不透明なチカラですが、なにか?

テーマはいろいろ。というか絞れません。2013年7月以前は他のブログサービスからインポートしたので、リンクや画像等がなくなってるかもしれません。

深夜に高熱出して救急搬送されたらどうなるか

救急搬送された時の診療報酬明細

2年半ぶりぐらいの投稿です。

書く気になったのは、この内容は書いておくべきだな。実際にコロナ禍で救急搬送されたらどうなるかの現実だし、どう対処すべきかを考えておく助けにもなるはず。だと思ったんです。

 

万が一の事態は、突然やってきました。私だってこういう現実を、あらかじめ知ってたらなと思うところがあります。

あまりにリアルに書くと迷惑がかかってしまうので、少し変更して書いているところありますが、概ね実際に私が経験した内容です。12月のことです。

 

夜の10時過ぎ、奥さんが吐いた

私がテレビを見ていたら、寝室で奥さんが何か叫んでいるのか、とにかく普通ではない声が聞こえてきました。

どこかぶつけたとか、そんなことだろうと思っていたら、声が続きます。どうしたよと寝室のドアを開けると「来ないで!」と叫びます。床に吐いたのが見て取れました。

「袋と拭くもの持ってきて!」というので、ドアを閉め、小さなゴミ袋とタオルを3枚ずつ、それとアルコールの除菌シートを取って来ました。それらを渡して「どうすればいい?」と聞くと、何もしなくていい。今日はリビングで寝てと言います。

 

吐いて来ないでということは、もしかしてコロナを疑ってるということか。奥さんは医療従事者です。感染症を予防するための基礎的な知識はあります。

 

でも私は魚介類か何かの食中毒を疑っていました。同じものを食べても、私は平気なのに、奥さんが七転八倒ということが何度かありました。

営業停止になった寿司屋もあります。保健所によると、同じ症状の人が複数名いたそうです。問題のネタがひとつだったのかどうかは分かりませんが、とにかく私が平気なのに奥さんがダメということが数年に一度はあります。そんな経験から、私はコロナじゃないだろ。コロナで吐くなんて症状は聞かないよな。たぶん違うだろう。

 

とにかくもしコロナだったら、とっくに私にも感染してるはず。今さらジタバタしてもねぇと思っていました。それでも、ソファーで寝ることにしていました。

 

25時過ぎに再び叫び声が

風呂から上がって、YouTube見ながらストレッチをしていたら、また叫び声がしました。なんだよとビックリして駆けつけると、「ダメかも。救急車呼んで」「胸が痛くて熱がある」「息すると痛い」と言います。いや、じゃあオレが運ぶよ。とにかく熱測れと返事すると、体温計持って来てと言います。

そこで私はちょっと驚きました。さっき吐いたものを処理した後、体温計と飲料、それに濡れタオルと普通のウエットタオルなどを持って来て、ベットサイドに置き、そのことを伝えたのです。それなのに分かってないということは、意識がハッキリしてないのか?

 

ともあれ、体温計を手渡しし、ノートパソコンを開いて夜間救急を探しました。

行政のサイトによると複数の病院が出て来ましたが、近場では2つ。受け入れてもらえるかどうか電話をしましたが、どちらも呼び出し音だけで出てくれません。

再度奥さんのところに行って体温計を見ると、39.1と表示されています。いや、これはヤバイかも。今までこんな高温になったことあるのかなと、心配度が跳ね上がりました。

 

時間かけてる訳にはいきません。サイトにある救急車を呼ぶかどうか迷っている人はここに電話しろとある番号にかけ、状態を説明すると、2つの病院の番号を教えてくれました。すると今度は両手とも出てくれたのですが、対応は同じでした。

まず出てくれた人に症状を伝えます。そして「ちょっとお待ちください」があって、医師らしき人に代わります。再び症状を伝えると、「受け入れはできません」との返事。あー、そうかと落胆しました。コロナ禍なので、発熱患者を簡単に受け入れられないのは理解できます。しかし、このプロセスはまったくの無駄でした。

 

無駄なのは、夜間救急を探すというところからです。行政のサイトに夜間救急と書いてあっても、発熱していたら、まったくないのと同じなんだな。電話で案内されても、病院の実情とは違うんだなと感じました。

私はかなり冷静な方ですし、この時も慌ててはいません。電話で三度、症状を説明しているときにも、的確で過不足ない内容だと、しゃべりながら自分で冷静さを確認できていました。しかしサイトを検索してから、2つの病院に断られるまで、20分近くかかっています。これは本当に無駄でした。

 

夜間に発熱したら、自分で病院を探そうとか連れていくとか、まったく無理。無駄なことせずに、さっさと119番に電話すれば良かった。そう思います。

 

 

救急車が到着したけれども

119番に症状を伝えると、「10分ほどで救急車が到着します」との返事。

奥さんのところに行って、コートがあればいいかと聞くと、あそこのあの色のを持って来て、それにあのバッグもと言います。そして付け加えて、「39.5度になった」と。

あ〜、それはヤバイと思いながら、保険証とか財布とか小銭とかを用意し、防寒性があって動きやすい服に着替え、用意万端で救急車を待ちます。

 

ほどなく救急車のサイレンが聞こえて来ました。

玄関ドアを開け、道に出て救急車から見えるように手を上げます。救急隊員の人が「(家の中へ)行きましょう」と言われました。

いや玄関先まで連れて来ますと答えました。こういう時どうすべきなのかは分かりませんが、意識はあるし階段を降りてくるので、私一人の方がスムーズだろうなと思ったのです。

奥さんは救急隊員に支えられながらも、自分の足で救急車のステップを上がりました。

 

改めて救急隊員から症状を聞かれます。私が答える前に、奥さんが自分で喋ります。聞いていると過不足ありません。こいつは気丈だな。ぜんぜん大丈夫だと、とりあえずは安心だと思いました。

最後に服用している薬はありますかと聞かれ、薬名を答えていました。

そう、既往症があるのです。それは、喘息。医者からは「コロナになったら死ぬからね」と言われています。だから本人も、私もとても気をつけています。気をつけてはいても医療従事者。不特定多数に接するので、感染のリスクは普通の人よりは、はるかに高いはずです。

 

救急隊員が病院に電話をかけ始めます。

嘔吐、発熱、39.5度、呼吸器、医療従事者などと説明しています。正確にはこれらの単語ではありませんが、発熱という言葉の前に「ずばり」という言葉を使われていました。

私は内心これって「コロナの疑い濃厚どころか、ほぼ確定だけど受け入れてくれるか」という意味の「ずばり」なんだろうなと思いながら聞いていました。奥さんはコロナじゃないよと思いながらも、病院への説明を聞いていると、プロがコロナだと判断しているっぽい。もしコロナだったとしたら、今から何をすればいいんだろうとあれこれ考え始めました。

 

 

受け入れ先が見つからない

 考え始めたのは、コロナの確率が上がって来たから、ではありません。確かに救急車の到着以前と比較すれば、もしかしてという気持ちは膨れていましたが、この段階でも私は、根拠なくコロナではないだろうと思っていました。

これからの行動を考え始めたのは、救急隊員さんが10以上の病院に電話をかけ、断られ続けていたからです。時間は見ていませんでしたが、救急車が家の前に停車していたのは30分以上になっていたと思います。

「ずばり」で始まり、症状を伝えて断られる。同じフレーズと展開を何度も聞いていたら、目前のことは救急隊員に任せておくしかない。自分はこれからをシミュレーションして、何をすべきか考えておくしか、この段階では役に立ちそうなことがないと思ったのです。保険証書はどこだっけ。公私で連絡しなきゃいけないところは。入院したら揃えなきゃいけないことは、などなど

 

いや、それよりも、受け入れてくれるところは見つかるのか・・・

 

プロがそれだけ電話をかけ続けて断られているのなら、素人の私が自分で探せるわけがありません。少なくとも、電話をかけると判断する人が出て、ダメだの判断はすぐに出ている。

 

遠くの病院で受け入れてくれるのか、それとも自宅でなんとかしてくれということになるのか。

自宅で療養するなら、何が必要なんだろう。調べなきゃと考え始めたところで、受け入れてくれるところが見つかりました。

病院名は聞いたことありませんでしたが、とても近いところです。これだけあちこちに電話して、近いところで見つかったのが驚きです。

自宅前で30分以上赤色灯を回していた救急車が発車しました。

 

 

搬送された病院での対応

救急車の中から外は見えません。見えませんが、ほとんど止りません。深夜ですから走っている車が、とても少なかったのでしょう。たぶん数分しか経っていないと思いますが「まもなく到着します」と声がかかりました。

 

救急車から降りると、私はすぐに事務の人から「こちらへ」と、非接触型の体温計で検温されてから、救急の待合室に通されました。奥さんはストレッチャーのまま、救急の大きな扉から中に運ばれています。

私は奥さんの保険証を渡し、通常の診察で書くような問診票などに記入。すぐに保険証とともに診察カードを渡され、「ここでお待ちください」と言われます。

 

