不透明なチカラですが、なにか?

テーマはいろいろ。というか絞れません。2013年7月以前は他のブログサービスからインポートしたので、リンクや画像等がなくなってるかもしれません。

朝まで行きます

3月11日の夜の10時過ぎに、mixiで書いた日記。
mixiはもう退会してるんですが。

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全員とっとと帰ろうということで、私は6時前に埼玉方面に帰る女の子ふたりを渋谷駅まで歩いて連れてって、池袋行きのバス停に並ばせた。飲み物と食べ物を買いにFoodshowに行ったら、地下街が大変なことになってた。もう難民キャンプ状態みたいな。帰るのをあきらめた人たちが地下にいる。
飲み物をふたりに渡して、さあ横浜方面に行くバスをどうやって乗り継ごうかと考えたんだけど、あまりの人の数。3時間待ちぐらいだよなぁと思って、道路に目をやると246の下りがまったく動いてない。そういや、明治通りも新宿方面はまったく動いてないような状況だ。
こりゃあ、ダメだと思って、ふたりにメールしながら会社に戻った。

そしたらついさっき、そのひとりから、まだバス停に並んでますというメール。え〜、4時間近いじゃん。会社に戻ってくればとメールしたけど、なんとか行けるとこまで行くそうだ。けっこう無謀な気がするけどなぁ。会社、快適なのに。
っていうより、冷え込みの中で何時間も待ったり、歩いたりするのは無謀でしょ。歩いて帰られてる方は、ホントにお気をつけ下さい。
もちろん被災地の方々は、もっと大変なんだけど。


そんなわけで私は会社にひとりいる。メトロの運行情報とか、ツイートしながら。
このまま朝まで行きますよぉ。たまに揺れる余震がコワいけどね(笑)


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という内容だった。でも実際は、この日に学んだことは、ものすごく多い。



まず、電話もケータイメールもダメだったのに、TwitterFacebookが生きていて、すごく助かったという話は多い。確かにTwitterは生きていた。
でも、はっきり言って、ほとんど役立たないツイートばかり。私のようにひとりで会社にいると、不謹慎だけど暇だったので、いろいろチェックしてると、TLは嘆きと心配と善意のデマで埋まっていた。もちろん、どういう人をフローしているかで違うだろうけど、ダイレクトメッセージの連絡以外では、あまり意味がない。

そんな中でも重要な情報はあった。私がフォローしてるのは、ほとんど武道系だけど、極真系の道場があちこちで、帰宅難民にトイレを開放したり、休憩場所として提供したりしていた。極真もいくつかの団体に別れているけど、それでもほとんどが常設道場。判断も早いし、素晴らしかった。
面白かったのは。「道場には普通の人よりは、力持ちがいます。力仕事なら、お役に立ちますよ。連絡ください」みたいなツイート。東京周辺でも家具が倒れたり、ドアが壊れたりみたいな話はけっこうあった。
実際に連絡があったかどうかは分からないけど、なんていう素晴らしい人たち。その心意気がね。
いろんな武道団体があるし、うちも義援金等を出してるけど、やっぱり困ってるその時に役立つというのが“実戦”だわね。


私はちょっとでも役立とうと、交通機関の運行状況を公式サイトで確認しながら、逐一ツイートしてた。深夜になって私鉄も運転再開したりね。
うちの、その渋谷でバスを待ってた女の子から、メールが来た。「副都心線が動き出したと言う人がいて、大勢そっちに行ったんですけど、本当ですか」と。サイトで見る限り、運転再開したという情報はなかった。でもふたりいるんだから、ひとりは残って、もうひとりに見に行ってこいと連絡した。
順番を取っとけということよりも、後ろに聾唖の人が並んでたことが大きい。池袋方面のバス停は、明治通りにある。私がバス停まで連れて行った段階で、もう列の最後尾は、メンズの109入り口付近。そこに並んだ時に後ろから肩を叩かれて、「池袋行きのバス停ですか?」と書かれたケータイメールの画面を見せられた。その人をひとりにさせとくわけにはいかないし。
私は会社に戻る前に、シブ地下におりて行って、FOODSHOWでサンドイッチみたいなのと飲み物を三人分買って、届けた。聾唖の人には、女の子から渡させて、コミュニケーションを取らせるようにしてた。


そのシブ地下で驚いたのは、夕方段階なのに帰宅をあきらめた人たちが、大勢座り込んでいたこと。もうぎっしりと。FOODSHOWにも、食品を売っている周囲に、かなりの人が座り込んでた。こんな風景、見たこともない。近い印象だと、なんか戦争で破壊された街の風景のようだ。
しかもそんな中で、普通に店は営業してるし、暴れる人もいない。やっぱ日本人て、スゴいよなぁと、ちょっと感動した。もしかしたら、スゴいんじゃなくて、ただ大人しいだけなのかもしれないけど(笑)


先々週だか、JR東日本の社長が石原都知事に、震災から3ヶ月以上もたって「帰宅難民を締め出してすみません」みたいなことを言ったというニュースが出てた。確かに私はその日、JR渋谷駅にシャッターがおりてのを見て唖然とした。メトロも東急もだけど。ああ、電車動いてないのねというメッセージにはなるけど、この寒さを避けるために、解放したっていいじゃん。トイレぐらい、解放したっていいじゃん。インフラ企業なのに、冷たいようなぁと。
そんなことを思いながらも、券売機もあるし、駅員で帰宅難民をコントロールできるかと、それも無理な話かもしれない。それぐらい駅周辺には人が大勢いたし、明治通りも246も見たこともないぐらいの人の波が移動してた。

実際の話、JRや電鉄会社よりも、行政は何にもしてない。都知事がJRの社長に、怒れるようなことをしたんだろうか。国にも都にも、なんのシナリオさえないんだなぁということが、この日に完全に理解出来た。
後日、理解出来たのは原発事故にさえ、なんの想定シナリオさえないんだということ。そりゃまあ原発事故ですら、なんの対策もしてなかったんだから、帰宅難民のことなんて、考えてるはずもないわね(笑)

はっきり言って、あの日、東京で暴動が怒らなかったのは、行政や政治が何かしたからではなく、日本人が想像以上に自制心を持っていたからだと思う。
もちろん被災地では、こんなもんじゃないんだろうけど、あの日の東京の光景は、忘れっぽい私も忘れないだろうな。



今日のBGM-5【サザンオールスターズ - 希望の轍

なんて、いい曲。


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