは、フリーミアムから始まってユーザーを増やして、プラットフォームになる。プラットフォームになると有料化して収益を最大化しようとしてるのが、現在の流れ。圧倒的に失敗例の方が多そうだけど、AmazonGoogleのように成功すると、やり放題っちゃやり放題。

 

だけど、これで抵触しないなら法律が追いついてないだけかもしれない。

ユーチューバーに突如二択を迫るという構図は、たとえばクラウドソーシングなどでも似たようなことをされる可能性はあるし、かなりキケンだ。こういうのを使ってる人は、少なくともひとつのプラットフォームに依存しちゃいけないってことよね。

というかプラットフォームになってしまうと、それだけ供給者も増えるんだから、ひとりひとりはどうでもいい存在になってしまう。LINE スタンプのクリエーターも同じこと。

既に遅い?売れない!LINEクリエイターズスタンプは儲からない?!

Amazon、アフィリエイトの料率変更し段階制から固定に 大幅ダウンのジャンルも

この手のビジネスモデルは、法律の想定にはないはず。

 

 

 

グーグルが独占しているものだと、Google MapやGoogle Earthがあるけど、グーグルが節度のある運用をしなければ、けっこうオソロシイ事態があるかもしれない。ストリートビューが始まったとき、プライバシーの侵害だという声がけっこうあったけど、撮られてもよくわかってない人が多かったし、利便性の方が懸念を上回った。

Googleには「Don't Be Evil」邪悪になるなというスローガンがある。だけど、信じてない人もいるよね。

ともあれ、まだはっきり見えてないYottube Redの全貌は、Evilかもしれない可能性が高まっている気がします。Redがうまくいっちゃったら、そのあとがコワそう。

 

今日のBGM-398【Bryan Ferry - Let's Stick Together】

なくてはならないものになってからが、コワいのよね。なんでもね(笑)

 

 

Amazon - Let's Stick Together