これであとは、ずっと待ってるだけかな・・・

このときに思ったのは、私は鈍いのかな。とにかく場違いなぐらいに冷静だ。まあ慌てても考えてもしょうがないから、冷静でいいんだわ。

と何も考えずボーッとしていました。姿勢だけはちゃんとしてようと、まるで椅子に座った座禅のようにして。

 

三十分ほどしてからドアが開けられ、看護師さんから「先生からお話があります」と呼ばれました。

先生のところに行くと、かなり疲れてるご様子。けっこう若いけど、これは先生の方が病気になりそうだわ。この姿勢はやばいよと余計なことを考える。

 

先生からは、CTの映像を見ながら「ここに影がありますので、何かしらの炎症を起こしているんでしょう」「現在熱は下がっています」「夜間ですのね、できない検査の方が多いです。PCRとか」「明日も症状が続くようなら、昼間に来院されて検査してください」というお話があった。

「よろしいですか?」と聞かれ、「分かりました。ありがとうございます」と答えると、看護士さんから「これに記入して、待合室でお待ち下さい」と紙を渡された。

書かれていたことは、医師の話を理解したかどうかのチェックだったと思う。

 

待合室で、つまり肺炎を起こしているということか。点滴などの処置で熱は下がったけど、夜間診療ではこれ以上のことは判断できないし、治療もできないってことね。

とりあえず帰ろう。

 

ほどなく別の看護師さんが入って来て「奥さまの靴はどちらですか?」と聞かれる。

え、靴。靴は持って来たし、救急車からも私が持って出たけど。と私が不思議そうな顔で靴を持ち上げたからか「車椅子ですので、持って行きます」とおっしゃる。「え、車椅子ですか!?」と驚くと、ストレッチャーで運ばれたら車椅子で移動するとのことだった。

 

家から救急車までは、私が片腕を抱えて支えただけで歩いてたけど、歩けなくなったのか、そういう決まりだけなのか。と、初めて、ここに来てからの症状が心配になった。

でも車椅子を押されて入って来た奥さんの表情を見て、いや大丈夫だ。熱が抑えられたからか、目に意志が出ていて頭が働いてる感じがする。

 

直通の電話機が設置されていて、それでタクシーを呼ぶ。他にもタクシー会社の番号が書いてあるが、どこも受け付けは3時までだ。まあ明け方に営業したって採算取れないよな。そんな中、来てくれたタクシーはありがたい。運転手さんは、コロナのリスクだってあるというのに・・・

    

帰宅してから、奥さんに明日、発熱外来に行こう。初熱外来の受け付けは、午前中2時間、午後3時間だけだ。今から寝て、現実的に行けるのは午後だから、じゃあ何時に起きて、何時に出かけようという話をしました。

今さら意味あるのかと思いながらも、私はソファーで寝た。

                              

                                          発熱外来での対応

翌日、車で病院へ向かいました。

抗生物質と解熱剤が効いているのか、かなり大丈夫になっているものの、やはり呼吸をすると胸は痛いといいます。

車に奥さんを残し、受付をします。受付で昨日救急で運ばれたことなどを話すと、発熱外来用の用紙を渡されましました。体温や現在の症状などを記入し、受付に渡すと、発熱外来用のスペースで待つように言われます。

 

車から奥さんを連れて、そのスペースへ。距離はありますが、支えてゆっくり歩かせると問題なさそうでした。指示されたスペースは、事前のチェックをする場所のようでした。待っていると、たぶん防護服とフェイスシールドとマスクをした看護師さんがあらわれ、体温、血圧と問診がありました。

 

そこからさらに、移動して検査を受けてくれと言われます。

一度建物の外に出て、歩いていくと、発熱外来らしきスペースがあります。そこは昨日運ばれた救急のエリアと接していました。

 

外には大きなストーブが複数あり、椅子が置いてあります。少し離れた場所では、テレビで見るような屋外の検査スペースがあります。完全に仕切られた場所からゴム製のような腕の形が出ていて、患者は外に座って検体採取されるのでしょう。

 

奥さんを椅子に座らせ、扉を開けて入っていくと、防護服姿の看護師さんから外で待ってくてくれと言われます。待っている間に、事前検査のところで渡された紙を読むと、発熱外来で行う検査は二種類。インフルエンザ検査と抗原検査だとあります。

 

問題はそのあと。赤字で「新型コロナだと判断された場合、診察はできません」とあります。

 

え、治療ができない・・・ 発熱外来を設けているのに診察できないと。どういうことだよ。どうしろっていうわけ!? 陽性だったら、結果だけ受け取って帰れということなのか?

さらに読むと、「自宅で保健所からの指示をお待ちください」とあります。

 

そうか。救急で受け付けてくれても、発熱外来で検査してくれても、コロナだったら治療はできないと。救急で受け付けてもらうだけでもこれだけ細いルートしかなかったのに、発熱外来はさらに少ない。コロナ治療となると、さらにさらに少ないってことなんだな。

 

なんとなく予感はあったけど、コロナとなったら、かなり色んな覚悟をしなきゃいけないわけね。

 

奥さんが言うには、コロナのクラスターが発生した病院では、入院患者をグループや関連の病院に転院させてる。感染病棟があってもいっぱいになりつつある病院でもそうだけど、感染病棟のない病院では、コロナ患者を受け入れるわけにはいかない。

すでに今までの医療体制は崩壊しつつあるけど、ことコロナ患者に対しては崩壊してるのと同じなんだということだった。

 

私も情報や知識としては、そうなんだろうなと理解してた。でもこういう風景を目の当たりにして、選択肢のなさを突き付けられると唖然とする。

 

奥さんが呼ばれ、検査ボックスの前に座って検体採取されている。いや、されているようだ。後ろからしか見えないから、様子はわからない。

奥さんがストーブのところに戻って来て、インフルエンザと抗原検査で二度鼻の奥の方まで突っ込まれて痛かったという。聞いてるだけで痛そうだ。

 

 

インフルエンザも抗原検査でも陰性と判明した

看護師さんから、検査結果が出ました。両方とも陰性でしたと言われ、さらに診察までしばらくお待ちくださいと伝えられた。

ああ、陰性なんだ。それは良かったけど、抗原検査の精度は低いと聞く。それに肺炎であることは間違いないので、それほど安心はできない。抗生物質が効いているなら、ウイルスではなく、何かの菌なんだろうけど。

 

呼ばれて診察室に入ると、この先生も疲れている感じだ。肉体的に疲れているというより、精神的に疲れてるみたい。やっぱりコロナのために、過酷なんだろうか。

 

先生の説明でも、コロナじゃない、何かの菌が肺に入ったんでしょうということだった。

私は外に出されて、触診か何かをされて終了。最後に奥さんが「体調が戻れば、勤務していいでしょうか?」と聞いたみたいで、先生が「それは勤務先に聞いてください。先生の判断になります」と言いながら一緒に診察室から出て来た。

 

看護師さんが「今なら検体がありますから、PCR検査に出せますよ。今、勤務先に必要かどうか聞けますか?」と教えてくれた。奥さんが電話をして確認すると、PCR検査してくれとのことだった。

私は聞きながら、そりゃあそうだ。医療機関に勤めていて、PCR検査せずに出社していいわけがない。この流れでここからPCR検査に出してくれるなら、それが一番早い。もし他の病院でやろうとしたら、やってくれるところを探さなきゃいけないし、完全に自費で一からやるのは馬鹿みたいだと思った。

 

PCRの検査結果は一両日中に出るはずだから、結果は出るはずだから電話で教えてくれるという。

抗生物質と解熱剤の処方箋が出ていたので、調剤薬局に回ってから家に帰った。

 

 

PCR検査も陰性だった

翌日、奥さんのケータイに電話がかかって来た。陰性だと伝えられたという。

良かった。

 

一安心だけれども、コロナ感染のリスクは、この頃よりまでも高まっている。感染者が急増しているんだから医療機関の逼迫度合いも、さらに高まっている。

もし発熱したら、ここに書いた以上に厄介なことになるのは間違いないだろう。

 

この文章が予備知識になったり、現状をリアルに感じてもらえれば幸いです。

                                          

 

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そんな時はダァー!

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ターゲットがハッキリしている人は、婚活サービス向きだって

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正直なところ、私には出会い系アプリを使う人と結婚相談所に登録する人のちがいが、そんなに分かってない。

出会い系アプリや結婚相談所のことは、前にも書いた。


書いたのは1年半ほど前だけど、そのころと今とで、知識の変化はまったくなかった。

だけど先日、ブライダル産業大手から仕事のことでアプローチがあって、会ってきた。

詳しいことは書けないけど、すでに婚活産業は過当競争で、結婚どころかつきあおうという意欲のあんまりない人まで囲い込まなきゃいけない状況らしい。

だから聞いたことなのか私の想像なのか、ハッキリさせないで久々のブログを書いてみる。

 

どうして恋活アプリの広告は、エロに走っているのか

Facebookではそもそも怪しいのが多いけど、愛人紹介みたいな広告が出てきたりする。ところがTwitterをしていると、恋活とか出会い系みたいなアプリの広告が一番多い。それはきっと、未婚既婚を把握しているかどうかの違いなんだろう。

 

そんなTwitterの広告は、このところ大手から無名のところまで、どれもエロで釣ってるとしか思えない写真や動画ばかりを使ってる。

これでアプリで登録した人は、恋愛を求めてるの? その先に結婚を意識してるの?

