遺伝子検査がつくるモヤモヤ
いただいたコメントで、書き忘れてたことを思い出しました。コメントは、結婚しようとしてた相手の親族とのこと。
私は学生の時、奥さんの一緒に住んでいることがバレて、義父に呼び出されました。その時、いきなり釣書を書けと言われ、釣書ってなに? と思って、ああ履歴書的なことを書けばいいんだなと思ってたら、両親や親族のこともと言われて、驚きました。
驚いた一番の理由は、え、もしかして結婚前提で話が展開してるの? ってことでしたけど。
親族のことなんて詳しいことは知らないので、職業を話したぐらいで終わりましたけど。
でも実は、後から奥さんに聞いたのですが、その時すでに、興信所で洗いざらい調べられていたんです。釣書を書けと言われたのは、私がホントのことを書いてるかどうかのチェックで。
義父は銀行の人なので、興信所を使うことなど日常的なことなんでしょう。もちろん私は品行方正な優等生だったので、調べられて困ることはありませんが。ええ(笑) でも興信所なぁ。
調べられるのも気持ち悪いですけど、いわゆる客観的事実とか周囲の評判ってことを調べたからって、それでどうしたのっていう。
しかも親族のことなんて、田舎なら密接に関係するかもしれませんけど、どうなんですか。私自身は自分の娘が結婚ということになっても、何か調べようとか、そんな気はまったくないです。
大阪市の職員が縁故採用が多いという批判を受けていた時、ネットで「どこの馬の骨かわからないのを採用できるか」みたいな発言を見ましたけど、今どき、そんな化石みたいな発想があるんだなと。
でも今は、釣書や興信所どころか、遺伝子検査して、その結果を出せという親がいるそうです。子供を家の存続とか、血筋と考える人だって根強くいるでしょうから、一概にどうこう言えませんけど、遺伝子検査の結果で結婚を考えるのが当たり前の世界になったら、ちょっとオソロシイです。
遺伝子を気にする親は、自分も遺伝子検査して、結果を見せるべきでしょう。ぽっくり死にそうか、病気になって子供に面倒を掛けそうなのかどうか。それがフェアってもんです(笑)
遺伝子検査って、そもそも可能性がわかるだけ。天気予報で今日は、降水確率80%と出てたって降らないこともあるし、0%となっててもゲリラ豪雨に襲われることもあるし。って、違うの?(笑)
遺伝子検査は、安くなった。それもあって身近かなものになった。その背景は、こういうことです。
この本では、実際に脳科学者の池谷裕二さんと中村うさぎさんが99ドルの遺伝子検査をやっています。
アンジェリーナ・ジョリーが遺伝子検査の結果で乳房切除という、ビックリするような予防がニュースになりましたけど、こういう記事があります。
Techcrunch
この記事の中でも書かれています。
彼女がNew York Timesで語った勇気ある告白によって、乳がん防止への注目は高まったが、統計に暗い人々にとっては危険もある。
私はこういう予防法もありだと思いますし、アンジーの立場ならうなづけるところもあります。いずれにせよ、個人のリスクを考えた判断だし、他人がどうこういうことではないでしょう。
だけど結婚という時に、遺伝子検査で排除できるリスクって、大したことないと思うんですけどね。そんなことより、もっと大きな問題を抱えてるでしょうよ。たいがいの場合ね(笑)
今日のBGM-288【 宇多田ヒカル - Goodbye Happiness 】
連日、藤圭子さん自殺の報道がされてて、うんざり。歌を聴いてると天才。実績も天才。最後が自殺だったからって、ダメなんだろうか。本人が残念だったかどうかなんて、わからない。
一世を風靡して、宇多田ヒカルという天才の産んで育てたんだから、ぜんぜんいいじゃん。
藤圭子さんのお母さんって、盲目だったという。遺伝子検査する世の中だったら、天才の遺伝子さえ途切れてたかもね。