不透明なチカラですが、なにか?

テーマはいろいろ。というか絞れません。2013年7月以前は他のブログサービスからインポートしたので、リンクや画像等がなくなってるかもしれません。

就職/採用活動は、ダマしあいなんだろうか

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現実感を持っている人と数字だけを見ている人の差

このところやたらと出回っている、このツイート。あちこちで、論争を呼んでいるらしい。私はこれを見たとき、都心の店だったら、これぐらい予想してなきゃ営業できないわと思った。 

 

 

貼り紙を書いた人は、面接時に確認してるのに、どうして×を付けるんだという憤りを持っているんだろう。書き方はともかく、まあ常識的な反応。

逆にアルバイトを受ける側は、受かるためにはそれぐらいのウソは許されると思ってる。いや、私はアルバイトのことは話に聞いているだけだ。

でも社員なら、それなりにわかる。新卒なら「採用されたら近いところに引っ越します」とか、中途でも「新しいことにどんどんチャレンジします」なんてことを決まり文句のように使ったりするけど、そんなのは、まず信用しない。

律儀に言ったことを守る人は、トラッドな大企業を目指すし、その手の企業ならもし採用時の約束を入社後すぐに破ったりしたら、出身校にクレームを入れるとか、相応の復讐をするはずだ。

 

よほどの人気企業でもない限り、そんなことをしていたら誰も採用できなくなる。だけど面接もしていないし、新入社員と一緒に仕事をすることもない偉い立場の人たちは、どうだろう。

役員はキチンと採用しろ。事業計画があるんだ。退職者が多いと君の評価に響くと部長を指導する。部長は課長を、課長は係長を厳しく叱責し、上のツイートの場合なら店長に脅しをかける。下に行けば行くほど、プレッシャーの度合いは強くなる。

いや、たぶんそういう会社は少ない。なんたって、今の時代、都心の店でそんなことをしてたら営業できなくなる。あのほら、すき家のようにね。


 

最近のエラい人事情

かつては部長とか取締役になると、尊大な態度の人が多かった。いまでも上場企業のエラい人はまだまだ尊大な感じの人が多いと思うけど、どんどん減ってきているんじゃないだろうか。

それは世代が変わってきたからじゃなく、当然だけどマネジメントのスタイルが、命令するだけじゃダメだと気づき、勉強する人が増えてきたからじゃないかと思う。

そしてもう一つは、若ければ若いほど、簡単に会社を辞めてしまう。大企業でもここでもう少し辛抱して上に行ければとか、生活のためにとか、そういう“合理的”な思考で考えずに辞めてしまう。“合理的”とは、上から見てこうなるはずなのにという机上の理屈だけのことだ。だから現実のマネジメントは、人間の感情も考えなきゃダメだとなってきた。

 

 

現場のエラい人事情

上に貼付けてるツイートの貼り紙は、たぶん店長的な立場の人が書いたんだろう。店長なら、お店の現実を知っている。繁忙期に人がいなきゃ、営業できない。だから面接で確認してるだろうよと。

だけどアルバイトパートをする立場からすれば、とにかく採用されれば、あとはどうにかなると考えてる。だってお店だって永遠に続くわけじゃないし、今までバイトしてたところだって、景気が悪くなれば「辞めてくれ」と言ってきたり、いきなり閉店しちゃったし。店長だって、明日首切られるかもしれないでしょ。って言いたくなる。

たぶん店長は、いまの自分の役割をしっかりやるしかないと思ってる。それはきっと正しいんだけど、ポイントは「いまの役割」ってところ。「来年の役割」じゃない。自分だって、それだけのことでしかないのに、アルバイトパートには、年末年始のことまで約束させるのは、どうなんだろう。

採用条件とするなら、最低限アルバイトパート雇用契約として明記しないと。でもそうすると、逆に大勢の人が入ってくれるとなったときに、困ったことになるでしょう。

 

現実は、今なら日本人が採用できない。繁忙期に入ってくれない。夜間や早朝は難しいとなってるのに、どれだけ日本語が話せても外国人は採用したくないという店長だっているそうだ。

そうなれば、営業時間を短縮するしかないのに、数字でしか見ない上の人たちは、そこをなんとかしろと言ってくる。ここまでなら時給を上げてもいい、採用活動費を増やせとか。