きっと女性向けにはもっとちがう写真や動画を使ってるんだろうけど、男性側にはエロいのかしか出ていない。怪しい出会い系にしか思えない。

 

その理由のひとつは、前述の過当競争で利用者を幅広く取り込まなきゃいけないから。そしてもうひとつは、条件でマッチングする人たちは簡単にマッチングしてしまうから、条件じゃない人たちを取り込まなきゃいけないらしい。その攻めどころの大きなのがエロなんだそうだ。ん?

 

条件でマッチングって、どういうこと?

出会い系なら、いまいる場所とか見た目とか、ゆるいメッセージでマッチングする人がすぐマッチングするのは想像できる。場所や顔やスタイル、ファッションだって条件っちゃ条件。

 

そういう容姿じゃなく、職業、年収、学歴を優先する条件マッチングもあれば、女性側から家事を分担してくれるとか、一切家事をしなくていいとかというのも条件だろう。

仕事に理解がある。たとえば毎週のように出張があって家をあけるとか、まもなく海外に赴任するけど、結婚して一緒についてきてくれる人とか、そういうのも条件だろう。

このCMだって、条件のマッチングを言ってるよね。

 

 

なんていうか契約書的な文章に明確に書けるようなことで相手を捜している人は、条件さえ合えばカップル成立するまでが早いという。

それって恋愛はあるの? 好きとか嫌いじゃなく、契約書的な条件が合えばくっついちゃえるわけ? と私なんかは思うし、出会い系の方がまだ恋愛っぽいわとも思うけど、どうもそうらしい。

結婚というマッチングなら、細かい条件が明確な人の方が早く成立するという。

かなりオソロシイ時代だと思ったけど、考えてみると昔のお見合いとかも、それに近いかもしれない。家がどうかとか、釣り合うかとかね。

 

なんかマッチングって、ショッピングっぽくないか

しかし昔のお見合いとちがっているのは、マッチングがなんか買い物みたいだなというところ。

スーパーに生鮮食料品を買いに行って、鮮度がいい悪い、値段が高い安いとか、傷んでるから売り物にならないとか、そういう感じ。賞味期限が近いからとか、夜7時には値引きシールが貼られるから、そこで買うのが賢いとか。

もちろん消費者としては無駄遣いせず、賢い買い物を求めるのが当たり前だけど、度が過ぎると結局世の中は巨大スーパーやモールしか残らなくなってしまう。

 

婚活をショッピングに例えるなら、生鮮食料品じゃなく、クルマとか家とかで考えた方がいいのかも。

象徴的なのは、湾岸のタワマンを買うというもの。買うのはステータスという人もいるだろう。しかしステータスだと思っているのは、見事に釣られた人たちで、多くの人は転売益狙いの投資。だから、スゲーだろと煽って実勢価格をあげて、自分は高値で売却を狙うのがメインプレイヤー。

そういうので考えると、男性ならトロフィーワイフ的な美人を狙う。女性なら3高で将来出世が確実そうなイケメンを狙う。メインプレイヤーは、現在価値よりも将来価値を考えるから美人は確実に値下がりする。値下がりするけど、転売、つまり再婚するときの“自分の価値”を上げてくれる美人を狙う。

 

という感じで、買い物に例えて、婚活を賢い消費行動として考えるとオソロシイことになる。お互いの条件がマッチすればそれでいいとする人の、マッチングが早いのは当然だ。

だけど条件で結婚した人たちなら、条件が合わなくなれば売却も早いはずだ。いらなくなればメルカリで売って、新しいのを買う。そういう感じなのかも。

 

ショッピングなら、バーゲンだって当たり前にある

もうひとつ象徴的に考えられるのは、バーゲンセール。春物が店頭に並ぶころには、秋冬物のセールがある。

ファッション性の高いブランドなら、春物を店頭に出すのは真冬。セールの割引率はそれほど高く、売れなくても店頭から冬物を片付ける。

そこまでファッション性の高くないブランドやショップはセール期間が長く、段階を踏んで安くなり、最後には売りつくしのセールが始まる。あるいはファミリーセールや会員制のセールと称して、一般の目に触れないところで売りつくす。

売れるのは安さと、これを逃したら買えなくなるという切迫感。そしてきっとギラギラした大人数が集結する高揚感みたいなもの?

 

それでも売りつくせなかったら、ファッション性の高いブランドなら廃棄し、それほどでもないブランドなら海外に持っていく。

 

婚活でも、条件がハッキリした人の流れは、こういうことに近いのかも。素早くマッチングしてしまえば、定価販売で丁寧に包装もしてもらえる。

それが素早く決まらないと、扱いは、一山いくらみたいな集団の中のひとりになっていく。条件がハッキリしてる人たちは、気持ちとかビビッとくるとかじゃないし、合理的だからそういうセール扱いを避けるためにも、早く売ろうとするのかもしれない。

 

 

問題は消費しないよという人たち

売る気満々、買う気満々の人たちは、そうやって婚活サービスとしても、いろいろな手段を開発して対応できるし、収益の機会もある。

 

ギラついていて、条件ですぐ決まる人たちは、婚活サービスとしてはウマミは少ないけれども、イメージ的には必要だ。入会三ヵ月で成婚した3高男性と美女とか、見た目は良くないけどキラキラ企業勤務男性と知的なキャリアウーマンのカップルとか。

 

問題は、婚活どころか恋愛さえもしたくない。めんどくさい。ひとりで生きていくのも、それほど不自由ないしみたいな人たち。

婚活サービスの過当競争具合は、そういう恋愛市場はおろか、結婚市場にエントリーしたくもないという人たち。ここまでも取り込む必要があるそうだ。

 

なんていうかアグレッシブで半年で婚約まで行ってしまいたいという人なら、複数のサービスに登録しているだろうし、試しているだろう。

アグレッシブじゃない人も会員として大量に抱えておかないと、見せることのできる玉が少なくなってしまう。

そこで婚活どころか恋愛さえもしたくないという人でも、エロなら引っかかるかもしれない。とりあえず男性向けはエロ誘導を試してみろ、という婚活サービス間の競争、ミート戦略競争が勃発したんじゃないのかと。

 

最後のところは、まったくもって私の想像ですけど。まあそれほど外れてはいないんじゃないかと思います。

悪い言い方をすれば、セール会場に売り物が少ないと困るとか、そんな感じなのかもね。

 

そしてリサイクルショップも雨後のタケノコのようにできるし、オークションだってリユースだって、そのうち当たり前になるってことかもよ。

「恋活メルカリ」とか。響きがヤバいわ(笑)

 

 

Amazon - すごい! モテ方/内藤誼人 著 

タイトルからしてモテるかどうかは分からないけど、「男心」の動かし方は知ってるね、という感じ。

 

 今日のBGM467【さよならダーリン - 東京ゲゲゲイ】



このチャリ軍団が夢に出てきてウナされそう(笑) 歌詞も映像もダンスも、怖い。 

 

 

 

 

 

 

駅のトイレで「ご利用ありがとうございます」と言ってるのを聞いて、日本の生産性が上がるわけないじゃんと

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こないだ出勤時に駅のトイレに行ったら、清掃してる人が「ご利用ありがとうございます」と繰り返してた。

私はギョッとして、クラクラした。誰が言わせてるんだよ。

ターミナル駅だから、小便器だけで20以上はある。それ清掃しながら、いちいち顔上げて「ありがとうございます」なんて言ってたら、作業が捗るわけないじゃん。

 

「ご利用ありがとうございます」と言わせる経緯は、だいたい想像つくじゃん。

東京オリンピックを目前に訪日外国人観光客が増えている。日本伝統の「おもてなし」の精神を発揮して、気持ちよく使ってもらえる駅のトイレを目指そう。

とか会議で言い出した偉い人がいて、それはいいアイデアだ。「ご利用ありがとうございます」と言ってたら、丁寧に使ってくれて汚す人が少なくなるかもしれない。早速実施させようと、トイレ清掃なんかしたことのない本社のホワイトカラーたちが賛同した。やらせるのはタダだし。

みたいなね。

 

自分たちもトイレ清掃やってみればいいのにね。

清掃員は接客業かよ。

アパレルショップで買わずに出て行く人にも「ありがとうございます」と声かけするのは、買わなくても歓迎ですよ。気軽にまた来てくださいね。とまた来店してもらって、販売につながる機会を増やしたいからだ。

役所で住民票取ったって、「ご利用ありがとうございます」とは言わないでしょうよ。

 

 

日本の生産性の低さは過剰サービスが原因か?

