出会い系アプリのメジャー面と、婚活事情のトレードオフ
先日、仕事の関係の人と電車に乗ってた。そしたら目の前にメジャー資本の結婚相手紹介サービス、つまりは結婚相談所の広告が。
そこには「恋愛傾向診断アプリ」みたいなことが書いてあった。すると乗ってた人が、「恋愛なんて求めてたら、結婚できないんですね。婚活事情って、今、ホントに大変らしいです」という。
これが単に、おっさんのゲスな小耳に挟んだ話とちがうのは、この人の奥さんが、それほど大きくない結婚相談所の役員だからだ。
結婚相談所というのは、自分のところで登録した人だけじゃなく、ネットワークで結ばれてて、いくらでも紹介できるから、紹介というサービスでは、あんまり規模は関係ないそうだ。
大手は紹介を繰り返して登録が長引けば長引くほど儲かるらしいけど、中小は紹介ではあまり儲からず、その人を変えていくことで儲かるらしい。
へーへーとゲスな興味で聞いていた私は、なにをどう変えると儲かるんですかと聞いてみた。
いままでの自分を壊さないと結婚できないと迫る
具体的な手法やどこが儲かりポイントなのかは教えてもらえなかったけど、とにかく、いままで結婚できなかったのは、これまでのダメな自分が原因だから、それを壊さないとダメだと迫り、泣かせるらしい。
聞いてると、なんか昔流行った企業の幹部候補生研修みたいだ。その手の企業研修では、自我の壁を壊して、そこに新しい価値観を植え付ける。そういう研修では、大の男がボロボロ泣くという。
だけど結婚相談所って、そんなことすんの?
たぶんそういうセミナーとか講習で金を取るんだ。えっぐ。
しかし本当にダメな自分を解体できるのかどうかはわからないけど、今までの自分をなくして結婚できたって、どんな意味があるんだろう。整形だったら、それなりに長い間持つかもしれないけど、自我なんて仮に書き換えられても、長続きするんだろうか。
今年、出会い系がいっきに宣伝を始めた理由は
日本では大手情報サービスの出会い系サービスが、どんどん広告するようになった。上の画像はツイッターで出てきた出会い系の広告ツイートだけど、出会い系なのか婚活なのか、それとも援交なのか、私にはぜんぜんわからない。見た限りでは、同じでしょうと。
ゼクシィまでやっているのには、驚いた。ゼクシィって結婚するカップルが対象なんじゃないの?だけどこの広告はかなりアヤシイよ。とにかく数打たなきゃ、出会いまくらないと結婚は難しいってことなのか?
婚活と出会い系は、それほど変わらないと結婚産業が言ってるようなもんだわ。
Yahoo!も出会い系の宣伝メールを送ってくるけど、アプリやウェブサービスなら、求人などのマッチングサービスと同じこと。ほぼそのまま流用できるから、人と人の出会いならアイデアさえあれば、いくらでもつくれてしまう。
身長体重学歴年収でマッチング、趣味でマッチング、場所でマッチング、直感でマッチング。
なんか条件検索がメインのマッチングは、ウソくさそうだ。身長169cmと170cmの差ってどれぐらい? 年収349万円と350万円って致命的にちがう? BカップとCカップってちがう? 大学中退は高校卒? 整形はプロフィールに書かなくてもいいの?
昨年末、上場した出会い系アプリTinderの親会社
アメリカの出会い系Tinderの親会社が、NASDAQに上場した。私はそのニュースにビックリしたけど、アメリカでは出会い系サービスが上場できるほど、社会的に認められた事業ってことなのね。
アメリカでは3P専門の出会い系もあるらしい。いや、日本にだってあるかもしれないけど、記事にまでなってる。
きっとアメリカのそんな出会い系メジャー化の流れを見て、日本でも社会的に認知される。儲かると大手各社が大々的にやりだしたんだろう。日本でそんなに認められるだろうか。
疑問に思うのはおっさんだけで、きっと20代とか、もしかしたら10代もこの手のサービスにそれほど抵抗ないかもしれない。年齢制限があったって、アプリなんだから確認する方法ないでしょう。
なんかSNS機能があって、それで好みを確認とか、フェイスブックとかインスタグラムとか、その手のSNSとの差もあいまいだしね。
Tinderを紹介したこの動画なんて、これだけ抵抗ないんだって。もうお父さんは心配よね。
出会いたい人と、結婚したい人の差ってどこ?
出会い系サービスと婚活サービスがアプリやネットでは、限りなく近づいてる、気がする。結婚したいと思ってる人も、数打たなきゃ、めちゃくちゃ出会わなきゃ結婚できないなら、ハードルを下げるしかない。
アメリカだとTinderはネットナンパのツールなのに、日本ではイケテナイとアメリカ人がいう。日本人は、真面目な出会いを求めてる人がいると書いてる記事がある。
ありそうだわ。これがリアルなんだとしても、日本人が真面目というわけじゃなく、連続してるんじゃないのと思う。3時のおやつみたいに出会うんじゃなく、手段は気楽でも、食事にしたいというような。なんかよくわからないけど(笑) ニュアンスね。
アラフォー女性には、壁があるそうだ
最初の話に戻ると、その奥さんの結婚相談所では、男性は入れるけれどもアラフォー以上の女性はほとんど入会させないそうだ。
なぜかって高スペックの女性が多く、自分を変えようとしないから、儲からないと。もっともこれは相談所に都合のいい、儲けるための変身だから、一概にプライドが高いってことにはならない。
でもそういう女性は相手にも高スペックを求めるけれども、男性は高スペックでもそうじゃなくても会ってもくれないという。理由は高スペック男性ほど若い女性を求める。高スペックじゃない男性は、ビビって会わないんじゃないかという話だった。
となると紹介も成立しないから、まったくお金にならないと。
ハードル下げて、手軽な出会い系に出て行くしか?
「結婚前提の真面目な交際求む」が結婚相手紹介サービスでダメなら、もしかしたら真面目な交際になるかもね、ぐらいのところに出て行って、いっぱい出会うしかなくなるんじゃないの。
マッチングサービスって、クラウドソーシングもそうだけど、プラットフォームが強くなると、どんなものでも売りたい側が安くなる。買いたい側が、安く買えるようになる。プラットフォームにはリスクが少なくて、売りたい側の市場価値を競わせて下がってしまう。
マッチング市場は安くなることで活性化されるんだから、価値が下がってしまうのは当たり前。
恋愛や結婚も同じ。入り口は出会うことだから、世の中の出会いが安くなればなるほど、それにつながる恋愛や結婚だって、売りたい人が市場化されてしまう。
なんか「働いたら負け」みたいな、身も蓋もない話になっちゃいましたけど‥
この本を読んでると、遺伝子検査マッチングなんてことも、この先出てくるんだろうなと思ってしまう。
匂いマッチングなんていうのもあるかもね(笑)
今日のBGM-423【 斉藤和義 - ひまわりの夢 】