不透明なチカラですが、なにか?

テーマはいろいろ。というか絞れません。2013年7月以前は他のブログサービスからインポートしたので、リンクや画像等がなくなってるかもしれません。

転売とかせどりが、ここまで広がってるのはどうしてだろう

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昼休みに、スニーカーを買いに行った。もうスーツ着て出社する日はとても少ないので、ほぼ毎日といっていいぐらいスニーカーだ。いわゆる革靴と違って、スニーカーの種類は膨大だ。セレクトショップで特注じゃない他でも扱っているスニーカーを売っているのは、膨大な数があるから逆に選べない、という人が多いのかもしれない。


私もありすぎて、どこでどう買えばいいのか迷ったり、なかなか選べない。会社近くのある靴メーカーの直営店に貼ってあるポスター見て、これ良さそうだと思ってた。それが1週間ほど前のこと。やっと買いに行けそうなタイミングができて店に入ると、黒はもう全サイズない。他の色も小さいのか大きいのかしか残ってない。連動して在庫状況がわかるようになっていて直営店はもちろん、公式オンラインショップでもない。ただネットで探せばありますけどね、とおっしゃる。

 

騒ぎにならないスニーカーまで、転売対象になるのはどうして?


え、それって転売ってことですか? と聞くと、そうだと。定価は1万円台前半だけど、2万円ぐらいで売ってるとおっしゃる。え、このブランドで転売だと!? 
もちろん2017SSのシーズン商品だということは知ってるけど、まさか高値で転売できるとは。高く買う人がいるのがビックリだ。

結局、その店にあった他の夏向けスニーカーを買うことにして、会計しながら店員さんといろいろと転売の話をした。「売り切れたとなると、値上がりするんですよね」と店員さん。でも「オークションサイトで逆にダブついてるとなると、定価割れしたりするじゃないですか」と私。転売に詳しくないけど、それぐらいの話は知ってる。
だから「欲しいと思ってるお客さんじゃない人がいっぱい買いに来てるんでしょうね。だけどそれを見越してシーズン商品を作るわけにいかないし」みたいな話。

製造小売と言われるSPA(speciality store retailer of private label apparel)は、大概そうだ。ユニクロだって、シーズン向けのトレンド商品は売り切れても追加生産しないだろう。売り切れたら、1年先に向けて改良版を出す。そういう仕組みなんだと思う。

 

 

ほぼ、ドンと値上がりするのが確実なコラボ商品


ところでと、店員さんに聞いてみた。こないだSupremeとギャルソンのコラボTシャツとかが、騒動になってたじゃないですか。それが販売翌日には、すぐそこのユーズドショップのショーウインドウに出てましたよ。あれは転売目的の個人が売りに来てるんですか? と。
すると店員さん曰く「あれはたぶん店が××××で○○○してるんじゃないですか」と。そうか、そうかもしれないわ。Tシャツ1枚古着屋に転売したからって、大した利益になるわけじゃない。ヤフオクとかだと4万円の値がついてる。定価の3倍以上だ。

 

どうして知ってるかというと、ツイッターヤフオクに誘導するツイートが流れてきたからだ。どんなTシャツかというと、こんなの。

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Supreme にコムデギャルションSHIRTのロゴを重ねて、グシャッとしたようなデザインのプリントが入ってるだけ。それだけよ。これで4万出す? 

いや、そもそも定価でも1万円オーバーだけど、Tシャツにそれだけお金かけるなんて、どれだけリッチなんだ。どう見ても、行列作っている人たちは、それほどのリッチに思えないんだけど。

でも世の中ハイブランドが軒並みダメだというのに、Supremeもギャルソンも、少なくとも限定ものやコラボものは絶好調みたい。

ギャルソンは、そもそも数を作らない。ひとつのデザインに対して、直営店に入るのは各サイズ1点ずつとか、そんなもんだ。だからファンは、その店で売れてしまえば、あとは残ってる店から取り寄せてもらうか、ネットで探すしかない。というケースも考えられる。

だけどコラボものは、世界的に膨大に出回ってるはずだから、本来はそれほど並んだり抽選したりしなくても、買えるはずじゃないの。

じゃあ誰が買ってるんだ。転売くんか?

 

ちなみにステッカーなら、アマゾンにも出てるのよね。

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ヤバいことになったiPhone6の発売

 

私が前から、こうなんじゃないのと思ってることがある。それはiPhone6の発売がティッピングポイントで、さらにはIT系を中心に企業が「転売、せどりは認知されたし、どんどん盛んになる。おおっぴらにやっても大丈夫だ。プラットフォーム作れば儲かる」と思ったんじゃないだろうか。

 

iPhoneの新しい機種が出ると、販売開始日はお祭り騒ぎが恒例だった。世界的に騒ぎの映像が出回ってた。

ところがiPhone6の発売以降、Appleストアは並ばせなくなった。世界各地でトラブルが発生したからだ。東京でも6の発売前日から、徹夜組の風景が一変した。これって浮浪者じゃないのと思える高齢者、しかもどうも中国人らしく日本人のように静かに座っていない。

 