 

こないだ難しい仕事をしてそうな銀行員の知り合いが「先進国の中で日本の労働生産性が最も低いというのは、それはサービス過剰だからですよね」と言って来た。

日本はもともとサービス過剰だ。モノだとオーバースペックというのもある。

「おもてなし」でそもそもサービス過剰というのもあるけど、さらにサービス合戦で競争してる。かつては富裕層向けのサービスだったのを、誰にだってやるようになっている。

単純に考えて、お金のもらえないサービスを過剰にしたら、労働生産性は落ちるのが当たり前。単純化していえば、一人当たりの労働生産性とは、人が働くことで得られる粗利みたいなことだ。

お金にならないサービスを増やせば、時間あたりの粗利は小さくなる。1日あたりの粗利を増やすためには、労働時間を増やすか、販売価格を値上げするしかない。

でもデフレ下の日本では、値下げすることが最大の販売促進策になっているから、値上げする勇気のある企業はとても少ないし、変わり種でしかない。

 

トイレを清掃しながら「おもてなし」するのは、会社からすればタダ。しかし清掃員は、今まで以上に高速で作業しないと終わらない。

じゃあさ、ペッパー置いとけよ。ペッパーに「キレイに使ってね」「ご利用ありがとうございます」と言わせる。確か月6万ぐらいだけど、外国人観光客はビックリするよ(笑)

 

供給側が自らサービス過剰にするのはあるけれども、それ以上に客の立場になると傍若無人、ブラック化する日本人は思いの外、多いよ。

 

 

下請け会社から搾り取る違法行為は野放し  

「サービス過剰だからですよね」と言って来た人に、私は「サービス過剰もあるけど、B to Bだと過剰な無料サービスを押し付けられていることも大きいんじゃない」と返事した。

今、それなりの規模の企業で出世している人たちは、その業界や業務の経験がない。あるいは過去に業務の経験があるけど、現状がどうなっているかは知らない人たちが多いんじゃないかという気がしている。

長くトイレ清掃していた人なら、清掃員に過大な負担は求めないだろう。人として。

やったことがなくて、会議室からだから好きな思いつきが言える。

 

やったことがない業務の素人たちだから、説明に時間がかかる。打ち合わせや会議が壮大な無駄。

その時間は、何の生産性もない。無料の無駄なサービス。

なぜ、そういう人たちが出世できているかというと、ヒドいことを平気で要求できるから? サイコパスだから?

 

ここ何年も日本企業は空前の好収益だという。上場企業は、ってことだけど、それが株高のひとつの要因でもある。

だけどその中身は、売上増加を伴わない「過去最高益」。そんなことはずっと言われている。

もちろん東京オリンピック関連需要に沸く建築土建業界や不動産業界は例外として。

 

元日銀委員も昨年出した本にはっきり書いている。

 

売上が増えていないのに、空前の好収益なのはコストカットをしているから。 

経費節減、人件費削減等、いわゆるリストラと言われているもの。これについては後述するけれども、無駄をカットしているというより、無駄はかなり残している。

さらには外注費の削減。この外注費の削減というのは、詐欺とか騙し討ちとか、恐喝まがいの圧迫とか、そんなのも多い。

 

仕事の受注前に契約書を交わす。それでも後から、追加要求が出てくる。私の経験上、女性の管理職に多いのは「それぐらい、いいでしょう。そんな厳密な契約なの?」というもの。それほど悪質ではないけど、オマケしろという「おもてなし要求」だ。

悪質なのは、悪質だと知っていて要求してくる男性管理職や経営陣。そんな人は昔からいるけど、仕事を降りられない途中段階で言ってくるのは交渉ではなく、ほとんど詐欺行為だ。

もちろん、追加要求には代金を支払えば問題はない。金は出さない。納期はずらさない。というのは、複数の下請法違反だ。

 

最近では、こんな裁判もあった。


IT業界では、よくあるもめごと。この裁判は規模が大きく、象徴的だ。

システム開発では契約をする前に、要件定義と発注金額を見合ったものして結ばれる。ところが発注者が要求内容を追加したり、変えたりすることは当たり前のようにある。

今回のケースがどうだったのかは知らないけど、追加料金を払わず納期は延ばせないという場合はざらにあるはずだ。

発注した旭川医大側に技術のわかるシステム担当者はいなかったんだろう。まったくの素人しかいなくても、競争入札にして競わせれば、安く収まる。丸投げして途中で注文を加えても、プロだから何とかするはず。

それが日本クオリティとかおもてなしの精神だと思ったのかもしれないけど、あまりに金額が大きいから、NTT東日本も裁判にしたんだろうと思う。

 

 

公正取引委員会が広告を出してる。それ、下請法違反ですと。

だけどどういう罰則があるのか。せいぜい勧告して、公正取引委員会のホームページに載せている。それでどれほどのダメージがあるかといえば、ないに等しい。

下請法勧告一覧(平成29年度)

 

ここを見ても、毎年のようにコンビニ運営会社が出ているけど、何のダメージもないでしょう。告発したのは、きっと取引を辞めた下請け企業。逆にいえば、取引している間は告発したところで何のメリットもない。

取引がなくなった後で告発するのは腹いせみたいなもので、具体的なメリットからじゃないだろう。

 

下請法違反をやっている多くの企業は、やったもん勝ち。空前の好収益を上げている企業で、違法なことをしていないのは少ないはずだ。

空前の好収益を誇っている企業は、高い労働生産性も誇っているはずだ。しかし下請け企業の労働生産性は、限りなく低下する。

 

下請けは、壮大な時間の無駄と単価の下落に見舞われる。働く人は、見合った給料をもらえないのは明らかだ。

日本の総和として、労働生産性が上がるわけがない。

  

さらにいえば、現在はこれより先の事態になっている。

 

 

派遣企業大国の闇は、深まる一方で後戻りできなさそうだ

 

派遣企業は、どんどん増えているという。人口に対しての派遣事業者数の割合は、日本がダントツに高いという話があるが、根拠のあるデータを私は見つけられなかった。

 

一般社団法人 日本人材派遣協会が公表している「世界の派遣市場」によれば、

 

2015年度の国別派遣売上高では、アメリカが1,163億ユーロで世界1位、続いてイギリスが434億ユーロ、日本が377億ユーロで世界3位の売上規模となりました。

とある。リンクさせるのは許可がいるみたいだから、興味ある人は自分で検索して見てください。

 

人口比で考えれば、日本の派遣業の売上規模は1位のアメリカと同等と言っていいんじゃないだろうか。

 

とにかく急成長を続ける派遣業界は、とっくに過当競争になっている。

「日本の人事部」によれば、派遣事業所数は2005年の31361所から、2014年の74609所と2倍以上になっている。

 

2006年第一次安倍内閣発足にあたり、竹中平蔵氏が「日本版オランダ革命」を提言した。私はこれで派遣が儲かると確実視して、人材サービスに無縁だった企業まで派遣事業に参入したことが、現在の過当競争につながっているんだろうと想像してる。


日本版オランダ革命とは「終身雇用、年功序列という雇用形態への偏重から訣別し、同一労働同一賃金の原則の確立」。雇用とは"企業は利益を実現することが本義であり、その実現の為に雇用が発生する"という派生需要である。日本の労働市場は制度の不公平から格差が生じているという。

 

文字通り読むと、その通りだよと思うけれども、竹中氏の狙いは、働く人を正規雇用から派遣にどんどん置き換えることにあったみたいだ。

それが狙いかどうか、事実、政治の力で自治体の民間委託は進んでいて、それを派遣会社が受けている。

 

ある法務局に行ったら、小さく「この業務はパソナが運営しています」と書いてあって、驚いたことがあった。ここにいる人は、みんなパソナの派遣なのと。

経費削減なら自社の印鑑証明とか謄本をとりたい人には、オンラインでやらせればいい。というか印鑑なんて、何で必要だよ。もはや証明にもならない印鑑証明で、金取ることもない。

もちろんオンラインでやれない人もいるだろうし、他人の土地登記を調べたい人もいるだろう。そういう人たちからは、今より高い金を取って場所と対人でのサービスを維持すればいい。

 

大きな無駄を残したまま、運営自体を人材派遣業に丸投げするとどういうことが起こるだろう。

公務員ならなおさらだろうけど、一般企業で働く人たちも、直接雇用ならアルバイトでもパートでも、残業できませんという日があってもおかしくない。そんなの当たり前だ。

だけど派遣会社に登録するときに「残業できない日もあります」と言ったらどうだろう。多分、派遣されない可能性が高い。あくまでも想像だけど。

 

