どこから何を取り戻すんだろう

先日、クライアントのところで話していて、石垣島のマンション、それも億ションクラスが中国や台湾の金持ちが買っていると聞いた。金があるから買うんだろうけど、あれはどうしてなんだろうという話で。
私が「リゾート地として近いし、日本は安心できるし、なにより中国はそのうち自分たちのものだと思ってるんじゃないですか」と答えた。
いやあの、軍事力で奪うという話じゃなくて、そういうマンションなどに休みに来たり、住んだり、観光に来たりする人口が日本人を上回ってしまえば、実質的に中国になってしまうという意味だ。尖閣は国が軍事力で奪いに来る可能性はあるけど、石垣島は違う。
リゾート地としても価値が高いし、なにより中国も台湾も国の体制がどうなってしまうか分からないから、資産として日本に持っておくのはリスクヘッジとしても有効だと考えてるんじゃないだろうか。
そんなの都心の高級マンションが、買い漁られているのも一緒だ。

それを防ごうなんて、無理な話で。アベノミクスは海外からの資金を呼び込みたいんだし。

渋谷のコンビニは中国人の店員ばっかりで、日本人なんてぜんぜんいない。飲食店だって、おしゃれ系以外は、なかなか日本人いない。中国人や外国人が愛想悪いかというと、そんなことぜんぜんない。四谷だってそうだし、六本木なんて、ここはどこの国？って思うほどだ。
原因は、日本人が都心ではおしゃれ系以外で働きたがらないということだと思う。雇う側の問題としては、週20時間以上は働かせない。働かせると社会保険に加入しなきゃいけなくて、コスト的に難しいという問題がある。だから
デリバリーピザA社のドライバーと同業のB社を掛け持ちでバイトするなんていう、いびつなことが起こってる。働く側にとっては、そういう扱いされるなら、しんどい仕事なんてしたくないという気持ちになるだろうし。被扶養者から外れてまで仕事したくないという主婦だっているし。根本的には、制度の問題。年金や健康保険のつじつまあわせるために行政がやっていることが、逆に働く意欲も働く機会も奪ってる。人口構造による疲弊と政治・行政の無能さ。それをなんとかカバーしてくれているのが、留学生を中心とする外国人の人たちだ。

はっきり言って、都心の特にサービス業は外国人なしになりたたない。いや、ちゃんと正社員雇用を中心にやってるよという居酒屋もあるけど、そこは休憩する時間なんて考えずに死ぬほど働けという企業だ。そういうところのトップを、わざわざ自民党は比例区で擁立しようとしている。まあ、若者が死ぬほど働かないから、日本はダメになってきたんだという考えが本音なのね。

どうも安倍さんは、お坊ちゃん風の見た目とは違って、すごく勇ましい人なのね。今、日本人は勇ましいことが好きなんだろう。
野党の無責任さにも呆れるし、経済政策のなさにも驚く。でもアベノミクスなんて、どこの先進国もやってきたことで、目新しいことなんてなにもない。問題は、その内容と程度。金融緩和すれば、まともな借り手がいなくたって、裏金融が増えて、お金は回る。公共事業の支出を増やせば、GDPは上がる。そりゃあ、そういう計算式なんだから。公共事業を増やせば、雇用も上向くだろう。問題は新しい道路や箱物を作れば、そのメンテナンスに、未来永劫お金が掛かる。アベノミクスの支出は、メンテナンスにもかかり、どうやって借金を返していくのか。
日本は高度成長期に造ったインフラが、軒並み限界に来てる。そこに徹底的にお金を使うならまだしも、オリンピック招致と同じで、新しい施設を造ることへの期待がほとんどだ。お題目はどうあれ、復興増税で作られた復興予算が、ゆるキャラや原発を止めたことによる補償に使われたりするぐらいなんだから、取ったものがちで制限なく使われる。健康保険や年金のために、消費税を10％ということが決まったけど、復興という言葉すら理解できない強欲な行政が好きに使うぐらいだから、消費税増税が社会保障にだけ使われる保証は、どこにもない。きっと社会保険事務所のクルマは、新しくなりそうだ。自動車産業支援とかいう意味不明の霞が関の理屈で。
かつて、社会保険事務所OBたちだけの天下り会社は、年金未加入企業に押し掛けて脅してた。年金が詐欺だとバレてからは、やらなくなったみたいだ。国民年金は、20代では未払い者が過半数になってきて、督促や催促を民間企業にやらせてる。もうどう転んだって、社会保障は国がやっているものじゃない。破綻の後処理段階なのに、消費税を限りなくあげて、取り繕いをしようとしてる。

日本国内で消費が上向くには、高齢者が持っている金融資産を使ってもらうしかないけど、どうも日本の本当の金持ちは海外でお金を使っているみたいだ。
3.11の直後、ある金持ち、特にトラッドな金持ちや高級官僚しか来ないというショッピングエリア。もうちょっと具体的に言うなら、高級ホテルの中だ。そこからは、客がぱったり消えてしまったという。なぜかというと、皆海外に逃げてしまったから。日本の金持ちは日本から逃げ、今も日本の財政や地震を危惧している。なのに中国人の富裕層は、都心の高級マンションを買い漁る。それはきっと、中国より日本のリスクの方がマシだと考えているからだろう。

