不透明なチカラですが、なにか?

テーマはいろいろ。というか絞れません。2013年7月以前は他のブログサービスからインポートしたので、リンクや画像等がなくなってるかもしれません。

映画『トータル・リコール』

この映画、正月休みにDVDで観た。ブログに書こう書こうと思いながら、読んだ本がたまっちゃうとそっちを優先してたので、気がついたら一ヵ月以上経っちゃってました。
そんなに経っちゃったけど、これは売り飛ばさずに置いといて、また観ようと思うほど気に入ってます。


前作の『トータル・リコール』が20年以上も前だったことに驚く。前作の主演は、シュワルツネッガー。シュワちゃんの存在感もスゴいし、未来の設定にそぐわない肉体の圧力。筋肉バカっぽさと近未来テクノロジーの対比も面白かった。ああ〜、そうそう対比というより、埋め込まれたピンポン球のような発信器(?)を、鼻からギシギシと取り出す、観ていて自分の鼻が痛くなってくるようなミラーニューロンが発火するような、フィジカルなところも最高でした。何も考えなくていい、良質のエンターテイメント。原作のフィリップ・K・ディックファンには、ビミョーだったかもしれないけど。

そしてリメイクされた今回の『トータル・リコール』。コマーシャルなんかで出ている映像は、とても洗練されてて、あれ?と思いながらも、観てみた。
世界戦争後の地球。前作と違い支配者層の住むブリテン連邦と労働者の住むコロニー。EUとオーストラリアに位置し、労働者は毎朝フォールと呼ばれる地中エレベーターで地球の裏側にあるブリテン連邦まで出勤して行く。いくら速いとはいえ、地球の裏側まで出勤って無茶じゃないかと笑えるけど、一応、世界規模の戦争後だから、汚染されてて、そのふたつのエリアしか人間が住めないんだという設定。

設定はともかく、コロニーの映像が登場して、うわ〜、ブレードランナーじゃんと、私は喜んじゃって。ジトジトと雨の降りつづける沈鬱な空気が漂うコロニー。これはいいかも。なんでいいかもと思ったかというと、最近のSF映画はみんな空気感が同じ。ハリウッドものはSFXを同じ会社がやってるんちゃうのというぐらいに同じようなトーンだし。ちょっともう、空気感に飽き飽きしてた。ただ、コロニー以外のシーンでは、そんなに変わらないんだけど(笑)
しかも、最近の北京の大気汚染などの映像を見ていると、もうこんな描き方は、とっくに時代遅れなのかもしれない。もしかしたら、現実の方が先に行っちゃってる。もうすぐ北京周辺に住む人は、霧のような汚染物質が漂う中で防毒マスクをつけ、自転車をこぎ、外に洗濯物を比しているなんていう状況になっちゃうかもしれない。SF映画は、ディストピアを描くにしても、大戦後を描くにしても、遅れ過ぎなのかもね。

それから新しいテクノロジーにしても、もう何にも新しい装置や見せ方は出てきてはいない。唯一、フォールぐらいかな。

え、じゃあなんで好きなのかって? だって観ながら解釈とか、ややこしいこと考えなくていいじゃん。エンターテイメントとしての爽快感はとてもあるんだから。

このニセの奥さん役ね、この人のサドっぷりが笑えて笑えて。あとから監督の本当の奥さんだと知って、さらに笑えちゃって。格闘シーンがどうだからとかじゃなくて、もう表情からしてオソロシイ。よくまあ、こんなのと結婚したもんだと。なぜか映画監督が女優と結婚してるのって、オソロシイ人のくっついてるもんだけど(笑)

超人的なわけではなくて、性格がサドで暴力的。格闘では、そんなに無茶な展開がなくて、現実にいそうだわ、ありそうだわと思えるぐらいのところが面白いのよね。



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トータル・リコール」(2012)予告編第二弾 日本語版



今日のBGM-232【立花ハジメ - Chicken Consommé】

ヒスノイズがひどいし、この映像、ライブでマルチモニターで流してた素材を使ってテレビ用かなにかにしたものだと思う。立花ハジメさん、このころは、ブレードランナー大好きで、こういう曲とか映像を作ってたのよね。『Replicant JB』なんて曲もあるのよねぇ。って、ブレードランナー好きじゃなかったら、さっぱりわからないよね(笑) すみません。