今、多くの企業が業務請負や派遣による業務運営にシフトしていたりする。

一つの部門に派遣会社から20人30人も送り込んでいて、業務が成り立っていたりする。

こういう場合、派遣会社は「正規雇用と同じに働きます」「スキルは正規雇用以上です」「残業も同様にやれます」「それでいて総コストは直接雇用より安いです」「事業環境が変われば、すぐに増減できます」と売り込んで、同業他社と競っているだろう。「プレミアムフライデーとか働き方改革なんて関係ないですから」と。

 

正規雇用であれアルバイトやパートであれ、企業が直接雇用しないで派遣会社を使う理由は、景気変動や市場の変化、リーマンショックみたいな出来事に柔軟に対応できるからだ。つまりは解雇と補充が素早くできると。今は、それすら建前になりつつある。

 

派遣でやる人は、正規雇用と同じかそれ以上に働くのに、給与は安い。しかも文句も言えない。そうなっているんじゃないだろうか。

 

人件費が圧縮されて、派遣会社のマージンがあって、それで日本の人件費の総和はどうなるだろう。

もし派遣会社や人材紹介会社が間にいなければ、現在は労働人口減少で、人件費が上昇するという局面だ。派遣会社が過当競争で、派遣先企業獲得競争をしていたら、どんどん条件は悪くなる。

 

個々人の所得が低下し続ければ、つまり将来不安だけじゃなくて現実的に消費に回せるお金が減れば、デフレが解消するわけもなく、モノやサービスの価格はますます低下するだけだ。

そうすると、付加価値とか粗利が増えるわけもなく、日本の労働生産性は下がり続けるだけだと。これからの日本では、きっと労働しないことだけが労働生産性を増加させるのかもね。

 

 今日のBGM466【嘘をつく唇 feat.片平里菜/ TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA

 「その毒回った男が近づいて来ていたわ」だって(笑)

昭和感たっぷりの古くささがいい。

 

ジャケットの絵は江口寿史さんだしね。昭和歌謡(笑)

 

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大相撲に神事だなんだとタグ付けするのはヤメにしたらどうよ

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Niigata, Sumo Ring. Yahito-jinja Shrine, METI, CC BY 4.0 International

 

年末、ある公立のスポーツ施設に「月刊武道」が置いてあった。他はイベントのチラシとかばかりなので、手に取って読んでみた。

「月刊武道」って前から知ってるけど、誰が読むんだと思ってた。なんだろ、武道の古い古い歴史? 今の武道とはほぼ関係がない。

 

 

日本武道館でライブがあって終わって明るくなると、「月刊武道」の電飾が光る。なんだあれとさえ、思う人は少ないかもしれない。たぶん文部科学省から出た金で、日本武道館が編集しています。

パラパラとめくると、そこに相撲についての話が。相撲が「武道」になった経緯が書いてありました。正確に言葉まで憶えていませんが、「興行であった大相撲が戦争に向けての時勢で武道となった」「国技という根拠はない」という趣旨のことが書いてありました。

 

私はもうおかしくておかしくて。文部科学省日本武道館が武道武道と嘘くさい定義付けをしているのに、「月刊武道」にこんなこと書かれちゃうかと。まあ武道必修化で書いたこととリンクしています。


 

 

相撲はいつの時代に神事だったのか 

私は以前から相撲に日本古来のとか、神事としての側面とかいう言葉を見ると、なんだよそれと思う。最近は暴行問題でテレビで取り上げられるたび、「神事」という形容が必ずされる。

テレビ局がどういう意図なのか知らないけど、いちいち「神事」と繰り返しだしていれば、大相撲が特別なものだというコンセンサスができてしまう。いやもう、とっくに大相撲=神事が常識になってるかもしれない。

でも、いつ神事だったの?

 

日本書紀では、雄略天皇采女に褌をしめさせて相撲をとらせたという、いわゆる「女相撲」が、書物に出てくる相撲の記述の最古のもの。これが土俵は女人禁制としていた現代の大相撲とどうつながっているんだろう。

 

横綱の四股踏みは悪い地霊が出て来ないように踏みしめるものと言われたりしますが、悪い地霊とは、要するに土地の神なんじゃないかと。もう昔々に読んだ何冊もの本に、そんな記述が書いてあったように思います。

神様とは、強大なチカラを持っている存在で、いいも悪いもない。それを横綱が大地を四股で踏みしめることで、いわば脅している。そんな意味だったと思います。

太宰府天満宮だって、都の疫病の流行や飢饉などは菅原道真の祟りだと朝廷が恐れおののいて、供養のために建立したもの。決していい存在だから祀ろうと考えたわけじゃないよね。

 

家やビルを建てたりするときに行う地鎮祭は、いわば土地の神様によろしくねと挨拶して、ご機嫌をとっているようなもの。四股踏みとは、ちょっと意味合いが違います。

 

 

あの富岡八幡宮で、横綱が奉納演武するけれども

女性宮司が前宮司である弟に斬り殺された富岡八幡宮には、横綱力士碑があります。新横綱が誕生したときには、この碑に刻銘され、新横綱が土俵入りを奉納します。

大相撲に宗教的な意味をいうのであれば、歴代横綱の奉納演武が悪い地霊が出て来るのを抑えられなかった。もう抑えられなくなったとも言えますよね。

ああ、なんてイジワルな言い方(笑)

 

刻名式は日本相撲協会の行事

 

 

 

そもそも奉納演武って何かというと

私も奉納演武に出たことがありますが、要するに神様に見てもらうということです。すべての奉納演武がどうかとは言えませんが、通常はお祓いをしてもらい、玉串料を納めます。

だから、新横綱が土俵入りを奉納するから神事だと考えるのはどうか。これって、新横綱が「これからよろしくお願いいたします」と、神様に挨拶しに来ているだけでしょう。と思います。

 

それどころか奉納演武って、子供のピアノやバレエの発表会と同じようなもんなんじゃないのと私は考えています。江戸時代までだってそうだし、いまだって武道などの場合は発表する、人に見せる場がない。試合のあるものなら、試合を見せることはできるけれども、試合がなければ、奉納演武といえば、なにか権威とか重厚感がありげな感じがする。本質的には、それほど違いはないんじゃないかと。

 

そんなことは書くと、いや相撲は違う。神事相撲があるし、日本相撲協会が言うように収穫を占う宮廷行事となり300年続いているんじゃないのと反論がでてきそうだ。

神事相撲というのは、勝敗で五穀豊穣や子孫繁栄を占うもので、たぶん八百長。というより勝ち負けの決まっている儀式。こっちが勝ったら豊作で、こっちが勝ったら凶作となっている占いで、少なくとも縁起を重要視する日本人が、公開で真剣勝負をやりそうにはないよね。

それに今行われている神事相撲は、ほとんどが子供相撲で、大相撲とはほぼ無縁なんじゃないだろうか。

 

さらにいえば現在の大相撲の原型は、勧進相撲だ。

 

 

ウィキペディアによると大相撲の諸制度の原型は勧進相撲にあるらしい

Wikipediaには

「神社仏閣の建築修復の資金調達のための興行を勧進といったが、神社の祭礼に相撲が行われることが多かった(神事相撲)ことにあやかり、営利目的であるにもかかわらず「勧進相撲」と称して興行をすることが常態化した」 

勧進相撲の諸制度は大相撲に直接受け継がれており、特に江戸相撲のそれは後継組織である大相撲に多大に影響を与えている。 

文禄・慶長の頃(1600年前後)には上方では盛んに巡業が行われていた[2]。しかし慶安年間には浪人、侠客が出入りして始終喧嘩が絶えない事態になり、各地で勧進相撲は禁止された。江戸幕府は慶安元年(1648年)に「風紀を乱す」という理由で勧進相撲禁止令を出している。その後数十年を経て徐々に解禁されるようになったが、例えば京都相撲は暫くの間は文字通りの「勧進」相撲として興行し、江戸相撲は街中での興行(辻相撲)を禁じられて寺社の境内などで興行を行うようになった(同時に、興行の届け出先が町奉行から寺社奉行に移動した)。

 

などと書かれている。

実際、大相撲の制度のことまでは分からないけれども、勧進相撲と称したのは納得感がある。単純に興行となれば、力較べでもなんでもなくなってしまう。

ちなみに女相撲も江戸中期に人気で、そして明治の中頃まで禁止されたり復活したりしたそうだ。

 

しかしそんなことよりも、ここで重要なのは、寺社の境内などで興行が行われていたこと。

テレビでは神事ということしか出て来ないけれども、お寺でも興行が行われていたとある。これがどういうことかというと、江戸時代までは「神仏習合」でお寺と神社の併設されていたのだから、神社でだけ、お寺でだけということがないのは当然だ。

横綱力士碑のある富岡八幡宮も、別当寺である永代寺を持っていた。別当寺は神社を管理する寺で、「神社はすなわち寺である」という存在だ。これは明治の神仏分離令まで続く。

 

相撲協会もそうだけど、メディアも含めて、古来の神事からの流れだけを強調し、仏教・お寺の影響を意図的に隠しているんだろうか。

知ってるけど、言わない。ということね。

 

 

大相撲が、どれほど神道的なのか

少なくとも古代の神道は、民俗信仰をベースとしたアニミズム的な八百万の神を畏れ敬い、祀るというもの。教義も教祖もいない。

 

江戸時代に、儒教や仏教などの影響を受ける前の神道を追求した古神道とされるものもあるけれども、いずれにせよ、現在の社殿のある神社神道とは大きく違う。

祭神は分霊(わけみたま)され、他の神社に無限に祭ることができる。祭っている神は、そこに常に存在しているわけではなく、マレビト。訪れる存在だから、分霊が可能。

家や会社に神棚があるのも、そういうこと。そこに神が訪れる。

 

よく参道は真ん中を歩いちゃいけないというけれども、あれは祭神が鳥居をくぐり、参道の真ん中を通って訪れるからだ。

 

横綱が締める注連縄(しめなわ)は、依り代なんだそうだ。

相撲の土俵には、相撲神(戸隠大神、鹿島大神、野見宿禰の三神)の依り代が作られる。本場所前日に「土俵祭り」が行われ、土俵中央に依り代となる白幣が建てられる。場所が始まると、その白幣は行事部屋と支度部屋の神棚に祀られるという。

あれ、相撲三神は、取り組み見ないの?

