辛酸なめ子『妙齢美容修業』を読んで、これをいったい誰が喜ぶんだよと
妙齢とは、お肌のかげりが気になる微妙な年齢のことだそうだ。辛酸なめ子さんが編み出した新発想全70種美容法を紹介した本。
期待通りに面白いけど、「blog美容」とか「石ガール美容」とか「脱毛SM美容」とか新発想過ぎるだろ。なんにも美しくなりそうにない美容法ばっかり。
まさか私みたいなバカ本好きをターゲットにしてるんじゃないよな。いったい、どんな人が読者層だよと思ったら、なんとこれ、VOCEの連載だったらしい。VOCEって電車のモニターで美容クイズとか出してるあの雑誌? 最新号の表紙は石原さとみさんで「かんたんテクで私もなれる?『石原さとみ』まねっこ大作戦」とかいう特集してる。マジもマジじゃないか。
なんたって、この雑誌ですからね。
となると、辛酸なめ子コラムは箸休めか。いやいや、箸休めにしては異次元過ぎる(笑) もしかしたらビューティに役立つかもしれないけど、ほとんどメンタル面。しかもマニアというかドマニアというか(笑)
そんな中、特別掲載「壇蜜×辛酸なめ子“オンナの美”対談」が面白いのなんのって。
壇蜜 20代、30代を自分の一番輝かしい時期だとして、40代、50代はそこに戻す治療に走ってしまう。でも女性誌に出ている美魔女と、成人男子向けの本の五十路妻とでは、ぜんぜんタイプが違うんです。どっちの人生が楽しいかというと、アンチエイジングで必死になるより、ちょっとエロ目線で見られてキャッ♡ってやってるほうが楽しい気がしますね(笑)
そりゃそうだよな。さすがに壇蜜だわ。必死にアンチエイジングやって、メスまで入れまくってるのってイタいわ。
ダイエットと同じで、女世界のムダな戦いだわ。と納得しかかってたんだけど。
いやいや成人男子本買うのって、爺さんだろ。爺さんにエロ目線で見られてうれしいって、壇蜜さんみたいな趣向性がないとね。
ほどほどアンチエイジングして、年相応よりちょっと若い感じに老いるのが幸せじゃないの。なんて思った。
そしたら
辛酸 若い読者の方への老婆心ながらのメッセージということであれば、20代のうちにピークを作ってしまうより、フェロモンを小出しにして、40代くらいで上品な大人の女性になった方が、トータルで楽しく生きられますよと。表面的な美しさばかり追い求めていると、年取ったときに不自然でヘンなキメ顔をするようになっちゃう。
と言ってた。
若いとき美人だったという芸能人が年食ってくると、誰なの?と言いたくなるぐらい整形してて、見てられなくなる。私も全面的に同感だわと思ってたんだけど、でもふたりとも美しさじゃなくて、エロさを語ってるんじゃないの。
確かに重なってるけど、けっこう違ってるでしょ。たぶん男が寄ってくるかどうかが、すごく重要でうれしいんだな。求めてるんだな。というのが透けて見えるけど。
寄ってきても寄ってこなくても、いいじゃん。美しさの基準なんて、人によって千差万別。自分がイケてるわと思ってれば、それでいいんだと思うけど。
男に見られて男が寄ってきたとしても、崇めてるのか、隙だらけでユルいからなのか、そんなの本人にはわからないでしょ。
ってことなら、すべては自分の妄想次第だわ。
ってことなら、辛酸なめ子さんが編み出した「葬式美容」とか「人任せ美容」とか「霊食美容」でも、信じればそれでOKだってことね。箸休めでさっぱりするというより、ねっとりするけど(笑)
今日のBGM-413【 Snoop Dogg - Beautiful 】