IT系企業のぐいぐい来るアプローチは、どうしてエスカレートする?
昨日、面白い話題がツイッターのトレンドになってた。アメリカのテレビで天気予報の生放送中、激しい雷雨がアメリカ大陸を縦断中という天気図の上に、Windows10へのアップグレードをうながすポップアップが登場。天気図を隠してしまった。
マイクロソフトにしたら、あ~やっちゃった。こんな風に晒された。うながす手段を見直さないと。と思っているだろうか。それともなんと思ってないんだろうか。
Windows10への無料のアップグレードをうながす手法は、以前から評判が悪かった。ユーザーの許可なく、アップグレード寸前まで行ってしまうというのだ。
マイクロソフトだけじゃない。しつこくないIT系の企業には、お目にかかったことがない。どんどん宣伝非宣伝問わず、ぐいぐいくるアプローチがエスカレートしてる。
私は家でも会社でもMacなので、Windowsは関係ないっちゃ関係ない。いやMacだって、アップデートのお知らせはうるさい。小さいけれども画面の右上にOSやアプリケーションのアップデートのお知らせが、しない限り、ずーっと表示されるのだ。選択肢は再起動してすぐアップデートするか、後で行うかだけ。無料だからいいようなものの、OSのアップデートをすると、入っているアプリケーションに不具合がないとも限らない。
というか、現状で特に不満がないのに、なんでわざわざしなきゃいけないんだよ。たぶんメーカ-は、パワーアップしましたとか利便性の向上だけではなく、脆弱性を解消して安全性を高めました。アップデートしてくれないと、サービス全部使えませんからね。とでも言いたいのだろう。
Windowsはどんなことなのか、あまり知らないけど、MacならiPhoneやApple Watchとか他のデバイズも使うと便利でクールよとか、iCloudとかApple Musicとか、iTunes Storeなどの有料サービスも含めた囲い込みだろう。
アップデートするのが当たり前、なにか疑問でも?というスタンスは、けっこう不思議だ。
ネットの世界ではリターゲティングという、つきまとう広告が主流だ。やっている会社は、めちゃめちゃやってる。代表格はAmazonだ。広告だけじゃなく、メールも欲しいんでしょう~うりうり、とばかりに送られてくる。日本だとGMO関係がしつこいなんてもんじゃない。傘下のお名前ドットコムなんて、このドメイン買いませんか、お得ですよというニッチなメールと1日に6回ほど送ってくる。
メールならもちろん拒否すりゃいいんだけど、ユーザーなら全部を拒否するわけにいかなかったりするから、やっかいだ。
しつこくすることで、いやがられる。なんだよ、この企業このブランドは、みたいに嫌われることを考えないんだろうか。
いや、もちろん考えてるでしょ。だけど、しつこくすれば確実に売れる。高い金出して買ってくれたのがお客さまじゃなく、出し続けてくれる人こそがお客さまです。みたいな発想なんだろう。
スパムメールは何百万通と送っても、ほとんどコストはかからない。99%に嫌われても1%が引っかかってくれれば、ほぼコストゼロで利益だけが上がる。
そういうビジネスモデルモデルを手本にしてるのよね、IT企業って。それをしなきゃ株価が暴落するじゃんとか、役員ならクビになっちゃうわ、とかあるんだろう。
いやでも、根本は人を見ずに売上げの伸びだけに注目してるから。利益の最大化ばかりを考えてるから。
そんなことがいつまでも続かないと思うんだけど、どうなんでしょ。なんか『限界費用ゼロ社会』を読んだ感想で書き忘れたことを書いた感じね。
だけど、そんなことぐらい、多くの人が思ってるだろう。しつこいのには、うんざりだと。
それにパソコンなんて、仕事以外じゃ使わないよ。プライベートじゃスマホでいいし、OSのアップデートなんて買い替えのときでいい。みたいな傾向が強くなってるんじゃないだろうか。
もしそうなら、ガジェットとか他のサービスをくっつけていく、増やしていくしかない。なら、IoT に行くのは必然。
でも、たとえばモノがつながればつながるほど、インターフェイスや機能が変わるOSのアップデートを嫌がる人は多くなるんじゃないだろうか。
ぐいぐい来るメールやプッシュ通知だって、増加の一途をたどる情報の大爆発の中では、どんどんノイズ化してしまう。
もしかすると今はぐいぐい来るアプローチが最大化している時期で、これから先は減少する一方になるのかもね。
今日のBGM-414【 Senor Coconut - Behind The Mask (Don Atom's "Super Volt" Mix)】
このリミックスじゃないけどアトムハートの名盤です。