商店街などから猛烈な抗議を受けたAppleストアは、6s以降並ばせないことに決めたみたいだ。

なぜ中国人が大挙してやってきたかというと、中国では6の発売がまだだったのと、為替の関係で日本で買うのが最も安いということだったみたい。

simフリー版がどれほどの影響だったのか分からないけど、これが「せどり」が世界的に誰の目にも明らかになったできごと。へー、中国ではiPhoneが高く売れるんだと、世界中の人が知ってしまった。

為替差益だろうがなんだろうか、貿易の基本は安いところで買って来て、高いところに持って行くこと。それが並びさえすれば、何万円も手に入るということが分かってしまった。

 

ファッションなら、なおさらそう。並行輸入なんていうのは、要するにせどりだ。クルマの並行輸入なら売りっぱなしですまないけど、ファッションならぜんぜん簡単だ。

業としてやっている人たちだって、今はどんなに大きくても、きっかけはファンだったこと。ファンとまで行かなくても、そのジャンルの好き者だったはず。

 

 

転売に目覚めてしまったファンたち

 

業として始めなくたって行列するようなブランドなら、ファンはすぐ高く転売されてるのを知ってしまう。

今まで着ていたものを中古ショップに売るなら、どのタイミングで売れば高いかだって、情報として知ってしまう。

どうせ売るなら、高いうちに売って次のを買おうと考えるのも自然だし、行列したりオンラインの抽選で必要以上に買えることになったら有利な転売方法を探しても、当たり前だろう。というか、定価の何倍ででも買う人がいくらでもいることを知ってしまった。

 

28日の金曜日、代々木公園には?と思う人たちが午前中から集まっていた。午後には、とんでもないことになってたらしい。

このツイートを見ると、いったい何百人が集まってたのか。

 

 ツイートによると、ドレスコードでまず選別したようだけど、それでもとんでもない人数が残るように思える。

ブランド側としてはドレスコードで選別するのは当たり前の対応だと思えるけど、着てるからって転売しないとは限らない。

転売屋とファンを区切るラインは、はっきりしない。

転売屋に腹がたつと言っている人だって、転売でこずかいを稼ぎ始めるかもしれない。

 

買えて着たからといって、すぐ売ってしまう可能性だってある。若者になればなるほど、ファッションに興味があればあるほど、着潰す可能性は少ないのかもしれない。並んで買って、インスタにあげたらすぐに売りに行くなんて人だって、どんどん増えているかもしれない。

 

そして、昔アルビン・トフラーが言ったプロシューマー(生産消費者)じゃないけれども、ファンと転売屋はどんどん重なってきたんじゃないという気がする。

 

それもこれも、簡単に売れる仕組みがあるからだ。古着屋がどんどん増えたどころか、売買がカンタンなオークションサイトがいくらでも登場してくる。

 

 

社会問題化しないと対応しないと決めているオークションサイト

 

いまメルカリで、現金を額面以上の金額で売っている。それを禁止したら、チャージ済みのSuicaPASMOが出展されたとか、領収書を売っているなんてことが問題になってるけど、やばい売買が行われることなんて、オークションサイトは重々承知してる。

いままで問題がどれだけ出てもヤフオクは、「場所を提供しているだけ」というスタンスだったじゃないの。

オークションサイトでは、転売なんてこと、盗品の売買や詐欺に比べたら、問題ですらないと考えているはずだ。

 

 

定価なんてことは、どんどん意味がなくなるはず

 

企業から消費者へモノを売るBtoCから、消費者同士が売買するCtoCがどんどん盛んになる一方だ。CtoCなら、どんな値段が付いたっておかしくない。逆に言えば、オークションサイトに出して定価以上で転売できない商品は、定価だってどんどん安くなっていくはずだ。

 

クルマを所有するなんてアホだ。必要なときはシェアカーやレンタカーで十分という人が増えている。増えれば増えるほど、中古車市場でも高い値がつくステータスカー以外は、どんどん安くなるはず。

ところがクルマとか住宅とかが急激に値崩れしないのは、専門の業者が複雑に絡み合って、価格を相場としてそれなりに維持しているからだ。複雑な流通だってどんどん崩れているけれども、日本ではなかなかカンタンには崩れない。

その一方で誰も維持しようとしない消費者同士が売買するような商品は、どれだけ価格が乱高下しても不思議じゃない。

 

消費者が手軽に転売に参入しているのだから、むちゃくちゃになるのは当然だ。

カンタンに売買できるプラットフォームは増えていく一方だから、どれだけ嫌がっても、転売も増える一方なのは間違いないんじゃないのと。

 

 

今日のBGM444【 Pitbull - Bad Man ft. Robin Thicke, Joe Perry, Travis Barker】

音楽方面もコラボ花盛り。ピットブルのニューアルバムは、ゲストだらけ。この曲Bad Manは、ロビン・シックは当たり前にしても、トラヴィス・バーカー、ジョー・ペリーまで参加してる。

なんでジョー・ペリーが? とは思うけど、ゲストだらけはなんか豪華。聴いてみると、トラヴィス・バーカーとジョー・ペリーの組み合わせはすごくいい。コラボの予期せぬ化学反応か?

 

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