どうも見ないみたいよ。

 

実は吊り屋根になっている現在の大相撲の土俵。本来は、一番上の写真、彌彦神社の相撲場のように四本の柱のある屋根だった。その柱が依り代だったのよね。

1952年にテレビ放送の邪魔だということで、柱が切られたらしい。柱の代わりの依り代は屋根からぶら下がった房というように昔々なにかで読んだんだけど、どうも、相撲神の依り代は行事部屋と支度部屋の神棚に。房を依り代にしているのは、四方の神々なんだそうだ。

ふ〜ん。

だけど伝統とかなんとか言うなら、そんな風に変えちゃっていいんだろうか。

 

大相撲が神道の形式を多く取り入れているのは間違いないけど、その形式を変えちゃったらどうなるんだろう。

いやだって、所作、様式という形式だけでしょう? 様式美はあるけど、神道的な意味合いがどこにあるんだろうか。

 

今後新横綱が、奉納の土俵入りを明治神宮でだけやるようになったとしたら、どうよ。明治神宮明治天皇が祭神だし、場所的にも古来からの聖地でもなんでもない。代々木公園自体が旧陸軍施設だしね。

神道というより、人工的な国家神道。自然発生的に歴史の中から生まれた伝統の様式というより、人工的な形式の模倣?

 

 

相撲とプロレスや格闘技は、どう違う?

日馬富士の暴行事件で、マスメディアも世間の関心も高い。私はなんでこんな話が、毎日毎日取り上げられてるんだと不思議。

こんなことプロレス団体や、RIZINやK1の出場選手間でリングの外で起こったことがある? 起こったとしても周囲に選手たちがいたなら、止めるでしょう。

 

だって単純な刑事事件だよ。無抵抗の人間を、カラオケのマイクでガツガツ殴った。それを周囲にいた関取たちが、止めたのかどうしたかの道義上の問題。

日本相撲協会は、公益財団法人。公益になることだから、興行であっても非課税。プロレス団体や格闘技団体は、当然課税されてるけど、モラルは角界以上にありそうよ。

角界は、土俵以外で人が死んだり怪我したり、そんなことが定期的に起こってる。なのに、公益なの?

 

それもこれも神事だ伝統だと、メディアが率先して植え付けてるからって気がする。だから多くの人が聖なる領域で、特別な存在だからと思ってしまうんだろうか。

 

公益財団法人日本相撲協会を監督しているのは、文部科学省宗教法人を管轄しているのも文部科学省池坊保子日本相撲協会評議員会議長は、元文部科学副大臣で、公明党女性委員会副委員長。日本相撲協会が公益財団法人になるために、外部識者として選ばれた。

見えてるでしょうよ。

 

 

相撲に特別な意味を見出すんじゃなくて、具体的に伝統的な優れた技法や稽古法を取り上げるべきだわ

 お相撲さんの“腰割り”トレーニングに隠されたすごい秘密

 

昨日もしたけどソファで寝落ちするのが気持ちいいのはどうしてだ

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ソファで寝るのは危険。みたいな記事を見かけて、そんなにかと思って検索したら、ネット上では似たような主張ばかりだ。

首に負担がかかる。寝返りがうてず、カラダがリセットされないなどなど、デメリットが強調されてる。そりゃまあ今の季節なら風邪ひいちゃうとか、危険なことはあるけれども、私は昨日もソファで寝落ちした。

実はソファで寝落ちするほど、気持ちのいいことはないだろうと主張したいぐらいだ。気持ちいいから寝ちゃうんじゃないのと思ってるんだけど、私が特殊なんだろうか。

世の中、これだけソファで寝落ちするのはNGが連呼されているんだから、私ひとりぐらい「ソファの寝落ちは気持ちいい」論者がいたっていいんじゃない。

いや主張しておかないと、寝落ち族の快感が否定されてしまう。と、こんな記事を書くのは義務感からだ。いやウソです(笑)

 

 

寝るのは、もったいないと思ってる私

普段、私の睡眠時間は4時間半とか5時間ぐらいだ。それで十分カラダの疲れは解消されていて、6時間寝ることなんて平日にはまずない。

いつからそうなったかというと、20代からだ。帰ってくるのが遅いというのもあったけど、自分ひとりの時間になるのは夜中だけだ。奥さんはもう10時には必ずと言っていいほど寝ている健康的な人なので、10時からが自分の時間だ。

たぶん20代のころは、夜中にゲームばっかりしてた気がする。

今は録画した映画とか海外ドラマを見たいんだけど、さすがに平日はそんなことしてると翌日の仕事に差し支える。

そんな意識があるのか、ソファで寝落ちするのは金曜日の夜だけだ。そして年末年始とか、翌日を気にしなくていい時だけ。

録画したのを眠いと思いながら観ていると、いつの間にか寝ちゃってる。ただ寝落ちするといっても3時間とかそれぐらいなので、そこから夜中に風呂に入って寝る。布団の中で寝ているのは、6時間ぐらい。だからソファで寝て、睡眠に質が悪くたって、カバーはできている。つもり。

だらしないけど、今日も大掃除とか昼間はちゃんとやっているから、それほどだらしなくはない。つもり。

 

 

ベッドに入ったら、あっという間に寝てしまうんだけど 

そうやってソファで寝てしまうのは、どうしてこんなに気持ちいいんだろうと前々から思ってた。いや寝るつもりはないんだけど、ん!?と目がさめると「気持ち良かった」という記憶が毎回残ってる。

なんでだろう。寝る体勢としてもあんまり良くないはずなのに、気持ちいいという感覚が残ってるんだろうと、ずっと不思議だった。

 

最近、もしかしたらと思ったのは、もしかしたらベットに入って寝るのは、寝なきゃいけないという義務感があるのかも。それが寝るのがそれほど楽しいことじゃないという記憶になって、こびりついているのかもね、と考えた。

 

対してベッドに入って寝るのは、寝なきゃと思って寝るからいくら睡眠の質が良くても、記憶としてはソファの寝落ちより劣る。

 

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とはいえ私、ベッドに入ったら必ず本を読む。読んでいてどれだけ興味深くても、せいぜい5分。あっという間に睡魔に襲われて、スタンドを消して眠ってしまう。

あっという間のことなんだけど、そういうプロセスが自動的じゃなくて、意志が働いているのかもね。

 

ソファで寝落ちするのは、まったく義務感がない。観ている映画や海外ドラマは面白いんだけど、カラダが睡眠を求めているから寝てしまう。その方が自然なんじゃない。

自然かどうかはわからないけど、実は寝たいとき寝る生活をしたいんじゃないかと。

つまりは、どこでも寝たいときに寝る自由な猫に、憧れてるんじゃないかと(笑)

 

頻繁にソファで寝落ちするようになったはの、猫飼いだしてからだから、あながち妄想じゃないかもね。

 

 

今日のBGM464【黄昏を遊ぶ猫 / TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA】 

ゲストボーカルがEGO-WRAPPINの中納良恵さんって、スカパラにしては意外だけど、猫にはぴったり。

 

 

 

[#MeToo]を自分の宣伝に使う人がいたって、ぜんぜんいいんじゃないの

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はあちゅうさんが、過去の著名クリエーターから受けたセクハラ・パワハラについて告発して以降、はてな界隈では大変なことになっている。

私のブログを読んでくれてるような人は、はてなはてなブックマークにあんまり興味ないだろうし、はあちゅうさんの名前も知らないかもしれない。だから経緯をカンタンに書きながら、#metooムーブメント、そしてはあちゅう告発をめぐる騒ぎには、ちょっと抜け落ちてるんじゃないの、ちがう視点も必要なんじゃない。と私が感じていることも書かせてください。

 

