不透明なチカラですが、なにか?

テーマはいろいろ。というか絞れません。2013年7月以前は他のブログサービスからインポートしたので、リンクや画像等がなくなってるかもしれません。

B層を狙えの根深さ

このところ「B層をターゲットに」という言葉を、3社から聞いた。いずれもウェブ担当者的な人たちなんだけど。

B層を狙う理由というのが根深くて、「はぁ〜」っと心の中でため息をつきたくなる。

 

B層って、どんな人たちなのか

以前に、『日本をダメにしたB層の研究』という本の書評を書いてる。あきれるような本で、著者がバカだと思う人を、ぜんぶB層だと流し込んでいて、どうしようもない。

そもそものこの言葉が世に出たのは、2005年の郵政選挙の時に、小自民党が採用した広告会社の企画書「郵政民営化・合意形成コミュニケーション戦略」による分類。窓口は総務省で、麻生太郎大臣。

詳しくは前に書いた記事を読んでももらうとして、自分の文章を抜粋すると、

 

有権者をA層からD層に分類して「構造改革に肯定的でかつ比較的IQが低い層」「具体的なことはよくわからないが小泉純一郎のキャラクタ−を支持する層」をB層としたというもの。厳密にいうとD層とは書かれていなくて、たぶん最初から有権者として相手にされていない。

A層:「小泉構造改革」を基本的に支持するIQが高い層。財界勝ち組企業、大学教授、マスメディア(TV)、都市部ホワイトカラー

B層:小泉総理のキャラクターを支持する小泉内閣支持のIQが低い層。主婦層、若者、シルバー層

C層:小泉構造改革に抵抗するIQが高い守旧派

D層:小泉構造改革に恐怖を覚えている失業者などIQが低い層。

 

この分類の仕方は、方法としてそれほど不思議じゃない。調査すれば、似たような結果が出るだろう。でもおかしいのは、IQが高い、低いと書いているところ。そんなの普通に調査したって出ない。

私が思ったのは、今、復興基金を落札した会社がペーパーカンパニーだった。落札後、賃貸オフィスを借りたという話が出てるけど、たぶんこの企画書も一緒。総務省OB絡みの会社が、基本は官僚の作文を企画書化したものなんだろうと思う。

とにかく企画書の趣旨は、B層を狙えば劇的な効果を上げられるというものだ。

分類のマトリックスが、これ。

 

f:id:F_chikara:20140315231011j:plain

 

IQなんて検査してみなきゃ、わからない。こういうヤツは、IQが高い。こういうヤツは、IQが低いという思い込み。日常的に上から目線で生きていて、大衆を知らない人のテキトーな分類だと思う。

 

どうして、B層が狙われているのか

そういう話を聞くたびに、私は「消費者は、そんな単純な分類にあてはまらないです」と言うんだけど、B層という言葉が使われる理由はまさにその単純さにあるみたい。

 

先日、あるコンサルタントのブログで、「楽天で買い物する人たち」を35歳以上の主婦で、リテラシーが低いという趣旨のことが書かれていた。それは確かにそうなのよね。

 

ゲームやLINEで有料アイテムやスタンプを買う人たちも、IQが低いという文章もよく見かける。

 

通販チャンネルで、大量にモノを買うのは老人。それも寂しくなる深夜に、なんて話もよく聞く。

 

企業側からすれば「買ってくれるのは、そういう人たちなんだから、そこを狙う」という論理。そしてその人たちは、IQが低い。B層だという単純化

IQが低い。B層だという言い方がおかしいんだけど、今、じゃんじゃんお金を使っているのは、確かに上に書いたような人たち…

住宅を買ったり、クルマを買い替えたりしているのは、けっこう違う人たちもいるけど。例えば、エリートたちによる極地的バブルのような人たち。

だけど日本全体の個人消費は、たぶん今低調。その中で、無駄なものまでじゃんじゃんお金を使っている人たちがいるのは事実。

 

消費税増税前の、異常な行動

増税前の駆け込み需要が、けっこうあるようだ。うちの奥さんは、洗剤とか柔軟剤とかトイレットペーパーとか、その手の必需品をいつもまとめ買いしてるけど、今はいつもに増して買ってある。アホ?(笑)

いやまあ、そんなことはなくて、どこでもあるみたいだ。問題は、その程度。

今は、例えば楽天で同じ化粧品を一日に3回も複数個買ったりするような人が出てるんだそうだ。楽天に限らず、多くの小売店でも「増税前のまとめ買い」を打ち出してる。煽られて買う人も多いけど、でもその化粧品は、何ヵ月分? もしかして何年分? 

3%分の増税で、今払うことによるリスクを考えているんだろうか。もちろん預貯金がいっぱいある人なら、問題はないけど。

同じ化粧品を何ヵ月も使う。そのうちに、もっといい商品が出て来るということを考えないんだろうか。もちろん、大量に使う人なら問題ないけど。

 

増税で景気が悪くなれば、さらにデフレは進む。デフレがさらに進行して企業業績が悪化すれば、賃金が下がったり、失業の可能性だって高まる。

現在好調なクルマだって、増税後の落ち込みで、納車何ヶ月待ちなんていう人気車種以外は、値引き幅が大きくなるはず。

そんなことはどこの企業だって考えてるから、今が千載一遇のチャンスだ、売れるうちに売っておこうと前のめりになる。誰にって、売れる人たちに。つまり、冷静ではない人たち。

それがイコールB層だと、単純な話になってる。

 

冷静ではない人に売れて、冷静な人たちに売れないものなら、それは不要なものだってことだと私は思うんだけど。

どうも企業側にも、冷静さがないみたい。

実際は輸出企業じゃないところは、それぐらいに厳しい実態ということだけど。

 

 

Amazon - 日本をダメにしたB層の研究

 

Amazon - 日本を救うC層の研究