「勝ち組サイコパス」には近づくな。逃げろ!ってことよね
1、2ヵ月前、かな。中野信子さんが「トランプはサイコパス」とかいう記事を、何かの雑誌に書いたというツイートがあった。
中野信子さんは面白いけど、異常心理みたいなことには興味ないしな。とすっかり忘れてた。先日、本屋に行ったら、この「サイコパス」というタイトルの新書があった。パラパラと立ち読みすると、これが面白い!
できる限りネタバレしないように書くと、本書で最も興味をそそられたのは、「勝ち組サイコパス」と「負け組サイコパス」の存在を分けているところ。
サイコパスは、異常者として扱われる冷酷で残忍な殺人犯ばかりではなく、大企業のCEOや弁護士、外科医といった大胆な決断をしなければ職種の人々にも多いというところ。
アメリカには人口の4%ぐらいは存在するという心理学者がいたり、中野さんは日本でも1%ぐらいはいる。サイコパスとは何なのかを正しく知り、身を守るためには注意深く対処する方法を身につけておく必要があるという。
中野さんによれば、サイコパスには社交的で信者が大勢いる魅力的な人も少なくないそう。
私は本書を読んで、タイトルに書いた通りで「勝ち組サイコパスに気をつけろ」と思った。かつては異常な犯罪を起こした犯罪者を調べていたから、サイコパスは異常な存在だというイメージだったけど、さらにいろいろと研究が進んで、社会で成功した、いわば「勝ち組サイコパス」のいることがわかったと。
いやいや中野さんが書いている以上に、現代社会、とくにデジタル社会の中での目立っている成功者たちは、サイコパスやサイコパス傾向の強い人たちじゃん。と思った。
そして創造的なサイコパスならまだ社会に有益だけど、パクリや騙しばかりで成功している人たちは、働く人や取引先、そして社会に不利益しか与えない。株式市場を通してとか、そういうのは別だけど。
勝ち組サイコパスの象徴は、スティーブ・ジョブスだと思う
読めば読むほど、勝ち組サイコパスの象徴的な存在は、トランプじゃなくて、スティーブ・ジョブスじゃないのと思っていたら、やっぱり出てきた。
トランプがヤバい人だなんて、きっと支持者だって感じているでしょう。そのヤバイところが支持する理由でしょう?
だけどジョブスを好きな人たちは、ジョブスがヤバイと思っているだろうか? 私は長年スティーブ・ジョブスの作る“プロダクトのファン”だった。はじめて買ったパソコンもマックだし、ウィンドウズはもちろん、アンドロイドだって使う気になれない。
おまけにジョブズが追放されてた時代のマックは、なんか違うんじゃないのと思ってしまうほどだ。
それでもスティーブ・ジョブスを人格的に好きじゃない。古くからのAppleファンだからこそ、入ってくるジョブスの情報はロクなもんじゃない。もちろん関わることはないけど、仕事する相手としては絶対に避けなきゃと思ってた。
一度だけジョブズが生きているときにAppleがらみの仕事をしたけど、アップルジャパンに何の権限もないことが、よくわかった。なんでもかんでもアメリカのApple本社にお伺いを立てないと進まなかった。
イメージの徹底した管理ということならディズニーがそうだけど、Appleは仕組みがヤバい。きっとジョブズの作った仕組みは、他人をまったく信用しないんだろうなと思った。
だからこそ、マックやiTunes、iPhoneというとてつもないイノベーションを生み出せたんだろうけど。だけど他人の時間を奪うことには、なんの配慮もない。
Gigazineにこんな記事があったけど、その通りなんだろうと思う。
癇癪持ちで、人を激しく罵倒する。
ジョブズの罵倒は最終的に従業員のバーンアウト(燃え尽き症候群)を引き起こしました。Appleで週90時間労働を10カ月続けた従業員の1人は、ある日ジョブズが「君たちは自分たちの行いに『感動していない』」と言いながらオフィスに入ってきた時に、仕事を辞めてしまったそうです。
そして
ジョブズの負の遺産が受け継がれている例としては、たびたび劣悪な労働環境が問題視されるAmazonのジェフ・ベソスCEOや、「職場に『有毒なパターン』が存在する」と投資家たちに言われ幹部が一斉に去ったUberのトラビス・カラニックCEOなどが挙げられています。
と書かれています。
ジョブズのように人を罵倒したからって上手くいくわけじゃない。たとえばAppleの製品は、無駄がなく美しい。ジョブズに卓越した美的なセンスとビジョンがあったから、罵倒しながらでも徹底してやらせたから、できたんだろう。
だけど卓越した美的センスとビジョンもないのに、罵倒してやらせていたらどうなるだろう。
ジョブズはプログラミングもできなかったという。できないからこそ、既成概念にとらわれない発想も可能になったのかもしれない。だけど、そこだけマネして「俺は何もできないけど、既成概念にとらわれない発想ができる。グレイト!」って陶酔している経営者がいたらどうだろう。
私はジョブズはアーティストみたいなもんだと思ってる。美しい絵を描く。感動的なメロディを作る。ヒューマニズム溢れる写真を撮るアーティストたちは、その人格が美しかったり、ヒューマニズムに溢れているわけじゃない。作品の世界とは、正反対の性格だったりする。
同様に、ジョブズがどれだけ邪悪なサイコパスだったとしても、作り出した製品の素晴しさはそれ自体で評価されるものだと思う。
問題はジョブズのような天才は、ジョブズ以降にいないってことだ。ジョブズのマネをして、金を儲けることにかけてはジョブズ以上の人たちは大勢いるのかもしれないけど。
サイコパスは、共感性や良心によるブレーキが利きにくい
本書には、サイコパスをあぶりだすための「道徳のジレンマ実験」など、心理学的なアプローチや見解も数多く書かれている。だけどそれよりもfMRAIを使った脳科学的なアプローチが決定的だ。
fMRIを使って調べると、サイコパスは「扁桃体の活動が低い」という。扁桃体は人間の快・不快、不安や情動といった基本的な情動を決める場所。簡単にいうと、考えるより先に本能的に反応する部分だととらえていいそうだ。
さらには「共感」を持つ眼下前頭皮質や、良心によるブレーキをかける内側前頭前皮質の活動が低い。しかも扁桃体と、眼下前頭皮質と内側前頭前皮質の結びつきも弱いのだそうだ。
それによって、痛みや罪、恥の意識を学習することができず、ウソをついたり、人に責任をなすりつけたり、誰かを傷つけても平気だという。
「サイコパスも良心の呵責や罪悪感を口にすることがある」けれども、それは心が痛んでいるのではなく、「悪いと感じているように見せること」が合理的な処世術だと心得ているからだという…
この本には「捕まりやすいサイコパス」と「捕まりにくいサイコパス」についての脳機能の違いが出てくるけれども、合理的な処世術だから「悪いと感じているように見せる」ことをされたら、なかなかサイコパスだと見破ることができなさそうだ。
ルールハックは、勝ち組サイコパスの常套手段?
