渋谷のスクランブル交差点で、カラダの感受性について思ったこと
昼を食べに出た時に、109前のスクランブル交差点を通った。そしたら若い女の子の三人連れが「すごいよね、どっちが優先とかないから、渡れないよね」と言いながら、ヨチヨチと渡ってた。
そんなこと言ってるのを聞いたのは、始めてだ。
下の動画に出てくるのは、ハチ公前のスクランブル交差点。外人が動画とかパノラマ写真を撮りまくってるところだ。よくネット上では、あれでブツからないなんて、日本人はみんな忍者とか、アメージング!とか言われてる。
でも動画を見てると、そんなにムチャクチャな方向に進んでるわけじゃない。
109前のスクランブルは、ハチ公前よりもはるかに人が複雑に動いてる。これだけの人混みを経験したことない人は、とまどってもおかしくないのかも。
それでもほとんどの人は、立ち止まらず、ブツからずに歩き続けることができる。なんでなんだろう。外国人は、どうしてこんなのが不思議なんだ。もしかしてパーソナルスペースが大きく違うんだろうか。
日本人のパーソナルスペースって、何かがちがう?
空間のテリトリー。西洋人が家族や親しい人とハグしてるのを見ると、そんなに強固で広い空間テリトリーを持ってるようには思えない。でも仕事上では腕組みして、それ以上近づくな、という感じにしてる人が少なくない。
日本人は、よほどじゃないとハグなんてしてないし、家族でも仲間内でもくっついたようになることは少ない。パーソナルスペースが侵されると、不安や不快になったりすると言われるけど、ハグとかくっつくというのは、恥ずかしいという気持ちでしょう。
くっつくのと、ブツからずに歩くというのは、かなり異なることなんだろうけど。だとすると日本人はパーソナルスペースに人が入ってくると、さっと避けるように動くんだろうか。まるでバリアがあって、でも相手を弾くんじゃなくて、自分が弾かれていくような。
通勤電車を考えると、他人と接触するのは、かなり不快だ。だから普通は、なるべく接触しないように心がけるはずだと思うけど、最近はそうでもない。スマホ、ケータイ以前は新聞や雑誌を読んでる人ぐらいだったけど、今や接触するどころか、もたれかかったり、パーソナルスペースを確保しようといろんなことをしてる。本-216『あたりまえのカラダ』で書いたけど、あちこちのバランスを崩してる。
なにかに気を取られていると、バリアのセンサーみたいなものが内向きにも働かず、周囲の人にも向かない。停止しちゃって我しかないんだろうなと思ったり。
それがスクランブル交差点みたいなところでは、ちゃんと外向きに作用するんじゃないのというのが私の想像。
日本人は狭い住居で暮らしてきたし、今もたいがいそう。村社会での生活も長いし、今も会社やネット社会になっても似たようなもの。村の数が増えただけで、村の世界そのものは、どんどん小さくなってる。そんな中で、ぶつからないことが作法として身体化されてるんじゃないかと。
それが満員電車の中で、鈍く思えるのは、パーソナルな世界や、ごく小さなコミュニティの中に閉じこもって、まるで目と脳と指なっちゃってるからだったりして。
不特定多数と接する時には、長年蓄積された、ぶつからない器用さが出てくる。
あくまで、想像ですけどね。
人混みで、ぶつからずにスタスタ歩くには
私、人とブツかったことがないんです。ブツかられたこともないし。いや、荷物をぶつけられたことはあるな(笑)
特に意識してブツからないようにと意識してるわけじゃないけど、人混みを歩くのは合気道の多人数取りの稽古だ、ぐらいに思ってやってます。
そんな方法を書いたからって、誰にでもできることなのか、参考になることかもわかりませんけど。はてなに引っ越して来てから、役立つことを書くのがお約束なのかなと、へんなプレッシャー(笑)
◯視線を散らす
真っ直ぐ前を見るとしても、凝視しない。ぼーっと、広い範囲を見る感じ。前から来る人に意識が捕われてたら、斜めから来る人とのぶつかる。
もう少し詳しいことは、こちらに書いてます。
◯半身になりながら斜め前に進むのが基本
クルマでなら、ブツからないようにするには止まればいい。だけどスクランブル交差点みたいなところで立ち止まったら、あちこちからブツかってこられる。
真っ直ぐ歩いててブツかりそうになったら、半身になりながら斜め方向に進むと、たいがい入れ違うように進める。それでもぶつかりそうになったら回転するというのもあるけど、その場合だけはキュっと止まる。
◯荷物を持ってない手を小さく使う
ブツかりそうになったとき、前へならえ、ぐらいの出し方で、歩きながら自分の進みたい方向を示す。そうすると、自動的にやや半身になるし、相手にもこちらが進む方向が伝わる。
相手に、どうぞとやるときも、同じ。バスガイドさんが「こちらに見えますのは〜」と、やるみたいな感じで相手に伝わる。声を出さずに手だけで意志の疎通をしてしまう。
◯すれ違うとき、荷物はカラダの前か後ろに
それでも一番キケンなのは、荷物。自分の前を横切った人の後ろからキャリーバッグが現れるとホントにキケン。ただキャリーバッグ引いてる人は、たいがいスタスタ歩いてる人より遅いから、じゃっかん遅めの人が迫ってきたら、下にも注意。
逆に自分が荷物をブツけてしまうことがないようにするには、すれ違うとき、自分のカラダの幅、つまり肩幅や腰の横幅ぐらいに合わせてしまう。カラダの前でも後ろでも身の幅で、カラダのそばで持つと、カラダと同じように扱えてブツからない。
あとは、周りの風景が珍しくても、どんなにキレイなオネエサンがやってきても、キョロキョロしない。それでバッチリです(笑)
今日のBGM-307【 Yukihiro Takahashi - Walking to the Beat 】
この流れてしまわない、強烈なビートがカッコイイ!
Walking to the Beatのリズムじゃ、歩けませんけど(笑)
WILD & MOODY/高橋幸宏