不透明なチカラですが、なにか?

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「勝ち組サイコパス」には近づくな。逃げろ!ってことよね

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1、2ヵ月前、かな。中野信子さんが「トランプはサイコパス」とかいう記事を、何かの雑誌に書いたというツイートがあった。

中野信子さんは面白いけど、異常心理みたいなことには興味ないしな。とすっかり忘れてた。先日、本屋に行ったら、この「サイコパス」というタイトルの新書があった。パラパラと立ち読みすると、これが面白い!

  

 Amazon - サイコパス/中野信子

 

できる限りネタバレしないように書くと、本書で最も興味をそそられたのは、「勝ち組サイコパス」と「負け組サイコパス」の存在を分けているところ。

サイコパスは、異常者として扱われる冷酷で残忍な殺人犯ばかりではなく、大企業のCEOや弁護士、外科医といった大胆な決断をしなければ職種の人々にも多いというところ。

 

アメリカには人口の4%ぐらいは存在するという心理学者がいたり、中野さんは日本でも1%ぐらいはいる。サイコパスとは何なのかを正しく知り、身を守るためには注意深く対処する方法を身につけておく必要があるという。

中野さんによれば、サイコパスには社交的で信者が大勢いる魅力的な人も少なくないそう。

 

私は本書を読んで、タイトルに書いた通りで「勝ち組サイコパスに気をつけろ」と思った。かつては異常な犯罪を起こした犯罪者を調べていたから、サイコパスは異常な存在だというイメージだったけど、さらにいろいろと研究が進んで、社会で成功した、いわば「勝ち組サイコパス」のいることがわかったと。

 

いやいや中野さんが書いている以上に、現代社会、とくにデジタル社会の中での目立っている成功者たちは、サイコパスサイコパス傾向の強い人たちじゃん。と思った。

そして創造的なサイコパスならまだ社会に有益だけど、パクリや騙しばかりで成功している人たちは、働く人や取引先、そして社会に不利益しか与えない。株式市場を通してとか、そういうのは別だけど。

 

 

勝ち組サイコパスの象徴は、スティーブ・ジョブスだと思う

 

読めば読むほど、勝ち組サイコパスの象徴的な存在は、トランプじゃなくて、スティーブ・ジョブスじゃないのと思っていたら、やっぱり出てきた。

トランプがヤバい人だなんて、きっと支持者だって感じているでしょう。そのヤバイところが支持する理由でしょう?

だけどジョブスを好きな人たちは、ジョブスがヤバイと思っているだろうか? 私は長年スティーブ・ジョブスの作る“プロダクトのファン”だった。はじめて買ったパソコンもマックだし、ウィンドウズはもちろん、アンドロイドだって使う気になれない。

おまけにジョブズが追放されてた時代のマックは、なんか違うんじゃないのと思ってしまうほどだ。

 

それでもスティーブ・ジョブスを人格的に好きじゃない。古くからのAppleファンだからこそ、入ってくるジョブスの情報はロクなもんじゃない。もちろん関わることはないけど、仕事する相手としては絶対に避けなきゃと思ってた。

一度だけジョブズが生きているときにAppleがらみの仕事をしたけど、アップルジャパンに何の権限もないことが、よくわかった。なんでもかんでもアメリカのApple本社にお伺いを立てないと進まなかった。

イメージの徹底した管理ということならディズニーがそうだけど、Appleは仕組みがヤバい。きっとジョブズの作った仕組みは、他人をまったく信用しないんだろうなと思った。

だからこそ、マックやiTunesiPhoneというとてつもないイノベーションを生み出せたんだろうけど。だけど他人の時間を奪うことには、なんの配慮もない。

 

Gigazineにこんな記事があったけど、その通りなんだろうと思う。


癇癪持ちで、人を激しく罵倒する。

ジョブズの罵倒は最終的に従業員のバーンアウト(燃え尽き症候群)を引き起こしました。Appleで週90時間労働を10カ月続けた従業員の1人は、ある日ジョブズが「君たちは自分たちの行いに『感動していない』」と言いながらオフィスに入ってきた時に、仕事を辞めてしまったそうです。

そして

ジョブズ負の遺産が受け継がれている例としては、たびたび劣悪な労働環境が問題視されるAmazonのジェフ・ベソスCEOや、「職場に『有毒なパターン』が存在する」と投資家たちに言われ幹部が一斉に去ったUberのトラビス・カラニックCEOなどが挙げられています。