どうもセクハラ・パワハラという言葉が軽すぎないか

12月17日にBuzzfeedにこんな告発

これを読むとセクハラ・パワハラとなっているけど、そういうレベルなんだろうか。長々と抜粋します。

 

「本社に異動した頃、岸さんから『今すぐ飲みの場所に来い。手ぶらで来るな。可愛い女も一緒に連れてこい。お前みたいな利用価値のない人間には人の紹介くらいしかやれることはない』などと言われるようになりました」

「深夜に『俺の家にこれから来い』とも言われました。当時、私は田町に住んでおり、彼の自宅は浜松町だったので、歩ける距離にありました。突然電話がかかってきて、どこで何をしていようと、寝ていても『今から来られないのか』と言われました。『寝ていました』と言うと、行かないでも許してくれることもありましたが、翌日、『お前はこの会社には向いていない。CDC(岸氏が所属していた部署)にきたら深夜対応も当たり前だぞ』と言われました」

「『俺に気に入られる絶好のチャンスなのに体も使えないわけ? その程度の覚悟でうちの会社入ったの? お前にそれだけの特技あるの? お前の特技が何か言ってみろ』と性的な関係を要求されました。『お前みたいな顔も体もタイプじゃない。胸がない、色気がない。俺のつきあってきた女に比べると、お前の顔面は著しく劣っているが、俺に気に入れられているだけで幸運だと思え』と」

岸氏からのハラスメントから逃れたいと思ったはあちゅうさんは、岸氏の要求通り数名の友人を紹介した。「お前どうしてあんなしょうもない女紹介するんだよ。自分が何のために俺と知り合ったかなんもわかってないじゃないか。俺の偉大さちゃんと説明したの?」などと言われたこともあったという。

Buzz Feed Newsから

 

この告発に対して岸氏は謝罪します。理不尽なことをし、嫌な思いをさせた、とても苦しめたことを、お詫びしたいと。

だけど「理不尽」とか「嫌な思い」程度のことなんだろうか。

Buzzfeedの記事を読んでいると、電通という会社は、新人や下にいる人たちを奴隷のように扱っていて、それが当然のように通用している文化があるんじゃないと思ってしまう。

Buzzfeedは他の電通社員にも取材して、こう書いている。

 

インターン担当を岸氏がやっている年があったのですが、ある女子大生のインターンが終わり、内定を受けたあと、岸氏から『家に来ないか?』と電話があったようです。入社前の学生はどこに配属されるか不安です。岸氏はそれなりの立場がある人物なので、彼がキャスティングボートを握っているのではないかと思ってしまうのも無理はないです」

これだけでなく、別の年にはカンヌライオンズに当時インターンの女子大生を連れて行き、問題になったという。

これらの岸氏の行動は、人事やハラスメントの関係部署でも知られていたようだ。

 

そりゃあ岸氏は、はあちゅうさん以外にもやってるでしょうよ。

これって、法解釈がどうであれ、犯罪行為じゃないのか。労働法は、こういうことを許しているわけ? そして電通は、どうして平気だったのか?

 

元TBSワシントン支局長が就職相談絡みで酒を飲み、性的暴行で訴えられ、準強姦容疑で逮捕状が出た。成田空港で逮捕寸前に警視庁の上層部からストップが出たという疑惑の事件。

直前で逮捕を止めた警視庁の刑事部長は「女も就職の世話をしてほしいという思惑があったから飲みに行ったのであって所詮男女の揉め事」だと答えたという。

「山口敬之」を救った刑事部長の出世 菅官房長官からの絶大な信頼

 

 

この逮捕中止に裏がないなら、はあちゅうさんの件ならなおのこと、警察では「出世させてほしいという思惑があったから自宅に行ったのであって所詮男女の揉め事」だとされてしまうだろう。 

 

 

電通には従軍慰安婦と揶揄されるような人たちがいた

確かに雇用がらみの事件は多い。

DeNA採用担当者が就活女子大生をホテルに連れ込み(文春砲) 

保育最大手のJP、重大セクハラで辞任の元社長が「復帰」画策…

 

この手の事件は日本だけじゃないけれども、日本ではどうも法的にも社会的にもペナルティが弱く、抑止力が弱いように思える。

どの事件も、まるでAVかエロ小説みたいなストーリー。もしかして雇う側になると、妄想が刺激されるのか。それとも社会全体に、雇われたら滅私奉公でセクシャルな領域も多少は含まれるというコンセンサスでもあるのか。

 

私は団塊の世代以上には、確実にあると思う。

会社では男性社員が雑務をする必要はないとして、現役時代をおくって来た人たちはなかなか「男はエラい」から抜け出せない。そして自治会や地域コミュニティなどでも酔ってセクハラをする人たちは、少なからずいる。

そしてこの人たちの脳内の「男はエラい」では、さらに「男は地位」でヒエラルキーが形成されている。現役ではないのに、一部上場企業の役員だったとか課長だったとか、そういうプライドが定年後も続いている。

たとえば役所で病院で、聞かれてもいないのに「◯◯会社の部長だった」という人が大勢いるという。自分は社会的に価値ある人だから、丁寧に対応しろとでもいうように。

もちろん爺さんたちは生命の危険があるから、性的な妄想はそれほど膨らまないかもしれない。

 

著名クリエーター岸氏が、はあちゅうさんに言っているは、まるでそういう爺さんたちと同じじゃないか?

オレは価値ある人間だから、オレの前に来たら服を脱いで股を開く女が何人もいて当たり前だ。オレのところに連れてこい。みたいなね。

 

というか妄想じゃなくて、電通には外部から従軍慰安婦と言われるようなボンキュボーンなおねえさんたちを揃えてたんです。従軍慰安婦という呼び方が一般的かどうか、適切かどうかはわからないけど、確かグループの派遣会社などから、いわゆるキレイどころ、それも色気過剰な女性たちを。

クライアントに書類を届けさせるとか、そういう雑務のために。クライアントも、そういうおねえさんが来ると喜ぶ。私はクライアント側も下請け側も経験しているので、知っています。

女性の側にも、エリート電通マンと結婚したいと狙ってる人は大勢いたでしょう。

 

でもそういう人も、経費削減でどーんといなくなった。

岸氏がはあちゅうさんに傍若無人なことをしていたのは、そういうおねえさんたちがいなくなった後のことなんじゃないかと。

 

 

女性蔑視の風潮に、女性も加担している

だけどそういう女性たちを揃えていたのは、電通ほど露骨じゃなくても、かつて大手企業はどこだってやっていたでしょう。大手企業で「花嫁候補」を採用した過去のないところがあるでしょうか。

電通と五十歩百歩みたいなもんです。

別に余力がある企業なら、そういう採用方針も勝手ですし、採用される側も学校も「花嫁候補」だと理解しているんだから問題はなかったのでしょう。

 

ところがそういう価値観は、花嫁候補採用がなくなってからも、ずーっと続いているのだと思います。今だって派遣やパート、アルバイトという期間限定の採用で、仕事そのもののスキルや適性ではなく、若さや容姿で選んでいるでしょう。

 

大手の有名企業で育って来た人たちは、そんな至れり尽くせりで生まれたプライドや価値観が変わるでしょうか。大手企業に入れたのは、有名大学に進学したから。有名大学に合格できたのは、一生懸命勉強したから。一生懸命勉強したのは…

そして会社のブランドが効いて結婚した人は、自分が頑張ってきたからだ。我慢してきたからだということが確信として染み付いています。

だから定年退職しても、自分の最後の役職を振りかざすのです。

 

 

 

というか、有名企業で出世した人と結婚した女性は、どんな人でしょうか。たまたま結婚した相手が出世したというケースもあるでしょうけど、そんなのごく少数派。

確実性の高い相手を選んでいるのだから、好きだの嫌いだの前に条件があります。その打算的なところを「賢い私」だと思っています。そして打算で動かない、好きだ嫌いだで動く女性を「バカな女」だと思っています。

実際の結婚相手獲得競争は、大学生のときから始まっています。一流大学のテニスや広告研究会など軽いクラブサークルには、周囲の女子大などから女子力の高い女子大生が大勢入ってきます。近年でも強姦事件が起こっていますし、男子大学生からすればヤルためのサークル。

 

他方で、女子力の高くない女子大生も、たとえば登山部とかマジ度の高いクラブに入ってきます。ターゲットは理工系で、異性慣れしていない男子大学生。これを落とせば、将来の浮気もしない堅実な夫を手に入れることができます。

こういう手堅い女性たちは、日本の保守本流。ミセスワタナベの正体は、こういう人たち。と私は思っています。この人たちは、見た目も行動も女子力の高い女性を敵視しています。

まあ、こういうのは私の偏見ですけど(笑)

 

いずれにせよ一流大学に入学して、クラブサークルにでも入れば、どんな醜男でもモテを経験するのです。

 

 

婚活と言われはじめた時代になってからのマッチングは、まず条件によるスクリーニングが最初にあるなら、かつての打算的な価値観による結婚と同じ流れになっていませんか? 打算臭さを消すために広告では「運命の出会い」だと強調します。

