不透明なチカラですが、なにか?

テーマはいろいろ。というか絞れません。2013年7月以前は他のブログサービスからインポートしたので、リンクや画像等がなくなってるかもしれません。

そういえばパーソナルロボットPepperはどうして[僕]なのか?

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Pepper for Dev, debut! から

 

ネットメディアFuzeに『「女性秘書はロボットだから」に潜む人間の危険性』という記事が出ていて、なるほどなと考えさせられた。

「AI」は声でセクハラを助長する?

 

AIといえばAI、ロボットといえばロボットだけど、正確には音声アシスト機能と言った方がいいんじゃないだろうか。「Hey Siri」とか「OK Google」とか言うと、スマホが検索したりして答えてくれるというあれだ。
上の記事では、それらは声で性別を与えられているという。

どうしてアシスタントは女性の声じゃなきゃいけないのか

記事の書き出しには、こうある。

「Siri」、「Alexa」、「Cortana」、「Google Home」。我々は、人工知能(AI)に性別を与えてきた。それは声だ。アシスタントとしてユーザーの言う事を何でも聞く、これらのロボットプログラムに女性という性別が与えられたことは偶然ではない。

 

そして、女性の性別が与えられたのは、「男女共に、一般的に女性の声を好むことが多くの研究で証明されている」からだという。端的にいえば、理由がどうあれ、その方が売れるということ。
そして、生身の女性と違い、セクハラを言ったところで傷つかない。反論しないから、少なからずユーザーが性的な発言をするのだという。

 

なに、反論しないの?

 

性的なコメントには、概ね丁寧かつ回避的な対応が見られるという。セクハラに対し、女声アシスタントは比較的従順に振る舞うようプログラムされていて、怒らないのだと。唯一、記事の中ではWindows10のコルタナは怒るとなっていますが、もともとコルタナのはキツいキャラ設定のようです。

Cortana日本語版がWindows 10 Build 10532で爆誕!“さん付け”しないとダメ!?


しかしユーザーは、それほどセクハラ発言をするものなんだろうか

コルタナとは対照的に、同じマイクロソフトの作ったチャットボット「Tay」は、ユーザーにヘイト発言を教え込まれ、人種差別的な発言を繰り返し、謝罪することになった。

どういうプログラムだったのか不明だけど製作側の不備と同時に、ネットの海に放り出したら、生身の人間相手以上にダークサイドが働いてしまうのは間違いない証明みたいなもの。


ってことは、誰にも知られないところでの発言なら、セクハラだってヒドイもんだろうと想像はできる。もっとSiriとの会話だって、ぜんぶAppleに送られているというから統計的なチェックはされている。あまりにセクハラとかヘイト的なことをいうユーザーが多ければ、プログラムが変更される可能性はある。
あるけれども、多くのユーザーが女性声が好きで、比較的従順な対応を望むなら、あんまり変わらないだろう。

 


でもFuzeの記事を読みながら、あれ、そういえば、音声アシスタントじゃなく、一般に市販されている動くロボットPepperは、中性的な見た目と声だけど「僕」って言ってるじゃん。
ソフトバンクロボティクスの部長は、こう言っている。

ちなみに、ロボットなので性別は設定していません。ただ、なんとなく男の子のような雰囲気を感じるとは思います。「Pepper」は自分のことを、「僕は」って言いますからね。


ロボットと共に暮らす毎日を実現 最新技術やこだわりが詰まった「Pepper」


設計段階から、Pepperは性的なアプローチを回避していた?

Pepperはあちこちで見かけるけど、会話したことはない。「僕」と言っている記録はないだろうかと探してみたら、カンタンに見つかった。

2014年6月のロボット事業参入の発表会見で、孫社長とPepperの会話全文が書き起こされている。

【全文】ソフトバンクの新型ロボット「pepper」と孫正義氏の掛け合いが「コントっぽい」と話題に

 

なんども僕と言っている。ロボットとしては珍しく「男」だ。
コントっぽいのは、当初のプログラムに孫社長がダメ出しをし、よしもとで会話を学ばせたはずだけど、どこで見かけたのか、見つからない。よしもとで学ばせたことだけはソフトバンクのプレスリリースに書いてあった。

 

吉本興業グループの株式会社よしもとロボット研究所の協力により、お笑いやダンスなど多彩なエンターテインメントで人々を楽しませる機能も充実しています。今後の一般販売に向けては、人との日々のコミュニケーションを通じて学習し、成長していく機能も実装する予定です。


ソフトバンクモバイルとアルデバラン、世界初の感情認識パーソナルロボット「Pepper」を発表


リリースを読んでいると、何かの役に立つアシスタントという位置づけよりも、面白い友だち的存在になるのが狙いっぽいと思えてくる。
それだけじゃない。
Pepperを販売するソフトバンクのユーザー規約には、Pepperを「性行為やわいせつな行為を目的に使用することを禁止する」と明記されているそう。


いや性行為って、そりゃあまあまあ、いろんな性癖の人がいるだろうから、想定できなくはなくもない。だけどユーザー規約で禁止するほど、なにか恐れがあるんだろうか。
この2015年のWiredの記事には、こうも書いてある。

9月には、ロボット倫理の専門家たちにより、ロボットへの性行為の全面禁止を呼びかけるキャンペーンが開始された。このキャンペーンの創始者たちは、セックスロボットの開発により「女性と子どもをモノとみなす傾向が助長」され、「女性と子どもが劣った存在であるという認識」が強まるので禁止しなければならないと主張している。


ってことは、ロボット関連の専門家なら、知ってるわけじゃん。あらかじめこういう問題が出てきそうだということを。

たしかにロボットやAIのずっと以前から、「人間は休むし文句を言うけど、機械は24時間稼動できるし文句も言わない」と言われてるよね。

 


シンギュラリティとか人間の職業が奪われるという機械との競争より、人間に近いロボットやAIが当たり前のものになるにつれ、人間性がないがしろにされる産業社会の到来を心配しなきゃいけないのかもね。

 

機械との競争

 

人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊




今日のBGM442【 WORLD ORDER - SINGULARITY】

ワールドオーダーのシンギュラリティは、やたらと明るいけど