いままでに何度か書いているけれど、「コンプライアンスを遵守します」というのは「法律に触れるようなことはしません」というスタンスと「法律に触れなければ、何をしてもいい」というスタンスがある。企業で圧倒的に多いのは、後者だ。
後者は、法律が想定していないことなどの抜け穴を探す。倫理的に道徳的にどうかは関係ない。中野さんはこのことをこう書いている。
サイコパスはルールハックを気にせずやってのける。これはとても不思議なことです。彼らにはなぜブレーキがかからないのか?
なぜって、本書によれば脳の構造が違うからということになるだろうけど、いまや目立っているビジネスはルールハックだ。
シリコンバレーでは、自動化してプラットフォーム化して、どこの、誰の仕事を奪うかがスタートアップのテーマだというし、日本でもルールハックは日常茶飯事だ。
Google検索のアルゴリズムは、こうなってる。それをハックするには、こうすればいい。しかも検索1位になるには、こういう手法ならごまかせるとやったのがDeNAだし。
NEVERまとめはアルゴリズムハックの元祖だけど、ずっとうちはプラットフォームで悪いのはパクったライターだというスタンスだったんじゃないだろうか。それがDeNAの問題が明るみになって以降、健全化に向けて、パクられた権利者にお金を払いはじめた。
こういう対応が、本当に悪いと思っているからなのか、それとも「悪いと感じている姿勢を見せる」ことが合理的な処世術だからやっているのか。
あなたは、どう思います?
今日のBGM447【 Teddybears - Sunshine 】
高須クリニックは悪徳どころか、最も健全な美容外科らしいです
民進党の大西議員が、悪徳な美容外科の広告や勧誘方法の問題を取り上げ、明らかに「高須クリニック」のCMを例に「陳腐」だと発言したことで、高須克弥院長が名誉毀損で訴えを起こしたそうだ。
私はこの騒動を知ったとき、確かに高須クリニックのCMは陳腐だわ(笑) それに美容関連で悪徳なところは多そうだし、問題はいろいろ言われてる。でも高須クリニックは、健全どころか、むしろ美容業界の良心とも言える存在らしいよ。美容外科、美容皮膚科などの業界、それに精神科医からも賞賛されるほどだと聞いてるけどな。
大西議員は印象だけで、何も知らないでバカなこと言って、裁判になったら確実に負けそうだわ。と思った。
「No!」と高須クリニック 民進党議員の"陳腐なCM"発言、高須克弥院長が提訴
もちろん、私が直接知ってるわけじゃないけれども、その業界内で広く知られていることを書いてみる。
美容医療業界の問題点は、大きく二つ。そしてその二つに対して、高須クリニックは優れた対応をしているらしい。もっとも高須克弥院長じゃなく、その息子が素晴らしいということみたいだけどね。
治療を断る基準を持っている高須クリニック
美容医療で一番のお客さんは、実は精神面で問題を抱えている人たちだそうだ。まあ想像はつくけど、テレビなどにたまに整形を繰り返す人が出てくる。そういう人たちは、身体醜形障害というらしい。特別な病名をつけなくても、依存症なんだろうなという気がするけど、多くの場合、背景に精神科疾患があるらしい。
そういうクライアントの場合、全身の整形を繰り返す。歯止めになるのは、お金を持っているかどうか。
つまりお金を持っていれば、その病院のヘビーユーザーになってくれる人たちだ。
こういうヘビーユーザーを抱え込むのは、何科の病院でもある。自治体によって違うけど、医療費を払わなくていい人たちは、頻繁に病院を訪れる。医者としては治療なんて必要ないとわかっていても、健康保険から支払われるので、断ることはまずない。いいお客さんだ。
美容外科や美容皮膚科などの場合、美容になると保険はきかないので、他の医療分野のようなお客さんを抱え込むことはできない。そうなるとなおさら、精神科疾患を抱えている人を抱え込もうとするモチベーションが働く。
しかしヘビーユーザーになってくれて儲かったとしても、問題が起こる可能性も高い。わかりやすく言えば、マイケル・ジャクソンがクライアントになった。そりゃあ儲かるけれども、それば真っ当なのかどうか、倫理的にどうなのか。マイケル・ジャクソンが死んだのは、実質的に薬物による自殺でしょう。
それに近い問題が、日本でもあちこちで起こってる。それを防ぐためには、医療機関として、しっかりした倫理観を持っていて断る基準を持っているかどうか。すべての医療機関が身体醜形障害を持っていると判断したクライアントの美容外科手術を断れば、もしかすると精神科疾患は悪化しないかもしれない。
このあたり専門家じゃないので確かじゃないけど、依存症はその依存する種を断たないと改善しないはずだ。
こういう精神科疾患を抱えていそうなクライアントに対して、高須クリニックは断る基準を持っているという。私が聞いたところでは、高須クリニック以外の美容外科ではっきりと断るケースはまずないそうだ。
精神医療というのは、血液検査とか脳波とかの検査で、この数値が病気に域に入ってると判断するわけじゃない。質問して、何問以上当てはまるから◯◯病だと判断するだけだ。
わかりやすい例だと、うつ病というのは、製薬会社が判定するための問診のチャートを作った。それを作って以降、うつ病が急増して、薬が処方される。薬を服用すると、うつじゃなかった人も本物のうつ病になるという。
そんなだから、美容外科が問診でヤバそうだとわかっても、どれだけ断るモチベーションが働くかどうか。だってすべての医療機関は、よほど倫理的じゃない限り、病気じゃない人を問診から病気にしちゃっているんだから。
だから断る基準を持っている高須クリニックは、とても倫理的。業界内では広く知られているそうだし、医療機関全体の中でも良心的なんだろうと思う。
大西議員は美容業界怪しいじゃないかと思ったんだろうけど、それは間違いなく正解。だけど業界を健全化の方向に牽引している高須クリニックを、悪徳だと印象付けたのは悪質どころか、悪徳なところを利するだけだ。
高須院長が激怒するのも、当たり前。
手術の下手な外科医がなだれ込むという美容外科業界
手術って、何も大手術ばかりじゃない。眼科でものもらいを切って、膿を出すのも手術だ。ところが、どんどん手術をする街の眼科が減っているんじゃないかと思う。それは保険の点数と設備投資や手間のバランスが釣り合わないとか、あるいは医療事故などのリスクの問題があるのかもしれない。それよりはコンタクトの処方をやっている方が儲かるだろう。検査してるのは、多くがコンタクトレンズメーカーから派遣された人たちだ。