打算的な人は、自分以上に上手に立ち回る人を許せません。

まあ、こういうのも私の偏見ですけど(笑)

 

もっと極端なことを言うなら、権力者に気に入られてなんぼ、と思っている女性は世代に関係なく、かなり多いでしょう。

コスモポリタンの編集長を30年以上もつとめたヘレン・ガーリー・ブラウンが書いた女性向けの本には、記憶があいまいですが、「二本の脚の間にあるもののおかげで、上司が私に優しくしてくれる」みたいな記述があって、驚いたことがあります。

だけど男社会の中で、野心のある女性が女性性を使って出世したっていいんじゃないと読みながら思いました。もちろん自分が厭じゃないなら、ですが。

コスモポリタンの編集長は、読んだ当時、むしろ楽しんでいるように感じました(笑)

 

 

仕事は役割を提供することか、すべてを捧げることか

いままでに何度も書いていますが、日本では採用時に職種名が書いてあっても、就職すれば職種以外のこともやって当たり前だとされます。分かりやすい例では時間給で働いているアルバイトパートであっても、会社やお店の行事、送別会や新年会へは参加することが義務化しているのではないでしょうか。

強制ではなかったとしても、参加しなければ付き合いの悪い人、協調性のない人としていじめの対象になるかもしれない。

 

団塊の世代なら、それこそ部長の引っ越しもやり、正月には課長宅へお年賀にも行った。みたいなことが普通にあったのでしょう。

この先、ますます進む少子化による人手不足は、雇用の考え方を変えるかもしれません。だけど大手では連綿と続くかもしれません。

 

はあちゅうさんの場合は、電通という世界有数の広告代理店内での出来事。就職できても、上司に気に入られなければ飼い殺しにしたり、グループや下請けに飛ばされるかもしれません。

逮捕を免れた元ワシントン支局長の場合は、たぶん人数の少ない職場でしょう。ここに採用されるのは、狭き門のはずです。

 

「女も就職の世話をしてほしいという思惑があったから飲みに行った」のは、その通りでも、飲むことイコール性的な関係の承諾とはめちゃめちゃ距離があります。

色んな批判があるようですが、飲むことイコール性的な関係の承諾なら、流行している相席屋はどうなるんでしょう。女性は無料で飲み放題食べ放題だそうです。レイプされても、所詮男女の揉め事だからですんじゃうんでしょうか。おおコワッ(笑)

世の中の現実の流れと、古い世界に住む人や法律とのギャップが大きすぎるのかも。

 

 

はあちゅうさんの告発は本の宣伝のためか

はあちゅうさんも色々と批判されているようですが、Buzzfeedの記事が12月17日。そして20日に本を出版されていることから、本の宣伝でしょうと言われています。

私も宣伝だと思います。でもだからって何? インフルエンサーというか、ネットで話題を広げることが彼女の仕事のキモなんだから、当たり前なんじゃない。だいたいタイトルが『「自分」を仕事にする生き方』なんだし。

 

 

話題を最大化することを考えてたんでしょうね。あざといと私は思いますよ。

でもそこが好き嫌いは別にして、自分は努力してきたから、苦労してきたから偉いんだ。女をセクハラやパワハラすることぐらい構わないと考えてる男たちより、100倍マシだわ。

 

立場を利用して強制する人に対抗したり復讐するのだって、告発して出版するぐらいしかないんじゃない。

電車で何か腹立つことがあって、無実の人を痴漢呼ばわりして逮捕させても、その女性はリスクなし。でも顔出して名前知られてて、マスメディアやネットで取り上げられたらリスクだらけだからね。嘘が含まれてたりすれば、ものすごいリスク。

全部本当で巨大なものに挑むなら、あざとくなきゃ、生きてけないわ。

 

 

今日のBGM463【Clean Bandit - Rather Be ft. Jess Glynne】

 

Amazon - ニュー・アイズ<最強盤> / Clean Bandit 

うちでスタバのブランド魔法が解けたのは

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きっかけは「ビーンズカード」の終了だった。ビーンズカードというのはスタバでコーヒー豆を買うと、250円につき1つスタンプを押してくれる。スタンプの数に応じて、様々なコーヒー豆100gと交換できるというもの。

 

そのビーンズカードが9月で終了する。今後はアプリを使ってくださいとアナウンスされていた。だけどアプリ使っても余計なサービスばかりで、コーヒー豆を買うだけのうちには意味ないんだけどと奥さんがグチってた。

いやグチってほどのことでもないけど、スタバのコーヒー豆にこだわっていたのは奥さん。それは、味わいとフェアトレードという2点。

 

うちで買っていたのは、「フェアトレード イタリアンロースト」という商品名のダークロースト。それをだいたい毎月2kg。250gが1,140円だから、月に約1万円ほど。それを10数年続けてる。

 

私も、いいじゃんと気に入ってた。うちの奥さんは濃いコーヒーが好きで、家で朝飲むと、最初のうちはビックリするほど濃い。胃に穴が開くんじゃないの、ぐらいに思ってた。

いつしかそれに慣れると、外でどこの店で飲んでもぜんぜん薄いと感じるように。だから会社では、インスタントコーヒーを大量に入れたのを飲んでいる。インスタントコーヒーなら、勝手にいくらでも濃くできるからだ。

 

 

スタバのアプリを使うメリットってなに?

アプリのメリットって、スタバがどこにあるか検索できたり、行った店を記録できるとか、スタバファンのためのものだ。店内を利用せず、コーヒー豆を買いに来るだけの人にはオーバースペックだし、個人情報の登録がめんどくさい。

そもそも私も奥さんも、企業もののアプリを入れるなんていう習慣はない。たとえば外出先でプリンターを使う必要があってキンコーズに入ったら、アプリを入れると割引になると強く勧められて入れたけど、そもそもキンコーズを使うなんて1年に1度あるかないか。

通知が来ても何も関係ないから、削除してしまった。スタバのアプリを入れたからって、きっと同じことになる。

 

私も奥さんもスタバの雰囲気のファンではなく、スタバのコーヒー豆のファンなのだ。確かに深入りシアトル系コーヒーは好きだけど、それがスタバじゃなければダメってことじゃない。他を試したことがないだけだ。

だから奥さんから聞いたとき、他でも似たような味のコーヒー豆はあるはずだし、よそのイタリアンローストを試してみようよ。その方が安いかもしれないし、と言った。

 

味以外の理由は、フェアトレードだけど、それだってどれほどのものかは疑問だ。

そもそもスタバは資本が変わっちゃったから、色々と変えてるはずだよと。

 

 

スタバの資本の何が変わったのか

スターバックスジャパンという会社は、アメリカのスターバックスと日本のササビーリーグが50%ずつ出資して誕生した。サザビーリーグというのは、アパレル雑貨のSAZABYAfternoon Teaをやっている会社だ。

ただアメリカ・スタバ本社は契約更新を拒むことができるという契約で、サザビーリーグは2014年にスターバックス事業から撤退した。

海外のスタバがどういうものなのか知らないけど、日本のスタバはまあまあササビーリーグが作り上げたブランドだと言っても過言じゃないだろう。アメリカ本社のチェックはあっただろうけど、日本のイメージ戦略やオペレーションがないと、日本でもブランド力は作れなかっただろうと思う。

まあ私には、それほどいいもんかと思うんだけど(笑)

 

世界的なブランドは、こういうケースも珍しくない。外食産業だと日常茶飯事だし、他業界でもこのところの大きな話題だと、バーバリーがある。

認知度もイメージも高いブランドだと、資本が変わったところで、消費者はあんまり気にしない。でも実は商品の作り方からサプライチェーンマーケティングまでまったくと言っていいぐらいに変わってしまうのだ。

ナビスコヤマザキナビスコが商標権を持っていたけれども、アメリカナビスコ欧亜会社が日本で販売しているという。製造を中国に持っていって、利益率を高めているという。

自分がいくら好きだと思っていても、見えないところがまったく違っているならバカみたいな話だ。

 

 

うちのコーヒー豆代は約半分になった

そんなことを私が言って、奥さんが探し始めてすぐ、知り合いから美味しいイタリアンローストが買えるところがあると教えられたそうだ。

業務用のメーカーで、一般への小売りもキロ単位なら通販でしてくれるというのだ。

で、私が知らない間にうちのイタリアンローストは変わってた。というか、変わったことに私が気がつかなかったのだ(笑)

 

一応、業務用だし小規模な会社だということで社名は書かないけれども、約半額だ。コーヒーへのこだわりと、低価格で提供するために小規模でやるスタンスを貫いているらしい。応援するなら、こっちだわ。

 

でもマグカップは家でも会社でもスタバだわ。口に当たったときの感触が好きだ。

 

 

今日のBGM462【Jet - Are You Gonna Be My Girl】

JETが来日するってことで、やたらとこの曲が流れてる。耳から離れないわ。

 

Amazon - JET / Get Born  CD