不透明なチカラですが、なにか?

テーマはいろいろ。というか絞れません。2013年7月以前は他のブログサービスからインポートしたので、リンクや画像等がなくなってるかもしれません。

ファストフードの、いじめられ方について

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私はファストフードには、めったに行かないです。あ、ウェンディーズは好きだけど、もう表参道がないから、めったに行けない。それでもどこかのファストフードには月に1度以上は行くけど、ほとんどの場合はコーヒーを飲んでるぐらい。仕事で出掛けていて、昼をすばやく食べなきゃいけないとか、打ち合わせをするために入ることはある。

 

ずっと以前は、ファストフードって何使ってるか分かんないじゃんという気持ちがあるからだけど、最近はおいしくないと思ってるから。多少カラダに悪いものを使ってたって、おいしい店で、そこそこの値段だったら入るけどね。頻繁に食べるから悪いわけで。自然なものだって、毒になるものはいくらでもあるし。

 

って程度に思ってる私だけど、最近のマクドナルドの叩かれ方は、どうしちゃったんだろと思う。そりゃあ異物なんて、混入することもあるわ。キケンな化合物とかを使ってたとしたら論外だけど、虫とかそういうのってなぁ。

ファストフードに限らず食品から完全にシャットアウトしようとしたら、それこそ人間にまでダメージがあるような殺虫剤を使い始めるんじゃないの。その方が危険なんじゃないのという気がする。

 

売上が低下しているもっともらしい理由

 

マクドナルドは、アメリカでも売上が激減しているという。その理由がいろんなところで語られてるけど、これだというものがどこにもない。

以前書いた『ヒップな生活革命って、なんだろう』で題材にしてた本の抜粋。

リーマンショック後の暗いニュースが一段落した頃、ニューヨークでは

驚くほどおいしいコーヒーを出すインディペンデント系カフェが増え、産地直送の新鮮な野菜がぐんと手に入りやすくなったのです。大量生産の仕組みの中で粗悪な商品を作るかわりに、古いものや廃材を直して使ったり、リメイクしたりする作り手が増え、手づくりのクラフト文化のつぼみが開花しているのに気がつきました。また、個人経営の本屋が、ギャラリーが、レコードショップが再び増え、文化に活気をもたらすようになってきました。

と書いてあった。気分として、消費しまくりはマズいんじゃないか。効率ばかりを追い求めてたら、ヤバいんじゃないか。みたいなことが、リーマンショック後に起こったんでしょう。

ベジタリアンだって、ビーガンという厳格な人たちが増えているというし。

日本でも3.11以降、生活のスタイルを大きく変えた人たちはいくらでもいる。そんなことは当たり前に起こることで、重々承知してるけど、それだけでマクドナルドの売上が激減するだろうか。

中国で問題になった食品会社はアメリカ系だし、他の外食産業にも納入してる。マクドナルドはマズイ。食べたいものがないという評価もある。だけど、他はおいしいんだろうか? そこは何とも分からない。だって、マクドナルド行かないし(笑)

なんか腑に落ちないことは、他にもある。

 

昨年末、ゲイツ財団がマクドナルドとコカ・コーラ株を手放したというニュース

 

ウォールストリートジャーナルには、こう書いてある。

この2銘柄は7-9月期には財団の保有株でそれぞれ4番目と5番目の規模となっており、全保有高217億ドル(約2兆5800億円)のうち計約20億ドルを占めていた。(中略)
コカ・コーラ筆頭株主ゲイツ氏が取締役を務めるバークシャーであるにもかかわらず、ゲイツ財団がコカ・コーラ株を手放したのはなぜか。

ゲイツ財団、マックとコーラにさよなら 保有株を売却 - WSJ

 

これだけ読むと、ビル・ゲイツマクドナルドとコカ・コーラに見切りをつけたよう。もうファストフードやコーラは終わってしまうのかと。

だけどこの記事の中にも、資産運用はゲイツが委託して、資産運用家のマイケル・ラーソン氏が管理していると書いてある。そして、WSJの他の記事でラーソン氏のことは「ビル・ゲイツ氏の資産を増やし続ける男 」として紹介されてる(笑)

そうなら、純粋に値上がりの気配なし、あるいはこれ以上持ち続けるのは損失が出るというような経済的な観点からじゃないの。

ま、そうだとしても、両社が時代遅れだってことだけど。

これらの記事以外でも、ウォールストリートジャーナルはマクドナルドに批判的な記事をいくつも掲載しているので、「投資対象としても終わってます」ということなのかもしれない。

 

対照的に持ち上げられるシェイク・シャック

 

マクドナルドとは対照的にウォールストリートジャーナルは「高級バーガーの米シェイク・シャック、初値が2倍―大手に脅威」という記事で、ブティックバーガーにはいい時代だと書いている。

シェイク・シャックは最近日本上陸が報道されて、話題のバーガー店だ。記事を読むまで、まったく知らなかったけど。

シェイクシャックが日本に上陸!値段が高いのになぜ人気がある?! - NAVER まとめ

高くておいしいのは分かったけど、まとめを読んでも健康的な食材を使ってるとか、そんなことは書いてない。おいしければ、高くてもニューヨークでなら通用するんだなということは分かった。

そして投資家も、そういうチェーンに注ぎ込むんだなということは理解できた。

 