美容外科医は、手術ができなきゃ務まらない。ところが急増する美容外科医がどこから来ているかというと、外科医や外科志望者が、自分の手術の腕だと通用しないと判断してなのかどうか、実質的に手術下手が大勢美容外科医になっているという。
外科というのは広いジャンルね。腹部・消化器系を扱う一般外科、内分泌外科、脳神経外科、整形外科、口腔外科とか。美容外科というのは、たとえば事故なんかで顔や体の表面に損傷受けたのを治癒とか再建する形成外科の一分野ね。
手術というのは、もっぱら大病院がやっていているはず。大病院ならそこで手術が下手だと弾き出されてしまうはずだ。手術が下手だというのは、単純に手先が不器用ということもあるだろう。どれだけ、勉強して実習したところで、不器用な人は不器用だ。料理だって味ならレシピ通りにできても盛り付け飾り付けなんかは、センスと手先の器用さが求められる。美術教室や美大予備校でデッサンをどれだけやったとしても、下手な人は下手だ。
じゃあそんな下手な人たちがどうして美容外科ならやれるかというと、どうしてなんだろう。命に関わらないとか、保険を使わないから表沙汰にならないとか、いろいろ想像できるけど、なんともわからない。まあだけど、美容外科が急増するとともに、表沙汰になっている事故も急増しているらしい。
美容外科だと簡単な部類に入るはずの二重まぶたなんかでも、抜糸したあとの糸が残っているとか、そんなミスとさえ言えないミスも少なくないらしい。
ところが高須クリニックは、ここでもちゃんとしてるそうだ。実績のある医師しか採用しないらしい。マニュアル化して、新米医師でもやれるようにして拡大しようとする方法はやっていないそうよ。
高須院長は新しい美容形成技術をいくつも開発、指導者として世界各国から招聘されているのも事実だそうですよ。なんでも韓国で美容整形ブームが起こったのも、高須院長が指導したからとか。
CMのテキトーな印象とは違って、だんぜんちゃんとしてるのが高須クリニックだそうです。
大西議員はバカだよね。あまりオープンになってないはずだけど、こんなこと業界をちょっと調べればわかるはずなのに。
マイケルはきっと、身体醜形障害だけじゃない。何にでも完璧を求めたら、そりゃあ生きてられないわ。
でもそういう人だからこそ、こういうMVを作れたのよね。素晴らしい曲。
今日のBGM446【 Michael Jackson - Black or White】
昼間だって超満員になるときだってあるし、痴漢冤罪から逃れる方法なんてあるんだろうか
15日の夜、帰ろうと駅に行ったら掲示板に「田園都市線青葉台駅で人身事故があり、折り返し運転をしている」との情報が流れてた。人身事故や何かのトラブルで電車が遅れると、JRや私鉄、東京メトロを問わず表示される。毎日のように、どこかで遅延や運休が起こってる。
またかよ、大変だなと思っていたら、翌朝のテレビで詳しくやっていて、かなり驚いた。
痴漢を疑われた男性が、ホームに飛び降り、電車にひかれたというもの。その女性の証言は、
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腰のあたりをごそごそ触られていたような感覚がしたので
振り返えると男性が立っていた。
男性が「すみません」と言って逃げようとしたので痴漢だと思い、乗り合わせていた男性と捕まえた。
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というもの。
いやぁあ、それ痴漢じゃないんじゃない。これが本当に女性の証言で、そのままなら、どうにも腑に落ちない。カバンとか肘が当たって、振り返られたから「すみません」って言っただけじゃないの。そりゃあ真相は分からないけど、本当に痴漢だったとして、腰触られたぐらいで駅員に突き出すだろうか。
この女性が被害にあったのならどうこう言われる筋合いじゃないだろうけど、疑いをかけられた相手は(実質的に)即座に自殺してしまってる。
明らかにワザと触ってれば別だけど、「触られていたような感覚」ぐらいでって思ってしまう。私は昨日の帰り、電車の中で腰をさわさわされてたので何だよと思って後ろ見たら、女の人がスマホいじってて、その腕が当たってた。
いろんな弁護士が、駅員室に連れて行かれたらそれは逮捕だと言ってるじゃない。どうして駅員室なら逮捕になる?
これが駅じゃない場所でなら、警察官に「腰のあたりをごそごそ触られていたような感覚」「すみませんと言って逃げようとしたので痴漢だと思いました」と女性が言ったら、交番や警察署に連れて行かれて取り調べされても、それは逮捕じゃないでしょう。仕組みがおかしいんだけど、法律で過剰に女性を守らなきゃいけないものなんだろうか。
とっとと全車両に監視カメラを付けろよ、と思う。そもそも痴漢を撲滅しなきゃ解決しないんだから、そうしないのはどうしてだ。
時差出勤すればいい、勤務時間をシフト制にすればいいとか、その手の意見は、こういうトラブルで遅延や不通になると、昼間でもいつでも超満員になることを知らない人の戯言。
女性は自分が加害者になるとか、夢にも思っていない?
私なんて、どれぐらいだろう。10年以上前だか、電車での痴漢えん罪事件が話題になり、大阪で美人局的な事件が起こったり、中央線で音漏れを注意した老人が「この人チカン!」と言われたとか、そんなニュースが出始めてから、年齢を問わず女性からは離れようとする。
満員電車では、できるだけ荷物を網棚にあげ、つり革を掴むなりして両手を挙げてるようにしてる。今だって、観察してれば鮨詰め状態まで行かない満員電車だと、女性の周りはゆったりとしていても、おっさんたちの周囲はぎゅうぎゅうになっていることが分かるだろう。ボーっとしたおっさんもいるけどね。今回の事件で思わずツイートしたけど、なんだこいつ。女性の後ろにいて手も挙げず、ボーっとしてると思ったら、TMPD(警視庁)と書かれたストラップを下げてた。自分は痴漢の疑いなんてかけられるはずがないと思ってるなかには、こういう人もいる。冗談みたいだけど。
普通そうしないのは、学生とか若者だけだ。実態は、そんなところじゃないんだろうか。
都市部ならではの異常な光景。
それに気がついてる女性は、どれぐらいいるだろう。
前にも書いたけど、満員じゃない電車でもハイヒールの女性がいると逃げるようにしてる。多くの女性は、自分が加害者になるなんて、夢にも思ってないし、感じてもいないのかもしれない。たぶん何かしても、大して悪いとも思っていないのかもしれない。だって、男でしょう。私は、か弱い女性なんだから、みたいな。