 と書かれています。

ジョブズのように人を罵倒したからって上手くいくわけじゃない。たとえばAppleの製品は、無駄がなく美しい。ジョブズに卓越した美的なセンスとビジョンがあったから、罵倒しながらでも徹底してやらせたから、できたんだろう。

だけど卓越した美的センスとビジョンもないのに、罵倒してやらせていたらどうなるだろう。

ジョブズはプログラミングもできなかったという。できないからこそ、既成概念にとらわれない発想も可能になったのかもしれない。だけど、そこだけマネして「俺は何もできないけど、既成概念にとらわれない発想ができる。グレイト!」って陶酔している経営者がいたらどうだろう。

 

私はジョブズはアーティストみたいなもんだと思ってる。美しい絵を描く。感動的なメロディを作る。ヒューマニズム溢れる写真を撮るアーティストたちは、その人格が美しかったり、ヒューマニズムに溢れているわけじゃない。作品の世界とは、正反対の性格だったりする。

同様に、ジョブズがどれだけ邪悪なサイコパスだったとしても、作り出した製品の素晴しさはそれ自体で評価されるものだと思う。

 

問題はジョブズのような天才は、ジョブズ以降にいないってことだ。ジョブズのマネをして、金を儲けることにかけてはジョブズ以上の人たちは大勢いるのかもしれないけど。

 

 

サイコパスは、共感性や良心によるブレーキが利きにくい

 

本書には、サイコパスをあぶりだすための「道徳のジレンマ実験」など、心理学的なアプローチや見解も数多く書かれている。だけどそれよりもfMRAIを使った脳科学的なアプローチが決定的だ。

fMRIを使って調べると、サイコパスは「扁桃体の活動が低い」という。扁桃体は人間の快・不快、不安や情動といった基本的な情動を決める場所。簡単にいうと、考えるより先に本能的に反応する部分だととらえていいそうだ。

さらには「共感」を持つ眼下前頭皮質や、良心によるブレーキをかける内側前頭前皮質の活動が低い。しかも扁桃体と、眼下前頭皮質と内側前頭前皮質の結びつきも弱いのだそうだ。

それによって、痛みや罪、恥の意識を学習することができず、ウソをついたり、人に責任をなすりつけたり、誰かを傷つけても平気だという。

サイコパスも良心の呵責や罪悪感を口にすることがある」けれども、それは心が痛んでいるのではなく、「悪いと感じているように見せること」が合理的な処世術だと心得ているからだという…

この本には「捕まりやすいサイコパス」と「捕まりにくいサイコパス」についての脳機能の違いが出てくるけれども、合理的な処世術だから「悪いと感じているように見せる」ことをされたら、なかなかサイコパスだと見破ることができなさそうだ。

 

 

ルールハックは、勝ち組サイコパスの常套手段?

 

いままでに何度か書いているけれど、「コンプライアンスを遵守します」というのは「法律に触れるようなことはしません」というスタンスと「法律に触れなければ、何をしてもいい」というスタンスがある。企業で圧倒的に多いのは、後者だ。

後者は、法律が想定していないことなどの抜け穴を探す。倫理的に道徳的にどうかは関係ない。中野さんはこのことをこう書いている。

 

サイコパスはルールハックを気にせずやってのける。これはとても不思議なことです。彼らにはなぜブレーキがかからないのか?

 

なぜって、本書によれば脳の構造が違うからということになるだろうけど、いまや目立っているビジネスはルールハックだ。

シリコンバレーでは、自動化してプラットフォーム化して、どこの、誰の仕事を奪うかがスタートアップのテーマだというし、日本でもルールハックは日常茶飯事だ。

 

Google検索のアルゴリズムは、こうなってる。それをハックするには、こうすればいい。しかも検索1位になるには、こういう手法ならごまかせるとやったのがDeNAだし。

NEVERまとめはアルゴリズムハックの元祖だけど、ずっとうちはプラットフォームで悪いのはパクったライターだというスタンスだったんじゃないだろうか。それがDeNAの問題が明るみになって以降、健全化に向けて、パクられた権利者にお金を払いはじめた。

 

こういう対応が、本当に悪いと思っているからなのか、それとも「悪いと感じている姿勢を見せる」ことが合理的な処世術だからやっているのか。

あなたは、どう思います?

 

 

 

今日のBGM447【 Teddybears - Sunshine 】