アベノミクスによる円安で輸出産業は潤っているけど、国内の消費は、大きなものは中国人富裕層が支え、末端の商業は留学生が支えてる。
前にも書いたけど、日本の百貨店で宝飾品や絵画を買っているのは誰か。そんなのフリーの客じゃなく、外商扱いのシルバー富裕層がほとんどだろう。そもそも都心での百貨店の顧客は、50代以上だというし。

自民党は原発再稼働推進で、安倍さんは海外にも売っている。福島原発の事故原因も特定されていないのに、どういう安全基準を作れるのか、かなり不思議だ。国がやったことの被害は国民が負って当然だという発想なんだろうけど、因果関係のわからないものを、科学的な根拠として出せるわけもないから、神学の世界だ。あ、だから再稼働反対のはずの公明党が「連立で過半数。安定を！」と言ってるのか(笑)

新潟県知事は、再稼働に明確にノーと言っている。それは何より、東電のやり方に信頼が持てないからだという。いや、あれは東電じゃないのよ。経産省が地元への説明なしに進めろ。地元へは金をバラまくから、それでよしと言っている。新潟県知事は、国にケンカ売ってるのよ。だからメディアや国民が注視してないと、そのうち元福島県知事のように犯罪をでっち上げられるかもね。

原発こそ、トイレのないマンションなんだから、それこそ未来永劫、放射性廃棄物の処理にお金がかかる。危険がともなう。原発の地元では、補助金や働く場所としての要望が強いという。でも考えてみて。なにも事故がなくたってそんな村、この先衰退の一途だわ。誰がそんなところの土地を買うのか。外から新しい人が入ってくるのか。子供たちは、出ていくでしょう。どれだけ国が金を流し込んでも50年も経てば、原発施設だけがある無人の廃村だわ。
日本の人口構造を考えれば、魅力がない場所は廃れるのが当然じゃないんだろうか。

自民党の考える保守とは、昔から「鎮守の森を守る」こと。そんなの大ウソなのは、福島原発周辺の村がどうなったか、被災した人たちがどう扱われてるかみれば、わかることじゃない。

エネルギー安全保障のために、原発が必要だという専門家がいる。私も完全になくしてしまうと危険だとは思うけど、日本の体制だと、軍事的な安全保障として原発は大きなリスク。
軍事的な抑止力として、核兵器への転用が可能な状況は必要という人もいる。なんども書いてるけど、抑止力として欲しいなら、今すぐ造れ。だけどそんなことを、アメリカが許してくれるのか。アメリカが駐米日本大使館を盗聴してしても、抗議のひとつもしないくせに。
経済として、安価な発電の出来る原発は必要だという議論は、さすがに粉飾決算の大ウソだから下火になってきた。でも円安で原油価格等が高騰の一途だから、やっぱり多様なエネルギー源として必要という話もある。え？、円安誘導はアベノミクスだけど(笑)　
海外にも売れる原発技術は、成長戦略にかなうという視点もある。いやいや買ってるのは、後進国だけだから。中国でこれからバカスカ原発ができて、事故が起こらないだろうか。日本がやるべきは、廃炉ビジネス。どこの先進国も、この先原発は造れないだろうし、廃炉はこれからの成長産業だわ。
日本では原発も社会保障も、破綻処理段階なのが現実じゃないんだろうか。
国民から集金したお金を使える人たちは、さっさと海外に持ち逃げしようとしているのかもしれない。

どう考えても、安倍さんの強気は神学的。いったい、どこから何を取り戻すんだろう。長年、自民党や霞が関がやってきた矛盾から脱却して、鎮守の森を取り戻すというなら、まだ支持するんだけどね。

今日のBGM-270【 Lady Gaga - Judas (Gaga Live Sydney Monster Hall) 】

なんかガガが、ムチムチしてる(笑)　これはかなり太ってたころのライブなのね。
あ、そんなことよりも Judasの歌詞、「それでもユダを 愛してる」なんて言ってて、意図がよく分からない。背徳的なイメージを作りたいだけなんだろうか。敬虔なキリスト教信者が多いアメリカで、危険はないんだろうか。
って、そんなの聖書をきっちり信じてる信者なんて、たぶん少ないのよね。
日本人は無宗教と言いながら、信じたいものに、すがりつく。基本は目の前の金なのかな。
最近、本当に外資の投資ファンドなんかより、日本人の一般的な人の強欲さの方がヒドいという気がしてる。なんでだろ。国の責任だけにするのは可哀想な気もするけど、安倍さんがTBSの報道が気に食わないから取材拒否して、TBSがすぐ謝ったのを見てると、言うこと聞かなきゃ飯のタネは渡さないという記者クラブ方式そのままだ。