腰どころか、女の人から脇を肩からかけたバッグでグリグリされたり、尻を荷物でサワサワされたりなんて何度もある。こういうとき、私が「チカン!」と叫んで、腕を掴んでホームに降ろしたらどうなるんだろう。
こっちがヘンタイ扱いされるわ(笑)
起訴されると99.9%が有罪。やってないと言っている否認事件に限っても、99.5%が有罪になるという異常な日本。要するに警察も検察も裁判所も、まともな仕事をしていないし、もし間違っていたと気づいても認めないんだろう。
ましてや痴漢に関する捜査なんて、まともになってないじゃないのと思える。下の事件なんて、これが本当なら警察は記録さえまともに残してないんじゃないのかと疑ってしまう。
自殺した痴漢冤罪青年による110番通報の謎 目撃者、続々現れる
森友学園問題みたいに隠蔽するためじゃなく、警察の中では痴漢犯罪なんてどうでもいいわ、評価点にならないし、ぐらいの扱いなんじゃないだろうか。
だいたい自殺した青年に暴行した大学生たちは、逮捕どころか見つかってもいないじゃない。新宿駅構内なら、けっこう以前から防犯カメラあるんじゃないの。
かといって痴漢にはどんなタイプの男だっていて、執拗らしい
社会人になりたてのころ、通勤電車で乗り換えようとホームに降りたら、閉まるドアの向こうから女性の尻をつかんでいるおっさんを見た。いや、おっさんというより、紳士然とした人だった。こんな人が痴漢するのかとあまりに意外で驚いて、帰宅して奥さんに話したらそんなの意外でもなんでもない。痴漢するのは、あらゆるタイプがいるからと言う。え!? その言い方からしたら、もし俺が痴漢してても驚かないのかと聞いてみた。すると、驚かないという返事。
私には、けっこう衝撃的な言葉だった。だってそのころは、新婚ホヤホヤ。今なら冷めた口調で言われても、まだ分かるけど(笑)
特にうちの奥さんが疑り深いとか、男性不振ということはぜんぜんない。実際に通勤電車に乗っていると、それぐらい多いと言っていた。
最近もこんな話を聞いた。
道場で、大学1年生の女の子に連行法のやり方を教えていたときのこと。連行法というのは手首を鎌首のようにさせて激痛を与える技なんだけど、「これやったら連行できますか?」と聞かれた。
え、連行する!? いやいや、やっちゃダメと即座に答えた。稽古ではあまりに痛いから一瞬で離すけど、連行しようと抑え続けて激痛が続いたら、誰だって必死に暴れまくる。自分の方が相手より体重があればいいけど、相手の方が大きかったら弾き飛ばされる。私だったら、飛んで膝蹴りというか体当たりして振りほどく。万が一使うことがあれば一瞬だけ激痛与えて、戦意喪失させて逃げるぐらいかもね。と答えた。
なんで連行したいの?と聞くと、こういうことだった。その子は高校生のとき電車通学。同じ女子校の電車で通う子たちは、電車内でカバンを使ったりして痴漢をかわす方法を共有してる。それでもかわしきれないしつこい奴もいて、そんなときは電車を降りる。
ところが常習犯はそんなことも知っていて、降りると遅刻してしまうギリギリの電車に乗っている子を狙うんだそうだ。
なるほどなぁ。卑劣なことする奴は、用意周到なんだな。そういう奴を連行したいわけか。死んでも離さないつもりで指取りすれば、出来るかもしれないけど。いやでもそれなら、証拠にならなくてもスマホで自撮りモードでそいつの顔を撮ったり、大声で「この人チカンです!」と叫ぶとかすればいいんじゃない。痴漢していることが周囲に知られたら、自分から逃げ出すと思うよ。と答えた。
なんたって日本は恥の文化なんだから。
あっ、そうか、恥の意識が強いから、えん罪でも逃げ出しちゃうわけか。
やっぱり自衛は難しそうだわ。監視カメラを全車両に複数つけるか、女性専用車両を大幅に増やして終日運転してもらうしか、痴漢をなくしたり、えん罪を防ぐ方法はなさそうよ。
やってないなら、こうするのがベストなんじゃないと思えるツイートがあった。
今日の人身事故も痴漢とか痴漢冤罪とかが原因のようなのですが、今朝私の乗ってと電車でも騒ぎがありました。
— ラピス (@lapis1127) 2017年5月15日
ヒステリックな声で怒鳴る女性。
「この痴漢!降りなさいよっ!」
「違います」
「ふざけんじゃないわよ!痴漢!」
「ふざけてるのはそちらじゃないですか。」
続きます。
続き)男性は落ち着いて、
— ラピス (@lapis1127) 2017年5月15日
「左手はつり革を掴んで、右手はスマホをいじってる。どうやったら貴女の下半身を触れるのか、論理的に証明できますか。」
「私にも家族や会社がある。貴女の一時の錯乱でそれを無にする訳にはいかない。貴女が痴漢で訴えるなら私は名誉毀損で訴えるつもりです。」
続き)ずっと痴漢!と連呼していた女性でしたが、名誉毀損で訴える、の言葉で沈黙してしまいました。
— ラピス (@lapis1127) 2017年5月15日
車内も沈黙…
今朝の一件ではほんとに痴漢があったのか無かったのかはわかりませんが、冤罪から逃れるために線路に逃げる以外の道が拓けるといいですね。
長文投下失礼いたしました。
今日のBGM445【 Vitalic - Use It Or Lose It ft. Mark Kerrr】
松岡正剛×水カン・コムアイが、お互いの仕事場で対談した[SWITCHインタビュー]をやっと見た
4月15日の深夜、NHK「SWITCHインタビュー 達人達」で、松岡正剛と水曜日のカンパネラのコムアイが対談した。
私は放送終了後にツイッターで知ったんだけど、なに!? 松岡正剛とコムアイだと!! そんな面白そうな番組があっただなんて。
再放送を録画してみたんだけど、いやいや面白かった。私はふたりとも好きだ。松岡正剛さんには学生時代からずっと影響されてるし、水曜日のカンパネラはメジャーデビューアルバム「SUPERMAN」をけっこう聴きまくってる。
あ、買うならCDを。アルバムの形状からして意表をついてます。
水曜日のカンパネラやこの「SUPERMAN」のことは前に書いたけど、アーティストとしてのコムアイについてほとんど触れてなかった。番組を見て、コムアイさんの目指すところが伝わってきて、さらに興味が膨らんだ。
セイゴオもコムアイも、以前からお互いに興味を持っていた
松岡正剛事務所が運営するサイト・セイゴオちゃんねるには、こう書いてある。
2人の初対面は2015年に行われた舞台「影向」(出演:松岡正剛・田中泯・宮沢りえ・石原りん)をコムアイさんが観覧したときのこと。互いに気にしあっていた時期を経て、とうとうこの対談が実現しました。
