不透明なチカラですが、なにか?

テーマはいろいろ。というか絞れません。2013年7月以前は他のブログサービスからインポートしたので、リンクや画像等がなくなってるかもしれません。

Googleがえぐり出す残酷な世界

Googleのやっていることに、プライバシーの侵害だと怒る人もいる。一方でGoogleを大絶賛する人もいる。

私はたぶんGoogleの機能を一般的な水準より積極的に使ってるし、便利だと思う。でも一方で、邪悪だとまでは行かないけど、かなりキケンな存在だと考えてる。だから注意しながら、距離を保って付き合うみたいなスタンスだ。

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最近、あったふたつの事件

人気の高額セキュリティアプリ、実は「何もしていなかった」

海外のGoogle Playで人気だった有料セキュリティアプリが、内部で何もしていない詐欺アプリだったことが判明したという事件。これに関しては、Googleは購入者に謝罪と返金を行ったそうです。

 

陳謝をメールとは…グーグルに鉄道会社あきれ顔

秘密保持契約を結んでGoogleに送っていた空港や駅、商業施設の図面がネット上に公開状態になっていた。それに対して、Googleは報道後にメールで謝罪。読売新聞は、メールで謝罪されて各社あきれ顔というトーンでまとめている。

こちらは本来、損害賠償ものだし、公共施設の図面だから警察が事情聴取したっておかしくないと思うけど、続報はまったくない。メールでの謝罪という方法の問題より、重大なところに着目しない新聞はどうかと思う。

とりあえず、そこは置いておいて、メール謝罪ということに関して、一部では何が問題?という声も少なからずある。そんなこと言ってるから、日本は遅れてるんだという意見。

私はけっこうビックリするんだけど、Googleはネット上だけで完結してる会社じゃない。自社なのか代理店なのか、そこの区別は別にして、人的な直接営業をかなりしている会社だ。ダイレクトメールだって、使ってる。

そういうことを知らないのか、世の中を便利にしている先端企業だからメールがあたり前でしょと思ってるのか。秘密保持契約を結んでいてさえ漏らすんだから、結んでいない個人の情報なんてダダ漏れさせてもまったく平気だろうなと想像してしまう。

ああ、もしかして、こういう思考の人が増えてきているのかと思って、ゾッとした。

本-45『Googleの脳みそ』

著者は日経新聞編集委員だ。この本では“許可をもらうより、謝った方が楽だ”という思考回路だという。積極的に評価してる。

Googleの脳みそ―変革者たちの思考回路

Googleの脳みそ―変革者たちの思考回路

 

確かに新しそうな会社は、ほとんど問題があることを放置して事業を始めてるように思える。だけど重大な問題を起こしても、テンプレートのメールを送ればそれでokとまでなってきたら、これはけっこうヤバいでしょう。新しい公害なのかも。

結局のところ、やっていることは、まず自分たちの利益。そのためには個人のプライバシーや事情みたいな小さなことは関係ないというスタンスだと、邪悪そのものだ。いや、たぶん邪悪じゃなくて、他人のことを想像できないニブい人たちの集団。Googleだけじゃないけど、そういう人たちだとしたら、創り出す未来は明るくない。

 

 知らない人は、置いていかれる世界

ストリートビューが始まって、うちも映されてるのを発見して、即座に削除依頼を出した。出し方は、ものすごくわかりづらい。

その1年後ぐらいに、うちの自治会で問題になったそうだ。洗濯物や家の中がバッチリ映ってるのもある。高級住宅街ならともかく、日本の家屋は、外に対して開いているものが多い。ストリートビューカーのカメラは上から覗き込むようなアングルでも撮ってる。

そんなものが、ネット上にあることを知らない人だって多いし、知ったところで自力で削除依頼を出せる人がどれだけいることか。

親しい人には、説明したけど、ネットで買い物をするようには、とても行かないわね。

 

普通、Googleの仕組みなんて知らないよ

この間の休み、奥さんが調べて欲しいという。

説明が難しいけど、かつて近所にあった店。子供の幼稚園が同じなど、さまざまなことで接点があり、親しかったAさんが経営する店が、ネット上に出てきたという。うちがかつて買ったもののことで、相談しようと思って、同じ系列の店を探そうと検索したそうだ。

Aさんの店は、何年か前に倒産。根っからの職人なので、数字には疎い。ドラマなどでも何度も使われたほど、店の見た目もよく、多くの客が付いてたはずなんだけど。倒産前に、離婚もしてる。

店名で検索すると、かつてのAさんの店のとなりの町名のものが、トップに出てきた。ところが電話番号は、昔のものとは違うし、HPはリンク先がNot Foundになってる。

この電話番号にかけていいものかどうか、奥さんは悩んでる。他の経営者の系列店に相談するより、Aさんに相談できるならその方がいいけど、HPがないのか、それともリンクが間違ってて、どこかにあるなら探し出してほしいと。

 

う〜ん、検索トップに出てきたのはGoogleローカルのページだ。最低限の情報しか出てない。私はこれって、もしかしてと思って調べたら、やっぱり情報元はiタウンページだった。そのままだ。

 

Googleは、電話番号が大好きだ。固定電話があることが、そのまま本人確認がわりになっているようだ。Googleプレイスでは、ウェブサイトに電話番号が紐づいていると、少なくともかつてはそのまま載せてた。Googleローカルも同じ。

かなり詳しい人でも、このことは知らないことが多い。

電話を引いて、iタウンページに載せる。すると、そのままの情報で、勝手にGoogleローカルページが生成される。

Google検索では、iタウンページより、はるかに上位にGoogleローカルページが出る。すると見た人は、あたかも店があるように思える。店があるなら、もちろんプラスだ。

 

Aさんは店を再起させたのか。住所が載っているので、Google Mapで検索してみた。ぎりぎりストリートビューがあるようだ。

ストリートビューで見てみると、これが朽ちたアパート…

なるほど、理解できた。Aさんは店を再起させたんじゃなく、会社でもなく、同じ屋号で、新しく電話を引いた。たぶん自宅でコーディネーター的な仕事をしているんだろう。

Googleのサービスで、ここまでわかってしまう。

これが、いいことかどうか。

Aさん本人は、商売だからタウンページに載せただけで、まさかGoogleのいろんなところに情報や画像が出ていることなんて知らないだろうな。

 

今日のBGM-337【 U2 - Where The Streets Have No Name 】

いやぁもう、名もなき場所なんてないよね。隠れる場所なんてないし。過去を消すことだって、難しい。どうなのよ、そんな世界。

あるのは、自分から積極的に晒すことだけじゃん。

 

Amazon - U2/The Best Of 1980-1990 & B-Sides