炎上したPCデポの騒動を高齢者問題として考えると、市場原理なんかで解決しなさそうに思うけど
いまだ新しい燃料が投入されたりして、沈静化しないように思えるPCデポを巡る騒動。
80歳過ぎの父親が結んだ契約に納得いかない息子が、契約解除を求めたところ、 20万円もの契約解除料を求められたというのが発端。
上のYahoo!ニュースに書かれたことが事実だとすると、解約に消費税がかかっているとか、サポート10台までのプランにしているとか、明らかにおかしいところがある。
限りなくブラックに思えるけれども、さまざまな料金プランが高すぎるのかどうか、私にはなんともわからない。もちろん高いけれども、それを言い出したら、スマートフォンだってこれだけ普及しているのに、本体価格も通信料もめちゃめちゃ高い。データのバックアップだって各種の設定だって、自分でするのに。
高齢者をサポートするのに、どれだけの時間がかかるのかわからないけど、人が対応しなきゃいけない内容がどれだけコストがかかることか。
私もかつてはPCデポを、ちょくちょく利用していた。今なら家電量販店ならどこでも揃うようになってるけど、かつてはパーツや周辺機器を求めるにはとても便利だった。
そんなに高齢者はいなかったし、サポートにチカラを入れているような記憶もない。もうパソコンやその周辺じゃ利益が出ないからと、実質的に高齢者向けのサポートでヤバいぐらいに暴利を貪ろうとシフトしたんだろうか。
そもそも高齢者にどうしてパソコンやタブレットが必要なんだ?
私は帰省するたびに、父親のパソコンやプリンターなどを見てる。買い換える時には、いちおう契約内容もチェックしている。
Macの方が簡単だからと言っているんだけど、安いウィンドウズパソコンを使ってる。やっぱりこのところWindows10のアップデートに悩まされてた。するな、いろいろ設定をいじらなきゃいけないし、ソフトが対応しないかもしれないからとは言っているんだけど、実は私はウィンドウズに関してかなり疎い。
だってそりゃ、自分でほぼ使っていないし。Macにしてくれという理由はそこなんだけど(笑)
Windowsをこれ以上使い続けるんなら、それこそサポートを頼まなきゃいけないかもしれない。
しかし父親が使っているのは、写真をトリミングしたりしてプリントアウトするのと、囲碁などのソフト、それに検索で調べ物したり書類を作ったりするぐらいだ。
まあまあ確かにパソコンがなきゃ、ほぼできないことばかりだけど。でも明らかに、OSからしてオーバースペックだ。
Yahoo!の記事を読むと、たぶん息子さんは私よりかなり疎そうだ。
スマホの契約だって、かなり難解だ
最近、別々のiPhoneのことで都心と郊外のキャリアのショップにいった。両方とも別のキャリアだ。
郊外のは自宅近くので、プランの変更契約か契約に近いことをしておいて、さらに時間が必要であれば平日の朝に行こうと日曜日に行った。
都心の方は、これはこうなんですかと自分で突っこまないと詳しいことは教えてくれない。まあ待ち時間も含めるとネットで調べてネットで、買った方が早かったなというレベル。
ところが郊外の方は、こちらがどうしたかだけ伝えると、最適なプランの組み合わせを教えてくれた。もちろん信じれば、というところだけど。
また時間がかかるようなら、平日の朝に来ます。予約できますか? と聞くと、平日の朝はかなり混み合います。開店前から、ずらっと並ばれています。予約は10時からできますが、手続きの速さなら今日された方が時間的には短いと思いますと教えてくれた。
あ、なるほど高齢者が並ぶのかと想像した。きっと病院とかパチンコ屋のように。
高齢者にネットで購入しろとか、契約変更しろとか、スマホで設定を変えろとか言っても、そりゃあ無理かもしれない。ショップの窓口はそういう対応をしてるから、やたらと詳しく教えてくれるのか。
もしかしたら、都心のショップは若者ばかりだったから、それほど至れり尽くせりじゃないのかとか思った。
想像通りなら、店のコスト構造はかなり違う。郊外だと儲けようとすれば、高齢者に対応するしか伸びる余地はないのかもしれないし。
市場原理に任せれば、悪徳ビジネスはすぐになくなるという岡田斗司夫さん
オタキングの社長、岡田さんが、8月21日放送「シン・ニコ生岡田斗司夫ゼミ」で、"ハリケーン・カトリーナ"が襲来したときのアメリカを例に、「規制するよりも、市場原理や世間の目で状況は良くなる」と語られたそうです。
その論の核になっているところを抜粋すると、2005年アメリカでカトリーナが襲来して甚大な被害が出た時に
水や食料、ベッド、毛布などのあらゆる生活必需品が数倍から数十倍の値段にバーンと跳ね上がったんですね。これは、マイケル・サンデルの『これからの正義の話をしよう』の中でもテキストとして使われた、有名な実例です。
現地では暴動も起こったし、略奪も起こりました。アメリカ国内でも「なぜそんな時に火事場泥棒みたいな値段で売るんだ!」と非難轟々でした。赤ちゃんが風邪を引いて死にそうなのに、毛布を10倍20倍の値段で売るような人がいたんです。
でも、アメリカでは「政府が値段を規制しろ!」なんて言う人はいないんですよ。経済学者のほとんどは「少し待っていればいい」と言ったんです。その結果どうなったかと言うと、「ニューオリンズでは毛布や食料が数十倍の値段で売れる!」ということがニュースで報道され、数日の内にそういった生活必需品が膨大に集まりました。あっという間に値段が暴落、みんなが安く買える状態になったんですね。ボランティアの人達も、それを現地で安く買って配ることができるようになりました。
というもの。まったくその通りだと思いますが、今回のPCデポの騒動では、この例ではカバーできないでしょうと、私は思うんです。
なによりパソコンは生活必需品ではないというところ。老人のパソコンが水没して使えなくなったからといって、ボランティアの人が配ってくれるかというと、かなり微妙です。
仕事をしている人なら、ほぼ必需品です。でも仕事していない人にとっては、趣味のツール。
岡田さんがおっしゃるように、政府が規制したり、罰則を作れとは思いませんが、でも老人向けのサポートに、そう市場原理が働くでしょうか。
パソコンもスマートフォンもネットサービスも、すでに生活必需品どころか、老人じゃなくたって過剰な機能になっていませんか?
契約も複雑で、ネットで調べて、さらに無駄なお金を払わないようにしようと最新の情報を求めて裏取りしていたら、とんでもなく時間がかかります。
激安スマホやSIMフリーなどを使おうとするなら、たぶんもっと。
私にはデジタルツールの過剰さや細分化は、この先もとどまるわけがなくから、細かに報道されたり、すべての評判がネットで拡散されるわけもなく。IT系サービスの料金体系は、販売促進策でもあるから、そう簡単に損得を判断できたりするものじゃない方向に、これからも進むんじゃないの、という気がします。
評価経済社会 - 「アベノミクス」の次は「オカダノミクス」!?
僕たちの世界は、もうすでに「お金」の時代から「評価」の時代に移行し始めている?という岡田斗司夫さんの本
今日のBGM-424【 Get Lucky - Despiertos para ponerla 】
もちろん、オリジナルはこれ
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