へー、そんな舞台があったんだ。濃いな。
番組では、こんな風に気にしあいぶりが語られた。
松岡正剛さんは、「陽水、桑田、中島みゆき、ユーミンが持っていた何かが 感じられなくなった」「 がっかりしていた何かを、この人は払拭するかな」「2年目かのときになんかピンときましたよ。YouTubeで見てました」みたいなことを言っていて。
一方、コムアイさんはデビュー前、東京駅の丸善内にあった松岡正剛が編集した売り場・松丸本舗まで、トークショーを聞きに行っていたという。
マジか。コムアイさんがいくつのときだよ。と驚いた。高校生だとしたら、ずいぶんと早熟というか、老けたJKだ。だって松岡正剛ファンなんて、おっさんばっかり。
私は松岡正剛ファンだけど、今までファンだという人ととしゃべると、必ずといっていいくらい、ガッカリした。「松岡正剛がこう言った」というばかりで、で、あなたはどう思ったの? どうしたの?というところがまったくない。
知の巨人を崇拝する私は、すごいっしょ。という信者ばかり。
それがコムアイさんには、まったくなさそうなところにも驚いた。松岡正剛のことを知っていて、それで臆するところがなく、対等に語っている。
ちなみに今回語られた「陽水、桑田、中島みゆき、ユーミンが持っていた何かが 感じられなくなった」というところに、私はかなり違和感を持った。深さみたいなざっくりしたことなら理解できるけど、この巨匠たちとの流れとは、ぜんぜん違うだろう。
井上陽水、中島みゆき、ユーミンは、聴くとその風景が浮かんできてしまう曲が多いけれども、それでもかなり違う。
陽水が「夏がすぎ 夢あざみ 誰のあこがれにさまよう 青空に残された 私のこころは夏模様」と唄うと、なんかよくわからないけど、昔むかしのどこかの田舎ののどかな風景が浮かんできてしまう。
中島みゆきが「夜明け間際の吉野家では 化粧のハゲかけたシティガールと ベイビィフェイスの狼たち 肘をついて眠る」と唄いだすと、昔むかしの新宿の大ガード近くの吉野家が見えてくる。吉野家があったかどうか知りませんけど(笑)
このふたりは情景描写が心象風景になってる。
ユーミンは情景描写が主だけれども、女性ならでは心象の物語。桑田佳祐は、意味の解体だろうか。いずれにせよ、コムアイとはかなり違う。シンガーソングライターでもないし。
逢魔が時のような異界の扉を開けたいというコムアイ
水カンの曲名は、歴史上の偉人とか有名人が多いけど、それはコムアイさんが「ルールを作りたい」と考えたのだという。
「曲のタイトルを子供みたいに思ってもらえるというか感覚に名前をつけるとしたら、人の名前とか可愛がりやすい名前、 人格が立ち現れるものがいいなって」 それは尊敬の対象というよりマスコット的な扱いなんだそうだ。
確かに水曜日のカンパネラの歌詞は、誰もが知っている歴史上の有名人を持ってきて、そのパブリックイメージを解体している面白さがある。というところは、桑田さんに近いのかも。もっとも作詞作曲は、Kenmochi Hidefumiさんだけどね。
『マリーアントワネット』について、松岡正剛さんは「ラップのせいかもしれないけど速い。 フランス革命、マリーアントワネット、 お菓子を食べればいいじゃない まで行くのが数秒。 わかっててやってるのが面白い」という。
ラップは韻を踏むけれども、それは同じ音の繰り返しでリズムを生む。意味のつながりはあったりなかったりだけど、なくても伝わってくるイメージが面白ければいい。すると文脈がぶった切られて、意味が解体されていく。
水曜日のカンパネラの歌も、そういうことだろう。と思っていたら、松岡正剛さんが恐るべきことをおっしゃる。
「学生の頃、電車に乗ると車窓に風景が見えますよね。それを言葉にしようとすると 、有声言語との意識のスピードがずれてて追いつかない。それをエディットしようと思った」
おお、編集工学の目覚めは、こういうことだったのか。
「意識が持ってる次に行きたい速度を、上手く引っ張っている。 こういうアーティストがやっと出てきた 」
速度かぁ。速度なんてことはまったく考えなかった。
番組の中でコムアイさんから、聴く人を自由にしたいとか、安全なところじゃなくて異界の扉を開けたいというような話があった。
歌詞を書いているのはコムアイさんじゃないけど、歌詞は意味をぶった切る手段。もしかすると意識以上のスピードで唄い、お笑いだったり舞踏だったりを引用する縦横無尽なパフォーマンスで異界に連れて行こうとしているのか。
井上陽水以外の誰かが「少年時代」を歌っても、なかなか昔むかしの田舎ののどかな風景が現れてはこない。中島みゆき以外の誰かが「狼になりたい」をカバーしても、昔むかしの新宿の吉野家の店内は見えてこない。
歌詞だけではなく、それが歌い手の力量。歌唱力があるとか説得力があるとかじゃなく、VRのようにリアルに思える風景を見せてしまう特別な表現力。
確かにコムアイさんには、その能力があるな。歌手というより、パフォーマーとかアーティストと言った方がいいのかも。
「アラジン」のMVなんて、コマネチやヨロチクビまで使ってるもんな(笑)
今までの歌手やアーティストの文脈とはまったくちがう大物なのかもね。もしかすると表現者としては、田中泯が一番近いかもしれない。方向性としてはPOPな田中泯なのかもね。なんて思った。
Amazon - 意身伝心: コトバとカラダのお作法 田中泯×松岡正剛
転売とかせどりが、ここまで広がってるのはどうしてだろう
昼休みに、スニーカーを買いに行った。もうスーツ着て出社する日はとても少ないので、ほぼ毎日といっていいぐらいスニーカーだ。いわゆる革靴と違って、スニーカーの種類は膨大だ。セレクトショップで特注じゃない他でも扱っているスニーカーを売っているのは、膨大な数があるから逆に選べない、という人が多いのかもしれない。
私もありすぎて、どこでどう買えばいいのか迷ったり、なかなか選べない。会社近くのある靴メーカーの直営店に貼ってあるポスター見て、これ良さそうだと思ってた。それが1週間ほど前のこと。やっと買いに行けそうなタイミングができて店に入ると、黒はもう全サイズない。他の色も小さいのか大きいのかしか残ってない。連動して在庫状況がわかるようになっていて直営店はもちろん、公式オンラインショップでもない。ただネットで探せばありますけどね、とおっしゃる。
騒ぎにならないスニーカーまで、転売対象になるのはどうして?
え、それって転売ってことですか? と聞くと、そうだと。定価は1万円台前半だけど、2万円ぐらいで売ってるとおっしゃる。え、このブランドで転売だと!?
