2020年に必要なチカラ
という、ありがちなブログタイトルみたいなので、某人材ビジネス最大手企業が学校向けにセミナーをやってるというか、その時のサマリーを印刷して営業してる。
あるところで、それを見せられてどう思うかと聞かれた。
そんなの本当に、仕事で2020年に必要なチカラを教えてくれるなら、私だって聞きたいわ。予測できるんならね。たいがい、そんなこと言ってるのはウソつきだ。
最近その手の本も出てたりするけど、いま目立ってる人にどうでしょうかと聞いたって、むしろ2020年にはダメになってる気がしますけどね(笑)
今はきっと大手ディベロッパーが、イケイケでウハウハだろうけど、オリンピックが開催されたら、それで終わり。不動産会社は、ババ抜きで逃げられるかどうかが分かれ目で。
1964年の東京五輪のあとも、急激な不況になったというし。そりゃあ、普通に考えれば、そうなるよね。
話を元に戻すと、人材ビジネス最大手企業は、こういうことが必要になりますから、学校は学生に進路指導しなさいよというコンサルティングをしてるってわけだ。
「2020年に必要なチカラ」がなんだと言ってるかというと、複合資格 複合スキル グローバル ASEAN共通資格 なんて言葉が並んでる。そりゃあまあ、あった方が有利なのは間違いないけど、弁護士と医者と税理士の資格持ってりゃ間違いなく強いわね(笑) って程度。
資格といっても、この先、弁護士だってどうなるかわからない。TPP以前から、海外の弁護士が日本国内で活動できるような地ならしが行なわれているように、私なんかは思ってるし。複合資格と言ったって、具体的に挙げないとあんまり意味がない。
それに学生のうちに資格取ればいいなら、資格の勉強だけしてればいいわけで、どうもズレまくってる気がする。
背景としては、いろんなことが書いてあるけど
製造業・建設業はこれだけ減ると。確かに3.11の復興工事が遅れているのも、人手不足と、それによる賃金高騰なんてことが言われているから、トレンドとしては減っているんだろう。だけど、国土強靭化計画や東京オリンピック需要で建設業に人がシフトしないんだろうか。
まあそれで、情報・サービス業に従事する人が半数になると。
産業的な需要のシフトと人材のミスマッチで、「人があまる」と言っている。こんなのもざっくり括ったって意味がない。たとえば、さっきも書いてる建設業で人が足りないけど、建築業で働きたい人は少ない。ITで働きたい人は増えるけど、スキル的に合う人材が少ないから、結果「人があまる」と言ってるのか。
ここが書いてるようなことは、最大手の見解だから、厚労省でも似たような予測がされてるだろう。でも単純に「人あまり」の中身はどうなんだろう。あまらないようにするには、複合資格があれば大丈夫?
未婚の人たちが増えてるのは、あまってるんじゃなくて、ミスマッチや結婚する気がないからなのよ。男が圧倒的に多い中国とは、状況が違いますからね。
そして2020年の働き方の想定として、こんなことが書いてある。
いやまあ、この想定は妥当だとは思うけど。
とりあえず、この会社のロジックはなんにも言ってないのと一緒。とりあえずどこの学校の参考にも、生徒の役にも立たないだろう。
これを見せてくれた人と話してたのは、こんなこと。ほとんど一致してた。
企業側が2020年の自社の姿を想定できてるかどうか
想定できてるなんて言ってる会社は、ボードメンバーの頭がおかしい(笑) 業種によっては2020年までのシナリオも業績予測も出来てるだろうけど、それは東京オリンピックまで。
企業の求める人材像もボリュームも不確か
それなのに2020年に仕事で必要なチカラを、どうやって想定できるのか。
企業じゃなくても士業の資格だって、どれだけ求められるのかわからないじゃないの。歯科医はいまでも余ってるというし。
そんなことを言いながら、あらためて読んでると「グローバル出稼ぎ」とか「ミニジョブを掛け持ちするハイスキルワーカー」とか「アウトソーシングが有力産業になって、プロ人材の有力な仕事先になる」とか、書いてあるじゃない。
ってことは、つまり正規雇用はあと数年でほとんどなくなるよと言ってるのと同じじゃないの(笑) いや笑えないけど、そういうことを具体的に言ってないだけで、遠回しにはそういうことよね。
グローバル出稼ぎって、遠洋漁業みたいなもの? たとえば工務店ごと工事の一部を請け負って3年間インドに行くとか、そういうイメージ?
ハイスキルワーカーって、少なくとも新卒じゃないよね。
プロ人材も新卒じゃないよね。
あ、だから最初のところに戻って、学校で出来るのは資格を取らせるとか、ダブルスクールで資格の取れる学校に行きなさいよ、とか。そんな指導しかできないってことか。
ということは、このサマリーに書かれていることを深読みするなら、極めて妥当なことが書いてあるってことね。
そこから、ふたりの話が一致したのは、進路みたいなことは親がわかる範囲で教えるしかないということ。
どう教えてるかというと、私は、業種や職種は自分の好きなものを選ぶしかない。スキルはどんなスキルだって、あっという間に陳腐化する。業種全体が良くなる悪くなるということと、その会社が業績いいかどうかどうかは別問題。陳腐化しても業績悪化しても、あるいは転職しようとしても頑張れるかどうかは、まず根本的なところで好きかどうか。なんていう情緒的なこと。
相手は、カリスマと言われる人がトップにいる会社は、避けた方がいいという。なぜなら、たいがいカリスマ以外は誰も幸せじゃないから。と、やはり情緒的な基準。
だってね、予測できないなら、好き嫌いとか、幸せとか情緒的な判断でいいんじゃない。
今、東京オリンピックで会場周辺が盛り上がるだろうと、湾岸の高層マンションが売れてるというけど、たぶん財閥系企業に勤める人が多いだろうという気がする。
そんなのね、地震があったら、壊れようがローンだけ抱えるのよ。財閥系企業だって、外資と合併してどんどんスリム化するのよ。
公務員になったら、安泰? アメリカは今、この街の消防署をなくして、隣りの街の消防署の担当エリアを増やそうとか、警察官をリストラしようとか、そういうことをやってる財政危機の州が少なくないのよ。ロボコップじゃないけど、警察の民営化とかね。
JR北海道の問題って、根底にあるのは乗客数だから、健全化しようとすれば路線を減らすしかなくなる。アメリカと似たようなものだし、状況的には追い越しちゃうかもね。
誰にとっても、これから仕事どうやって仕事していくかって、ホント重要。人のこと、どうこう言ってるより、自分のことだわ。
あ、そういや、前にもこんなこと書いてるし。同じ内容じゃないの(笑)