この職業はこうじゃなきゃいけないって、誰が決めるんだろう
昨日の夜、風呂から出てきてなにげなくテレビをつけたら、困った顔のキンコン西野の顔が映ってた。ディレクターが「ツイッターで、西野さんに厳しい意見を言う人たちと会ってみませんか」というオーダーに、困惑している感じだ。
面白いけど、芸人に何から何まで丸投げした、なんにもやらないテレビ局側。
西野さんに文句を言うために作ったアカウントで、2年も粘着している人もいるらしい。そんなに嫌われてるのか。それともファンなの? 熱心なファンが、気に入らないことがあって叩く側に回ったんだろうか。
西野さんは、たぶんツイッターのDMで厳しい意見を言う人たちにメッセージを送った。呼びかけに応じてやってきたのはふたり。
その後のことは、本人がブログに書いてる。
本人はブログの中で、
さんまサンがドラマに出るのは良くて、
たけしサンが映画監督するのは良くて、
又吉君が小説を書くのは良くて、
石ちゃんがグルメレポートをするのは良くて、
オリラジあっちゃんがコメンテーターをするのは良くて、
たむらけんじサンが焼き肉屋をするのは良くて、
厚切りジェイソン君が日本人の生活習慣を斬る本を出版するのは良くて、
キングコング西野が絵本を出版するのはダメ。
と書いていますが、ふたりの趣旨はちょっと違う。要するに芸人なのにテレビに出ないで、絵本を描いてるのはおかしいということだ。
とりあえず私はそこに、かなり違和感を感じた。
キンコン西野に物申すって攻めてたけど、何やったっていいんじゃない。どんな職業だって、いまどきセオリーなんてないし。ってあれはなんの番組だったんだろ。視聴率低そうだけど、ムダに面白かったわ
— 不透明なチカラ (@f_chikara) 2016年6月27日
芸人だから、テレビに出るのがマストなのか。よしもとホールとかでライブをやってればテレビに出なくてもいいじゃん、ということじゃなくて。
職業を名乗ったら、その職業はこれをしなきゃいけないなんて時代なんだろうか。行政の分類じゃあるまいし、◯◯業はこういうものだって誰が決めるんだろう。
言う資格は、その道で食べてきた人ならあるだろうけど、その先輩だっていつまで持つかはわからない。正解とかなんてない。と思うんだけど。
職人が3Dプリンターに勝てるだろうか
たとえば日本の金型はミクロン単位まで皮膚感覚で調整する職人たちがいるから優秀だと言われてきた。でも今はどんどん3Dプリンターが取って代わっている。ギリギリまでの精度が求められる世界ならともかく、圧倒的なコスト差にどうしようもなくなってる。
じゃあ職人は、どう生きていくのか?
いや、ちがった。そんなことが言いたいんじゃなかった(笑)
職業のくくりなんて、他人が求めることに合わせる必要がある?
ホント◯◯業なんて分類は、役所が決めたことだけど、そんなのとっくに時代遅れになってる。だけど国の仕組み上、分類に当てはめなきゃいけないから当てはめてるだけだ。
どころかその職業にふさわしい格好、ファッションだって意味なくない? こないだギャルブランドで年商100億円を売り上げるギャル社長がテレビに出てたけど、そんな服着たギャルは、もうぜんぜん見かけないなぁと思った。キャバクラにならいるだろうけど。
都心では、どんどんスーツ着た人が減ってる。着てるのは営業職か、トラッドな業種だ。むしろ詐欺的なあやしい仕事の人たちは、スーツを着てる。
その職種にふさわしい服装をするのは、就職活動のときだけでいいんじゃない?
その職業らしい行動規範を求められるのは、警察官とか裁判官とか自衛官とか、公務員の中でも一部の職業なんじゃない。どこの役所に行ったって、スーツ着てる人なんてほとんどいないし、公僕なんて意識持ってる人なんて誰もいないんじゃない。
この道一筋なんてことは、伝統芸の世界にしかないでしょ
たぶん農業一筋60年、なんてこともこれからの日本じゃなくなりそう。これからもし60年間農業を続けられるとしたら、それは今までのイメージの農家じゃなくて、農業っぽくないことをあれもこれもやってる人だけだろう。
芸人は人気商売だから、ちがうんだろうか。いやいや人気がないとやっていけない職業だから、逆にいろいろやった方がいいんじゃない。
お笑いやってウケるだけじゃ、あっという間に消費されて終わっちゃうでしょ。お笑いがトピックスになることは稀だけど、絵本を出したらそれは話題になる。人気商売って、まず話題がなきゃダメだからね。
って、キンコン西野さん、絵上手いわ
「絵本作家が必死でオモシロイことを喋りますので」も上手いわ。
「仕事も肩書きもひとつじゃなくていい」という本
Amazon - 25歳からのひとりコングロマリットという働き方
今日のBGM-419【 tofubeats - STAKEHOLDER 】