もちろん2017SSのシーズン商品だということは知ってるけど、まさか高値で転売できるとは。高く買う人がいるのがビックリだ。
結局、その店にあった他の夏向けスニーカーを買うことにして、会計しながら店員さんといろいろと転売の話をした。「売り切れたとなると、値上がりするんですよね」と店員さん。でも「オークションサイトで逆にダブついてるとなると、定価割れしたりするじゃないですか」と私。転売に詳しくないけど、それぐらいの話は知ってる。
だから「欲しいと思ってるお客さんじゃない人がいっぱい買いに来てるんでしょうね。だけどそれを見越してシーズン商品を作るわけにいかないし」みたいな話。
製造小売と言われるSPA(speciality store retailer of private label apparel)は、大概そうだ。ユニクロだって、シーズン向けのトレンド商品は売り切れても追加生産しないだろう。売り切れたら、1年先に向けて改良版を出す。そういう仕組みなんだと思う。
ほぼ、ドンと値上がりするのが確実なコラボ商品
ところでと、店員さんに聞いてみた。こないだSupremeとギャルソンのコラボTシャツとかが、騒動になってたじゃないですか。それが販売翌日には、すぐそこのユーズドショップのショーウインドウに出てましたよ。あれは転売目的の個人が売りに来てるんですか? と。
すると店員さん曰く「あれはたぶん店が××××で○○○してるんじゃないですか」と。そうか、そうかもしれないわ。Tシャツ1枚古着屋に転売したからって、大した利益になるわけじゃない。ヤフオクとかだと4万円の値がついてる。定価の3倍以上だ。
どうして知ってるかというと、ツイッターでヤフオクに誘導するツイートが流れてきたからだ。どんなTシャツかというと、こんなの。
Supreme にコムデギャルションSHIRTのロゴを重ねて、グシャッとしたようなデザインのプリントが入ってるだけ。それだけよ。これで4万出す?
いや、そもそも定価でも1万円オーバーだけど、Tシャツにそれだけお金かけるなんて、どれだけリッチなんだ。どう見ても、行列作っている人たちは、それほどのリッチに思えないんだけど。
でも世の中ハイブランドが軒並みダメだというのに、Supremeもギャルソンも、少なくとも限定ものやコラボものは絶好調みたい。
ギャルソンは、そもそも数を作らない。ひとつのデザインに対して、直営店に入るのは各サイズ1点ずつとか、そんなもんだ。だからファンは、その店で売れてしまえば、あとは残ってる店から取り寄せてもらうか、ネットで探すしかない。というケースも考えられる。
だけどコラボものは、世界的に膨大に出回ってるはずだから、本来はそれほど並んだり抽選したりしなくても、買えるはずじゃないの。
じゃあ誰が買ってるんだ。転売くんか?
ちなみにステッカーなら、アマゾンにも出てるのよね。
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ヤバいことになったiPhone6の発売
私が前から、こうなんじゃないのと思ってることがある。それはiPhone6の発売がティッピングポイントで、さらにはIT系を中心に企業が「転売、せどりは認知されたし、どんどん盛んになる。おおっぴらにやっても大丈夫だ。プラットフォーム作れば儲かる」と思ったんじゃないだろうか。
iPhoneの新しい機種が出ると、販売開始日はお祭り騒ぎが恒例だった。世界的に騒ぎの映像が出回ってた。
ところがiPhone6の発売以降、Appleストアは並ばせなくなった。世界各地でトラブルが発生したからだ。東京でも6の発売前日から、徹夜組の風景が一変した。これって浮浪者じゃないのと思える高齢者、しかもどうも中国人らしく日本人のように静かに座っていない。
商店街などから猛烈な抗議を受けたAppleストアは、6s以降並ばせないことに決めたみたいだ。
なぜ中国人が大挙してやってきたかというと、中国では6の発売がまだだったのと、為替の関係で日本で買うのが最も安いということだったみたい。
simフリー版がどれほどの影響だったのか分からないけど、これが「せどり」が世界的に誰の目にも明らかになったできごと。へー、中国ではiPhoneが高く売れるんだと、世界中の人が知ってしまった。
為替差益だろうがなんだろうか、貿易の基本は安いところで買って来て、高いところに持って行くこと。それが並びさえすれば、何万円も手に入るということが分かってしまった。
ファッションなら、なおさらそう。並行輸入なんていうのは、要するにせどりだ。クルマの並行輸入なら売りっぱなしですまないけど、ファッションならぜんぜん簡単だ。
業としてやっている人たちだって、今はどんなに大きくても、きっかけはファンだったこと。ファンとまで行かなくても、そのジャンルの好き者だったはず。
転売に目覚めてしまったファンたち
業として始めなくたって行列するようなブランドなら、ファンはすぐ高く転売されてるのを知ってしまう。
今まで着ていたものを中古ショップに売るなら、どのタイミングで売れば高いかだって、情報として知ってしまう。
どうせ売るなら、高いうちに売って次のを買おうと考えるのも自然だし、行列したりオンラインの抽選で必要以上に買えることになったら有利な転売方法を探しても、当たり前だろう。というか、定価の何倍ででも買う人がいくらでもいることを知ってしまった。
28日の金曜日、代々木公園には?と思う人たちが午前中から集まっていた。午後には、とんでもないことになってたらしい。
このツイートを見ると、いったい何百人が集まってたのか。
Supreme渋谷
— 萩 原 優 星 (@osb__bot) 2017年4月28日
Supreme身につけてる人のみ選ばれて打ち切り
まさかのドレスコード
抽選とか並びとか以前の問題w pic.twitter.com/nLGUuB0roj
ツイートによると、ドレスコードでまず選別したようだけど、それでもとんでもない人数が残るように思える。
ブランド側としてはドレスコードで選別するのは当たり前の対応だと思えるけど、着てるからって転売しないとは限らない。
転売屋とファンを区切るラインは、はっきりしない。
転売屋に腹がたつと言っている人だって、転売でこずかいを稼ぎ始めるかもしれない。
買えて着たからといって、すぐ売ってしまう可能性だってある。若者になればなるほど、ファッションに興味があればあるほど、着潰す可能性は少ないのかもしれない。並んで買って、インスタにあげたらすぐに売りに行くなんて人だって、どんどん増えているかもしれない。
そして、昔アルビン・トフラーが言ったプロシューマー(生産消費者)じゃないけれども、ファンと転売屋はどんどん重なってきたんじゃないという気がする。
それもこれも、簡単に売れる仕組みがあるからだ。古着屋がどんどん増えたどころか、売買がカンタンなオークションサイトがいくらでも登場してくる。
社会問題化しないと対応しないと決めているオークションサイト
いまメルカリで、現金を額面以上の金額で売っている。それを禁止したら、チャージ済みのSuicaやPASMOが出展されたとか、領収書を売っているなんてことが問題になってるけど、やばい売買が行われることなんて、オークションサイトは重々承知してる。
いままで問題がどれだけ出てもヤフオクは、「場所を提供しているだけ」というスタンスだったじゃないの。
オークションサイトでは、転売なんてこと、盗品の売買や詐欺に比べたら、問題ですらないと考えているはずだ。
定価なんてことは、どんどん意味がなくなるはず
企業から消費者へモノを売るBtoCから、消費者同士が売買するCtoCがどんどん盛んになる一方だ。CtoCなら、どんな値段が付いたっておかしくない。逆に言えば、オークションサイトに出して定価以上で転売できない商品は、定価だってどんどん安くなっていくはずだ。
クルマを所有するなんてアホだ。必要なときはシェアカーやレンタカーで十分という人が増えている。増えれば増えるほど、中古車市場でも高い値がつくステータスカー以外は、どんどん安くなるはず。
ところがクルマとか住宅とかが急激に値崩れしないのは、専門の業者が複雑に絡み合って、価格を相場としてそれなりに維持しているからだ。複雑な流通だってどんどん崩れているけれども、日本ではなかなかカンタンには崩れない。
その一方で誰も維持しようとしない消費者同士が売買するような商品は、どれだけ価格が乱高下しても不思議じゃない。
消費者が手軽に転売に参入しているのだから、むちゃくちゃになるのは当然だ。
カンタンに売買できるプラットフォームは増えていく一方だから、どれだけ嫌がっても、転売も増える一方なのは間違いないんじゃないのと。
今日のBGM444【 Pitbull - Bad Man ft. Robin Thicke, Joe Perry, Travis Barker】
音楽方面もコラボ花盛り。ピットブルのニューアルバムは、ゲストだらけ。この曲Bad Manは、ロビン・シックは当たり前にしても、トラヴィス・バーカー、ジョー・ペリーまで参加してる。
なんでジョー・ペリーが? とは思うけど、ゲストだらけはなんか豪華。聴いてみると、トラヴィス・バーカーとジョー・ペリーの組み合わせはすごくいい。コラボの予期せぬ化学反応か?
