不透明なチカラですが、なにか?

テーマはいろいろ。というか絞れません。2013年7月以前は他のブログサービスからインポートしたので、リンクや画像等がなくなってるかもしれません。

不審者・犯罪者を事前に察知して、監視する時代がやってくる!?

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ソ連時代、政府の10万人もの生体実験から生まれたという防犯システムが、このところジワジワと普及してるみたい。日本で扱っているのは、エルシスジャパンというロシア政府の研究機関を母体とする会社。

映像から、人の顔周辺の振動を可視化し精神状態を判定するという、監視カメラと精神判定ソフトを組み合わせたシステムで、DEFENDER-Xという商品名です。なんでも1分間の映像があれば、古いものからでも判定できるというのです。

 


エルシスジャパンのサイトによると、2000年にロシア、2001年にアメリカの特許も取得したそうだ。ソチオリンピックで大々的に導入され、日本の警察でも導入を検討しているとか。


ホントかよ、その情報。と思っていたら、ALSOKも採用しているみたい。ALSOKって、レスリングや柔道のオリンピック選手が守ってるんじゃないのかよって(笑)

www.alsok.co.jp



だけど、未然防止ってどうなの。

ユースケース例としてこんなことが書いてある。

手荷物検査場に人物を捉えるカメラを設置し感情を可視化。一定の感情レベルに達した人物を重点的に検査するといった振り分けを行うことで、不審物の持込み等を効率的に検査。


解析技術の概要として

■画素単位で振動成分を抽出
・人間の微動作(振動)から感情を可視化
・画像を各画素単位で分析し、①振れ幅〔振幅〕、②振れる周期〔周波数〕の情報を抽出


■動画に映りこんだ人物の感情を可視化
・この情報が持つ意味を「攻撃性」、「緊張度」、「ストレス」など約50にパラメータ化
・人間の感情と振動の相関関係を特定し可視化

 

そりゃまあ、例えば爆弾を持ち込もうとしてたら、極度に緊張は高まる。そんな状態が可視化されるなら、手荷物検査で重点的に調べるみたいなこと以外でも、尾行されたり、監視カメラで追跡されたり、マークされる社会になるかもしれない。イベントじゃなくても、ターミナル駅や空港、繁華街、ショッピングモール、大きな公園などなど。
実際、エルシスジャパンの代理店として動いている会社はかなりあるみたいだし、ALSOKは自社のゾーンセキュリティ商品として一式で売ってるわけだから、これから東京オリンピックに向けて一気に広がる可能性だってある。

 

繁華街を歩いてたら、知らないうちにドローンが付いてきたりしてね。

 

 

しかし、そもそも人間は感情で微振動してるのか?

緊張したり、攻撃性が高まると、微振動が起こるの? 微振動するとしても、それが50もの項目で感情と相関関係に特定できるって、にわかには信じがたい。なんか、スピリチュアルとかトンデモ科学なんじゃないのとさえ思える。

そりゃあ素粒子レベルなら、振動してると言えるだろうけど、監視カメラに写るわけないしね(笑)


仮に仮に振動があったとして、ソ連時代に10万人もの生体実験と言われても、その中で犯罪を起こそうとした人がどれだけいたのか。

実際に赤の広場とかで「攻撃性が高まっている」と判定された人を確保して手荷物検査どころか尋問して反政府活動とのつながりを洗ったとかなら、「攻撃性」とか「緊張」に関しては検証ができそうだ。だけど研究室でカメラの前で座らされて観測したんだったら、もともと凶暴な反社会的人格の持ち主しか「攻撃性」が高まらないんじゃないか。
手相や人相学も統計学から生まれたというけれど、もしかしてDEFENDER-Xは手相以下の根拠しかないんじゃないの?

 

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DEFENDER-Xのことを検索しても、仕組みが同じように書かれているだけで、そのあたりのことがまったく出てこない。ロシアとアメリカの特許なんだから、学術的な検証はなにかしらあるはず。

 


微振動って、マイクロバイブレーションのこと?