WWJはブティックバーガーという名称を使ってるけど、チェーン店だし日本にも進出しようってぐらいだから、ブティックじゃないでしょ。値段からすれば流行のファストカジュアルに分類されるんじゃないの。

ファストカジュアルというのは、単純にファストフードとレストランの中間の業態ね。

 

シェイク・シャックの創業者は、ニューヨークで最も賞賛されるレストランを数多く経営している敏腕シェフなんだそうです。ふーん、シェフなんだ。たぶん、そこがポイントよ。

 

 

マクドナルド兄弟が始めたマクドナルドは、どんな店だったんだろう

 

確か最初のマクドナルドはホットドッグ中心のドライブインで、ローラースケートのおねえさんがクルマまで持って来てくれるような店だった。その評判に目をつけた機械のセールスマンが権利を買い取って、チェーン店化した。

とかなんとかってことを、テレビで見たことがあるなぁと思って検索してみたら、元マクドナルドの店長が書かれているブログを見つけた。

ビジネスを資産に変えられなかったマクドナルド兄弟の話

 前編中編後編と三部構成だけど、中編の途中からはアフェリエイトの話が(笑)

 

買い取ったセールスマン(クロック)は、フランチャイズで拡大しようとした。でもその条件は、利益の中から自分の会社が1.4%、マクドナルド兄弟の取り分が0.5%という低いロイヤリティだった。さらにクロックは6年間、自分は無給で働いたと書かれています。

初期のフランチャイジー(加盟者)もがんばって評判店を作り、収益を上げたそうです。

ところが歩合では先が不安だからと、クロックに買取を迫ってきたマクドナルド兄弟… という風な展開だったみたいです。

細かいところはどうあれ、マクドナルド兄弟も最初は莫大な儲けよりも、評判店を作りたかったはず。クロックは、ずっと儲けよりも情熱を傾けてたようだし、初期のオーナーたちもそうだったんでしょう。と、私は勝手に推測します。

 

 

自社の商品やサービスに興味のない経営陣たち

 

何年か前、アメリカのタバコメーカーの日本法人の社長インタビューをテレビで見ていたら、最後にインタビュアーが「ところで社長はタバコをお吸いになりますか?」みたいなことを聞いていました。

すると社長は「私自身は吸いません」と言っていました。

私は思わず、のけぞっちゃって。ってことは、この人、タバコはバカが吸う。自分は吸わないけど、バカへの売り方は分かってるって思ってる? と想像しちゃって。

やっぱり自動車メーカーの社長は、クルマの運転が好きな人の方がいい。その上で安全性とか環境性能とかを追求して欲しい。

飲食業のオーナーは、食い意地のはったデブの方がいい。その上で、安全性とかホスピタリティを考える人がいい。

スポーツウェアメーカーの社員は、スポーツをずっとやっている人の方がいい。その上で機能性とかデザインを考えて欲しい。

私は、そう思ってしまいます。もちろん商売がうまくいくかどうかは、別ですけど。だけど、今は商売が先で、その種は何でもいいと考えている経営者やボードメンバーが多い気がします。

 

マクドナルドの前社長は、アップルの社長だったという人。今の社長や会見に出てくる幹部をテレビで見てても、お前らマクドナルドのバーガー食べてるの? という気がします。

それはもう巨大チェーンならしょうがない。トップは経営のプロで、なんでも売る人じゃないと勤まらないだろうし。幹部なら英語はネイティブ並が求められるだろうし。経理のおばちゃんじゃなくて、国際的な財務のプロが必要でしょうし。マーケティングは、マスマーケティングじゃないとダメでしょうし。消費者窓口のトップは、リスクマネジメントのオーソリティが配置されてるだろうし。商品開発は、シェフだとNGでしょうし。

って、あれ? 何を売ってるんでしたっけ(笑)

 

 

という事態が、あちこちの企業で起こってるんだと思います。その最たるものがグローバル企業で。

ファストフードは歪みが分かりやすいから世界的に叩かれていますけど、もっとオソロシイことはほとんどのグローバル企業や、それを真似る企業で起こってるんじゃないのという気がします。

シェイク・シャックがアメリカで投資家に人気なのも、評判店だということが根本にあるにしても、世界的にチェーン展開するというアグレッシブなところへの期待でしょう。

巨大チェーンになったら、どうなるか。マクドナルドだって最初は、マクドナルド兄弟が始めた評判店だったんだし… と以下、ループ

 

来年は、アメリカンバーガーの出店が続くそうだけど

 

来年はシェイク・シャックだけじゃなくて、プレミアムバーガーのカールス・ジュニアも日本上陸するという。

両方とも食べたことはないけど、カールス・ジュニアはパティを鉄板じゃなくて炭火で焼くというおいしさへのこだわりぶり。

ただ、金額はファストフードのレベルじゃないみたい。

どうせ高いお金を出すんなら、どこで作られているか、どうやって作られてるのか。地産地消じゃないけど、それなりに速く提供してくれる、 ぐらいの「地元の店」がうれしいなぁ。グローバルと対極の大きなチェーンじゃない小規模なやつね。

 

最終的には、投資家に人気かどうかじゃなくて、私たちが何を食べるかで決まるんだから。

 

今日のBGM-372【 電気グルーヴ ー Baby's on Fire 】