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つるんと、日本からヒゲが消えていく?
私、ちょっと前に、ヒゲのレーザー脱毛をしました(笑)
いやいや、あのその私はそんなことしたくない。あ、それで今もヒゲはしっかりあるし、ヒゲ剃りはめんどくさいけど、なくしたいなんていう気持ちはまったくない。
それなのになんでレーザー脱毛をしたかというと、知り合いの皮膚科医から練習台になってくれと頼まれて。そこの皮膚科では前からレーザー脱毛をやってるけれども、このところ男性のヒゲの脱毛が増えてきて、ヒゲをやれる看護師さん?を増やさなきゃいけない。
脇とか脚とか腕とかに比べて、男性のヒゲは難しいんだそうだ。しかも他の部位に比べて痛いそうで、練習させてくれと頼める人が少ないと。
え、痛いんかい!? んー、それはヤだ。痛いの、キライ(笑)
だったらさ、実際に脱毛に来た患者に、タダにしますから、ヘタかもしれませんけどやらせてくださいと頼めばどう? と聞いてみたら、それはいろいろな理由でできないんだそうだ。関係の貸し借りの中で、まあしょうがないかと、やるのはアゴ下だけという条件で引き受けることにした。
この先生とは石原都知事の時代に、「石原さんのあの顔、あれはフォトフェイシャル頻繁にやってるはず。この政治家はリフティング 」とか教えてくれたりするような関係だ。純粋な医者の立場からは、普通断言できない世間話。
男性のヒゲ脱毛は、美容目的も多いけれども、ヒゲ剃りで出血するからヒゲをなくしたいという人もいるんだそうだ。
なるほど、ヒゲの脱毛は大変だわ
まず先生の肌の状態の診察から始まる。傷とかデキモノがないか、だろうか。
そして診察室から出て、専用の部屋に入り、ベットに寝る。看護師さんなのか専門のオペレーターなのか知らないけど、ヒゲ未経験の施術する人と経験者らしき人のふたり。
ベットが上げられ、ジェルみたいなのが塗られる。当てられる機器の先端は小さい。そこからレーザーが出るなら当たり前だけど、想像よりは大きい。出ているところはもちろん見えないし、始まる前に見上げただけだから、いまいち大きさがよくわからない。それでもこれで毛根の一本一本に当てていくんだそうだ。そりゃ、施術者はしんどい。
やりはじめると、バチッという音とともに、みょーな臭いがしてくる。焦げ臭いというのとは、ちょっと違うような。痛みは、痛いんだけれども、想像してたより痛くない。ただ経験者らしき指導している人からは、「痛みに強いですね」と言われた。レーザーを打つたびに、ピク ピクッとカラダが反応する人が多いそう。
そうです。私、痛みには強い方です。
やっていると、ヒゲが難しいというのはわかる。私はアゴ下しかやってないけど、中でもアゴ下が一番難しいはず。だって複雑にカーブしてて、そこにまっすぐ当てなきゃいけないそうだ。
ヘッドが動くシェーバーでも、アゴ下を剃り残さないようにするには、本体をいろんな角度にしなきゃいけない。あれより角度調整が難しくて、細かい操作が必要なわけだから。しかも他の部位とちがって、皮膚が張ってない。
おいおい、この太いヒゲはなんだよ!
実際にレーザー打たれてたのは、1時間ぐらいか。途中も打ち終わったところは冷やされてたけど、ぜんぶ終わってからも、冷やされてた。
そこに先生が入って来て、チェックして、ああー大丈夫ですねと言う。そしてさらに「じゃあ、あと5回やりますか」と続けた。え? 5回? 何それ?
「最低5回はやらないと、完全に脱毛できないですよ」とこともなげにおっしゃる。いやいやいやいや、私、無くしたいわけじゃないから。(なに言ってんの、おっさん。聞いてないし。サービスのつもりかよ。逆だ逆)と声を出さずに(笑)
やるたびに細くはなっていくけれども、毛根やその周辺組織が完全にはなくならない。なくすためには個人差があり、最低でも5回施術が必要だと。カンタンに言えばヤケドだから、医者としては1ヶ月ぐらい開けて繰り返すのを勧めるそうだ。
あー、ね。ぜんぜんぜんぜん、私はそんなつもりないですから(笑)
施術の話が終わって世間話してたら、鏡を見せられた。見てビックリ。ところどころ、太いヒゲが出てるじゃん!?