検索すれば何かしら出てくるだろうと思って、微振動とか精神状態 振動といろいろやってみたけど、ぜんぜん出てこない。なんだよ、ないのかよと思っていたら、「生体のふるえと振動知覚: メカニカルバイブレーションの機能評価」という本が出てきた。
これによると、生体の振動には「電気的振動」と「機械的振動」があるそうだ。「電気的振動は脳波、筋電図、心電図などであり、機械的振動は震え、生理的振戦、マイクロバイブレーションや収縮時の皮膚表面上の筋音図など多く存在している」と定義されている。ところが「電気的振動は基礎研究や応用研究が多数行われており、発生メカニズムも解明されている。機械的振動はその存在すら一般に知られておらず、基礎的研究やその応用研究は少ない」とある。
この本が正しいとして、DEFENDER-Xで扱っているのは、どう考えたって機械的振動でしょう。でも機械的振動は、あんまり研究されていないと。

検索して出てきたのは、この本ぐらい。Googleブックスで引用した箇所が読めたんだけど、アマゾンでは売ってた。

 

Amazon - 生体のふるえと振動知覚

なんか日本だけじゃなく、海外でもあんまり研究されてなさそうだけど、ともかくロシアとアメリカの特許。相関関係があり、それを検出、可視化できると認められるだけのデータを出したんだろう。そのデータの概要に触れたものさえ、見つからなかった。

ところが、実は日本でも希少な検証データがあった。

 

 

オモロー山下 「犯罪者オーラ」を検知される(笑)

今年の6月フジテレビの「ワイドナB面」という番組で、視聴者からの「オーラで犯罪者を検知する監視カメラについて詳しく知りたい」とのリクエストに応え、DEFENDER-Xが取り上げられたそうだ。番組の中で、5月に加藤晴彦との騒動を弁明するために出演したオモロー山下の映像を解析。

その際の映像から、いろんな指標がある中、「攻撃性が高い」との結果が出たそうだ。これに、松本人志は「おお〜!なるほど!」「ちょっと、晴彦君に対して、なんかあったんでしょうね…」と山下の気持ちを推し量る。
さらに、山下の心理状態などを表す「評価要素チャート」が公開されると、「カリスマ性」の数値が一番高く、松本は「『山下本気うどん』、意外とカリスマ性あるな!」と大声で驚き、共演者の笑いを誘っていた。

ごしっぷ芸能速報チャンネル

 

や、攻撃性とカリスマ性って両立するの? あ、マフィアのボスとか(笑) いやいやそれ以前に、カリスマ性の高い精神状態って、どんなんだよ。

オモロー山下のカリスマ性って、とても気になる(笑)


ともあれ、こういうシステムがいいとなる前提には、多少間違っていても、犯罪を事前に押さえ込める方がいいとの発想がある。そりゃもちろん、正確ならね。


高齢者がクルマを運転して大きな人身事故を起こすケースが増えている。ある一定の年齢以上は、潜在的な自動車事故加害者
じゃあ何歳以上からは、運転免許を没収しましょうとなるかどうか。

 

たぶん人が介在しない形で、こういう仕組みはどんどん普及していくんだろうな。ディープラーニングじゃないけど、間違ったケース、抑止できたケースをAIが学びながら、精度を上げていける。

たぶんそう言い出す企業がどんどん出てきて、売り込み合戦が始まりそう。

 

 

 


映画『マイノリティ・リポート

YouTubeの説明から
西暦2054年、ワシントンDC。政府は膨大な凶悪犯罪を防ぐ策として、ある画期的な方法を開発し、大きな成果をあげていた。それは、予知能力者を利用して凶悪犯罪が起こる前に犯人を逮捕してしまうというシステムであった。このシステムのお陰でワシントンDCの犯罪件数は激減、将来的にはアメリカ全土で採用されるべく準備が整えられていた。そんなある日、このシステムを管理する犯罪予防局のチーフ、ジョン・アンダートンが“36時間後に見ず知らずの他人を殺害する”と予知され、告発されてしまう。追う立場が一転して追われる立場になったジョンは、自らの容疑を晴らそうと奔走するのだが、彼は既に大きな陰謀に巻き込まれていたのだった……。

 

Amazon - マイノリティ・リポート特別編 DVD 

 


今日のBGM434【Moby - Extreme Ways】

 

18 - MOBY