いやぁ、根本的には、そういう問題じゃない。少子高齢化と意識の変化が背景にあるのに、少々時給を上げたところで、どうにかなることじゃない。

 

 

変化は、正社員だって同じこと。

いま新卒で就職活動をしている人に、「定年までこの会社で働きたい」と考えている人が増えているそうだ。これだけ企業がバンバン倒産している時代に、夢見る夢子ちゃんかと思うけど、不安だからこそ、定年までという希望が出てくるんだろう。

だけど確実に潰れないのは国のバックアップがあったり、政策で儲けている企業だけだ。市場がこれだけの速さで変化しているんだから、当たり前のこと。端的に言えば利権つながりのある会社だけ。

 

社名が同じでも、海外のファンドが所有していたりして、中身はまったく違う会社なんていうのが山ほどある。ずっと働いている人が、どれだけいるだろう。

ホリエモンライブドアは、もうない。ライブドアという社名は残っていても、個々の事業は切り売りされたり、倒産したりして消滅してる。情報メディアとしてのブランド名は引き継がれてるけど、資本関係はまったく違う。LINEは韓国資本だし。

とまあ、そんなことは大勢の人が知ってるから、ひとつの会社が百年も存続するとは思わないし、「定年までこの会社で働きたい」とはなかなか思わない。

 

逆に「定年までこの会社で働きたい」と考える人たちが入社したら、その企業のエラい人たちと同じく「お家事情が第一」の礎になって、現実を無視したことを他人や取引先に求めそうだ。

 

 

日本テレビ「女子アナ内定取り消し」騒動で、透けて見えること

日テレに内定をもらっていた女子大生が、「母親の知り合いの銀座のクラブから頼まれ、お手伝いでホステスのアルバイトをしていた」ことが発覚して、内定が取り消された。それを不服として、裁判を起こした。

日テレは「アナウンサーには、極めて高度の清廉性が求められる」「内定時の申告に虚偽の内容があった」というのが、内定取り消しの理由なんだそうだ。


私はこれを読んで、日テレってバカだなぁ、世間知らずの上層部が採用を左右してるんだなぁと、笑いそうになった。日テレの主張は、ブーメランで自分に帰ってきて刺さるだけだ。

 

裁判の結果がどうなるか知らないけど、なにより根拠としている「自己紹介シート」を書かせた時期が早すぎて、経団連の『採用選考に関する企業の倫理憲章』に違反しているという。放送法の認可で守られてるテレビ局が、大企業ルールを破って青田刈りしているなんて裁判でも明白になって、報道機関としてやっていけるんだろうか。

他のテレビ局やメディアが騒げば、社長辞任にまで行く案件になるかもね。

 

いや他のテレビ局だって追求できない。世間の一般的な感覚でホステスのバイト暦がアナウンサーには、極めて高度の清廉性が求められる」ことに反するとしたら、たぶん大勢のアナウンサーが辞めなきゃいけないことになる。きっと週刊誌なんかは、過去のホステス歴を洗ってるだろうなぁ。

いまどき、見た目に自信のある女の子は、興味本位でキャバクラなどの経験があるケースが多くないだろうか。どれぐらいの割合かと言われると、そりゃあ分からないけど。

 

だけどどこの誰が、アナウンサーに「極めて高度の清廉性」を求めてるんだろう。テレビ局に「あのアナウンサーのファッションは露出し過ぎ。品位に欠ける」なんていう電話をわざわざするのは、欲求不満が裏返ってる人だけかもね。

 

短期の銀座のホステスがダメなら、大企業のパーティでコンパニオンするのはいいの? コンパニオンまで広げたら、テレビ局は男性アナばかりになりそうよ(笑)

その手の職業が成り立つ背景には、かなりテレビ局が貢献してるよね。

 

さらに記事によると、「週刊誌に好きに書かれる」「本人が耐えられるか」という背景があるみたいだけど、そういうゴシップだって週刊誌と競ってるのはテレビ局でしょう。

経団連ルール破りといい、日テレのエラい人たちは自分たちがやっていることを自覚せず、人にだけ清廉性を求めるという客観性のなさ。

 

大企業がこういう矛盾ぶりなら、就職活動する側がその場を取繕うウソついたって責められない。

あちこちで価値観が入り乱れていて、いびつだけど、採用する側もされる側も、実質的なウソはいくらでもある。そういう時代ですって。

 

今日のBGM-363【 Avicii - Levels 】