聞くとそれは、要するに根元の方が出てくるところがあるということらしい。へー、そうなんですねぇ〜(なに言ってんだよ、こら。そんなこと、聞いてないし)
「マスクされますか? マスクして帰る人も多いですけど、アゴの下だから目立たないでしょ」と言う。ま、まぁ、目立つというほどでもないか。
正確にいうと、太いヒゲが出ているわけじゃない。にきびのようにちょっと盛り上がり、黒い部分が大きいという感じだ。触ると、確かにぶつぶつしてる。
しかも、そういう状態は1ヶ月ぐらい続いた(笑)
日本の若者と有名人からヒゲが消えていく
だけどさ、そんな風に黒くなるところがあるなら、一般人はともかく、芸能人とかだと顔のレーザー脱毛できないじゃん。
そのことを聞くと、芸能人はフォトフェイシャルなどを頻繁にやってるから、つるんとしてるんだそうだ。脱毛としてフォトフェイシャルをやるなら、レーザー脱毛よりはるかに回数が必要で、高額な費用になるそう。それでも繰り返していれば、毛穴がなくなっていくそうだ。毛穴がないって、Photoshopのおかげだよと思ってたけど、本当になくなっちゃうわけね。
だけど、ヒゲ生やしてる芸能人だっているよね。鼻の下とアゴだけとか。
そういう人は、フォトフェイシャルみたいなのとレーザー脱毛とを併用してるんじゃないかということだった。生やしてるところ以外は、つるんとしてると。
普通の人だって、アゴ下とか頬だけ完全になくしたいとか、ヒゲを細くしたいという人は多いですよ。やりますか?とおっしゃる。いやいやいや、やらないです。そんなことするおっさんいないでしょと言うと、これがそこそこいるんだそうだ。なんて、涙ぐましい努力(笑)
そんなことを聞いて以来、私はWBCのニュースを見ていても、あれ? この選手ヒゲ生やしてるけどつるんとしてるっぽい。やってるんじゃないと気になってしょうがない(笑)
若者は、こんなのも使ってるらしい。つるんとね(笑)
むさいおっさんは、ダメっすか
今日のBGM443【 KEMURI - PMA (Positive Mental Attitude)】
そういえばパーソナルロボットPepperはどうして[僕]なのか?
ネットメディアFuzeに『「女性秘書はロボットだから」に潜む人間の危険性』という記事が出ていて、なるほどなと考えさせられた。
AIといえばAI、ロボットといえばロボットだけど、正確には音声アシスト機能と言った方がいいんじゃないだろうか。「Hey Siri」とか「OK Google」とか言うと、スマホが検索したりして答えてくれるというあれだ。
上の記事では、それらは声で性別を与えられているという。
どうしてアシスタントは女性の声じゃなきゃいけないのか
記事の書き出しには、こうある。
「Siri」、「Alexa」、「Cortana」、「Google Home」。我々は、人工知能(AI)に性別を与えてきた。それは声だ。アシスタントとしてユーザーの言う事を何でも聞く、これらのロボットプログラムに女性という性別が与えられたことは偶然ではない。
そして、女性の性別が与えられたのは、「男女共に、一般的に女性の声を好むことが多くの研究で証明されている」からだという。端的にいえば、理由がどうあれ、その方が売れるということ。
そして、生身の女性と違い、セクハラを言ったところで傷つかない。反論しないから、少なからずユーザーが性的な発言をするのだという。
なに、反論しないの?
性的なコメントには、概ね丁寧かつ回避的な対応が見られるという。セクハラに対し、女声アシスタントは比較的従順に振る舞うようプログラムされていて、怒らないのだと。唯一、記事の中ではWindows10のコルタナは怒るとなっていますが、もともとコルタナのはキツいキャラ設定のようです。
Cortana日本語版がWindows 10 Build 10532で爆誕!“さん付け”しないとダメ!?
しかしユーザーは、それほどセクハラ発言をするものなんだろうか
コルタナとは対照的に、同じマイクロソフトの作ったチャットボット「Tay」は、ユーザーにヘイト発言を教え込まれ、人種差別的な発言を繰り返し、謝罪することになった。
どういうプログラムだったのか不明だけど製作側の不備と同時に、ネットの海に放り出したら、生身の人間相手以上にダークサイドが働いてしまうのは間違いない証明みたいなもの。
ってことは、誰にも知られないところでの発言なら、セクハラだってヒドイもんだろうと想像はできる。もっとSiriとの会話だって、ぜんぶAppleに送られているというから統計的なチェックはされている。あまりにセクハラとかヘイト的なことをいうユーザーが多ければ、プログラムが変更される可能性はある。
あるけれども、多くのユーザーが女性声が好きで、比較的従順な対応を望むなら、あんまり変わらないだろう。
でもFuzeの記事を読みながら、あれ、そういえば、音声アシスタントじゃなく、一般に市販されている動くロボットPepperは、中性的な見た目と声だけど「僕」って言ってるじゃん。
ソフトバンクロボティクスの部長は、こう言っている。
ちなみに、ロボットなので性別は設定していません。ただ、なんとなく男の子のような雰囲気を感じるとは思います。「Pepper」は自分のことを、「僕は」って言いますからね。
ロボットと共に暮らす毎日を実現 最新技術やこだわりが詰まった「Pepper」
設計段階から、Pepperは性的なアプローチを回避していた?
Pepperはあちこちで見かけるけど、会話したことはない。「僕」と言っている記録はないだろうかと探してみたら、カンタンに見つかった。
2014年6月のロボット事業参入の発表会見で、孫社長とPepperの会話全文が書き起こされている。
【全文】ソフトバンクの新型ロボット「pepper」と孫正義氏の掛け合いが「コントっぽい」と話題に
なんども僕と言っている。ロボットとしては珍しく「男」だ。
コントっぽいのは、当初のプログラムに孫社長がダメ出しをし、よしもとで会話を学ばせたはずだけど、どこで見かけたのか、見つからない。よしもとで学ばせたことだけはソフトバンクのプレスリリースに書いてあった。
吉本興業グループの株式会社よしもとロボット研究所の協力により、お笑いやダンスなど多彩なエンターテインメントで人々を楽しませる機能も充実しています。今後の一般販売に向けては、人との日々のコミュニケーションを通じて学習し、成長していく機能も実装する予定です。
ソフトバンクモバイルとアルデバラン、世界初の感情認識パーソナルロボット「Pepper」を発表
リリースを読んでいると、何かの役に立つアシスタントという位置づけよりも、面白い友だち的存在になるのが狙いっぽいと思えてくる。
それだけじゃない。
Pepperを販売するソフトバンクのユーザー規約には、Pepperを「性行為やわいせつな行為を目的に使用することを禁止する」と明記されているそう。
いや性行為って、そりゃあまあまあ、いろんな性癖の人がいるだろうから、想定できなくはなくもない。だけどユーザー規約で禁止するほど、なにか恐れがあるんだろうか。
この2015年のWiredの記事には、こうも書いてある。
9月には、ロボット倫理の専門家たちにより、ロボットへの性行為の全面禁止を呼びかけるキャンペーンが開始された。このキャンペーンの創始者たちは、セックスロボットの開発により「女性と子どもをモノとみなす傾向が助長」され、「女性と子どもが劣った存在であるという認識」が強まるので禁止しなければならないと主張している。
ってことは、ロボット関連の専門家なら、知ってるわけじゃん。あらかじめこういう問題が出てきそうだということを。
たしかにロボットやAIのずっと以前から、「人間は休むし文句を言うけど、機械は24時間稼動できるし文句も言わない」と言われてるよね。
シンギュラリティとか人間の職業が奪われるという機械との競争より、人間に近いロボットやAIが当たり前のものになるにつれ、人間性がないがしろにされる産業社会の到来を心配しなきゃいけないのかもね。
今日のBGM442【 WORLD ORDER - SINGULARITY】
ワールドオーダーのシンギュラリティは、やたらと明るいけど